近年、慢性的な人材不足に頭を抱え、しびれを切らしたIT業界でも未経験者も応募できるような求人が増えています。しかし、応募の敷居が低くなったものの、その中でも面接で選考漏れになってしまう未経験者もいれば、すぐ採用までたどり着ける未経験者もいます。
ではなぜ、同じ未経験者であっても、面接を通過する求職者とつまづいてしまう求職者にわかれてしまうのでしょうか。また、面接でつまづく求職者は、どのような改善を施せば、面接を通過する方にシフトすることができるのでしょうか。
未経験者がIT業界へ転職する際に、面接で評価されるポイントは?
面接の目的は、リアルな場でお互いのアピールや質疑応答を繰り返し、相性を確かめ合うことです。その上で次回選考、もしくは内定に進むことができます。
ただ、採用担当者が様々な角度から見て「自社には向いていない」「一緒に働きたくない」「採用枠の十分な人材が揃った」と判断した場合、不採用通知が求職者に送られます。
それでは、採用担当者は面接のとき、求職者のどのようなポイントを見て評価を決めているのでしょうか。ここでは、採用担当者側がチェックしているポイントを、大きく分けて3つご紹介します。
ポテンシャル
未経験の求職者の場合、多くの採用担当者は、求職者に対して過度なスキルを期待しておりません。未経験者の採用において、採用担当者が1番注目するのはまずポテンシャルです。
IT業界はもともと体育会系という気質がある業界であり、どの企業のどの職種に就いたとしても、時折ハードワークを強いられることがあります。
特にソフトウェアやシステムを開発するエンジニアやプログラマーといった専門技術職は、それらを納品するための納期を厳守しなければなりません。そのため、夜遅くまで開発作業を続けなければならない時期があります。
また完成後、納品したソフトウェアやシステムに何かしらの不備が発生すると、時間をかけて全体のシステムをチェックし、どこに不備があるのかの原因究明に追われることになります。またそういった場合、クライアントとの折衝をしているディレクターも、随時進捗を共有しなければならないため、社内に待機しておく必要があります。
そんなIT業界で長くお仕事をするために必要な要素こそが、ポテンシャルです。辛い事態にも前向きに立ち向かうことができ、大きな困難も乗り越えていきたいといったポテンシャルを持っているか、この業界で生き抜くためのやる気を持ち合わせているか、ということが未経験者採用においてもっとも重要視される評価ポイントになるのです。
スキル
「実務未経験で、スキルなんて身に付いていないに決まっている」という意見もあるかもしれません。ここでいうスキルというのは、希望する職種によって異なる、評価に繋がる「前職」や「独自」で身につけたスキルの事です。
クライアントとの折衝があるITコンサルタントやWEBマーケティングコンサルタント、WEBディレクターについて
クライアントとの折衝を業務とする営業職の経験があれば、評価はさらに上がるでしょう。どの業界での営業経験がいいなどは特にありませんが広告関係や人材関係といった無形営業(形のない商品・サービスを販売する業界。一般的にソフトウェアやシステムも、手に取れるものではないので無形扱いになります)の経験があれば、評価は高くなる傾向があります。
そうした営業職の経験の中で、クライアントに大きな成果を出させた経験や、自社に大きな経済的貢献ができた経験がある場合、大きく評価されることになるでしょう。企業としても、そうした成果を挙げられている求職者を採用することができれば、あとは業界のルールや自社の商品・サービスの仕組みを伝えるだけで即戦力になることが期待できるので、教育にかかる必要経費を大きく削減することができるのです。
ソフトウェアやシステム開発に携わるエンジニアやプログラマーについて
こうした専門技術職になると、未経験者の定義として「企業に所属した経験はないが、独学もしくは専門的な教育を受けた上で、何かしらのシステムやソフトウェアを開発した経験がある方」という実務未経験者があげられます。そのため、全くの未経験者では、新卒採用の場合以外まず面接を通過することは難しいと考えられます。
つまり、エンジニアやプログラマーの未経験採用におけるスキルの評価というのは、自主的に作ったシステムのクオリティや規模、そして言語に対する理解度の深さというものになります。
専門技術職は、ソフトウェアやシステムを開発できない状態では企業側に経済的な貢献をすることはできません。ビギナーズラックのような運で成果を出せるものではなく、システムを動かすためのしっかりしたルールを把握して初めてスムーズに業務に携わることができ、企業側に利益をもたらすのです。
