ネット通販「楽天市場」を筆頭に、金融や旅行、電子書籍、携帯電話など幅広い分野で事業を広げている楽天グループ。
楽天への転職を検討中の方は、
「楽天に転職する良い術(すべ)はあるのだろうか?」
「中途で入社したら年収はいくらなの?」
と色々と考えを巡らしている方も中にはいるはずです。
そこで今回は、
- 楽天の企業情報・事業内容
- 業績推移や将来性
- 楽天の年収や平均年収の推移
- 楽天に求められる人材・人物像
- 転職成功率を上げるコツ
について紹介していきます。
この記事を読むことで、あなたが楽天に転職するのに最適な人材なのかがわかるようになるので、ぜひ読み進めてみてくださいね。
楽天グループとは
楽天グループ株式会社は、インターネットを通じてサービスを提供する事業をいち早く取り入れ、成長してきました。
楽天は、「イノベーションを通じて人々と社会をエンパワーメントする」をミッションに掲げ、1997年に設立されて以来、現在では
- EC
- FinTech
- デジタルコンテンツ
の3つの領域を中心に、70を超えるサービスが世界16億以上のユーザーに利用されています。
英語を社内共通言語として使用するという方針を立てたことで話題になったことも記憶に新しいでしょう。
ここでは、新しい取り組みを積極的に行っている楽天グループの企業情報や事業内容などについて見ていきます。
楽天の企業情報
以下の表が楽天グループの会社概要です。
会社名 | 楽天グループ株式会社 (英文社名: Rakuten Group, Inc.) |
---|---|
本社所在地 | 東京都世田谷区玉川一丁目14番1号 |
代表者 | 代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史 |
設立 | 1997年2月7日 |
楽天市場開設 | 1997年5月1日 |
株式店頭上場 | 2000年4月19日 |
資本金 | 289,674百万円(2021年12月31日現在) |
楽天の従業員数
楽天グループの事業セグメントごとの従業員数を下表にまとめたので、ご参照ください。
セグメントの名称 | 従業員数 |
---|---|
インターネットサービス | 9,478名 |
フィンテック | 5,064名 |
モバイル | 5,327名 |
全社(共通) | 3,972名 |
合計 | 23,841名 |
※上表の数値には使用人兼務取締役、派遣社員及びアルバイトの人数を含んでいません。
※「全社(共通)」は、特定のセグメントに区分できない開発部門及び管理部門の従業員数です。
楽天の事業内容
楽天グループ株式会社はその傘下において、楽天市場をはじめ電子書籍、モバイル事業、銀行、クレジットカード、証券など非常に多岐にわたる事業を展開しています。
どれにも共通しているのがインターネットによる取り引きをその基軸としている点です。
「楽天経済圏」というビジネスモデルを掲げ、ネットを介して人々の日常生活を支えるあらゆるサービスをグループ企業から提供し、そのグループ内で共通した「楽天スーパーポイント」を流通させることで利用者の継続性、回遊性を高めることを促進しています。
結果、楽天グループ株式会社の提供するインターネット総合サービスは日本を代表する事業へと成長しています。
楽天を取り巻く業界の現状と将来性
縮小していく業界の多い中、今後も拡大傾向を予測されているのは、インターネット業界です。
楽天は、そんなインターネット業界の中でも、「EC」というインターネットを利用した取引を行う企業として、国内ではアマゾンと並ぶ有名企業です。
この「EC」市場の規模について、2021年の経済産業省の調査によると、2019年度までのBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、19.2兆円まで拡大しているとされています。
また、インターネットを介した電子商取引を行うサービスの利用も前年と比べると増加傾向にあり、まだまだこの業界自体が成長途中にあるといえます。
スペインのサッカーチーム、FCバルセロナのグローバルスポンサー契約も締結し、海外でもそのブランド価値の世界的な向上に取り組んでいます。
参照:
電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました (METI/経済産業省)
楽天グループ株式会社: 楽天、「FCバルセロナ」と2017-2018シーズンからグローバルでの「メインパートナー」契約で基本合意 | ニュース
楽天の業績推移と現状
楽天グループの2010年12月期から2021年12月期までの業績推移は以下の表のとおりです。
決算期 | 売上高 | 営業利益 |
---|---|---|
2010.12 | 3461億4400万円 | 637億6600万円 |
2011.12 | 3799億0000万円 | 707億8900万円 |
2012.12 | 4004億4400万円 | 500億5500万円 |
2013.12 | 5185億6800万円 | 902億4400万円 |
2014.12 | 5985億6500万円 | 1063億9700万円 |
2015.12 | 7135億5500万円 | 946億8900万円 |
2016.12 | 7819億1600万円 | 785億1200万円 |
2017.12 | 9444億7400万円 | 1493億4400万円 |
2018.12 | 1兆1014億8000万円 | 1704億2500万円 |
2019.12 | 1兆2639億3200万円 | 727億4500万円 |
2020.12 | 1兆4555億3800万円 | -938億4900万円 |
2021.12 | 1兆6817億5700万円 | -1947億2600万円 |
創業以来から増収基調が続き、2018年度には売上高1兆円を超えました。
その後もECの市場規模が伸長している業界トレンドの中、2021年度の楽天の売上高は1兆6817億5700万円となり、前年度比+15.5%のプラスの数字を示しました。
しかし、2019年に携帯電話事業に参入してからは、先行投資がかさみ、赤字が拡大しているのが現状です。
気になる楽天の年収はいくらなの?
