介護職への転職希望者には、介護とは全く縁のない職種だったという方が大勢います。
「親が体調を崩したのをきっかけに」「社会的に必要な職種だから」などといった理由から、転職を希望する方も多く、中には
「やっていけるか不安・・・」
「未経験者だから、就職できないのでは?」
などと、不安を抱える方も少なくありません。
そこで今回は、未経験者が介護職へ転職するためのポイントや、履歴書・面接での注意点などについてご紹介していきます。
ぜひ読み進めてくださいね。
転職の前に…介護士が自分に適性なのか確認する
今の職場をやめて、介護士への転職を決めてしまう前に、介護職が本当に自分に合っているのかどうか、考えることが大切です。
介護職が現在どういったニーズの職場なのか把握し、そしてどんな仕事であるのか体験してみることも、判断材料になるでしょう。
そこで、介護職への転職前に把握しておくべ4つのポイントについてお話しします。
人口減少社会の今、現在の介護業界は超売り手市場である
日本は今、超高齢化社会へ向けて邁進している状態だと、なんとなくでも認識している方も多いでしょう。
今日のニュースでも年金が足りない、医療費が足りないなどと騒がれていますよね。
働き手よりも高齢者が多くなり、必然的に家族や施設など「介護をする人」の手が必要とされます。
現在でも、介護職員が不足し充分なケアが行えない、職員が揃わず閉鎖せざるをえないといった施設も少なくありません。
これからますます増える要介護者に対し、介護職のニーズは高まる一方だといえます。
転職の前に介護体験することが大事
介護職のイメージとして、排泄や入浴、食事の世話といったものを浮かべる方も多いでしょう。
間違いではありませんが、介護職の仕事はそれだけではありません。
話し相手やレクレーションなども行い、利用者の体調や癖などといった個人的なことも把握する必要もあります。
また、他の職員や家族との連携を重んじる職種です。
しかし、重労働で働く介護職の給与は決して高いとは言えません。
むしろ、給料が安い上に残業も多く、休日出勤の可能性もあります。
転職前に、文面だけの介護職の仕事を把握するのではなく、実際に体験してみて自分に合っているかどうか、検討することも大切です。
退職は慎重に検討することが必要
「よし、転職しよう!」とすぐに辞表を書いていませんか?
転職目的での退職の場合、まずは次の就職活動をしてから退職するのがおすすめです。
今いる職場は、最後の砦です。
介護職が本当に自分に合っているかどうか、確認している間は退職せずに、休日や退勤後に就職活動をするようにしましょう。
保険とも言えますが、介護職を体験したり検討している間に「自分には合わない」と思っても、退職をしていなければ今の職場で働くこともできます。
また、今の職場で働くことで収入があるので、介護職への転職に役立つ資格を取る時間を作ることも可能ですよ。
退職は、できれば次の転職先を決めてから行うのがベストです。
転職活動には、福祉人材センター・バンクを活用する
転職活動を始めるには、住んでいる地域の福祉センター・バンクへいく、もしくはホームページでチェックしましょう。
介護職の給与の水準などを調べて、転職先を選ぶときの判断材料にします。
しかし、介護職は求人数は多いですが、正規雇用は少なく、契約社員やパートでの雇用が多いです。
中には、勤務態度などによって契約社員から正規雇用へ、ステップアップする方針を取っている施設もあるので、正規雇用を望むのであれば辛抱強く待つことも必要になります。
転職に有利!まずは介護職員初任者研修を取得しよう
介護職への転職を希望するのであれば、有利にはたらく「介護職員初任者研修」を取得してから転職活動をするのがおすすめです。
どの職業も言えることですが、やはり転職者にはある程度の即戦力を求めてしまいます。
そのため、実践は未経験でも介護職の基本を理解している人の方が、採用されやすいのです。
そこで、介護職の基本ともいえる「介護職員初任者研修」はどういった資格なのか、詳しくお話ししていきましょう。
介護職員初任者研修とは
介護職員初任者研修は、昔の「ヘルパー2級」の名称が変わったものになります。
介護の基本を学ぶことができるので、これから介護職へ転職を考えている未経験者には、とても役立つ資格になるでしょう。
また、この資格を持っているかどうかで給与が変わることもあります。
初任者研修の取得費用は2~10万と幅広い
