職務経歴書の作成では、まず書式や体裁をチェックしましょう。ビジネス文書の内容はもちろんですが、さらに一定の書式に従うことが求められます。その際に不備があると審査対象外となる可能性があるため、基本となる事項をしっかりと確認しましょう。
職務経歴書は手書きかパソコンか、どちらで作成するのか迷うこともあるでしょう。手書きでも間違いではありませんが、できればパソコンでの作成がおすすめでしょう。その理由としてパソコンでの作成の場合、すぐに修正を行うことができ、罫線や表組みを用いて読みやすく仕上げることができます。また応募先にパソコンスキルをアピールする手段の一つとなります。
職務経歴書を作成するソフトはword(ワード)がおすすめ!
実際に職務経歴書を作成する際には、ワープロソフトのword(ワード)を使用しましょう。表計算ソフトのExcel(エクセル)でも作成可能ですがワードであれば行詰めや文字詰めの作業がスムーズであるため、さらに読みやすく仕上げることができます。インターネットで応募する際は、ワードでsカウ性した職務経歴書をPDF形式に変換して、提出しましょう。
職務経歴書を印刷する際に、用紙は白無地のA4サイズを使用します。その際にカラー容姿や透かし入りの用紙など、個性を主張してしまうと悪目立ちして逆効果になるため、注意しましょう。
職務経歴書は、枚数やボリュームに明確な規定はありません。しかし量が多すぎても非常識だと受け取られる可能性もあるため、多くても4~5枚程度で納めるようにしましょう。まずは読む人の立場に立ち、わかりやすく簡潔に整理された職務経歴書の作成を心掛けてみましょう。
ワープロソフトには多種多様なフォントが用意されているため、職務系隷書作成時にどれを選べばいいのか迷ってしまうこともあるでしょう。その際に装飾的なフォントを使用すると「ビジネス文章を理解できていないのでは?」と半普段されてしまう可能性があります。
そのためビジネスで最も一般的な、「明朝体」を選ぶのが賢明でしょう。ビジネス文書のセオリーを遵守しましょう。
履歴書の場合は写真・印鑑が必要になりますが、職務経歴書には使用しません。かえって不自然な印象を与えてしまうため、写真や印鑑は避けましょう。
職務経歴書に記載すべき基本的な項目とは?
職務経歴書は記載すべき項目や内容について、一定の形式があります。
- 「前向きに仕事に取り組める人材であるか」
- 「任せた仕事に責任を持ってこなせる人物であるか」
- 「これまで経験した仕事はどのようなものなのか」
まずは職務経歴書を読む人が上記の点について分かりやすく判断できるよう、まとめましょう。
職務経歴書に記載すべき内容その1)日付・氏名・タイトルについて
次に「日付・氏名・タイトル」は最初に目に入る重要な項目になります。これらの項目に不備があると担当者の印象を悪くしてしまうため、くれぐれも正確に記載してください。特に注意が必要なのは日付の年号です。西暦か和暦の一方に統一しましょう。
その他に注意が必要な点について、以下の項目で確認していきましょう。
- 氏名は苗字と名前の間に、空白を入れる
- 読みづらい、または難しい氏名の場合には、振り仮名を添える
- 押印や住所記載は不要
- 職務経歴書を作成した日の日付を記入する
- 西暦・和暦、どちらでも問題はない
(ただし職務経歴書内の年号は、西暦か和暦のいずれかに統一する) - 書類冒頭の年号を見落とさないように注意する
- 書類の作成時は転職先となる企業に「貴社」と記入
概要・要約について
職務経歴書の冒頭には概要や要約を簡潔に記載することで、担当者に好印象を与えることができます。その際の内容として、応募理由、自分の強みについて、これまで仕事ではどんな働き方をしてきかなど、自己紹介をする感覚でわかりやすくまとめましょう。
自分のあらすじを紹介するつもりで概要・要約をまとめる
以上宇のように今までのキャリアを簡潔にまとめ、担当者に積極的にアピールしましょう。応募に対する熱意や志望動機を伝えるのも効果的です。ただし長すぎる概要や要約はむしろ逆効果になります。必要最小限の情報を
キャリアの長い人は経歴を適度に取捨選択しよう!