気になる楽天の平均年収ですが、2021年度の有価証券報告書によると774万1,773円でした(平均年齢は34.3歳)。
これは、同業界の中でトップ10に入る年収です。
この年収は、平均年収ですが、努力次第で年齢関係なく給与は上がるので、努力次第ではさらに高くなることも期待できます。
ただし、楽天では現時点で退職金制度がないため、月々の水準が高くなるという見方もされています。
この点の良し悪しについては、個人の価値観によります。
楽天の平均年収推移
以下の図は楽天グループにおける2010年度から12期分の平均年収の推移を表したグラフです。
2012年3月末の約632万を底にして、その後は右肩上がりで推移しているのがわかります。
2021年3月末には774万1,773円と、公表している平均年収データの中では最高値をつけています。
楽天が求める人物像・採用されやすい人材
それでは、そんな楽天に転職したいと思ったときに、どんな人物が求められているかについて見ていきましょう。
新卒の採用ページに、求める人物像について以下のように記載されています。
明確なビジョンに向かって最大限の努力をすることで何かを生み出す喜びを感じたい、発展のダイナミズムを実感したい、成長の実感を得たいと望む方には、楽天は最高にお薦めできる舞台です。
キーワードとして、「明確なビジョン」「最大限の努力」というところを見ていきましょう。
「明確なビジョン」、についてですが、「これをやりたい」「挑戦したい」という情熱を持っているだけではなく、その一歩先に、それをやることで「何を実現したいか」を明確に持っているといことは、ビジネスにおいて重要なポイントといえます。
まずはその明確なゴールを想像できる力があるかどうかが求められている能力の一つといえます。
次に、「最大限の努力」についてですが、イメージしたゴールに向かって投げださず、努力ができるということも、求められている能力になります。
努力、といことについては、人事メッセージにも次のように語られています。
新卒・中途を問わず、楽天が求めているのは「自分が活躍するフィールドを果てしなく広げたいと思っている人」です。そして、もうひとつ重要なのは、それを実現するための具体的な努力を自発的にできる「自走する人」であることです。 高い能力と意欲を持ち、優れたパフォーマンスを発揮する従業員には、年齢に関係なくその才能を最大限に伸ばせるよう、会社としても後押しするカルチャーがあります。
誰かに言われてやるのではなく、自発的に決めたゴールに向かって努力していける人が楽天では求められていることがわかります。
起業家精神を持った人が輝ける企業
創業当時から、「アントレプレナーシップ(起業家精神)」の醸成・活性化を大切にしていると社長が語る楽天。
積極的に一から新しいことを立ち上げ、作り上げていけるという環境がそこにはあります。
「こういった事業を一から立ちあげて成功したい!」というような、熱い起業家精神を持った人に、おすすめの企業といえるでしょう。
楽天グループの具体的な採用情報
具体的な採用情報についてですが、新卒・中途採用のほかに、MBA採用、障がい者採用、グローバルキャリアといった複数の切り口での採用スタイルが導入されています。
中途採用について
募集職種は、大きく4つのカテゴリに分かれています。
1. ビジネス
ビジネス戦略の策定から実際に事業の企画・実行を行い、収益を上げていくことに携わる部門です。
職種には次のようなものがあります。
- 戦略・経営企画
- 新規事業企画・サービス企画
- 営業・コンサルタント
- マーケティング・PR
- データサイエンティスト・アナリスト
- 金融専門職
- カスタマーサポート・運用管理
- 物流・SCM・そのほか
2. エンジニア
高度な専門性と開発力で、楽天事業の技術部門を支えます。
職種以下の通り。
- アプリケーションエンジニア
- プロデューサー
- インフラエンジニア
- データサイエンティスト・リサーチャー
- セキュリティ・エンジニア
- テクノロジーマネジメント
- 開発サポート
3. クリエイティブ
発想を具現化し、ビジュアル面で楽天サービスの進化をサポートするのがクリエイティブ部門の役割です。
クリエイティブの職種は以下の通りです。
- プロデューサー・ディレクター
- デザイナー・アートディレクター
- フロントエンドエンジニア
- UX
4. コーポレート