見た目
面接は、ポテンシャルとスキルだけで評価されるものではありません。リアルな場であるが故に、見た目が決め手になる場合もあります。もちろん、見た目といっても、持って生まれた容姿の部分を見られるわけではありません。着ている服や持っている鞄、履いている靴がボロボロでないかということも、チェックポイントとしては含まれるケースがあります。
企業で働くということは、良くも悪くも企業イメージを社員が背負うということです。クライアントとの折衝があるコンサルタントやディレクターといった職種であれば尚更、その社員への評価がそのまま企業への評価というものになり得るのです。
特に面接の場になると、2次、3次と進んでいくごとに採用担当者も変わっていくことが当たり前。面接のたびに初対面を重ねていくことになります。初めての人に会うにも関わらず、身なりに気を使えないということは、礼儀がなっていない、臨機応変さがない、状況に適応できないという判断が下されてしまうこともあるのです。
未経験採用の場であれば尚更、一人一人のスキルに大差がないので、この見た目の部分による評価は、一般的な面接よりもポイントの割合が多くなるでしょう。綺麗にクリーニングされたスーツ、磨かれた靴、自立するカバンを持って、身なりを整えておくことをおすすめします。
面接ではないので、個人も企業側も構えたりせずある程度リラックスしてお話できます。そういった意味で、面接の前のワンクッションになり少し気が楽カモ。
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未経験者が面接でつまづく原因って?
能力的に大差がないのに、なぜ他の求職者は選考を通過して、自分はつまづいてしまうのだろうと疑問に思った方もいるのではないでしょうか。ここでは、未経験採用求人の面接において、前述の評価ポイント以外で、多くの求職者が選考漏れになってしまう原因をご紹介します。
コミュニケーションが取れていない。
未経験者採用の面接の段階でつまづいてしまう原因として一番大きいのは、コミュニケーションが取れていないという部分にあるといっても過言ではありません。
コミュニケーション能力のある・ないに関しては、正常な判断基準があるわけではありません。しかし求める人材像に「コミュニケーション能力の高い方」と記載している企業は多くあります。
ここで求められるコミュニケーション能力というのは、「一般的な意思疎通」「一般的な言葉のキャッチボール」というものであり、文字だけ見てみると「そんなことか」と思ってしまうかもしれません。しかし実は、この普通のコミュニケーションができない、という求職者が、非常に多いのです。
企業が求める「コミュニケーション能力」の定義というのは、企業ですらわかっていません。それぞれの定義のカスタマイズはさておき、一般的に求められる『ビジネスコミュニケーション』の観点からお伝えすると、求められるのは2つの能力です。
しっかりと意思疎通をすること
相手の質問に対して求めている答えを返すという、コミュニケーションの基本についての部分になりますが、これができない方が非常に多いのです。
例えば今、前職で最も辛かったことと、それを乗り越えた経験についてお聞きしているのにも関わらず、自分の短所のお話をしてしまっていたり、自己PRのお話をしてしまっていたり、将来のキャリアプランのようなお話をしてしまっている方がほとんどなのです。
疑ってしまうかもしれませんが、面接という緊張感漂う空気の中でのコミュニケーションにおいては、求職者側が適切な判断ができないがために、誤った回答をしてしまうことがほとんどなのです。
伝えたいことを端的に伝えること
ビジネスの中で、時間というものはお金と同じくらい大切にされているものです。これは女性に多いのですが、何かを伝える際に、事の発端から途中経過まで全てを事細かに伝えようとするので、聞く側は得たい情報を手に入れるまでに、非常に多くの時間を使うことになってしまうのです。
語り手の立場でいうと、特にクレームなどであれば、なるべく相手に非があることも伝えたいが故に、そうした背景から話してしまいがちですが、聞き手の立場でいうと、結論と今後の対処だけを聞かせてもらえれば、それだけで構わないのです。
お金と同じくらい時間が大切といわれているビジネスの中では、端的に伝えたいことを伝わりやすく話せる能力が、非常に重要とされているのです。
面接を通過するために大切な改善案!〜スキル編〜
実際に面接を通過するためには、どのような改善をして挑めばいいのでしょうか?ここではまず改善案についてスキルの面からご紹介します。
前職時代の実績を大きくアピールしよう!
