インターネットが普及した今、すぐに得たい情報を手に入れられるし、クリック1つで物品を購入できるようになり、またさらにクラウドサービスなどを利用することでインターネットだけでお仕事ができるようにもなるなど、私たちの生活の中にITの存在はかけがえのないものとなりました。
今ではスマートフォン1台でもできるお仕事も増えておりますが、法人化された企業で考えると、パソコンとオフィスとサーバー以外の元手もほとんど必要なく、それ故に得られる利益も大きいということからITベンチャー企業もどんどん立ち上がっており、IT業界も大きな盛り上がりを見せております。
ただ一方で、「IT業界に転職したい人」や「IT業界にいるけど別の企業に転職したい人」にとっては、選択の幅が広がったことで「大手とベンチャー、転職するならどっちがいいのだろう?」という疑問を持つ方が増えてきました。
この記事では、IT業界で転職するなら大手かベンチャーのどちらがオススメかということについて、色んな角度から紐解きながらご紹介させていただきます。
そもそも、転職先の企業に求めるものは明確ですか?
そもそもIT業界に限らず、転職をする上であなたが企業(または仕事)に求めるものや、あなた自身が長い人生の中で、会社員としてお仕事をする上で大切にしている価値観はどんなものかという部分について、明確になっているのでしょうか。
多くの求職者は、この部分を自分の中で明確化をしていないがために、間違った企業選びをしてしまったり、妥協して内定をいただいた企業で働いてみたものの、結局社風が肌に合わなくて、ミスマッチの末に退職し、また転職を繰り返すという悪循環に身を投じてしまう恐れもあるのです。
では、転職をする上で求職者が企業に求めることは、どんな事があるでしょう?
それは、大きく分けて下記の3つがございます。まずは、そこからお話していきます。
転職をする上で求職者が企業に求めること3つ
- 自身の “ 成長 ”
- 会社の “ 安定・居心地の良さ ”
- 得られる “ 給料 ”
自身の “ 成長 ”
成長と一言で言っても角度は様々です。
- どんな状況でも動じないメンタル面の成長
- セールススキルやマーケティングスキルなどの何かしらの能力面の成長
- 将来に役に立つような実績を積みたい・残したい
- 様々な価値観に触れて人間性を高めたいという意味合いの成長
もちろんそれだけではありませんが、特に営業職やWEBディレクターを希望していて、将来IT業界で独立をしたいと高い志を持った方は、こうした様々な角度からなる「自身の成長」を根本的に考えた転職を希望されることが多い傾向があります。
特にそうしたクライアントとの折衝がある業務に関しては、社内にいる上司や先輩社員、同期といった同じ会社にいる人間だけでなく、全く違った価値観や現場を渡り歩いてきた経験豊富な役職者などと接触することができます。そのため、自分の価値観を大きく変える可能性はもちろん、もしまた違う企業に転職・もしくは独立をした時、自分のことを応援してくれる可能性のある企業と出会うことも見出すことができるのです。
会社からお給料をいただきながら、自分の経験を積んで成長させ、また将来に役に立つ人脈を手に入れることができる、という部分にメリットを感じたり重要視する方は、この「自身の成長」の価値観で転職先を決定します。
会社の “ 安定・居心地の良さ ”
今やIT業界だけでなく、どの業界も大手企業だからといって雇用が安定しているとは限りません。
現に私たちが幼い頃から業界の第一線で活躍してきたSHARPも買収され、同じく業界で活躍してきた東芝も半導体部門の経営状況の雲行きが怪しくなるなど大手企業の経営難がニュースを騒がしており、名の知れた有名な企業だからといって、企業存続が約束されているような時代ではなくなってしまいました。
そうした状況を日々ニュースなどで受け取る私たちも、いざ自分の所属している会社が倒産や吸収合併されてしまうことになってしまったらと不安になり、安定を求める意識が刺激され、どんどん企業の安定を求めてしまうのです。
一方現在の転職市場では、1社に長く勤めるよりも、どんどんスキルアップや経験を積むために転職を勧める声や意見も多くあり、1社で留まることによって視野が広がらないリスクを提唱する声もありますが、そもそも安定志向を根強く持った求職者には、そうした意見や声というのはうまく届いていないようです。
