2016年1月に起きた「研修医の自殺」…新潟市民病院で37歳の研修医が長時間労働の末に命を絶ってしまった事件です。理由の中には”業務扱いされなかった学会準備”や”個人のスキルアップ学習が勤務時間外”とされたことが分かっています。
世間一般は「勤務医は忙しいらしい」「新人医師は寝る暇もないそうだ」といった認識…ですが、病気やケガを扱う医師が自分の健康をおろそかにするだろうか、と思っているカモ。
しかし、明日は我が身!が研修医の実態なのは言うまでもありません。実は、いくらでも医師人生を”短命”にする事実が浮かび上がっているのです。
ラクだ、と思われていた産業医が多忙に!
産業医の方がいらっしゃったらごめんなさい!一般的なお話ですが…2015年12月導入の「ストレスチェック」をご存知でしょうか?
従業員50名以上の全事業所で義務化された、健康面での予防措置です。特に対象者との面接指導が急増しているカモ。
一人の医師が担当する対象者は膨大で、複数の事業所を掛け持ちしている場合は、そのデータ作成と会社人事部との打ち合わせなどで多忙に。
研修医が指導医に放置される?
さて、今度は研修医の忙しさ問題。とりわけ地方の総合病院に配置された研修医にとって問題となっているのが放置指導。どんな名医も最初は初心者のはずですが、これを手取り足取り指導する医師がいない…という問題が全国で勃発しています。
手取り足取りはおかしい!と考えるのが40代、50代以上の医師。技は盗め!という伝統芸ですが今の病院は20年前とは訳が違います。コンプライアンスの範囲は急激に拡大し、指導医への責任も重大。
看護師が研修医いじめ!
地方病院で怖いのが看護師の下剋上です。日本全国にある約700大学のうち3分の1が看護学部を持っている…とも言われ、大卒ナースが多くなっているのも特徴…
そのほか、専門看護師や認定看護師といった大学院修了のナースが医師を”チェック”するケースも増えています。
地方の総合病院は特に医師が集まらず研修医に対する軋轢が。
「何度採血をやり直すんですか!」などと医師にくってかかる看護師さえ出ているところもあり、力関係が逆転している中で研修医が相手にされない孤独感を味わうところも出てきているかもしれません。
医局ありきという病院とそうでない病院の存在
難しいのが医局の存在。卒後臨床研修は研修医に自由に病院を選ぶ”権利”を与えていますが、中には”自分はどんな病院でもOK”と医局の言うとおりに紹介された病院へ赴いた医師もいます。
ここが肝心なのですが、医局は医師の足りない病院からの要求で研修医を勧める…そこに研修医が行くだけなら問題なしです。
しかし、もともと医師がいない・足りない病院にはそれなりの理由があるわけで、それを考えない研修医が赴任先で緊急事態となるケースが勃発しているのです。
先輩医が次々と辞め、研修医だけが残ってしまい、責任を感じた自分が朝晩働いて休みなし…というケース。
でも、住民患者にとって医師は医師、新人もベテランも関係なく評価は厳しいものなのです。赤ひげではありませんが、地域医療を頑張っていきたい…
と思った研修医や新人医師が、日々の仕事に追われて目標を見失う時が問題。そうなったとき、自分はここから出たい!と考えるのカモ。
つまり、医局推薦病院と、そうではない病院の存在がようやく見えてきた…ということなのカモ。
働き方は病院ごとに違う。統一した決まりはない
崇高な精神を持ち続ける医師像、もちろんこれは大事。ですが、午前2時までオペで、その後午前9時から診療…これは大丈夫でしょうか?NICUの担当医の場合、2日連続勤務で1日休みのルーティーンというところがあります。
オンコールがある科目の場合、24時間勤務が週に2回以上というところがあります。休みの日なのに病棟を見て回る医師、気になる患者のカルテを確認する医師…患者や看護師にとって頼りになるかもしれませんが、労働面では問題がアリアリカモ。
ただ、こうした働き方には病院ごとの文化があって、一般的にはわからないのです。
だから、表面上週休2日などと医師待遇を記載するしかない。それ以上は、病院に直接出向いて働き方を調べるしかないのカモ。
病院に振り回される人生、そうならないためには?
勤務医は労働者でしょうか?そうではありません。ですが、労働基準監督署が最近労働者扱いし始めています。看護師は3交代なのだから、医師も3交代に…などという話さえでてきました。
そうでなくとも足りない医師、そこに3交代が決まると、病院そのものの経営が立ちいかなることさえ想像が付きます。労働法的には残業が多すぎる医師、だがそこには”医療行為以外”の残業がかなり多いのではありませんか?
自分が若いからそう感じていないカモ…そんな方はいらっしゃいませんか?いつまでも体力の続く時間はそう長くはありません
まとめ
忙しい職種と知られるトラックドライバー。一日の拘束時間は上限が15時間、それも週2回までと決まっています。比較してみてください、ご自分の就業時間の長さ…様々な状況があなたを追い詰めてはいませんか?
自分の理想像である医師はどんな人でしょうか?それはあくまでも健康が土台。時代に合わせた素晴らしい医師像を思い描く必要があるのカモ!