キャリアの長い人が職務経歴書を作成する場合は、すべてを記載すると膨大な量になります。そうすると読みづらくなり情報が伝わりづらいため、自分自身の強みやアピールしたい部分を取捨選択してください。また割愛した部分を別途資料として作成するのも良いでしょう。
これまでに勤務した企業について
現在勤務している職場や今まで働いていた会社に関する詳細は、職務経歴書で特に重要な情報となります。担当者は以上の項目を確認することで、様々なイメージを膨らませます。
ただし、すべての企業を担当者が周知しているとは限りません。同じ業界で同じ商材を取り扱う場合でも、事業の規模やステージが異なれば評価は変化します。企業が属する業界などの規模、どのような職務を担当したかについて書き添えると、さらに詳しく担当者へ伝わりやすくなります。
勤務している、あるいはしていた企業について以下の情報を書き添えるようにしましょう。
- 企業が属する業種や業界
- 事業内容や取り扱う主な商材
- 従業員数や上場の有無
- 業界内におけるシェアや具体的な売上高
- 雇用形態や役職の有無
- 勤務する事業拠点や勤務した事業拠点
※転職の回数が多い人は、それぞれの職務経歴の合間に上記情報を記載してください。
職歴を記載する順番は?
転職経験が多く、勤務した企業が2社以上になる場合は、各企業を新しい順に記載します。同じ企業内における職歴は古いものから順番に記載しましょう。
職歴を記載する際のポイント
まずは職歴を記載する際には、漠然と履歴を年表のように羅列するのではなく、必要に応じて適切に編集してください。あなたの強みとなる職歴を中心に、メリハリのある職歴の記載を心がけましょう。
具体的に何ができるのかをアピールしよう
上記で紹介した記載項目に加え、「どんなプロジェクトに携わったか」「その仕事で出した成果や成績を出したか」明確にしていきましょう。
プロジェクトに関してはできるだけ詳細に
職種がエンジニア系の場合、業務がプロジェクト単位で進行することが多いです。そこで自分が関わってきたプロジェクトの難易度や規模が担当者に伝わるよう、予算・開発テーマ・開発期間・プロジェクトの参加人数・プロジェクト内での役割を詳細に記載しましょう。また組織横断的なプロジェクトに参加した経験があれば、エンジニア系以外の人も積極的にアピールしてみてください。
部署名の変更は省略しても問題ない
担当業務や商材が変わった場合はその旨を記載しますが、部署名が組織の改編で変更になった場合には記載を省略してもかまいません。読みやすさを優先してください。
職務経歴書は具体的な数字を記載しよう!
担当者が客観的に判断できるよう、具体的な数字を記載することが大切です。販売職や営業職の人は、自身が達成した売り上げやシェアの獲得に関する数字を記載するといいでしょう。それ以外の職種については、仕事ぶりを伝えることができる数字を記載してください。
悪い例と改善案
(悪い例) 「トップクラスの営業成績です」
(改善案)「14カ月連続で受注金額トップ10を全国300人の中から獲得しました」
(悪い例)「ミスのない慎重な在庫管理を行いました」→
(改善案)「24カ月間在庫管理を担当して、ミスは1件もありませんでした」
実際に数字を記載せず、あやふやに捉えられてしまう悪い例とその改善案について、上記でご紹介しました。これを参考にしながら数字を使って明確化をはかっていきましょう。
3つのプロセスを記載しましょう!
また数字を意識して記載した際、「年間売上金額○円でトップの成績でした」だけでは情報が不十分です。そのため担当した仕事について、下記のプロセスを記載しましょう。
- 「意図」
- 「実行」
- 「結果」
どんな意図で、どんな取り組みをし、結果的にどんな成果があったのか、過程を順序だてながら説明することで、事実として明確になっていきます。
業界用語や社内用語の安易な記載は控えるようにしましょう!