また、安定した1社に長く勤めたいという希望は、何も会社の業績だけに向けられているものではありません。約40年と長い期間勤め上げたいと思える企業には、社内の良好な人間関係や自分に合う社風を求めます。
長く勤められる環境というのは、快適な環境でなくてはならないと考え、少しでも体育会系の社風の気配を感じ取ったり、社内の人間関係に良質さを見出せない場合は、いくら事業が安定している企業であったとしても、求職者には魅力的に映らないのです。
自身が求める社風で、良質な人間関係と安定した企業経営を希望する求職者は非常に多く、そのために転職市場でいつまでも残り、転職活動をずっと継続して行なっている求職者も珍しくありません。
それでも、自分の所属する企業の安定や居心地の良さを諦めず、転職活動を続けている求職者も非常に多くなっているのです。
得られる “ 給料 ”
3つ目は、転職理由でも最も多い、得られるお給料の金額についてです。
同じ業務をするのであれば、やはり少しでもお給料を多くもらいたいと思うことは当然の欲求ですし、転職を希望するきっかけとして「年収を上げたかった」という意見を、求職者からお聞きする理由で1番多いものになります。
特に独り身ではなく家庭を持っている方に多く見られる理由で、その中でも女性より妻子持ちの男性に多く見られる傾向があります。
やはり一家の大黒柱として、多くの収入を奥様から求められるという方も多く、また日本の女性のうち900万人が専業主婦という実態もあり、まだまだ男性1人で支えられている家庭も多く存在しているため、そうした背景が反映されて「お給料」を最重要視する方が多くなっているのだと考えられます。
実は「高いお給料」を求める求職者も、2パターン存在します。
1つは「自分が貢献した成果の分、正当にお給料に反映させてほしい」と主張する人と、もう1つは「家族を養わないといけない、生活をしなければいけないから、とにかくお給料を高くしてほしい」と主張する人です。
前者の場合であれば、特にIT企業の盛り上がりはアメリカのシリコンバレーが盛ん(GoogleやFacebookもシリコンバレー発となっております)で、そうした企業の体制をモデリングしている企業が多いため、「働いた分を正当にお給料に反映してほしい」という要望は、海外企業の評価制度の主である成果報酬制度(インセンティブ制度)で賄えているため、心配する必要はほとんどございません。
しっかり出した成果によっては、基本給+αの成果報酬が付与される企業がほとんどです。
一方で、「家族を養わないといけない、生活をしなければいけないから、とにかくお給料を高くしてほしい」という主張は、少し冷たい言い方になりますが、企業経営にとっては全く関係のないことなのです。
企業が採用活動を行うのは欠員の補填が目的ではなく、あくまで企業の業績アップや発展が目的で行なっているので、家族を養いたい、生活があるという理由で給料アップを望まれるのであれば、その分会社に貢献する以外、道はないのです。
その中であなたは、何を最優先しますか?
自身の成長や企業の安定・居心地の良さ、お給料と、求職者が転職先に求める要素を大きく3つに分けてお伝えをさせていただきましたが、どれが良い、どれが悪いというのはございません。
自身の成長を考えながら転職する姿勢は素晴らしいものですし、このご時世、企業の安定を求める気持ちも当然です。
養うべきご家族の存在があるのであれば、現実的に考えて、お給料の高さを最優先することも当たり前でしょう。
ただ、転職活動を始める前に、これらのどれを最重要視するのかを決めておかなければ、企業選びを間違ってしまい、結局転職を失敗させてしまうことがほとんどです。
IT業界には、ベンチャー企業を含めて多くの企業が存在しますし、他の業界に比べると企業の選択の幅が非常に広くなってることが特徴です。
その中であなた自身が何を求めるかを明確にしておくことで、あなたが求めるぴったりな環境を用意してくれる企業に出会うことができるはずです。
まずは転職を決意した時点で、自分が転職先企業に何を求めるのか、明確に決めておくことが大切カモ!