日本人は、体質として極めて謙虚と言われることが多く、またその謙虚さも方向を間違ってしまうことで、自己肯定感の低さや、自己評価の低さに繋がってくる傾向が強くあります。
それ故に、自分の経歴や実績に対しても、『そんなにアピールできるものでもないし…』『この実績は、そこまで採用担当者に興味を持ってもらえそうにないな…』と勝手な思い込みで判断してしまい、うまく自分のことをアピールできないほとんどの求職者が、自分の可能性を自ら潰してしまっているのです。
中途採用の場合、ほとんどが個人面接です。未経験者採用では求職者同士のスキルに大差がありませんが、その中でも他の求職者と差をつけながら、面接を通過するために、アピールをうまく行うことが重要になってきます。
例えば…
クライアントの成果に関わるお仕事をされていた場合
そのクライアントの成果が社内で1番大きく出せた経験があったとしたら、『社内の営業マンの中で、1番大きな成果をクライアントに出させることができました』とアピールしてもいいでしょう。
エンジニアやプログラマーといった専門技術職の場合
新しい言語をどれくらいの期間でマスターし、その言語を使用してどんなシステムを、どれくらいの期間で開発することができたのかという点を、少し大げさにアピールすることもいいでしょう。
もちろん虚偽の証言や実績のアピールをすることは、転職活動において良いことではありません。嘘ではない事実を如何に大きく見せ、アピールできるかが鍵となっております。
そこに躊躇してしまっている間は、スキルの土台の評価で他の未経験者に負けてしまい、繰り返しつまづいてしまうことにもなり兼ねません。こうした面接の場でのアピールは、例えそれが1度だけの事実であったとしても、それをあたかもまぐれやたまたまではなく、自分で起こし得た能力・実績として堂々とアピールすることが大切なのです。
主要言語やトレンド言語を把握しておこう!
エンジニアやプログラマーといった専門技術職の場合、ソフトウェアやシステムを開発する上で必要になるプログラミング言語の主流が地域によって異なる場合があるということを知った上で、働きたい企業ではどんなプログラミング言語が主流になっているのかを把握しておかなければなりません。
ただプログラミング言語は、どんどん新しいものが生まれ、主要言語のバージョンアップも頻繁変化します。
そうならないためにも常にトレンドを意識し、情報を持っておくことが大切です。そしてそうしたトレンド情報への対応の早さについても、面接の場でアピールすることで、評価を向上させるポイントとなるのです。
面接を通過するために大切な改善案!〜ポテンシャル編〜
未経験者採用の面接において特に重視されるのは、スキルよりもポテンシャルの方が大きいです。
しっかりと意思疎通が取れるように、冷静さを保てるようにしよう!
