当サイトには広告・プロモーションが含まれています。

ケアクラークってどんな資格?資格を取得する方法や他の介護系資格との違いを解説

ケアクラーク

介護業界の資格にケアクラークという資格があります。

あまり聞きなれない資格とは思いますが、この資格で出来る仕事は介護事務と同等の仕事です。

介護事務と一緒の仕事が出来るのに、名前が違うってどういうこと?事務以外にも何か特別なことが出来るのでしょうか

また、同じような介護事務の資格に、介護事務管理士という資格があります。同じ仕事が出来るのに、なぜ名前が違うのか疑問ですね。

そもそも事務職は資格がなくても出来る仕事ですし、介護事務管理士の資格があるのに、なぜ新しい資格が出来たのか不思議に思う人もいると思います。

ここではケアクラークの資格を取るための勉強内容、仕事場所、資格を取るメリットを詳しく説明しましょう。

そもそも、ケアクラークってどんな資格?

まずはケアクラークとはどのような資格なのか、どういった特色があるのかについて紹介していきます。

これらを理解することで、どのような仕事に結びつくのか、どういったシーンで必要とされるのかが分かるので、チェックしてみましょう。

資格の目的

ケアクラークは介護事務業務の従事者として十分な知識と技能レベルを所有していることを表す資格です。

資格内容の一例として次の4点の知識・技能レベルを評価、認定します。

  1. 社会福祉制度の知識
  2. 介護報酬請求事務
  3. 窓口業務
  4. 日常的な事務処理

これらに関する知識と技能レベルを持ち合わせていることをケアクラークによって証明することができれば、介護事務業務従事者としての職業能力向上、社会的地位の向上に役立つと考えられます。