業種や目的によって、オススメする企業規模は変わる!
前述させていただいた通り、転職する上で大手企業を志望するのか、ベンチャー企業を志望するのかは大きく変わります。
また、それは希望する業種も含めると、さらに明確に方向性がわかるようになります。
例えば、「営業職」や「WEBディレクター職」で「自身の成長」を考えるのであれば、未経験であっても入社後すぐに活躍できるチャンスや環境を用意していただけるベンチャー企業がおすすめになりますし、同職希望でも「企業の安定感・居心地の良さ」を求めるのであれば大手企業をおすすめすることになります。
また、プログラマーで「自身の成長」を最重要視するのであれば、やはりプログラムのトレンドものに強いベンチャー企業になりますし、「企業の安定・居心地の良さ」を考えるのであれば、大手企業をおすすめすることになります。
ただし、女性の求職者に多く見られる傾向ではあるのですが、この「企業の安定・居心地の良さ」の中にも、「産休が取れるか」「子育てが落ち着いてからの現場復帰が希望できるか」という部分を重要視するのであれば、福利厚生のユニークさや柔軟な企業体質を持ったベンチャー企業をおすすめすることになります。
「企業の安定・居心地の良さ」を求めるからといって、大手企業だけが適役というわけではなく、こうした細やかな「最重要事項」によって、おすすめする企業形態は変わってくるのです。
こうした理由もあり、前述した「事前に方向性や最重要事項を決めておく」というプロセスは、大切になってくるということです。
大手企業のメリット、デメリットは?
ではここからは、実際に大手企業とベンチャー企業、それぞれに所属する上でのメリット・デメリットについて、3つずつ挙げ、簡単にご紹介させていただきます。
もちろんこれらが全てではありませんが、転職活動をする上では、どちらを中心に応募しようかの基準を、ここからご判断いただけるかと思われます。
まずは、大手企業のメリット・デメリットからご紹介させていただきます。
大手企業に所属する、3つのメリットとは?
企業自体の信頼度が高い
やはり設立したてのベンチャー企業には、クライアントが感じられる信頼や実績がないので、どれだけすごい提案をしても、どれだけ力説したとしても、やはり企業として信頼し切っていただくことは難しいものです。
ただ、大手企業であればその業界に所属している人にはもちろん、世界的に有名な企業であれば、業界のことは何もわからないけど企業名は知っている、という方も多く、企業の持つ歴史や実績が、クライアントからも大きな信頼や安心感を得られるきっかけになるのです。
また、目的や状況によっては、大手企業に所属していた経験が活きることもあります。
例えば営業職やWEBディレクター職を希望される方にとっては、特に同業界で独立をしたいということであれば、大手企業での実務経験があるというブランドは、お客様にとって信頼の側面で大きく影響を与えるものになるでしょう。
リクルート出身の営業マンが、ある程度成績を残した後に独立した時に、「元リクルートMVP受賞者」などという肩書きをつけるのは、そうした独立直後からでも、「元リクルート」という看板を使用して、クライアントから信頼されるための手立ての1つです。
また、職種を問わず、何かしらの事情があって転職をせざるを得ない状況であったとしても、まだ転職市場では企業は大手企業所属経験のある求職者を大きく評価する体質が残っているので、そうした場面でも役に立つことがあります。
ベンチャーに比べ安定している企業が多い
SHARPや東芝のように、大手企業でも経営の雲行きが怪しくなっていることは言っても、まだまだベンチャー企業に比べると安定している企業が多いことは、紛れもない事実です。
資本自体が非常に大きいということ、歴史があるのでそれなりの実績を多く持っていることから、長年の経験を活かした経営により、多少の損益やダメージを受けたとしても、企業自体が倒れることはありません。
ただし、従業員による大きな粗相や、ニュースに取り上げられるような犯罪などを起こしてしまった時は、業績に大きく響くほどの信頼的なダメージを受けることになります。
もちろん、そうした自体が起きなければ信頼を大きく無くすようなことはありませんし、また経営層の指揮や判断がしっかりしている企業は、どんどん業績を上げていっております。
やはり、1番に「企業の安定・居心地の良さ」を考える方に関しては、大手企業を中心に転職活動に挑戦してみることをおすすめします。
福利厚生が手厚い
ベンチャー企業の福利厚生はユニークなものが多くあるというところが魅力の1つではありますが、大手企業の場合はユニークさはなくても、一般的に求職者が求めるような福利厚生が用意されている可能性が大きくあります。
例えば住宅手当や配偶者・子供手当て、リフレッシュ休暇など、忙しく体制もあまり整っていないベンチャー企業には、なかなか用意が難しい福利厚生が揃っている可能性が高くあります。
特に住宅手当や配偶者・子供手当てに関しては、家庭を持った求職者や一人暮らしをしている求職者にとっては喉から手が出るほど欲しい待遇ですが、特に住宅手当については近年では多くの中小企業でも支給されることがなくなってきているので、求職者にとっては大きな魅力に感じるはずです。
大手企業に所属する、3つのデメリットとは?
