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子どもをワクワクさせる絵本の専門家!役立つ資格「絵本専門士」

絵本専門士

近年、子どもたちの読書離れが指摘されるようになりました。幼少期に多く絵本を読んだ子どもとあまり読まなかった子どもを比べると、大きくなってから読書の習慣に大きな差が生まれます。これは、成人してからの資質や能力の高さに影響を与えるとも言われています。

親や保育士から読み聞かせてもらう機会が多いと、子どもは絵本が好きになります。ただ絵本が好きになるだけでなく、自分から絵本を手にとって読み、知的好奇心をもって絵本から知識を吸収していきます。つまり、絵本は子どもたちに自ら学ぶ力を教えてくれるのです。

そのため、幼少期から絵本に慣れ親しみ、絵本から子どもたちの心を豊かにすべく、「絵本のプロ」をとなることは、保育士にとって大きなスキルアップになります。絵本について専門的な知識や技術、感性を持っていることを認定する資格に「絵本専門士」があります。

今回は、保育現場のなかでも読み聞かせなど絵本を活用する場面で役立つ「絵本専門士」を紹介します。

絵本専門士ってどういう資格なの?

絵本専門士は、平成26年度に新設された民間資格で、絵本の専門家です。絵本についての深い知識にくわえて、技能や感性も備えた「絵本のプロ」として、子どもたちの知識や想像力を高めたり、絵本を通して質の高い教育を行ったりします。

絵本専門士の活動内容

具体的な活動としては、子どもたちの発達段階に合った絵本を選んだり、保護者を交えて絵本の読み聞かせ会やおはなし会をしたりします。また、地域活動の一環として、絵本選びや読み聞かせなどにかんする講習会やワークショップを開くこともあります。

 
絵本専門士は新設されて間もない資格であり、平成29年現在で全国に約150名が活躍しています。保育士や幼稚園教諭をはじめ、子どもとかかわる仕事をしたい人たちからの注目度は、年々高まっています。今後、さらに活躍の場が広がっていくことが期待されます。

絵本専門士が保育現場で役立つ場面は?

まず絵本専門士は、幅広い絵本の知識を子どもたちに活かすことができます。子どもの発達段階に合わせて、知識や想像力を高めるのに適した絵本を選ぶこともできるのです。選ぶ際にも、簡単すぎず、難しすぎず、子どもが思わず絵本を読みたくなる環境をつくることができるでしょう。

絵本の読み聞かせに関しても、子どもたちの知的好奇心を刺激し、心の健やかな成長を促します。専門的な読み聞かせの技術や感性で、子どもたちの心をひきつけることができます。さらに絵本が伝えたいメッセージを、子どもたちにとってわかりやすい形で伝えることもできるでよう。

また家庭で子どもたちに絵本の読み聞かせをしたい保護者に対して、読み聞かせの講習会を開くこともできます。パパやママと一緒に絵本を読む時間は、子どもたちの成長にとっても貴重です。保護者に読み聞かせの講習を行うことで、家庭での読書をサポートしていきます。

さらに専門的な絵本の知識を活かして、園に置いておく絵本の選定、同僚保育士への読み聞かせ講習などを行うことができます。自分自身が行う保育の質を高めながら、同時に園全体の保育の質を高める活動もできます。

絵本専門士は保育現場以外でも役立つの?

1.ワークショップ

絵本専門士は絵本に関する専門家のため、保育現場以外にも活躍の場があります。幅広い絵本の知識を活用して、絵本にかんするワークショップを開くことができます。参加する人たちとの交流をとおして、子どもたちが絵本に触れ合うことに大切さを伝えていきます。

2.医療現場でのリハビリ

小児医療などを行っている病院や施設では、絵本を取り入れたリハビリテーションを行っているところがあります。子どもたちの発達段階や症状に合わせた絵本を選び、楽しみながら効果的なリハビリテーションを進めます。

