ここではデイケアのお話しをしたいと思いますが、その前にデイケアとデイサービスの違いは判りますか。
介護職が利用者の日常介護を行うのは2つの事業所とも共通ですね。大きな差はリハビリのみ。じゃぁ、別にどっちで働いても一緒なんじゃないか、とお思いの方もいると思われますので、デイケアでの仕事内容や働くメリットを説明しましょう。
リハビリも兼ねた日常生活動作が学べるデイケア
最近の病院は治療方法が進化してきているので、早期退院が多いです。その為、急性期が終わり回復期になった頃には在宅復帰と、自宅へ戻るタイミングが早くなってきました。療養型病院・老人病院というものが縮小化され、高齢者でも早くに在宅復帰するようになりました。退院後に集中して行う専門的なリハビリが、ADLの回復には一番大事ですが、退院後の高齢者が毎日病院に通うのは大変、病院に行っても待ち時間ばかりで実際にリハビリを行うのはものの数十分で、大事な時期に病院へ通わなくなる高齢者も多くなっています。
この大事な時期に関わっていくのがデイケアです。自宅の生活環境に合わせた動作を専門分野の理学療法士などに指導してもらい、利用者を元の日常生活に戻していくことが求められます。ですが、実際デイケアの現場にいる理学療法士などの専門分野の職員は数人しかいません。圧倒的に介護職のほうが多いですし、介護職のほうが利用者と関わる時間が多いです。その為に介護職も生活動作を兼ねたリハビリの担い手になります。
病気の後遺症や経過の観察力・注意点などを理学療法士と情報交換し、利用者の現段階の状態から今行うべき動作や注意点を学ぶことができます。また、理学療法士は適宜自宅への状態確認は行えますが、介護職のように毎日送り迎えはしません。毎日、利用者・家族・自宅の状態を確認できるのは介護職なのです。
例えば足を骨折後の利用者が、自宅の玄関の階段を上がれるように理学療法士が毎日リハビリを行います。リハビリ以外の時間は介護職が足を上げる動作・足に力を入れる動作を取り入れた生活介護を行います。また、その状況を家族へ説明し、現状利用者がどこまで出来るようになっているかを説明し、自宅での注意点を伝えます。
このように自宅の状態・家族の状況・利用者の状況を的確に理学療法士へ情報提供し、その時その時にあったリハビリを行う手伝いをする、少しの時間でも利用者個々にあった生活リハビリを行えるよう、専門的な学び・介護の提供が出来る場です。
もちろん、介護職としての日常生活介護も行わなければいけないので、仕事は盛りだくさんです。
デイサービスと同じで泊まるデイケアもある?
デイサービスでお話ししたようにお泊りデイサービスというサービスがありますが、デイケアでこのように泊まりを組み込んでいる所は殆どありません。
実際お泊りデイサービスのように介護保険で担っていない「お泊りサービス」なので、デイケアで「お泊り」サービスを今後始める施設があるかもしれませんが、夜勤職員を考えるとデイサービスより専門的な職員を雇っている分コストが増えてしまうので殆どないと考えたほうがいいでしょう。ですので、デイケアで働くというと日勤が主です。
デイケアの中には老人保健施設や病院に併設している所も多くあります。筆者が働いていた老人保健施設の併設デイケアの職員で、デイケア所属希望だったのが老人保健施設に移動になったこともありました。施設によって異なりますが、異動という事もあるので、併設デイケアで働く場合には異動はるのかどうか確認しておくことも大事です。
介護士から理学療法士へのキッカケにも
体の機能やリハビリに興味がある人はこの事業所がベストでしょう。実際介護職として昼間にデイケアで働き、夜間学校で理学療法士の勉強をしている人もいます。現場に教えてくれる先輩もいますし、教科書にはない事例ともか関わることが出来ます。学校では学べないことが、現場に沢山あります。興味がある人は一度働いてみるのもよいでしょう。
また、昼間だけの仕事の為、家庭がある人や子育て中の主婦の人にもおすすめです。
様々な職種と接することで、いろんな知識を吸収しましょう。
身体介護の方法は利用者の体の状況によってさまざまです。長年働いている介護士であれば臨機応変な対応方法も知っていますが、実際体の状況に合わせて対応しようと思うと体験からだけではなく、体をよく知っている看護師や理学療法士がいる施設で学ぶのが一番です。
身体介護はどこの施設でも必須のスキルなので、沢山の職種や沢山の利用者と経験の浅いうちから接することがスキルアップにも繋がります。
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