圧迫面接、ご存知でしょうか?
せっかく学科試験を通過したのに、面接試験で“圧迫面接”されると思ったら憂鬱になりますよね。
「医学部受験で圧迫面接って本当にあるの?」
「どうすれば圧迫面接を乗り切れるの?」
と大きな不安に襲われてしまう方も数多くいるはずです。
そこで今回は、医学部の圧迫面接のやり方、質問例や対策について詳しく紹介します。
この記事を読めば、圧迫面接されても焦らずに対処する方法がわかるようになるので、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも圧迫面接とは?
もともと大学4年生が就職活動の際に遭遇する儀式のひとつ、とされるものです。
ここ数年売り手市場と言われ、採用側の意欲が高い有名企業や東証一部上場の大企業は、表面的には誰でもウェルカム状態ですが、就活第一関門のエントリーシートを受け取って貰えないケースがほとんど。
第一関門を突破しても、集団面接や個人面接に進める可能性は少なく、企業の採用担当はどうやって採用学生を絞るかに知恵を絞ります。
その結果、編み出されたのが圧迫面接。
学生にプレッシャーを与えて耐性があるかどうかを診る訳なのです。
【あなたの神経を逆なでする】医学部の圧迫面接の例
国公立大、私立大の9割以上が採用している面接試験。
高校3年制、浪人生、社会人入学を目指す人たちがおしなべて潜らなければならない面接試験ですが、かなり辛辣なモノが横行しています。
例えば、次のようなケース。
1.無理難題をふっかけてくるケース
「臓器移植について」を面接官から問われた後で、「海外での臓器移植例は?」との問い。
国内の移植実例は自信を持って答えた学生も、海外例はチンプンカンプンなのが普通でしょう。
回答例
どう答えるか?
「存じ上げません。大変申し訳無いですが、可能であれば、お教え下さいますでしょうか?もう一度、帰宅してから調査してみます。」
と正直に答えた学生は合格となるケースが出ています。
知ったかぶりで答えた学生は結果不合格となりがちです。
これは、受験生にとって不意をつかれた問いであり、心理的な圧迫面接の例と言えるでしょう。
2.大声で威嚇・脅してくるケース
もう一つは、面接官が受験生に大声で威嚇するように質問をぶつけるケース。
「成績が悪いのに、なんで医学部を受けたの?」
「あなたに人の命が救えるんですか?」
「先進医療について具体的に話して下さい」
といったもの。
中には面接官が居眠りをしていたり、突拍子もない図形をもう一人の面接官に説明するように命ずるものさえあります。
回答例
こういった質問では、面接官はあなたがきつい状況でも頑張れる人なのかを見ています。
「まだまだ習得すべき知識や経験が不足している感は否めないですが、これから先端医療の一端を担う者として日々自己研鑽をしていくつもりです。」
自分に足りない部分があることを受け入れた上で、今後に向けての熱意を見せましょう。
3.受験生の回答をからかうケース
一番多いのが、
「うちの大学はあなたに向いていないよ。」
「他のところ行ったほうがいいのでは?」
「何にも知らないくせに、医学部に入りたいだと?」
などと受験生の答えを「からかう」態度で応対してくる面接官。
時には「そんなんでふざけんなよ!」と声を荒げるケースもあり、受験生のほとんどが涙目で面接部屋を退出することで有名。
こういう質問にはどう返せばいいのでしょうか。
回答例
へりくだったフレーズを交えながら前向きな回答をしましょう。
「仰ることも重々承知しています。(不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません。)入学してから最初は苦労するかもしれませんが、早く環境に慣れて周囲の人達と勉学に励みたいと思っています。」
いかがでしたか?
圧迫面接とは非日常的なコミュニケーションでプレッシャーをかけるもので、事前対策が欠かせないものとなっています。
勉強だけに追われた受験生では対応できないことが多く、こう問われればこう切り返す、という知恵がなければまず不合格。
そしてこのような圧迫面接は今後ますます先鋭化してくることが予想されます。
医師は常に圧迫される職業。それをどこまで理解して受験しているのか?
圧迫面接はなぜ行われるのでしょうか?
その目的は「大学としての面子」です。
どの大学もペーパーテストで優秀な学生を選ぶことは簡単です。
そして、医師免許試験に合格さえしてくれれば問題ないはず。
ところが、昨今それで済まないのが、
- 「医療裁判」
- 「医療ミス」
- 「インシデント」
- 「チーム医療の崩壊」
- 「モンスターペイシェント対策」
など山積する医療問題です。
その多くは大学病院で起こっており、マスコミで喧伝されてしまうだけでなく、ネットで拡散してしまうのが常なのです。
大学病院での不祥事は、大学そのものの生命線である財政にも深く関わります。
仮に保険医療機関取り消しともなれば、経営は立ち行かなくなり、医師の給与は激減する恐れが出てきます。
医師は基本的にサービス業です。
ゆえに様々なタイプの患者に適切に対応できる力のある人物を採用しなければならない、頭でっかちの医師では患者対応もチーム医療も崩壊する危険性が大と認識されます。
今はそういう時代なのです。
圧迫面接は、大学入試の時点で既に「医師としてプロになる覚悟があるか」を問うもの。
本気度を診る、覚悟を診る、人間性を診る…それが圧迫面接の目的なのかもしれません。
医学部の圧迫面接への対策・対処法4つ
では、圧迫面接をクリアできる術はあるのでしょうか?