前述した通り、面接でつまづいてしまう求職者のほとんどが、うまくコミュニケーションがとれないという問題を抱えています。そしてその多くの原因としてあげられるのが『緊張』です。
その極度な緊張によって、採用担当者の質問に対して本質的な答えを自分の中で整理することができず、結果的に曖昧な返答を伝えてしまい、採用担当者からコミュニケーション能力が欠如しているという評価を下されることになるのです。
まずは向けられた質問に対して正しい返答をできるように、冷静さを保つことが必要です。とはいえわかっていてもなかなかできないのが現実。どうしても面接を不安に感じる場合は、転職エージェントに面接対策をお願いしてもいいかもしれません。
とにかくやってみる精神をアピールしよう!
挑戦できることはどんどん挑戦して、1日でも早く最前線で活躍できるようになるためにチャレンジしていきたいという熱意を伝えることができれば、ポテンシャルとしてのアピールは十分です。
反対に、絶対に言ってはいけないことは、業界未経験でわからないという事実に素直になってしまい、『もしできそうであれば挑戦してみたいです』『まだわかりませんが、きっと…』などといった、控えめで保守的な返答をしてしまうことです。そうした曖昧な答えは1番好まれない返答であり、この答えを言ってしまった時点で、採用担当者からの評価は一気になくなってしまうと言っても過言ではありません。
特に、IT業界ではガッツが必要になるような苦しい時期や辛いお仕事もたくさんあります。未経験者採用においてスキルは大きく求められない代わりに、こうした『とりあえずやってみる』のようなポテンシャルの高さや、チャレンジ精神溢れる人材が好まれます。
そうした困難な状況もあるけど大丈夫かというような質問がされた際は、このように『とりあえずやってみる精神』で答えることで、あなたの印象はグッと上がること間違いありません。
質問への返答は、返答+アピールで!
面接の場では、採用担当者から投げかけられる質問に対し、ただ単純にその返答をすればいいというわけではありません。
採用担当者がその質問によってどんな情報が欲しいのか?という観点と、その回答によってどんな部分をアピールできるのか?について考えつつ、それらの内容を反映させた回答を返さなければなりません。
例えばよくある面接時の質問として、『今までのお仕事の中で、辛かった経験はどんなことでしょうか?』という質問があります。
面接でつまづいてしまうタイプの求職者のほとんどが、この質問に対して『今までのお仕事の中で、辛かった経験』だけを話してしまいがちです。
しかしこの場合、採用担当者がお聞きしたいのは、『今までのお仕事の中で、辛かった経験』と、『それをどう乗り越えたかのエピソード』、『そこから得た経験や成果』、『そしてその経験や成果を転職先の企業でどう活かすことができるのか』と、多岐に渡ります。
本音で言うと、そこまで知りたいのであれば採用担当者側から聞いてくれれば答えるのにと思われる方も意外と多いのですが、採用担当者側はわざわざ求職者に対して、そこまで事細かに質問をすることはありません。採用担当者は、1回の質問でどこまでの情報を教えてくれるのか、どんなアピールをしてくれるのかということを期待しているのです。
こうしたように、面接の場での質問に対する返答では、採用担当者がこの質問に対してどのような情報を欲しがっているのか、そしてそれによってどのようなアピールができるかというところまで予想した上で、返答することが求められます。
未経験者を採用する企業の本音って?知っておく事で面接への姿勢が更に変わるカモ!
