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介護施設は介護士目線から高齢者目線に視点を変えて本当の排泄介助を取り入れるべきである

排泄介助はただの業務ではない。人間らしい生活を送るための大切な手段である

排泄介助は誰のために行っているのでしょうか。

三大介護の一つである排泄介助は高齢者が快適に生活をする中でとても重要なケアになります。

トイレの声かけ、トイレ誘導、トイレ介助、排泄確認、おむつ交換、ポータブルトイレの後始末などなど排泄介助にもいろいろあります。

介護施設という所は複数の介護を必要としている高齢者が共同生活をしているため介護士さんは日々排泄介助に一番労力を使っていると言ってもよいでしょう。

排泄介助は高齢者の方の心のケアも非常に大事

排泄介助では尿意・便意がある人はその都度対応が可能なのですが、意のない人の介助をどう対応しているのかを考えてみてください。中には排泄時間を皆同じ時間設定にしてまるで工場のベルトコンベアーでの作業のように順番に排泄介助を一気に提供している施設も未だにあるみたいです。

排泄介助ではこの排泄時間設定を介護士さんがどう理解しているのかが重要になります。施設はチームケアで動いていくためにオペレーションというものがあります。このオペレーションに組み込まれた時間通りの排泄介助が介護士のペースに合わせた設定になっているのであれば大問題ということです。

体力の少ない高齢者はトイレに行くだけで疲労が出ます。尿が出ないのにトイレに座らされても苦痛でストレスなだけです。これは介護士にとっても無駄な労力になるだけでオペレーション上とても勿体無い時間となります。自分達の人生の先輩でもある高齢者の人達に対する行為というよりは物に対する感情のない機械的なただの作業です。

又毎日続く尿失禁の原因を調べようともせず気づけば布パンツから紙パンツへ変更し、最終的にはおむつを履かされ中には必要以上の大きいパットを付けられている高齢者もいるのではないでしょうか。そのため不潔になり尿路感染症を発症していることにも気づかない。

介護士の役目は快適な生活を提供することですが、おむつを履くことが快適なのでしょうか?

私はできることなら一生おむつは履きたくないです。介護士の人達も同じ思いでしょうが実際に介護されている高齢者の中には失敗予防を理由に普通におむつを履かされている人もいるのです。このことにまだ気づいていない施設は早急に改善するべきですね。我々の相手は感情のある人間なのです。
歳をとってもおむつは嫌だー!排泄はトイレでしないと!排泄介助を見直しましょう。

データ作成でパターンが見えてくる

ではどう改善したらよいのでしょうか。あなた自身の日々の排泄はどうですか?行きたい時にトイレに行くのが当たり前ですよね。だから失敗なんてしない。又その日の体調によって違いはあるはずですがおそらく自分の排泄ペースは大体把握できているのではないでしょうか。

特に排便は起床後の人もいれば朝食後の人もいるし、毎日ペースの人もいれば便秘傾向のため3日に1回のペースの人もいます。そして排泄行為は他人の目をきにしますのでプライバシーの配慮にも気をつけているはずです。介護施設の高齢者も同じです。それぞれに排泄パターンというものが必ずあります。

そのため高齢者一人一人の排泄パターンを洗い出してチーム全体で把握するところからスタートです。これには時間を必要としますがこれを怠ると何も始まりません。

その人に合わせたデータをしっかりチェックし介護に活かす

前述したように排泄ペースは当たり前ですが一人一人違います。そのため一人ずつ24時間の排泄データ(排尿・排便時間、量、使用したおむつ・パット類、既に排泄後の発見時間、失敗時間など)を短くても2~3週間はチェックして記録に取っていきます。これを介助を必要とする人全員分を作成していくと一人一人の排泄パターンが見えてきます。

この排泄データを表にすることで今までしていた無駄な排泄介助がなくなり本当に必要な時間帯に必要な人の介助を提供するようになっていきます。オペレーションもどこに手厚い人数配置が必要か明確になります。これは介護士にとっても嬉しい限りです。

又、早めの対応ができるようになるので失禁を防ぎ爽快な状態でいつもいることができ最小限のおむつ類に抑えれるので低コストにも繋がります。高齢者の目線になって一人一人の排泄時間をオペレーションに組み込むことが本当の排泄介助と言えるのです。

又排泄パターンは状況によって変化していくので定期的に見直しが必要です。その人のデータを取ることはその人のことを知ることになります。これは排泄だけに限らず日々のケアで介護士として一番重要なことが身に付きます。知ることは訴えることができない人の思いに気づくことができるようになるのです。自分から行動しないと相手のことを知ることはできません。質の高い介護士になるためにも是非行動に移して欲しいですね。

排泄はデリケートなため一人一人をしっかりみていくことが大切なんですね。データ収集から取り掛かろう。頑張れ介護士さん!