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全国的に見ると多すぎる介護事業所での法令違反

代表的な法令違反である身体拘束と不正受給。全国的に指定の取り消し(一時的なものを含む、いわゆる指定の停止)や返還請求が相次いでいます

介護の事業所がニュースで報じられるのは残念ながら良くないものが殆どです。

その中でも大々的に報じられるのは先日の殺人事件や死亡事故といった事件・事故の類ですね。

では、大々的に報じられているもの以外にどのような法令違反が介護現場であるのでしょうか。

介護業界の闇の部分をお伝えする事になりますが、自浄の為にも切り込みたいと思います。

介護の現場での虐待(身体拘束を含む、以下同様)

虐待は非常に悪い影響を利用者に及ぼします。しかし(語弊がありますが)虐待の内身体拘束程度では、大々的に報じられる事はあまりありません。正確にはあまり発覚しません。何故なら介護の事業所に監査がある時は基本的に事前に通知があり(外部監査の場合は事業所から申し込む場合もある)、日程が知らされる為、監査に向けて準備が出来ます。

例外的に認められた拘束以外の不当な拘束を行っている場合はその時に解除しておけば発覚しないというカラクリカモ

では、高齢者に対する虐待というのはどれ位の件数が発生しているのでしょうか。正確な件数は発覚していないものもあるので知る由もありませんが発覚しているものに関しては公表されています。
では、その数字ですが、平成26年度は26911件の相談・通報があり、その内虐待であると認定された件数は16039件です。これは、介護の事業所と家族によるものの合算した数字です。この内介護事業所に勤める職業介護人に限れば、相談・通報が1120件。虐待と認定されたのは300件です。前年度と比べ職業従事者の相談・通報件数は150件以上16%以上の増加となっています。虐待と認定された件数も80件弱35%以上の増加となっています。

悪質極まりない事例

返還請求や指定の取り消しというのは非常に重い処分です。これらに該当する事例では、処分の重さに比例して違反の内容は悪質なものばかりです。
数例をご紹介します。

勤務していない時間帯に訪問介護のサービスを提供したように見せかけた虚偽の記録を作成して保険請求を行った・人員基準の違反があるのに減算せずに満額保険請求を行った・指定申請に架空の勤務表等を使用した・無資格者による訪問介護を行い保険請求を行った上発覚を免れる為記録を改ざんし、利用者向けのサービス提供記録と不正請求用の記録を二重に作成した・架空の看護師を従業者として申請した・指定を受けていない系列の事業所が行ったサービスを指定を受けている事業所が行ったサービスに見せかけて保険請求を行った。等です。

私が開いた口が塞がらないのは、これらは紹介しきれない程多い事例の内のごく一部であるということカモ

法令違反を防げなかったのか

上で紹介した悪質極まりない事例に関しては、サービスを提供する事業者が自粛すれば済む話です。不正請求に関してはたかが不正請求と侮ってはいけません。告訴されれば詐欺罪にあたり刑事訴追の可能性がある事を意識すれば少しは減ると思うカモ。

私が残念に思うのは、虐待事案の方がある意味残念カモ。

上で1120件と紹介した相談・通報に関して複数人が相談・通報した事案もありその通報者は1300人を超えています。この内の310人超が当該施設の職員である(つまり同じ事業所で働いている同僚)という事実です。職業従事者の場合、相談・通報するのは義務であり、要介護者の事を考えての行動であると思うカモ。

その行動自体は決して間違っていないでしょう。チクった等と批判するのも筋違いです。

私が残念に思うのは、同僚が見ているのであれば、その場で注意して上司に報告し然るべき措置を取る方が改善のスピードが全然違うのに、という事です。

相次ぐ改定で基本報酬が下がっているからその穴埋めに仕方無く不正請求を行ったというのは筋が通りませんし、虐待事案に関しても、知識・技術・感情コントロールに問題があるというのもおかしいです。それらって防げますよね、防ごうとしていないだけで。

事実、300件の認定の内4件はそれよりも前に同じ事業所で虐待があったと認定されています。「地位が低いからとか給料が安いからとか汚いから職員が定着しないと叫んで待遇改善を求める前にきちんと問題を解決してから求めなさいよと思うのは私だけでしょうか。

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