実はコミュニケーション能力やポテンシャルの高さは、社会人としては基礎的な部分です。本当のことをいえば、スキル面でも即戦力が欲しいはず。それでも未経験者を募集するのには、人材不足が大きく影響しています。
経験者は、大企業やある程度の規模の企業に取られる
IT業界は、インターネット環境とパソコンさえあれば開業できるという元手の少なさが魅力となり、ITベンチャーと呼ばれる小規模な企業が毎年数多く設立されるようになりました。そのため、求職者のパイに比べて、採用活動を行っている企業数が圧倒的に大きく上回っているのが現状です。これが、IT業界が慢性的な人材不足である1つの大きな要素となっています。
ただ、この人材不足は、全ての企業で起こっていることではありません。知名度のある大手のITベンダーやITベンチャー企業の場合、求人を掲載した途端に、多くの求職者によって募集枠の何倍もの数の応募が集まります。
IT業界は専門的な知識や技術が必要なため、以前までは経験者のみが応募可能な求人が一般的でした。しかし、そうした「本質的な即戦力」になる人材は、大抵これら知名度のある企業に独占されてしまうのです。
設立したてのベンチャー企業の場合は、即戦力になる人材を集めるためには、大抵経営者の人脈が必要となります。経営者のビジョンに賛同する仲間が集まるというパターンです。しかし、そうした個人的な人脈がないかぎり経験者を集めるのは難しいのが現状です。
経験者にとって、待遇面や参画するプロジェクトの規模や面白さ、安定感や経歴的な部分を考慮したとしても、大きなことにチャレンジできる知名度の高い企業の方が魅力を感じてしまうのは仕方のないことなのです。
類似の職種経験があれば、教育が楽で即戦力になりやすい
これはエンジニアやプログラマーといった専門技術職ではなく、WEBマーケティングコンサルタントやWEBディレクターのように、クライアントとの折衝業務が中心になる場合に、企業側が考える本音です。
全くの未経験者であったとしても、類似する職種を経験している求職者であれば、専門用語や自社のビジネスモデルなどを教えればある程度要領を掴めることが多く、入社後の教育も非常にスムーズです。そのため教育にかかる時間やコストも最小限で止めることができ、即戦力として活躍してくれる事も期待できます。
特に規模の小さい企業の場合、求人掲載費を捻出するのにやっと、という企業も少なくはありません。教育コストに大幅な金額を投資することが難しい企業も沢山あります。最低限の知識やルール、仕組みなどを伝えるだけで、後は現場で動き、自らの行動で学んでくれるようなポテンシャルの高い求職者を採用することが、資金の少ないベンチャー企業にとってある種の「節約」になるのです。
全くの未経験者も含めないと、人材確保が困難
企業によっては、業界未経験・職種未経験といった本当に「真っ白」な求職者も含めないと、人材確保が困難なケースがあります。ただ、そうした企業の本音を聞いてみると、人材確保が難しいという理由の他に、実はプラスの本音も隠れていることがあります。
全くの未経験者の場合、求職者が若い人材であることが多い
他社に比べて人材確保が難しい企業というのは、圧倒的に若い企業であることがほとんどです。そうした若手企業は、大抵代表者が抱える高い理想やビジョンを社員一丸となって叶えようという社風があり、自主性の高い人材が多くいます。
そのため、自らリードマイセルフで行動でき、体力のある若い人材を確保したいというのが、企業側の本音にもなるのです。
人材を確保するハードルが、グッと下がる。
未経験者の採用で得られる最大のメリットは、人材確保へのハードルが急激に下がることでしょう。
もちろん、求職者のパイよりも企業数のほうが多いIT業界のベンチャー企業であれば、数名が応募してくれることがやっとということも予想できます。しかしながら、0ではない分、人材確保の可能性としては明らかに向上することは間違いないので、すぐにでも人材を確保して、自社を次のステージに上げたいという企業は、未経験採用をしない手はないのです。
自社色に染めることができる
一般的に多くの会社員にとって、最初に努めた会社での社風やルール、そこで影響を受けて出来上がった社会性や考え、性格などが、それ以降のビジネスライフを送る上でのベースになると言われています。ただ、これは最初の企業だけに現れる特徴というわけではなく、実は初めて所属する業界についても同様です。
つまり、自分の入社した企業の社風や体制、習慣が、イコール業界の体制や習慣として捉えられるのです。
すでに別会社で業界に対する価値観やルールなどのベースが出来上がってしまっているために、自分のベースに合わない場合、社内でクレームを起こすだけでなく、最悪の場合、肌が合わないという理由で退職を選んでしまう社員もいます。
業界経験者というのは、即戦力ではありますが、こうした価値観のベースが出来上がってしまっているが故に、扱いづらさというものは、どの企業も感じる部分があるそうです。
即戦力ですぐに会社に経済的貢献ができるという部分はもちろん大切ではありますが、社会人としての素直さや「郷に入っては郷に従う」ということを理解しているという扱いやすさも、採用の際には大切になります。それであれば、即戦力にはなりませんが、自社色に染められる未経験者を採用した方が、扱いやすいと考える企業も実は少なくないのです。
IT業界における未経験者の面接。他に気をつけることまとめ!