企業体制が古い可能性がある
今や働き方の幅はとても広くなっており、正社員でも在宅ワークが認められている企業もあれば、多くの企業で勤怠管理や何かしらの報告などを全てインターネット上のウェブシステムで完結することが当たり前になっているのですが、大手企業に至ってはIT業界であったとしても、そうした最新の体制に上層部がついていくことができず、結果として営業に出かける時はホワイトボードに記入、経費精算は市販の精算書を使用して提出するなど、非常にアナログな古い方法を取り入れている企業も数多く存在しております。
また、そうした日々の業務で煩わしさを感じるだけならまだいいのですが、組織体制が完全なトップダウンであったり、成果主義ではなく年功序列の評価制度になっている企業もまだ多く存在しており、いくら頑張っても昇給や昇格に反映されないという不満ややりきれない気持ちから、せっかく大手企業に転職できたとしても再度転職を希望する求職者も少なくはありません。
物事を決めるまでのスピードが遅い
大手企業の組織体制は何層にも分かれていることが多く、同じ課の中での役職も、サブリーダー、リーダー、チーフ、マネージャー、責任者などといったように多くの役職に分かれていることが大半のため、1つの意見や案が通るまでに多くの役職者の決済をいただかないといけないことから、物事が決まるスピードがベンチャー企業に比べても格段に遅くなります。
堅実さ故にトレンドについていきにくい
IT企業のトレンドは、まるでアパレル業界のレディースファッションのように目まぐるしく、一躍有名になって多くのユーザーに愛されていたWEBシステムやアプリケーションが、他の類似したものや改良されたものがローンチされると、ユーザーは素早く改良された方のシステムやアプリケーションに乗り換えます。
また、そうしたシステムやアプリケーションを作るプログラミング言語も多数開発されていたりバージョンアップがなされているため、どんどん最新の情報を取り、社内で対応できるように働きかけることが大切なのですが、大手企業は組織の規模が大きいが故に、そうしたトレンドに素早く対応するスピードを出すことが難しくなっているのです。
もちろん資本があるので、トレンドの言語に対応できるプログラマーの斡旋を有料でお願いすることは可能になるのですが、もともとの企業が持つ「企業力」だけでは、そうしたトレンドに素早く対応することは難しくなっているのです。
もし対応できたとしても、それまでに莫大な金額をかかるはずなのに、浸透し切った頃にはまた新しいトレンドが来て…という繰り返しの中で喘いでいる企業も、少なからず存在するということはデメリットとして挙げられるポイントかと思われます。
ベンチャー企業のメリット、デメリットは?
続いては、ベンチャー企業に転職するメリット、デメリットについて、こちらもそれぞれ3つずつご紹介させていただきます。
ベンチャー企業に所属する、3つのメリットとは?