業界用語や社内用語は正確に伝わらない場合があうため、控えるようにしましょう。普段何気なく使っている用語であっても、担当者に正しく伝わるとは限りません。
例えば「定期メンテナンスを担当しました」とだけ記載すると、「定期」や「メンテナンス」が具体的に何を意味するのか分かりづらくなります。建築技術者であれば「施設の修理・修繕を担当しました」、ITエンジニアであれば「システムの見直しを担当しました」などのように、できるだけわかりやすく記載してください。
悪い例と改善案
(悪い例)「定期メンテナンスの業務を担当しました」
(改善案)「既存の顧客との間における契約内容の見直しと、さらに最適だと思われる企画の提案業務をを担当しました」
(悪い例)「部内においてQM事務局業務を担当しました」
(改善案)「四半期ごとに企画部内において行われる全体会議の、準備・運営を行う事務局業務を担当しました」
ビジネススキルやマナーについてアピールしよう
「自ら考えて動けること」「指示待ち人間ではないこと」を示すことが大切です。しかしビジネスにスキルについては客観的評価が難しいため、「効率的な仕事ができる」「論理的に考えることができる」と記載することに抵抗を感じるかもしれません。しかし遠慮せず積極的にアピールしてください。
具体的な記載例
「利害や立場が異なる相手を説得できるよう、数字や事実に基づいた論理的な思考を心がけています」
「定型的な業務については効率化を最優先して、工夫や改善の余地がないかどうかを考えています」
「実際に金銭コストとして発生する費用に加えて、人数や時間の最少化によるコストの削減を意識しています」
ビジネスマナーをアピールしましょう!
新卒者とは異なり中途採用者の場合には、すでにビジネスマナーを身に付けていることが必要とされます。スキルのひとつとして記載することにより、担当者の不安を払拭することができます。
具体的な記載例
「人一倍ビジネスマナーに気を使いながら、保守的な社風の顧客を数多く担当しました」
汎用性の高いビジネススキルを記載しましょう!
パソコンや語学力に関する資格があれば、積極的に記載しましょう。これまでの業務で身に付けたスキルや知識なども記載してください。これらは過小評価しがちになりますが、「だれでもできることだから」と遠慮すると損をしてしまうことになります。
さらに汎用性の高いビジネススキルも記載しましょう。例えば接客や販売の経験は営業にも役立ちますし、営業の経験はマーケティングや企画にも役立ちます。
パソコンに関するスキルを記載しましょう!
ワード(Word)、エクセル(Excel)、パワーポイント(PowerPoint)に関する知識を記載しましょう。ワードでは基本的なビジネス文書の作成、エクセルではグラフの作成やピボットテーブルやVLOOKUP関数が、業務で必要とされるパソコンスキルの目安だと考えてください。
具体的な記載例
「ワードではひな型に基づいて、議事録・提案書・セミナー報告書・出張報告書を作成することができます」
「エクセルでは基本的な操作に加えて2軸のグラフの作成やピボットテーブルやVLOOKUP関数の機能を活用することができます」
「パワーポイントではひな型に基づいて、顧客に対する企画書や提案書を作成することができます」
語学力を証明する資格を記載しましょう!
語学の実力を客観的に証明する資格を記載しましょう。実際に仕事で活用したシーンや頻度にあわせて英検の級やTOEICテストのスコアなどを記載すれば、あなたの語学力が担当者に伝わりやすくなります。
具体的な記載例
「英検2級取得:海外のお客様からの問い合わせのメールに対して、英文で対応することができます」
「TOEICスコア750点:会議において外国人の出席者との意思の疎通を、英語で問題なく行うことができます」
免許や資格についての記載はどうする?