介護職員初任者研修は、都道府県が行政がガイドラインを作成し、それをもとに都道府県が認可したスクールで取得できる資格です。
そのため、取得の難易度が高いのでは?と思われがちですが、講習をきちんと受けていれば試験に受かる可能性が高い資格になります。
また、スクールが個別にガイドラインに沿って内容や費用を設定しているため、スクールによっては2~10万円と差があります。
いくつか資料を比較して、通うスクールを検討するといいですね。
【介護士転職未経験者必見】上手な志望動機の書き方、自己PRのコツ
介護職への転職を決意したら、まずは面接や履歴書に記載する「志望動機」を考えましょう。
新卒採用とは違い、転職をするということは決意も必要ですし、未経験なのになぜ介護職を希望するのかが重要になります。
そこで、志望動機のポイントについてお話ししていきましょう。
例文のような動機は避けよう
志望動機で悩む方は多いです。
そのため、「社会貢献を・・・」「人の役に立ちたいから・・・」などいったことを、志望動機とする人が多く、採用担当者としては耳にタコといえるほど聞きなれたものになりがちです。
結果、採用担当者にとっては印象に残らないだけではなく、最悪は「大した志望動機はないんだな」と思われてしまうこともあるので気をつけましょう。
志望動機を考えるときには、すぐに考えつく例文のような動機は避けるようにしてください。
なぜ介護職を目指しているのかを示そう
採用担当者にとって志望動機で知りたいことはは何なのか。
それは「どうして介護職なのか?」です。
さまざまな転職先がある中、未経験なのにどうして介護職を選ぶのか志望動機で伝えることが大切になります。
介護職を選んだ理由や、介護職に就いたあとのキャリアップなど未来の展望も示すといいですね。
ただ、履歴書の志望動機の欄は限られているため、どうして介護職を選んだのかを明確にわかりやすく記載するようにしましょう。
その施設を受験する理由を明確に
志望動機として、介護職を選んだ理由も重要ですが、数ある施設の中でどうしてその施設を選んだのかも大切です。
介護職を選んだ動機だけ伝えてしまっては、「うちじゃなくても、どの施設でもいいんだな」と思われる可能性があります。
そのため、施設を選んだ理由も志望動機に盛り込むようにしましょう。
希望する施設がどんな特徴のある施設なのか、事業内容や理念をきちんと把握して、どんなところに魅かれその施設を選んだのか、志望動機に必ず入れるようにしてくださいね。
今後の展望も明確に
ここまで志望動機には、
- どうして介護職を目指すのか
- どうしてその施設に応募したのか
といった2つのポイントを盛り込むようにお話ししました。
もう1つ重要なポイントとしては、「入職後、どんな介護職員になりたいか」です。
例えば、入職後は経験を積んでスキルアップを目指したい、施設に対して今もっているスキルで貢献できることなど、今後の目指す展望を志望動機に入れることで、採用担当者にとって心に残る志願者になります。
今後の展望を入れることによって、何よりも介護職員として働く意思の硬さや未来へのポジティブなやる気なども、同時に伝わりますね。
採用担当者としても、介護職に真摯と取り込み、施設に貢献してくれるいい人材と感じるでしょう。
未経験の介護士の転職‼履歴書作成時のポイントとは
ここまで、志望動機の内容についてお話ししてきました。
しかし、まず採用担当者が目を通すのは「履歴書」です。
履歴書に記載されていることが、採用担当者にとって第一印象になります。
履歴書の印象が悪いことで、面接すらしてもらえず不採用になることもあるので、とても重要です。
そこでこれから、履歴書を記載するときの注意点についてお話ししていきますので、ぜひ参考にしてください。
手書きで作成する
今は、パソコンを使用して履歴書が作成できるフォーマットもあります。
しかし、介護職へ転職を希望する場合は、手書きで履歴書を記入するようにしましょう。
IT企業など年齢層が低い業界では、パソコンで作成した履歴書も多いので問題ないです。
しかし、介護業界は比較的年齢層が高いため、やはり手書きの履歴書の方が印象がいい傾向にあります。
字に自信がなくても、手書きで一つ一つ丁寧に仕上げた履歴書は、その人を表すものです。
いくら手書きといっても、殴り書きのようなきたない字では、かえって採用担当者の印象が悪くなる可能性があります。
できるだけきれいに、丁寧に記載するようにしてくださいね。
誤字脱字は超NG!