すぐに実務に入れる
ベンチャー企業での求人は特に、即戦力として活躍していただける人材を求めていることがほとんどです。
ただ、だからといって、プログラマーやデザイナーのような専門職以外は未経験入社も可能(厳密に言うと専門技術職でも未経験応募は可能)になっており、特に営業職やディレクター職に関しては、数日のデスクワークや研修を経験すれば、そのまま現場に出ることを求められるので、大手企業に転職した場合よりも早く実務を経験することができ、その分早く成長することも可能です。
もちろんすぐに現場に出されるからといって、不安になることは一切ありません。
最初は電話でアポイントを取るなどといった未経験者でもできる範囲の業務から任され、実際のアポイントに関しては先輩社員や上司が同行して進めて下さりますし、流れを掴むまではそうしたサポートを行ってくださるので、よほど人員不足の会社でない限りは、そうした心配を抱える必要はございません。
退屈な研修を長々と受けることが苦手であったり、オフィスのデスクワークで勉強するよりも実際の現場で経験する方が実務を覚えられるというタイプの人にとっては、ベンチャー企業の実務の流れはぴったりではないかと思います。
成果が昇給・昇格に反映されやすい
特に営業職やディレクター職のように、クライアントと折衝し、成績が数字で表れやすい職種に関しては、そうした成績がお給料面やキャリアアップにとても反映されやすいという利点を持っています。
もちろんエンジニアやプログラマーといった専門職も、扱えるプログラミング言語の幅の広さや理解の深さ、マスター度合いによって、大きくお給料を増やすことも可能です。
ベンチャー企業では特に、基本給は中小企業並みかそれ以下であっても、頑張って成果を上げれば上げるほどお給料に反映されていくインセンティブ制度を取り入れている企業がほとんどなので、給料は固定給でどれだけ頑張っても変化はなく、その上で上司から数字について厳しく追求されるという煩わしい経験をする必要はございません。
また、ベンチャー企業というのはキャリアアップのスピードも非常に早く、成果を出している方に対しては、チーフやリーダー、マネージャーなど、どんどん責任感のある役職を与えてくれるので、いくら成績を残したとしても、年功序列で自分より先に入社した先輩社員のほうが先に役職者になった、というに苦い経験も、しなくてもいいのです。
ベンチャー企業の昇給やキャリアアップは非常にシンプルで、やることをやればお給料ももらえるしキャリアアップも叶う、やらなければ両方とも叶わないというものです。
頑張った分は正当に評価をしてもらいたい、年功序列ではなく成果主義の社風が好みだという方には、ベンチャー企業をおすすめします。
自分の意見が通りやすい
ベンチャー企業の組織形態は、大手企業のように複雑ではなく、至ってシンプルな場合がほとんどで、多くのベンチャー企業では代表と非常に距離が近いということが特徴として挙げられます。
そのため、大手企業のように、1つのことを何人もの上司に重ね重ね決済をいただかないと動けない煩わしさもなく、直接代表に相談できる、もしくは間にいる役職者や責任者に相談しなければならなかったとしても、その人数は圧倒的に少ないことが特徴です。
もし代表との距離が近く、そうした決済を直接代表にお願いできる会社であれば、立案した企画や物事が全てスムーズに、スピーディーに決済されていくことでしょう。
ただ、大企業特有の決裁者の多さに煩わしさやストレスを感じなくてもいいことは確かではありますが、代表に決済をいただくということは、それなりの成功する根拠や角度をしっかり把握し、説明することが求められます。
小さなベンチャー企業になると、そうした企画や物事のミスで大きく経営が傾くこともあり、事業を起こした代表の目は鋭く光ることは間違いありません。
もし何か成し得たいことや、立案したい企画などがあれば、しっかりリサーチを重ね、勝率を自分の中の限界まで上げた状態で提案をしなければ、そのなり得たいことや企画が実行される日は来ないでしょう。
ベンチャー企業に所属する、3つのデメリットとは?