類似する職種の経験や知識を蓄えること
スキルと被る部分があるかもしれませんが、やはり知識は大切。IT業界における「未経験者OK」の求人案件の多くは、「スキルのある実務未経験者」です。もちろん、全くの未経験者でも採用する企業もあります。ただ、どちらにしても、転職後のことも含め、知識や経験は必要ですし、企業側で天秤にかけられたときに採用されるのがどちらかという問題においても、言うまでもないでしょう。
自己流ではなく、アドバイスをもらって体系的に行うこと
転職活動をする上で、知識が必要なのは業界的な内容だけではありません。「転職をいかに効率よく成功させるか」という知識もまた、勝敗を決めるポイントとなります。
今、無料の転職支援サービスには多くの種類があります。その中でも、業界に特化しており、専門のアドバイザーが的確なサポートを行ってくれる転職エージェントというサービスがあります。
転職サイトと異なり、個人と企業のマッチングを行って交渉なども全て代行してもらえるのが、転職エージェントの特徴です。そのサポートの中にはもちろん面接対策も含まれています。
これもまた、プロのアドバイザーから面接の対策を受けるのと受けないのとで、どちらが成功の確立をあげるのかは言うまでもないでしょう。
大手企業にばかり応募を集中させないこと
多くの求職者が大手企業への転職を希望し、大手企業ばかりに応募を集中させてしまいますが、それでは転職活動を成功させることはできません。
大手企業の場合、IT業界の中でも非常に優秀な求職者を企業の知名度だけで集めることができます。そのため企業からすると、未経験者採用にはメリットが感じられないのです。
故に、未経験からIT業界への転職にチャレンジするのであれば、大手企業だけでなく中小企業やベンチャー企業にも目を向けることをおすすめします。
転職口コミサイトを活用すること
転職口コミサイトとは、その企業で勤務したことのある社員が、自社の内部事情(お給料、昇給・昇格、残業など)の情報を公開してくれているサイトです。企業情報を閲覧するには、まず求職者自身が勤務経験のある企業の情報を口コミとして投稿する必要がありますが、それによって得られる情報は非常に参考になるものばかりです。
この情報によって、実際に求人票に書かれていたこととの相違はないか、転職をする上で絶対に譲れないポイントは守られているかなどを判断することができます。入社後のミスマッチや後悔を防ぐために、こうしたサイトは必ずチェックしておきましょう。
職種別の業務内容をしっかり把握しておくこと
チャレンジしたい業務に携われそうな職種に応募したけど、認識違いで、応募していた職種ではその業務に携われないことを知った、という声をよく耳にします。特にIT業界においては、例えば「エンジニア」と「プログラマー」の業務が、同様の認識をされていることが多くあります。
内容の違いがあるにも関わらず、類似する職種がたくさんあるので、しっかりと職種別に業務内容を把握しておくことは大切です。事前にしっかりと業務内容を把握することで、こうした致命的なミスを防ぐことができるのです。
未経験者同士であれば、そこまでスキルに大差はない!
未経験者採用において、求職者のスキル自体に大きな差はありません。差が出て面接を通過できるか、それともつまづくかの原因になっていることのほとんどが、ポテンシャルの部分にあります。
どの職種でも同じですが、特にIT業界では「どれだけやる気があるのか」「どんな困難や失敗にも立ち向かっていける人材なのか」ということを採用担当者は知りたがっています。そこに対して的確にニーズを読み取り、アプローチすることが求職者には求められるのです。