3.民間施設での読み聞かせ

公民館や児童館など、子どもたちが集まる施設で絵本の読み聞かせ会やおはなし会を開くことができます。日頃、絵本と触れ合う機会をもちにくい子どもたちに対して、その魅力や楽しさを知ってもらう活動です。最近では、保護者参加型の読み聞かせ会なども増えてきました。

また絵本の読み聞かせ会やおはなし会は、公民館などで開くだけでなく、保育園や幼稚園などで開くこともできます。オブザーバーとして保育に参加することで、子どもたちの絵本に対する興味や関心を引き出すことができます。

 
上記で消化したほかにも、自らの保育経験などを活かして、絵本そのものを開発したり研究したりすることができます。子どもたちが楽しみながら知識を高めたり、知的好奇心や想像力を伸ばしたりすることができるように、より専門的に貢献することもできます。

絵本専門士は比較的新しい資格であり、その数は今後さらに増えていきます。そのなかで保育現場だけにとどまらず、地域全体の保育や教育の質を高め、幅広く貢献することが期待されています。

子どもたちの知識を高め、心を豊かにするのは、絵本の専門家の役割カモ!

絵本専門士を取得するためには?

絵本専門士の資格を取得するためには、それを認定する国立青少年教育振興機構の講座を受講し、審査を通過する必要があります。合格率は公表されていませんが、それ以上に「受講する」ことが非常に難しい資格でもあります。

絵本専門士養成講座は、年1回の募集で受講定員は60名です。毎年、全国から応募者が殺到するため、約10倍ともいわれる最初の狭き門を突破するのが難しいと言われます。

講座の受講方法

講座はすべて東京都の国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれ、そこに通学します。関東圏以外の方だと通学が難しくなることもありますが、2か月に1度、土日に講座が開かれることが多いため、スケジュールを調整しておく必要があります。

受験資格について

受講資格には4種類ありますが、保育士であれば「子供や絵本に関連する資格を有する者」に該当します。ほかには、幼稚園教諭、小学校教諭、司書などが該当します。3年以上の実務経験があれば、図書館職員や福祉施設職員、絵本の読み語り家なども該当します。

50時間の講義のあとに修了課題があり、さらに一定以上の成績を修めることで絵本専門士として認定を受けることができます。修了課題では、絵本専門士として必要になる資質や能力が問われます。

勉強をするときのコツ

修了課題のコツとしては、各講座のカリキュラムに従い、その範囲をしっかりと学習しておくことが、合格への近道になります。テキストを丸暗記するような勉強ではなく、絵本専門士に求められる3つの領域(知識、技能、感性)を理解するように勉強を進めましょう。

絵本専門士の認定している団体の問い合わせ先は?

気になる方、取得を検討している方に向けて、絵本専門士を認定している国立青少年教育振興機構の問い合わせ先を紹介します。

国立青少年教育振興機構

国立青少年教育振興機構は、絵本専門士資格と、自然体験活動指導者資格を取得できます。

主な講座:絵本専門士養成講座

受講期間 10日(2か月に1度、土日開催)
受講費用 50,000円(交通費等は各自負担)
受講条件 子供や絵本に関連する資格を有する者 など

絵本専門士を取得して、子どもに「絵本」のある保育を

絵本専門士は、専門的な知識や技術、感性をもつ絵本のスペシャリストです。子どもの身近に絵本がある生活を目指して、発達段階に合った絵本選びや読み聞かせをします。高い専門性と保育技術向上を目指す保育士から、大きな注目を集める資格でもあります。

絵本専門士を取得することは、保育士としてのスキルアップにもつながります。また、園内だけにとどまらず、絵本専門士には地域の保育への貢献も期待されています。園外で活動するときも、絵本専門士だけでなく保育士資格を持っていることは、大きなメリットになります。

資格取得にかかる期間が半年程度であり、比較的短期間で取得できます。また、保育士として働きながら、勉強を進めることもできます。大人気の講座なので、スタートラインに立つまでの難しさはありますが、ぜひ取得しておきたい資格といえます。