企業自体が不安定
IT業界では、特にWEBシステムやアプリケーション開発を中心に行なっている企業については、資本金など事業に必要な準備金がなくても開業できるというところがメリットでもあり、デメリットにもなるのです。
確かに事業自体は起こしやすいということは魅力的に映るかもしれませんが、それ故にまともな経営の知識やお金の知識のない経営者の場合、企業に残るお金や固定費、変動費など会社としてかかってくるお金の流れを把握しきれず、ズボラなドンブリ経営になってしまっている会社も少なくはありません。
そうなると一見、売り上げは立っているし事業は安定しているかのように見えても、実際の経営状況は非常に悪く、そのまま経営破綻してしまう…というような危険性もあります。
また、そうしたお金の部分の側面の不安定さだけがデメリットではございません。
前述の通り、事業が起こしやすいというメリットがあるが故に、ITベンチャーの数も非常に多くなっており、市場としても入れ食い状態になってります。
大手企業のように圧倒的な実績や信頼度、もしくはその企業にしか提供できない強みがなければ、多くのベンチャー企業との顧客の取り合い競争に巻き込まれてしまう可能性もあります。
ベンチャー企業は規模も小さく、こうした会社としての信頼も大きくはないため、こうした競争に巻き込まれた結果、事業を継続できなくなった会社も多く存在していることから、安定性という側面はベンチャー企業に求めることはできません。
企業体制が変更しやすい
ベンチャー企業は規模が小さいが故に柔軟さがメリットに感じられますが、その柔軟さ故に企業体制や企業の方向性が変更になるということは、非常に多く見られます。
経営者は基本的に新しいもの好きで、新しいワクワクしたことをどんどん実行していきたいと思っていることが一般的です。
そうした変化ある職場を好むひとにとっては、とても刺激的で魅力に感じられるかもしれませんが、そうした変化に対応していくということは、予想以上に体力を要します。
特にベンチャー企業は安定感がないが故に、トレンドをいち早く掴み、それを素早く実行することが事業を成功させる鍵でもあるので、そうした疾走感ある現場についていくことができず、退職を決意する方も多く見られます。
そのため、1つのことをじっくり極めることを好む人には、ベンチャー企業をおすすめすることはできないでしょう。
体育会系の社風が多い
前述の通り、ベンチャー企業には安定性がなく、とにかく1つの事業で大きく利益を出し、それを存続させることが課題になるのですが、その1つの事業を当てるまでは、暗中模索な状態を経験することになります。
それ故に、利益にならない事業はどんどん切り捨てていき、会社が倒れないようにどんどん成果を出していくことが求められるので、社風としてはどうしても体育会系の会社が多くなっております。
また、会社の数字面をサポートするようん営業職やディレクター職は、非常に数字をシビアに追求されるため、定められていた目標を達成できた時はいいのですが、達成できていない場合、夜遅くまで会社に残って、数字を作るためにできる作業をどんどんこなしていかなければなりません。
さらにプログラマーなどは少人数制の体制になるので、1人で作り上げるプログラムの量が非常に多くなり、営業職やディレクター職と同様に、自宅に帰るのが遅くなる、あるいは納期次第では自宅に帰れず、会社で寝泊まりして作業をすることになるという可能性もございます。
それぞれのメリットやデメリットを比較しながら、あなた自身が働く上で重視している目的を考え、企業選びをする必要があるカモ!
大手企業にもベンチャー企業にも、メリットやデメリットはどうしても付き物!
あなたが転職する上で、どういった最重要事項を持っているかによって、大手企業だから絶対にいい、ベンチャー企業だからおすすめといったような判断は出来かねます。
大手企業だからこそのメリットもあれば、ベンチャー企業だからこそのメリットもありますし、反対にそれぞれ特有のデメリットも存在します。
大部分で言うと、自身の成長をすぐに叶えたいのであればベンチャー企業がおすすめになりますし、企業の安定や居心地の良さを考えれば、大手企業がおすすめになりますが、あなたが求めるものの詳細によっては、おすすめする形態が変わることも大いに有り得るのです。
もしそれでも、自分は大手企業を希望した方がいいのか、それともベンチャー企業を希望した方がいいのかがわからない場合は、転職エージェントに相談することをおすすめします。
特にIT業界専門の転職エージェントであれば、同じ悩みを多くの求職者から相談されていた経験を元に、あなたが働く上で大切にしている要素を顕在化させ、その結果でどういった求人がおすすめかをアドバイスして下さります。