資格の特色①:介護事務職の普及拡大

超高齢化社会に際し、老人、障がい者など介護分野への期待は大きくなる一方です。

一方で人手不足状態が慢性化しており、多くの人材を確保することが必要不可欠。

しかしスキル格差や、介護事務に関する必要な知識を有していない人ばかりだと施設の機能に支障をきたす可能性も出てきてしまいます。

そこでケアクラークという資格を作ることで、一定基準以上の介護事務のスキルを証明することができ、職業として認知されやすくなるでしょう。

実際に求人情報を見ても、ケアクラークを所持していることが条件となっている施設も増えてきています。

ケアクラークはデスクワークが中心となるため、ヘルパーとして活躍できるほど体力に自信のない方や、パート勤務を希望する方にとって働きやすい職種です。

需要が増えると予想される介護事務の仕事を検討している人にとって、ケアクラークは1つの注目資格として機能すると期待されています。

資格の特色②:介護事務に関する知識・技能の認定

介護事務の仕事は「正確さ」は当然のこと、福祉や介護に関する十分な知識が必要不可欠です。

もし知識や技能が不十分な人材が介護事務を行うと、施設を適切に運営できない可能性があるだけでなく、利用者に不利益を被らせてしまうケースも。

このような事態を避けるためには、介護事務に関する適切な知識・技能を持ち合わせている人材を登用することが不可欠です。

ケアクラーク所持者は介護事務の知識・技能を認定された人物であり、全国の施設や事業所で、ケアクラークとして活躍できる証明となります。

介護事務の仕事内容とは

ここからはケアクラークが担当する、介護事務の仕事内容について紹介していきましょう。

具体的には次の7つが挙げられます。

  • 介護報酬請求
  • 利用者向け請求書作成
  • 来客対応
  • 電話対応
  • 備品管理
  • 設備管理
  • 勤怠管理

それでは各仕事の内容をみていきましょう。

介護報酬請求

介護事務の仕事の中でも重要な仕事です。

介護サービス費用は国が9割負担、利用者が1割負担となります。

この国が負担する文の金額を請求するための請求書を作成するのはケアクラークの仕事です。

利用者向け請求書作成

上述したとおり、サービス費用は利用者が1割負担します。

利用者への請求書を作成するのも介護事務の仕事です。

利用者が多い施設や事業所になれば、それだけ多くの請求書を作成しなくてはならず、ミスの無い正確な仕事が求められます。

来客対応

新規利用者や業者などが来たときに対応するのも介護事務の大事な仕事です。

特に初めての利用者にとって、第一印象は非常に重要となります。

いかに過ごしやすく、そして安心できるか気を配るようにしましょう。

電話対応

電話を受けるのは介護事務の担当となっていることがほとんどです。

利用者、市役所、業者など、様々な電話に応じられるスキルが求められます。

施設・事業所のサービス内容をある程度は自分で答えられるだけの知識が必要で、要件をきちんとヒアリングすることが大事。

自分で対応できない範囲はスムーズに担当者と取り次ぎましょう。

備品管理

おむつ、ゴム手袋、テープ、封筒など現場で必要な備品をチェックし、必要になれば発注するのも介護事務の大事な仕事です。

設備管理

設備に関するトラブルは介護事務が対応しなくてはなりません。

例えば次の3つ。

  1. 冷暖房の不調
  2. 電気がつかない
  3. 水が流れない

状況によっては介護職に説明し、一緒に対策をするケースもあります。

勤怠管理

給与の計算といった勤怠管理は介護事務の仕事になります。

職員の給料、モチベーションに直結する大事な作業なのでミスが起こらないよう細心の注意を払いましょう。

夜勤手当の計算など複雑なものもあるため、知識と技術が求められます。

介護施設でのケアクラークの給料と待遇

介護事務ですので内勤務業務となります。

月末から10日以外であれば比較的定時で帰宅できることが多くあります。

給料についは、他の事務職と変わらず月、14万円~16万円位です。

年収では賞与などを含め、220万円から250万円位です。

またパートタイム勤務なども多くあり、時給については800円~1,000円位です。

特に資格手当といったものなどはありません。

施設によっては常勤勤務が1人のみといったところもあります。

急な休みなどがある場合は、事前に説明やその他の職種の人に連絡することでカバーできる点も多くあり、家庭と仕事の両立もしやすいです。

職場も女性が多く勤務しています。

ケアクラーク技能認定試験の内容

ケアクラークの試験内容は大きく分けて2つあります。

筆記試験と実技試験です。

学科

まず学科試験ですが、

  • コミュニケーション能力
  • 社会福祉
  • 医療知識
  • 介護概論
  • 介護技術
  • 介護保険
  • 介護事務業務

があり、とても幅広い出題範囲になっています。

学科の出題範囲を一覧表にまとめたのでご参照ください。

審査領域 審査基準・細目
1.人間関係
(コミュニケーション)
(1)人間関係の基礎・発達
(2)援助的態度
(3)コミュニケーションの技法
(4)コミュニケーションと人間関係
(5)心理的援助法
2.高齢者・障害者の心理 (1)老化とその心理的影響
(2)高齢者の心理的特性
(3)老年期の精神障害
(4)障害とその心理的影響
(5)高齢者・障害者への対応
3.社会福祉 (1)現代社会における社会福祉の理念と意義
(2)社会福祉サービス体系の概要
(3)社会福祉の遂行と福祉専門職
(4)社会福祉をめぐる我が国の動向
4.老人福祉 (1)高齢者の精神的・身体的特徴や障害
(2)老人福祉の法とサービスの体系
(3)民間シルバーサービスの社会的意義とその現状
(4)高齢者に対する総合的援助
5.地域福祉 (1)地域福祉の理念と内容
(2)地域福祉の推進方法
(3)地域福祉の現状
6.社会福祉援助技術
(ソーシャルワーク)
(1)社会福祉援助技術の体系・内容
(2)社会福祉援助活動における専門援助技術
7.介護概論 (1)介護の役割と範囲
(2)看護・医療および家政との関係
(3)高齢者・障害者の介護
8.介護技術・
障害形態別介護技術
(1)食事、排泄、衣類の着脱などの介護の基本的技術
(2)高齢者の介護技術
(3)視覚・聴覚障害者の介護技術
(4)肢体不自由者・内部障害者の介護技術
(5)福祉用具と介護方法
9.リハビリテーション (1)リハビリテーションの概念
(2)リハビリテーションチームと専門職
(3)リハビリテーションの種類
(4)社会資源と地域リハビリテーション
10.医学一般 (1)人体の構造・機能と病的状態
(2)高齢者の生理的特徴と代表的疾患
(3)公衆衛生の概要
11.介護保険制度 (1)介護保険法
(2)介護保険制度の仕組み
(3)要介護認定から介護サービス計画の作成まで
(4)介護支援専門員
(5)予防給付費・介護給付費の算定
12.介護事務業務 (1)介護事務職員の役割
(2)介護報酬請求業務
(3)指定申請事務
(4)介護関係事業者における個人情報の適切な取扱い