免許や資格はただ持っているというだけではなく、さらに実務経験の有無が重視されます。これらを記載する場合は、免許や資格は取得した年月日や等級など、仕事と関連付けることが大切です。
免許や資格については「あれば有利になる」「ないと不利になる」と考えがちですが、採用の選考では実務経験の有無が重視されることになります。また難易度の高い資格や免許を取得していても、実務経験がなければ評価は低くなります。そのため以下の項目に注目して、記載を心掛けましょう。
- これまでの仕事のために必要で取得した免許や資格
- 入社後の仕事に活かすことができそうな免許や資格
- 入社後に必須とされる免許や資格の有無や取得への取り組み
入社後に必須とされる免許をまだ取得していない場合は、取得への取り組みをアピールしてください。そしてすでに持っている資格に対して、さらに上級の資格(2級→1級)へのチャレンジを記載するのもおすすめです。ただし職務と無関係だと判断されないよう、実務と関連付けた記載が必要になります。
具体的な記載例
「日商簿記1級を20xx年に取得:お金の流れを理解することが企画部門での仕事にも役立ちました」
「秘書検定2級取得のために勉強中:20xx年xx月の試験を受験する予定」
「手話技能準2級を20xx年に取得:イベントの際にスムーズに来場者を案内するために役立ちました」
自己PRのまとめ方について、注意点をしっかり押さえておこう
自己PRでは、どのように応募先企業に貢献できるか、また自分の強みなどをアピールする項目になります。そして、自分の専門性や得意分野、強みを担当者に売り込むのが自己PRです。「入社後に活躍しそうな人材だ」と担当者に判断してもらえるよう、じっくりと内容を検討しましょう。
採用を検討する企業の担当者は、主に書類を通して応募者を判断することになります。書類選考を通過した応募者の面接にかける時間は30分程度に限られ、その中で得られた情報に基づいて採否を決定するのです。あなた以外にも数多くの応募者いるため、自己PRでは「なぜ自分を採用するべきなのか」「入社後にどのように企業に貢献できるのか」積極的にアピールしてください。
自己PRをまとめる際に注意が必要なポイントは?
自己PRのまとめ方は、特に決まった書式やフォーマットは存在しません。ただし職務経歴書の最後にまとめて記載することが一般的であり、A4用紙の3分の1から2分の1程度が目安の分量となります。
「あれができます!」「これができます!」といった自己PRだけでは、説得力に乏しくなります。これまでの職務経歴に基づいた、自己PRの根拠となる具体的なエピソードを提示しましょう。
具体的に何を自己PRすればよいのか分からない人は、これまでの職務経験を振り返ってみましょう。自分自身のスキルや経験を再確認することで、担当者にアピールしたい内容が見つかるはずです。
「上司や同僚からこのような仕事が評価された」「仕事でこのような成果を実現した」など、転職先で再現性のある内容を説明することで担当者に伝わりやすくなります。
自己PRは1つに絞る必要はありません。あらかじめ複数の項目を準備しておくようにしましょう。実際にいくつか自己PRし、担当者がいずれかに興味を持ってくれれば十分だと考えてください。
内容がまとまらず自己PRの記載を省略してしまう人がいますが、面接で必ず自己PRの機会が与えられるとは限りません。一方で、面接での受け答えすべてが自己PRだと考えることもできますが、実際の面接後では職務経歴書に記載された内容が再確認されることが多いようです。
また自己PRが最終的な採用の可否を決定することもあります。そのため職務経歴書にはしっかりした内容の自己PRを記載することを心がけてください。
担当者に熱意が伝わる職務経歴書のサンプルをご紹介
それでは実際に、職務経歴書で担当に熱意が伝わる例文について、項目別にご紹介していきましょう。是非参考にしてみてください。
具体的な数字で自分の実績をアピールする例文