字がどうしてもきれいに書けなかったとしても、丁寧に書いていることが伝われば大丈夫です。
しかし、誤字脱字は話しが別になります。
誤字によっては、採用担当者に誤解を与えることもあります。
また、注意力がないなどといった印象を持たれる可能性もあるのです。
注意力は、介護の現場では必須です。
そのため、注意力がないと判断されると、仕事の能力も疑われてしまうことになりかねません。
誤字脱字は、よくチェックして確認するようにしてください。
空欄をなくす
履歴書は、空欄をなくしほどよく記入されていることが大切です。
空白が多い履歴書は、それだけで採用担当者の印象が悪くなる可能性もあります。
特に気をつけてほしいのが、志望動機や自己PR欄です。
空白が多いと“やる気”が感じられませんし、かと言ってギチギチに記入されていては読みづらいです。
ほどよく空白を埋めるようにしましょう。
未経験の介護士の転職‼面接でのアピールポイントとは
転職者を雇うということは、施設しても即戦力が欲しいところ。
未経験というハンデを負うことになるので、面接でのアピール力が重要になります。
そこで、面接でどうアピールしていくといいのか、お話ししていきましょう。
介護への情熱を実体験エピソードと共に伝える
志望動機でもお話ししましたが、介護職への熱意を伝えることはとても重要です。
介護職は、夜勤もあれば休日出勤もあることがあります。
また、対人との仕事なので人間関係で悩むことも少なくありません。
そのため、介護職には体力や人間力も必要とされます。
つまり、採用担当者は未経験の介護職志望者に「未経験者に本当にできるのか?」と疑っているといっても過言ではないのです。
面接では、採用担当者に信用してもらうことが大切になります。
そのためには、履歴書の志望動機から外れないよう、どうして介護職を目指したのか、興味を持ったきっかけなどエピソードも含めて覚悟を伝えるようにしましょう。
前職での経験をどう介護に活かすかアピールする
介護職とは全く違う職種からの転職希望者もいます。
そういった場合でも、前職の経験をどう介護職へ生かせるのかアピールすることが大切です。
「前の職場の経験なんて役に立たないのでは?」と思う方も多いでしょう。
介護職は、人間力や体力、高齢者への敬い、職員間での協調性などが必要とされる仕事です。
前の職場でどう頑張ってどんな成績を納めていたのかではなく、営業職であればお客様と接し方、コミュニケーションの取り方などを生かしたいなどといったアピールが必要になります。
学ぶ意欲をアピールする
未経験者は特に、「学ぶ意欲」というのは重要です。
モチベーション高く、何でも吸収し経験を積みたいといったアピールをしましょう。
ただし、学びたいだけではやる気が十分に伝わりません。
そのため、具体的な内容で学ぶ意欲を伝えることが必要です。
例えば、
「入浴介助の仕方や安全の管理の仕方を、具体的に身につけていきたい」
「認知症の方への接し方、対応の仕方など熟知し対応できるようになりたい」
など、近い将来の目標を伝えるようにしてください。
未経験の介護士の転職‼面接で大切なことは?
介護職は、人と蜜に接する職種です。
そのため、印象が悪い人というのは、利用者に対しても悪い印象を与える可能性があるので、やはり就職しにくいと言えます。
そこで、面接では服装や態度などに十分に気をつける必要があるため、ポイントをお話ししましょう。
面接態度について
転職に限ったことではありませんが、面接で大切なことは第一印象です。
最低限の礼儀と振る舞いは介護職意外でも必要なことです。
しかし、こういったことができていない人が案外多いのも事実です。
初心を忘れず最低限の社会人としての常識的な振る舞いが大切です。
面接で大切なことについては、
- ゆっくり相手の目を見て話す
- 大きな声で話す
- 最低必要な礼や挨拶をする
- 笑顔で話す
以上なことにつては実際の介護をする上でも日常的に必要なことですので、必ず出来ていたいポイントです。
利用者の方は高齢者ですのでゆっくりと大きな声は不可欠です。
面接で、未経験でも充分に対応でそうだと先方に思ってもらえることが大切かもしれません。
面接で必要なものは?職務経歴書は必要か?
まず、面接の時の服装はリクルートスーツがベストですが、そうでなくともカジュアルになりすぎなければ許容範囲というところもあります。
ほとんど女性が中心の職場ですので、型苦しくない服装、男性なら、スラックスとシャツ、ジャケットスタイル女性ですと、ジャケットとスカート、シャツスタイルが落ち着くのではないでしょうか。
職務経歴書についてですが、できればあると良いといった感じではないでしょうか。
必ず始めての介護職ですので必ず必要ではないと思われます。経験がある人などについては職務経歴がある方が良いでしょう。
経験者の場合はどういって所でどのような内容をしていたかとった職務経歴が必要となりますが、未経験の場合は履歴書でカバーできる内容で充分です。
介護業界的にはPCが苦手なスタッフが多いので、職務経歴などで分かると重宝がられます。
まとめ
介護職への転職を検討している方は、少しでも転職に有利なように、介護職員初任者研修の取得もおすすめです。
また、履歴書や面接で必要な志望動機や自己PRも、介護職を目指した動機やその施設を選んだ理由で熱意を採用担当者に示す必要があります。
これからますます人手不足が予想される介護職。
しかし、人間力や体力を必要とする職種でもあるため、転職をするのは覚悟が必要な職種でもあります。
まずは介護職とはどういったものか、体験やリサーチをして自分に合っているかどうか見極めましょう。