これだけ範囲が広いのですが、問題は25問のみです。

事務の資格ですが、このように出題範囲が幅広いのがケアクラークの特徴です。

実技

実技試験は請求業務(レセプト)の作成を2問行います。

出題範囲は次の表のとおりです。

審査領域 審査基準・細目
介護報酬請求事務 (1)居宅サービス介護給付費明細書の作成
(2)施設サービス等介護給付費明細書の作成

実技は時間以内に如何にして正確にレセプトをこなすかが一番大事になります。

実技試験の対策は繰り返しレセプト問題を解くしか勉強方法がありません。

試験の概要

ケアクラークの試験概要については下のようにまとめました。

受験を検討中の方は、チェックしてみてください。

受験資格 問いません。
試験日程 年3回(5月、9月、1月)
試験実施方法 在宅試験
※受験は日本国内のみ。
※団体受験校については学校からの案内を確認してください。

▼学科
介護事務知識/筆記(択一式)/25問/50分

▼実技
介護報酬請求事務/介護給付費明細書作成/2問/60分

受験料 6,900円(税込)
申込期間 当該試験日の2ヵ月前より3週間前まで
申込方法

1.受験料を銀行振込(財団指定口座)にて納入してください。
2.所定の受験申込書に振込明細書を貼付のうえ、日本医療教育財団本部へ郵送してください。

受験票発送 当該試験日の10日前に受験票を発送します。
試験問題の受取 受験申込書に記入された住所へ、宅配便にて試験日当日の午前中指定で試験問題が発送されます。
試験問題・解答用紙の返送 試験日翌日までに、同封の返信用封筒に試験問題・解答用紙を封入し、簡易書留等発送記録の残る方法で返送します。
合否の判定 学科試験、及び実技試験の各々の得点率が70%以上が合格となります。
試験結果の発表 試験日から約1ヵ月後に郵送して通知
技能認定合格証の交付 試験結果通知から約1ヵ月後に郵送にて交付

試験の合格率・難易度

以上の内容から、出題範囲が広く「難易度が高い資格なんじゃ?」とお思いの方も多いかもいしれませんが、実はそんなこともないんです。

何故なら、この試験は在宅で受験できて参考書の持ち込みも可能だからです。

そのためか、なんとケアクラーク技能認定試験の合格率は70%もあるほど。

ただし…。

「持ち込み可能ならば暗記しなくていいし、簡単なの?」

と思いきや、筆記試験は50分・実技試験は60分ととても短いです。

すべての問題を参考書を見ながら解こうと思っても、半分すら解けない時間なのです。

あくまで参考書は確認の為、基本は憶えておいた方がスムーズに問題を解く事が出来るので、しっかり勉強はしておきたいですね。

ケアクラークの資格を取るための3つの勉強方法

ケアクラークの資格を取りたい!」

と決心した後は、次の3つの手段で勉強する必要があります。

  1. 専門書籍やテキストで勉強する
  2. 通信講座を受講する
  3. 通学制のスクールに通う

これらの上方について調査してまとめましたので、どれが今の自分に最適な勉強方法なのかを精査してみてください。

1.専門書籍やテキストで勉強する

実はケアクラークの資格についての専門テキスト・問題集は、ほとんど売っていません。

Amazonで検索しても数冊あるかないかです。

これは就業中で独学で目指したい人にはかなり厳しい状況です。

「事務職経験者だからレセプト問題は大丈夫!」

という人もいるかもしれませんが、出題範囲の広い筆記試験の壁もあります。

そう考えると、やはり通信講座で学んだり、スクールを利用して勉強する方法が合格への近道です。

2.通信講座で勉強するを利用するのが合格への近道

まずはケアクラークの通信講座を行っているところを以下の表にまとめたのでご参考ください。

名称 受講費用(税込) 目安学習期間
ユーキャン
無料資料請求
34,000円 3ヵ月
ヒューマンアカデミー(たのまな)
無料資料請求
35,000円 4ヵ月
キャリカレ
無料資料請求
31,900円 3ヵ月
ニチイ
無料資料請求
40,333円 4ヵ月