管理部門として従業員を支えるのがコーポレート部門の役割です。
- 人事・総務・コーポレートコミュニケーション
- 法務・知的財産・内部監査
- 財務・経理
といった職種があります。
現在の求人情報は、各職種のページから見ることができるので、興味のある職種を見てみましょう。
そのほかの採用区分
楽天には、MBAを取得した人限定のMBA採用という採用区分があります。
仕事の経験と、学んだ知識の両方を存分に発揮できることを目的に、この採用区分が導入されています。
現時点では募集終了とされていますが、対象となる方は今後もホームページを確認してみてください。
障がい者採用についても、「特例子会社」採用という形式で行っています。
楽天市場などの、グループ企業のアウトソーシング業務を行う企業で、現在125名の障がい者の方々が活躍しています。
グローバル採用も積極的に行っており、70を超えた地域、出身国の方々が楽天では能力を発揮できる環境があります。
楽天は、「ダイバーシティ」を企業戦略の一つに挙げており、多様な背景を持つ人たちを積極的に採用しています。
最後に、入社してからの環境について見ていきましょう。
人事メッセージに、次のように語られています。
また、世界有数のビジネススクールへの留学支援や、優秀な若手の従業員を早くから昇進させてリーダースキルを磨いてもらうプログラム、グローバルな視点を養うための海外グループ会社での研修制度なども整備しています。特徴的なキャリアパスプログラムとして、「オープンポジション制度」というものがあります。
これは、プロジェクトや部署が新たな人材を必要とするとき、外部へ募集をかけるのではなく、まず社内でやりたい人を募るという制度です。
楽天には多様な事業・サービス・ポジションがありますから、自ら未来を切り拓こうとする人であれば、活躍できるフィールドは果てしなく広がります。
能力があれば、年齢関係なく重要なポジションにつけたり、本人のやる気によってプロジェクトや部署異動が希望できたりするという環境があることがわかります。
自発的にキャリアを構築していける仕組みが整っているといえます。
楽天グループへ入社後の福利厚生や職場環境とは
福利厚生についても、通勤手当や各種保険は当然ながら、社内託児所や無料で朝食、昼食、夕食が食べられるカフェテリアがあるなど、ユニークなサービスが取り入れられています。
- 各種社会保険完備(厚生年金保険、健康保険、労災保険、雇用保険)
- 通勤交通費
- 従業員持株会制度
- スポーツ クラブ法人会員
- ビザサポート
- リロケーションサポート
- 仕事と育児の両立支援サポート(社内託児所、授乳室の設置)
- カフェテリア(朝食・昼食・夕食無料)
- ライブラリ(個人学習スペース)
- コンビニエンスストア
- フィットネスジム「Rakuten Fitness Club &Spa」(有料)
- ヘアサロン「Rakuten Hair Salon」(有料)
- ランドリーサービス「Rakuten Cleaning」(有料)
- マッサージ&鍼「HARI-UP」(有料)
- クラブ活動
- 納会
- ファミリーデー など
楽天ではすべての従業員がジェンダーに関わらずキャリア形成できるような環境も整えられており、現在女性の管理職比率は21パーセントです。
社内では、管理職に対してダイバーシティマネジメントの意義や上司としての支援について、といった研修を行い、意識に働きかけるように取り組んでいます。
楽天では、多様な背景を持った人達が能力を活かせるような環境が整っているといえるでしょう。
楽天グループの口コミ・評判
楽天グループへ転職する際に気になる口コミ・評判をまとめました。
以下が見受けられた主な口コミ・評判です。
上記のように福利厚生やワークライフバランスに関しては、良い評判のようです。
また、実力主義であるため若手にもチャンスがありますが、一方でトップダウンの社風になじめるかは重要なポイントのようですね。
楽天グループへの転職難易度
楽天グループへの転職難易度は一般的に高いとされています。
理由としては、海外からも優秀な人材が多く応募してくる企業であることから、競争率が非常に高いためです。
また、実務経験を必要とするケースが多く、高い英語力も要求されます。
以上のことから、楽天グループへの転職に対するハードルはとても高いと言えます。
ですので、楽天グループへの転職を希望する際は、自分自身の強みを確実かつ的確にアピールする必要があります。