「これまでに3年間、新築マンションの営業職を経験しました。売り上げ管理・価格の折衝・ショールーム来店者を中心とした新規顧客の開拓などを担当し、営業職として月平均200人程度の接客をこなしました。20XX年度には目標の170%となる○件の受注を達成し、営業社員250人中における営業成績第1位を獲得しました。さらに社員400人の中から1人だけに授与される社長賞を、その年度において獲得しました。」
解説
実績については定量的に数字で表すことで、説得力や具体性が高くなります。ただ数字を並べるだけではなく、他の社員が出していた実績と自分の数字を比較することで、その成果を強くアピールすることができます。社内における表彰を受けた場合も、数字でわかりやすく説明してください。
資格やスキルをアピールする例文
「現在の勤務先に新卒で入社して、その後7年間SEとしての経験を積み重ねました。プロジェクトリーダーを入社4年目に、プロジェクトマネージャーを入社5年目に経験して、少しずつ上流の工程に関わるようになりました。その後プロジェクト全体のマネジメントを学ぶ必要を感じて、ステップアップのためにPMPの資格を昨年取得しました。貴社に入社後にはこれまでに大規模なプロジェクトで得た豊富な経験と、資格取得で得た様々な知識を活用したいと考えています。」
解説
資格やスキルは職務経歴書にまとめて記載することが一般的ですが、積極的にアピールしたいものは自己PRで紹介するという方法もあります。転職後に応募先企業の実務に活かせるものであれば、自己PRで積極的にアピールしましょう。
また資格を取得したいと考えたきっかけなど、具体的なエピソードについてもしっかりと伝えましょう。現在特定の資格やスキルの取得にチャレンジしている場合は、取得がどの程度まで進んでいるか、毎日どの程度の時間勉強しているのかなど、説明すると熱意が担当者に伝わりやすくなります。
やる気や仕事に対する姿勢をアピールする例文
「営業職では個人レベルでの対応が難しい課題に直面することが多くなりますが、現在所属する法人営業部ではメンバーそれぞれがお互いを補って、得意な分野を活かすことで成果をあげています。具体的には毎朝の朝会で課題を出し合ってメンバー全員で解決を図ることや、それぞれの出身業界における経験が活かせる担当をアサインすることなどを提案しました。各メンバーの目標が大きく未達となることはなく、個人における目標達成率は平均よりも若干高い程度でしたが、これらの施策によりチーム全体としては15カ月連続で売り上げ目標を達成しました。メンバー同士がお互いにフォローを行いチーム全体として成果をあげたことに、大きな価値を感じています。」
解説
自己PRでは職歴だけで伝わりづらい「応募者の仕事に対する考え方、姿勢、パーソナリティー」をアピールすることも重要だといえるでしょう。仕事の際に常に念頭に置いているモットーやポリシーなど、具体的なエピソードを交えて応募先にアピールすれば、担当者の好印象が得られるかもしれません。
自己研鑽や業務外での取り組みをアピールする例文
「所有する自宅マンションの管理組合の役員に選出され、住民間の意見の調整や各種費用の徴収・管理などを行った経験を、今後の仕事に活かしたいと考えました。現在は投資家向けマンションの営業を担当していますが、不動産管理会社である貴社への転職を希望します。」
解説
未経験の業種や業態への転職を希望する場合には、業務外における活動やボランティア活動の中にこれからやりたい仕事との接点が見つかるかもしれません。業務外であっても応募先企業での仕事に活かせそうな経験があれば、自己PRで積極的にアピールしましょう。
志望動機のまとめ方はどうする?
志望動機はなぜその仕事に就きたいのか、なぜその企業に入社したいのかを伝えるための項目です。また志望動機は職務経歴書の記載はもちろん、面接でも必ず確認される項目になるので、しっかりと話ができるように準備をしましょう。
志望動機をまとめる際に注意が必要なポイントは?