もちろん、対策はない訳ではありません。
圧迫度が「心理的にじわじわと来る大学」なのか「高圧的な問いかけ」なのか、それとも「突拍子もない問題を提示する」のか、大学によって特徴があります。
そんな医学部の圧迫面接への対策・対処法について紹介します。
1.ひたすら練習して慣れる
ただでさえ人生のうちに面接試験はそう何度も経験するものではありません。
そんな緊張する場面でさらに圧迫面接されるともなれば、動揺して何もできなくなってしまうのも当然のことです。
そこで練習を繰り返して面接そのものに慣れておけば、最初の緊張は和らぐはず。
何度も何度もシミュレーションしながら反復練習をします。
自分の中に少しでも余裕ができれば、他の事態にも対処しやすくなるのです。
2.面接官はわざと威圧しているというのを忘れない
面接官側(学校側)のほとんどにおいて、圧迫面接は意図して行われているものです。
あえて威圧的な態度を取ることで反応を見て、どういう性格であるか、どういった対応をするのかといった面を見るのです。
つまり本気ではないことを理解すれば、ある程度気持ちも落ち着くはずです。
3.常にポジティブな表情と態度を心がける
面接官は、威圧された時の相手の態度を見ています。
体がこわばったり、顔が引きつっているところなどは見逃さず、もちろんそういった仕草が良い評価に結び付くこともあまりありません。
どんなことがあっても基本的には明るく、見られていることを意識してポジティブであることを心がけましょう。
4.受け答えを面接官から否定されても、一旦は受け入れる
人は自分に対して否定的なことを言われた時、まずは否定しようと発言してしまいがちです。
しかしそれは対立するということでもあります。
これから様々な困難な状況が待ち構える医学の道に進む身としては、できれば避けたいことです。
仮に納得いかないことだとしてもすぐには否定せず、まずは相手の言い分を受け止めてから、その上で自分なりの考えを伝えるようにします。
対処法の総評~模擬面接でしっかり準備しておこう
いろんな種類の圧迫面接に対応するには「危機を楽しむ」という集中力があれば乗り切れます。
こう言われたらこう返す、という対策を念入りに行い、それでも答えに詰まるようならば正直に「解らない」と丁寧に返答する。
自信を持って相手の目を見て答える…それが基本と言えるでしょう。
ネガティブな感情を露骨に表情や態度に出してしまうのは絶対に避けなければなりません。
「勉強は出来るけど、コミュニケーション能力に自信がない…」
そう感じたら対策を取れば良いし、集中力を高めるレッスンをすれば、相手の高圧的な態度にも臆する事なく対応できるもの。
そして、医師の仕事のデメリットも多く収集しておき、それでも医師を目指すという高い志を確保できるはずです。
圧迫面接に関する3つのよくある質問
次に圧迫面接に関するよくある疑問について考えていきましょう。
圧迫面接は就活生の多くが遭遇することでもあり、誰もが似たような経験をしているので、ぜひ参考にしてみてください。
1.面接中に泣いてしまったらどうすればいいの?
圧迫面接を受けた時に、思わず泣いてしまう受験生も少なくありません。
そうした場合、まずはハンカチやティッシュを用意しておくことは社会人として大切です。
ただし使う時には断りを入れてからにします。
そしてあまり悔やみすぎないこと。
泣いてしまうのは自然とも言えるので、あまり落ち込みすぎず、それでも伝えられることは伝えるようにしましょう。
2.途中で退席して帰っても大丈夫?
たとえば明らかにセクハラやパワハラの場合には、問題があると指摘して帰ることはOKです。
しかし勉強不足を指摘されたなど、こちら側に過失がある場合には必ずしも圧迫面接とは言えない部分もあり、帰ることも可能ではありますが、こちらの過失として不採用になることは免れられません。
前者の場合には、その後会社に直接訴えたり、弁護士に相談することなども視野に入れておきましょう。
3.仮に受かっても面接が悪質だった場合は内定辞退してもいい?
内定を辞退することは全く問題ありません。
就職は両者の相性であり、仮に内定が出されたとしても自分が合わないと感じれば辞退することは可能です。
実際にもそうして、圧迫面接の印象を理由に内定を辞退する例は多くあります。
面接を思いっきり楽しもう。これが済めば未来は明るい!
医学部面接試験は医師人生の第一関門です。
もし17歳、18歳であれば、ストレス耐性とは縁がない方も多いでしょう。
そんなストレスに弱い人でも未経験の圧迫面接を受けなければ合格できないとなると、何とか克服して突破しなければなりません。
年間8,000人以上が合格する医学部受験です。
「面接を楽しむ!」
「最強のラスボスがいるゲームだと思って攻略してやる!」
そのくらいの度胸を持って、相手を丸め込むような心持ちで上手にいなしてしまいましょう。
まとめ
今回は医学部の面接試験で圧迫面接される場合の対処法について、事例を交えながら解説しました。
最後にもう一度、圧迫面接されたらどのようにすればよいのか、おさらいすると
- 感情に任せて露骨に表情や態度に出すのはNG
- こう問われればこう切り返す、という面接のシミュレーションをしておくことが大切
- 自分自身が医療のプロになるんだという覚悟や熱意を見せる
の3つが挙げられます。
「圧迫面接がどのように行われるのか知りたい」
「どんな質問が来ても乗り切れるように準備しておきたい」
そんな方は、ぜひこのページの内容を参考にして、もし圧迫面接されても落ち着いて対処できるように事前準備しておいてくださいね。