医師になるのは難しい。大学医学部の6年間はアルバイトしながら苦学することは出来ても、医師免許を取るには苦難の道が待っているものです。
しかし、中には様々なバイトを掛け持ちして晴れて医師になっている人がいるのも事実。
そうした彼らが医師として何を大事にしているのか?
それは「医師が元気でなければ、患者を診ることはできない」という現実。しっかりした医療は、しっかりした医療制度の下で行われるのが筋。
もちろんそれは収入の保証も意味します。善意だけでは仕事はできないし、プロとは言えません。
医師免許とは何か?医師免許を手にした瞬間から、それを生かすための大事なことを様々なエピソードから綴っていくカモ。
日本人医師としてアメリカの要人を救った医師
現在ニューヨーク医科大学教授を勤める日本人医師、芦刈宏之氏。ナンシー・レーガン大統領夫人の乳がん手術を成功させたことで一躍有名になった人です。
彼は第二次大戦を知る人物で、戦後に敗戦国日本から渡米してアメリカの豊かさや医療技術の先進性の中で努力を重ねて技術を習得していきます。特に執刀数は大変な数におよび、豪放な正確で愛されてきた方。
彼のエピソードで面白いのがその人生論でした。彼は「憎っくき」アメリカに渡り、アメリカ人に医師として勝つつもりで乗り込みます。修行を重ね、その間にアメリカの女性とも知り合います。
そのうち、お互い戦った相手の国ではあっても人間は皆同じなのだ…ということを知り、量だけの修行から質の高い修行へと目覚めたという体験をされたと言います。
たまたま彼は医師として渡米したわけですが、医師以外彼の道はなかった。それを懸命に追い求めたら、人種や貴賎の別はなく大統領夫人の執刀も任された、というのカモ。
専門医の肩書きよりも、経験数を追い求める医師
ベトナムで奮闘する医師、吉岡秀人氏。ジャパン・ハートという国際NPOを主宰し、ボランティアで医師に現地の医療を手伝ってもらう活動をしています。
彼の場合も外科執刀数が半端なく、一日に10件は普通という診療科もある、と言います。
それだけ患者が多く大手術も頻繁。それは何を意味するか?つまり日本と違い発展途上国の中には領域を細かく分けずに様々な部位を執刀する”技術”や”経験”が待っているということ。
医師として小さくまとまらずに様々な部位も診る、そのスケールメリットこそが発展途上国だ、と言う訳です。
日本の医療制度が学会中心の専門医化にあるのに対し、そうではない国も多くあることを知るのも大事カモ。様々な医療の実態を知ることも医師免許を持つ者としての特権カモ。
医療過疎県、埼玉で救急クリニックを開業した医師
救急医療では誰もが知る、川越救急クリニック。個人開業で二次救急医療を行うのは前代未聞です。医師は上原淳氏、そして現在2名が新たに加わり埼玉県の急患を受け入れています。
大病院でもないのに救急指定となるには大変な苦労があり、24時間365日”開業”していなければなりません。
夜間のみの診療とは言っても、4床を備えており経営的にもまだまだ苦しいのが現実。ただ埼玉だからこそのやりがいがあるというのです。
首都圏でありながら医師の数は人口比で日本最低の埼玉県。だからこそ、様々な人への医療サービスをとことん行える、というのは魅力だと言います。
救急医療は過酷で疲労困憊になる、だからやりたくないという医師が多い現場ですが、彼はその逆。救急医療制度が整っていないなら、自分でやってしまおうというところがまさに起業家そのもの。
この姿勢こそが、医師らしくないと患者に言わせる「温かさ」「優しさ」なのカモ。
医師免許は医師としての所得を保証しているのではない
さて、見つけた自分の道を走り、働きまくっている3人を登場させてきましたが、この3人に共通していることはなんでしょうか?
それは、世間に自分を売り込んでいないのに、周りが自分にスポットを当ててきていることなのです。
開業医として華々しく生きる医師の多くは、なんとかして自分のクリニックに患者を呼び込もうと宣伝したがるものです。
人目につくような看板や建物、あるいは院内をおしゃれにしたり、スタッフの人選にも余念がない。それに対し、自分の医療スタイルを貫く医師は時間をかけても苦労を苦労と思わないものです。
それは、医師としての生き様そのものでしょう。お金を稼ぐことを目的とする医師も良し、院長や教授になろうとする生き方もまた良し。
ですが、医師不足と言われながら医療法人の倒産は毎年減ることはありません。医療を忘れて稼業していたとすれば、医師としては残念な生き方と言わざるを得ないのカモ。
医師免許を最大限に生かすために必要なことは?
医師免許を手にして、最大限に生かすには何が必要か??それは、医師として生きること以外にありません。実業家のような医師、モデルのような医師、あるいはタレントのような医師、政治家のような医師、そんな医師が結構目に付く時代です。
人それぞれの人生ですが、医師免許がもったいない人が多くいる。そしてそんな同業者を批判する医師もまた多い。
医師免許は患者を診るための資格で、他の医師のことは関係ないカモ。そのくらいの鷹揚さと好きな医術の道を懸命に進んでいる医師にこそ、医師免許はふさわしいと一般市民の誰もが思うはずカモ。
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