複数の企業へ志望動機を使いまわす人がいますが、どの企業にも通用する志望動機はむしろNGだと考えてください。曖昧な志望動機は熱意が足りないと判断されてしまう可能性があるため、選考では不利になります。
「転職を希望する企業の社風や社員」「市場シェアや業績」「サービスや商品」など、魅力をあげる人が多いのですが、あなたの志望動機は他の人にとっても同様であり、それだけでは不十分だといえます。そこで大切なのは、自分自身の転職理由と結びつけることで、その他の応募者と差を付けられるでしょう。
まずは自分が転職で何を成し遂げたいか、なぜ転職を考えたか、志望動機をまとめる前に再確認しましょう。例えば「現在の職場で与えられている裁量権が小さいので、さらに大きな裁量権が与えられる職場に転職したい」と考えたのであれば、志望動機は「より大きな裁量権が期待できそうな貴社への転職を希望しました」ということになります。
さらに、下記に記載する項目も立派な志望動機になります。
- 「雑誌で社員のインタビュー記事を読みました」
- 「貴社と取引がある知人の話を聞きました」
- 「求人誌に若手でも大きな裁量権が与えられると書いてありました」
転職を希望する企業に関して、様々な情報をしっかりと確認し、あなただけのオリジナルの志望動機を検討しましょう。
実績やスキルを合わせることで、自分のやる気や仕事に関する能力をアピールすることができます。自分の経験や強みが活かせることを志望動機として積極的にアピールしましょう。
「私は自分に裁量権が与えられた仕事では、これまですべて目標を達成してきました。大きな裁量権を与えられる貴社であれば、達成思考が高い私はさらに業績に貢献することができます。」
上記のような動機であれば、あなた自身を効果的にアピールできるはずです。
よくある志望動機のNG例をご紹介
そこで単なるユーザーとしての感想ではなく、なぜそのように感じたか、さらに具体的な改善案など、細かく提案することができれば応募先企業をしっかり研究している評価されるでしょう。
「自分のこれまでの経験に固執せずに、貴社の良いところを積極的に吸収して成長していきたいと思います」
担当者に熱意が伝わる志望動機のサンプルをご紹介
未経験職種への転職でアピールする例文
「スマートフォン向けのゲーム作りを個人的な趣味として、学生時代からずっと続けてきました。広告代理店で3年間インターネット関連の企画営業を経験して、社会人としての基本的なスキルを身に付けたつもりです。今後のキャリアプランを考えた上で、ゲーム作りの仕事がしたいと考えて転職を決意しました。新しい技術を積極的に取り入れてVRを活用したゲームを開発する、貴社の姿勢に魅力を感じています。これまでの企画営業で身に付いたwebマーケティングに関する知識や経験を活かして、売れるゲームの企画開発に取り組みたいです。」
解説
なぜ未経験の職種にチャレンジしようと思ったのか、その背景をわかりやすくまとめることが重要なポイントになります。未経験者でも転職後は経験者と同じ土俵で勝負することになり、仕事は経験者と同様の内容が求められます。これまでの経験で得た知識や経験を今後どのように活かすことができるのか、新しい仕事に就くための努力や取り組みを積極的にアピールしてみてください。
同じ職種への転職でアピールする例文
「主にサーバー製品の営業をIT系ハードウェアベンダーで担当しています。主な顧客企業は大手企業であり、サーバーを大規模システムの一部として納入しています。現在の仕事の内容や担当する製品に不満はありませんが、規模の大きなチームの一員として他の営業メンバーとの協業で仕事をしているため、個人としての貢献度や提供する価値が見えにくいことに疑問を感じています。webサービスを中小企業に対象として提供する貴社では営業活動を個人または少人数のチームで行うと聞いて、貴社への転職を希望しました。自分の提供する価値が見えやすい環境でこれまでの知識や経験を活かすことで、貴社の事業に貢献したいと考えています。」
解説
前の職場にどのような不満を感じたのか、なぜ前の職場では問題を解決することができなかったのか、明確に提示してください。同じ職種への転職は「細かく説明しなくてもわかるだろう」と考えがちですが、企業により仕事の進め方や内容は異なるため、丁寧を心掛けましょう。
第二新卒の転職でアピールする例文
「新卒で入社した企業で2年間、研究開発の仕事を経験しました。大学で学んだ知識とは直接関係ない部門に配属されたため、今後は自分の専門性が活かせる環境で働きたいと考えて、貴社への入社を希望しました。前職では入社3カ月後にも一度転職を考えたのですが、入社した企業でまずは何かの成果を残したいと考えて、その時点での転職は思いとどまりました。その後社会人としての基本を身に付けたことや、先輩の研究にアシスタントとして関わって一定の成果を得たことをきっかけとして、転職活動を開始しました。」
解説
第二新卒者は中途採用者を募集する企業が注目している人材ですが、一方で「採用してもすぐに辞めてしまうのではないか?」と慎重に判断するところも多いようです。前職は短期間であっても責任を持って熱心に仕事に取り組んだ姿勢を具体的なエピソードとともにアピールしてみましょう。また社会人として必要とされる、スキルやマインドを学んだことを伝えるのも効果的だといえるでしょう。
一度離れた職種に戻る転職でアピールする例文
「営業職から事務職に、2年前に転職をしました。当時は200社以上の顧客企業を担当しており、1社ごとのニーズにじっくりと対応できないことに不満を感じていました。事務職として多忙な営業職を支える存在になりたいと考えて事務職に転職したのですが、その後自分の間違いに気が付きました。自分が本当にやりたかったのは、顧客と直接顔を合わせて向かい合う営業だということが分かったのです。現在は顧客との関係を大切にするルート営業などのスタイルで働くことを目標に、営業職への転職活動に取り組んでいます。」
解説
上記は、営業職から事務職に転職した人が、営業職へ再転職を希望する場合の例になります。最初の転職は結果として失敗だったわけですが、そのことを自分の中でどのように理解し、今後のビジネスキャリアに活かしていくのか、自分自身の言葉で率直に伝えてみましょう。
職務経歴書に記載するべきではない事柄とは?