3.スクールなど通学講座で勉強する

次に通学で学べる講座について調査してまとめてみました。

名称 受講費用(税込) 目安学習期間
日本医療事務協会
無料資料請求
49,500円 6時間×3日
独学で勉強するのが難しいというのがわかりましたね。

働きながら勉強する人にはちょっとハードルが高いです。

ご自身の現在の状況で通信にするかスクールに通って勉強するかを検討しましょう。

ケアクラークの資格を持つと得られるメリット

さわりでもお話しましたが、この介護事務の仕事は資格がなくても出来ます。

ですが、やはり就職しようと思うと、資格を持っていない人よりは資格を持っている人の方が、内定をもらいやすいです。

資格は「より専門的な知識を持っている証」ですので、所持していて損は全くありません。

そして、ケアクラークを取得している場合「事務も出来て介護業界の勉強もしています」という証拠になるので、介護事務単体の資格よりは有利であるといえます。

また、介護事業所以外にも、介護保険を扱う場所であれば就職先は意外と沢山あります。

基本は事務作業が主な仕事です。

こだわりがなければ行う仕事は殆ど一緒なので、就職先を探すのは難しくないでしょう。

ケアクラークと介護事務管理士の違いは?

ケアクラークと同様、介護事務に関する資格に「介護事務管理士」があります。

どちらを取るべきなのか、どういった違いがあるのか、など疑問に思うこともあるでしょう。

そこでここからは、ケアクラークと介護事務管理士の違いについて、次の4つの観点から紹介していきます。

  • 特徴
  • 試験内容
  • 受験対象者
  • 難易度

それでは内容をチェックしていきましょう。

資格の特徴の違い

どちらも「介護事務」に関する資格で、担う仕事は「介護報酬請求業務」です。

しかしケアクラークと介護事務管理士は、試験内容の違いから、それぞれに次のような特徴があると判断されます。

項目 内容
ケアクラーク 介護事務だけでなく、コミュニケーション、福祉制度など幅広い知識を有する
介護事務管理士 介護報酬算定に関する確かな知識やスキルを証明する

どちらがより優れた資格…とは判断できませんが、より幅広い知識とスキルを身につけられるケアクラークが注目されているのは事実です。

試験内容の違い

どちらの試験内容も「学科+実技」で構成されています。

それぞれの試験内容の違いを挙げると次のとおりです。

項目 内容
ケアクラーク 介護報酬請求業務に加え、コミュニケーション力や社会福祉、医学なども問われる
介護事務管理士 関連法規、介護報酬計算など介護報酬請求に関する知識とスキルを問われる。

実技に関してはどちらもレセプト作成の問題が出題されています。

受験対象者の違い

両者とも受験資格は定められていないため、幅広い年代の人が受けられます。

どちらも専門学生や大学生に通い、就職を目指す人や、実際に現場で働いていて、スキルアップを目指すために受験する人がほとんどです。

難易度の違い

各試験のクリア基準は次のとおりです。

項目 合格基準
ケアクラーク 学科および実技の得点率が70%以上。合格率は60%ほど
介護事務管理士 学科70点以上、得点率50%で、実技は3問合計で70%以上。合格率は50%ほど

合格率で比較すると、介護事務管理士の方が難易度が高いと判断できます。

まとめ

利用者と関わるのは基本介護職の役割ですが、事務がしっかりと請求業務を行わなければ事業所は成り立ちません。

事務は施設の縁の下の力持ちの仕事です。

介護業界に興味があるけれど体力には自信がない人も、長年の現場業務で体がもたなくなってきたという人も、事務の資格があれば体を使わずに介護業界に関わる仕事が出来ます。

長く働ける、需要があるケアクラークの仕事ですので、人気は高まってきています。

試験合格率も70%という今、この資格を取得するチャンスでもあるのです。