楽天グループへの転職成功確率をアップさせる唯一の方法
転職難易度が高いとされている楽天グループへの転職。
そんな楽天グループへの転職活動をより有利に進め、転職成功確率をアップさせる一番の近道は、やはり転職エージェントの活用です。
転職エージェントを活用することにより、担当アドバイザーによる希望企業に特化した対策を受けることができます。
また、実践的な面接対策や書類添削も行ってもらえるので、楽天グループへの転職成功率をアップさせるために転職エージェントは是非とも活用するようにしましょう。
楽天へ転職したい人が必ず登録した方がいい転職エージェント4選
楽天への転職を前向きに検討している方におすすめできる転職エージェントは次の4つです。
- リクルートエージェント
- doda
- パソナキャリア
- JACリクルートメント
上記した転職エージェントのうち、1つだけに登録するのではなく、複数登録しておくと転職成功率が上がります。
その理由についてや各社の特徴を詳しく紹介していくので、ぜひチェックしてみてください。
1.リクルートエージェント
転職業界でも大手で求人数はトップクラス、転職支援実績も1位を記録しているのがリクルートエージェントです。
取り扱っている求人は業種、職種ともに幅広いので選択肢が多く、自分にぴったりの案件を見つけることができます。
ただアドバイザーに関してはその人によって当たり外れがあるとの声も多いので、dodaやパソナキャリアといった、他の転職エージェントも一緒に使うと的確なアドバイスがもらえ、安心感を持って転職活動を進められます。
リクルートエージェント公式サイト:https://r-agent.com/
2.doda
dodaは、パーソルキャリアが運営する転職サービスの総称です。
主に三つのサービスがあり、転職サイト・転職エージェント・転職スカウトを同時に利用できます。
どのサービスも業界トップクラスであり、特にエージェントは担当者の質が平均的に高いことが評判の高さにつながっています。
また、求人件数やサービスの利用実績の多さから、職務経歴書の書き方や面接対策などのサポートも手厚いのも特徴です。
どのサービスも質が高く損することはないため、他のエージェントを登録した方も同時に登録しておきましょう。
doda公式サイト:http://doda.jp/
3.パソナキャリア
初めての転職で、サポートを受けながら転職活動をしたいと思っている方にオススメしたい転職エージェントはパソナキャリアです。
「親身にサポートしてくれる」と、利用者から手厚いサポートとフォローに高い評価があるので、不安のある方にはぜひ登録してもらいたいです。
ただ求人数は業界大手より少ないため、「リクルートエージェント」や「doda」などの求人数の豊富なエージェントと併用することをオススメします。
パソナキャリア公式サイト:http://www.pasonacareer.jp/
4.JACリクルートメント
国内大手企業のみならず外資系企業といったハイクラス人材向け、グローバル求人に強いのがJACリクルートメントです。
各企業ごとそれぞれ専任の担当者がおり、企業文化や風土、事業戦略などを把握し、他では聞くことのできないリアルな情報を得ることができます。
また、他サイトには滅多に出ないレベルの高待遇な求人案件も用意しており、案件の質では他社に劣ることはありません。
管理職や専門職などといったハイクラスへの転職を目指している方におすすめの転職エージェントです。
JACリクルートメント公式サイト:http://www.jac-recruitment.jp/
まとめ
以上、楽天グループの事業内容や業績推移・将来性、平均年収、中途で求められる人材などを紹介しました。
最後にもう一度、楽天に入社するにあたって頭に入れておくべき情報を整理すると
- 創業以来増収が続き直近の売上高は1.7兆円
- 携帯電話事業への参入後は赤字が拡大している
- 平均年収は業界でもトップ水準
- 社内での競争は激しく若手でも昇進できる環境
- 福利厚生は充実していてワークライフバランスも取れる
の5つが挙げられます。
「楽天に入社して今後の成長に貢献したい」
「新しいことにチャレンジできる環境で働いてみたい」
という方は、このページでおすすめした転職エージェントに2、3登録してみて転職活動を始めてみて下さい。
そうすれば、転職成功率も上げることができるはずです。