職務経歴書には、ボランティア活動・アルバイト・特技・趣味などの情報は余分だと判断されて、むしろマイナスに評価される可能性があります。仕事に直接関連しない情報は記載しないようにしましょう。
もしボランティア活動・アルバイト・特技・趣味などが充実していたとしても、仕事に直接関連しないのであれば意味がないと判断されます。採用を判断する担当者は「この人は入社後に何ができるのか?」「この人は事業にどのように貢献してくれるのか?」が知りたいのです。そこで仕事に活かすことができるプライベートな情報がある場合は自己PRとして用いるのも良いでしょう。
職務経歴書の書き方のポイントを職種別にご紹介します!
まずは職務経歴書の冒頭に企業への入退社や社内における部署の移動、さらに得意な分野や開発の経歴を、関わったプロジェクト単位で記載してください。開発の経歴については表形式で、役割・開発環境・業務内容・期間を項目ごとに整理します。
さらに担当した企画内容や業績管理の手法など、マネジメントに関する経験を記載しましょう。チームや部署の実績やその業務内容、実際にマネジメントした社員や協力会社社員の数などをできるだけ具体的にまとめましょう。
その業種で働いたことがない未経験者の場合には、応募理由や仕事に対する意欲を志望動機として記載するのがおすすめです。
システムエンジニア・社内SEの職務経歴書の書き方のポイントは?
システムエンジニアは技術職に限らず、その他の経歴に関してもできるだけ詳細に記載してください。実務での経験や強みをアピールできるよう、応募先企業や応募する職種に沿った情報を記載しましょう。
エンジニア職務経歴書で必要となる項目は、以下のようになります。
- 担当フェーズ
- 役割分野
- 概要プロジェクト名
- 開発環境
- 業務内容 など
さらにUMLでの設計や、DBのチューニングなど開発上の特記事項を合わせて記載するのが効果的です。
スキルの記載について
スキルは補足説明で、それぞれがどのようなレベルか示すようにしましょう。また開発環境については、ミドルウェア・データベース・開発言語・OSなどを、できるだけ具体的に記載してください。
ITセールスの職務経歴書の書き方のポイントは?
ITセールスについては、個人と法人で職務経歴書に記載する項目が異なります。以下で確認していきましょう。
- 個人を担当 職業・年齢層・性別など
- 法人を担当 役割(職位)・部署・業態・業界・担当エリア・担当件数など
- 営業を担当 代理店営業・新規開拓・ルート営業・直販など
(紹介・テレアポ・飛び込みなど、具体的な手法や取引先企業への提案内容、営業のための工夫や成果についても記載しましょう)
また製造・金融担当 製造・金融などの担当領域・関連するDBやOS,サービスや、システムなどの担当するプロダクトについては具体名を記載してください。
プロジェクトマネージャーの職務経歴書の書き方のポイントは?
プロジェクトマネージャーは、顧客折衝・業務推進・管理などの能力が重視されます。上流工程であるベンダーコントロールや仕様設計から、開発や運用に関する素養やマネジメント経験が必要とされるのです。
- 調達管理
- リスク整理
- 折衝を含めた顧客とのコミュニケーション
- 人員管理
- 品質管理
- コスト管理
- タイムスケジュール
- 開発目的とその範囲 など
上記の中からプロジェクト管理の能力をアピールする事項を選択して記載してください。
プロジェクトマネージャーは開発プロジェクトのフォロー・要件定義・システム提案などを、一貫して担当することになります。できるだけ具体的に、これまでに携わったフェーズを記載しましょう。さらに特異な開発環境について、どの業界に関する知識が豊富なのか、などを記載するとより効果的なアピール方法になります。
コンサルタントの職務経歴書の書き方のポイントは?
コンサルタントは、これまでの実績や企業に対する貢献度をアピールするため、ポジション(役割)や所属部署、得意とする業界や業務に関する知識や経験を記載します。
担当する部門や顧客との折衝や調整に関する業務経験は、コンサルタントの採用を左右する重要なポイントです。担当する企業の数・企業規模や業界を詳細に記載しましょう。
コンサルタントは具体的な数値の記載がポイント!
さらに具体的な数値で業務成果をアピールすることが重要になります。担当した期間の平均実績値や増加率を、年次ごとや月次ごとに、数字で示してください。また個人成果を示すことが難しいチーム業務の場合は、チーム全体の実績を示すようにしましょう。
サーバ・DBエンジニアの職務経歴書の書き方のポイントは?
サーバ・DBエンジニアは、以下の項目を記載しましょう。
- ストレージ・データベース
- OS
- サーバー
- ネットワーク
- クライアントのサーバー台数や種類
- ルーターやHUBなど
- 担当した拠点の数や規模
- 納期調整
- 生産調整
- 貿易実務
- 受発注など/li>
サーバ・DBエンジニアは、インフラ全般について、またネットワーク機器やその名称・製品番号などを具体的に記載します。そして顧客や代理店や各部門や協力会社(外注先)との間における折衝の経験も重視されます。上記の項目をしっかりと記載していきましょう。
webクリエイティブ職の職務経歴書の書き方のポイントは?
webクリエイティブ職は以下の項目を記載しましょう。
- 運用体制の確立
- 業務の把握及びコントロール
- 進行の管理
- プロジェクトに関する体制作り
- 制作進行
- コンセプトメイク
- プレゼンテーション
- 提案・企画
上記のように、webサイト制作に関わった全ての業務経験を具体的に記載してください。さらに紙媒体(雑誌・フリーペーパーなど)の編集や企画に関わった経験があれば、あわせて記載しましょう。
使用可能なスキルを有する言語やアプリケーションについては、「Director」「Flash」「Dreamweaver「Photoshop」のように、ミドルウェア・データベース・言語・OSの具体名を記載してください。
ネットワークエンジニアの職務経歴書の書き方のポイントは?
ネットワークエンジニアは、顧客や代理店や各部門や協力会社(外注先)との折衝の経験が重視されます。そのため以下の項目を記載しましょう。
- 納期調整
- 生産調整
- 貿易実務
- 受発注
- 担当した拠点の規模や数
そのほかには、ルーターやHUBなどのネットワーク機器、クライアントのサーバーの台数や種類についても、具体的にその名称や製品番号などを記載します。またインフラ全般(ストレージ・データベース・OS・サーバー・ネットワークなど)に、具体的にどのように関わったのかを記載してください。
テクニカルサポート/ヘルプデスクの職務経歴書の書き方のポイントは?
テクニカルサポート/ヘルプデスクはこれまでに担当した役割や、他企業のサポートを請け負った場合にはその業界を記載してください。これまでの業務の内容を箇条書きにし、対応可能なOSやそのバージョン、サポートの規模や範囲などを記載します。さらに業務に関する資格などがあれば、それらについても記載しましょう。
テクニカルサポートやヘルプデスクでは知識レベルが確認されますので、能力や技術を客観的に示すことができる事項についてもしっかりと記載してください。