毎日真面目に働いていただけなのに、時として精神的な不調に陥ってしまう人がいます。原因は様々であるものの、やはり仕事上のストレスでうつ状態になってしまったという人が多いのではないでしょうか。
しかし「転職を考えるべき?」「でもこれは甘えなのではないか」と悩んでしまい、なかなか転職に踏み出せないこともあります。
「うつかも?」と感じたら取るべき行動について考えてみましょう。
うつ病になりそう、うつ病の人がとるべき手順とは
うつ病は周りからは気づかれにくいものです。そのため、自分でも「おかしいな」と思いつつ対処をしないでいるとどんどん症状が進行してしまい、社会復帰できないレベルにまで追い込まれてしまうこともあります。
「最近おかしいな?」と気付いたら、一度自分の症状について考えてみましょう。
まずは精神科や専門家に相談しましょう
「最近体がダルい…」「気力がない」そう思っていても、「過労かな」「甘えかな」と感じて無理をしてしまい、うつ病を悪化させてしまう人がいます。それほどうつ病は自分ですら気付きにくい症状なのです。眠れない日が続くなど「以前とあきらかに違う」と感じたら、専門家に相談してみましょう。
心の不調を感じた場合は、なるべく早く医療機関などを受診
うつ病は気づかないうちに進行してしまうことが多いのですが、早めに気付くことができれば症状は軽く済みます。そのため、なるべく早く医療機関などを受診してみましょう。
精神科と聞くと不安に思うかもしれません。しかし、簡単な検査や問診などが多いため、そこまで身構える必要はありません。
主にカウンセリングを行い、客観的な立場から、うつ病であると判断されます。話を十分に聞いてもらい、自分の状況を把握したうえで、今後の治療方針などを話し合います。
医療機関に抵抗がある人は近所の精神保健福祉センターへ
「メンタルクリニックに行くのは抵抗がある…」と不安に感じる人は、お住いの精神保健福祉センターに相談するのもおすすめです。相談専用の電話番号があるので自分の今の状況を話してみましょう。
匿名でもよく、もちろん話の内容は厳守されますので安心してください。電話相談員が親身に相談にのってくれ、必要に応じて個人面談や各医療機関、相談窓口などの紹介を行っています。
話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になることも多くあります。まずはプロの意見を聞いてみましょう。
転職エージェントに相談する
「うつ病になってしまったら働けないのでは?」そのような不安からなかなか転職活動を始めることができないこともあるのではないでしょうか。しかし、転職を考えているのであれば転職エージェントに相談してみるのもひとつの方法です。
相談=転職ではないので一度利用してみてはどうでしょうか
うつ病に特化した転職サポートサービス
うつ病は環境を変えれば改善することもあります。しかし、受入先企業からは「接し方がわからない」などの印象をもたれ、自分だけの力での転職活動に限界を感じることも多いでしょう。
例えば、DODAチャレンジなどでは、カウンセリングを始め、理解のある企業の紹介を行っています。まずは相談してみましょう。
DODAチャレンジ
障害者手帳を持っている方が、配慮を受けつつ働くことが出来る障がい者雇用枠。その中でも、皆さん個人の特性や適性の個別性が高く、中身の見えづらい精神障がい。
受け入れ企業からは、どう接したらいいのかわからない印象を持たれ、自分に合う求人を見つけるのも難しい。
DODAチャレンジでは、専門のキャリアアドバイザーによるカウンセリング、理解のある企業の求人紹介、入社後のフォローをいたします。
さらに、専用の無料セミナー「面接突破セミナー」を開催。転職活動に役立つ講義やワークショップなどを行っております。転職活動前から入社後まで、DODAチャレンジは皆さんの転職活動をサポートいたします。
DODAチャレンジで転職
Aさん:31歳、女性、大卒、2社経験 /精神障害者保健福祉手帳3級(うつ)
大手人材系企業にて法人営業を経験、出張が月の半分を占める環境で業務過多のため2007年頃うつ病が発覚した方でした。
体調が落ち着かれ、契約社員として企業の人事部に転職、安全衛生管理や総務事務に従事、期間満了に伴いご退職となったため、DODAチャレンジのサービスをご利用いただきました。うつになられた原因や、それまでの経緯、必要な配慮をしっかり自覚していらっしゃったことが応募先企業の安心に直結。複数ご応募いただいた中の2社で書類選考を通過され、将来的に社会保険労務士の資格取得を目指されていることから老舗メーカーの人事部アシスタント職の内定を受諾されました。
ご自身の病気についての客観的な理解と、企業向けの正確な情報提供が奏功した例でした。
「自分はうつ病なのでは…」と悩めば悩むほどどんどん深みにはまっていくことがあります。それほどうつ病はやっかいなものであり、自分一人の力では解決しづらいものです。
おかしいと感じたら自分の中に溜め込まず、周りの人や専門機関に悩みを打ち明け、客観的な意見をもらうことが一番大切です。
うつ病は「心の風邪」とも言われます。風邪をひいた時に、周りに助けと求めるのと同じように、まずは信頼できる相手に相談することが解決への一歩です。
心の風邪をこじらせる前にやっておきたいこと
- 部署異動
- 休職
- 転職
異動ができないか会社に相談
「現在の業務が辛すぎる」「対人関係が原因かも…」このような人は、それでもきちんとしなければならないと考えるあまり、うつ病を発症してしまうことがあります。
そのため、転職の前に現在のポジションから一旦離れることができないかを会社に相談してみましょう。
ポジションを離れることによる不安はつきものです。しかし、うつ病は環境を変えることによって改善することもあります。ここは自身の体のことを一番に考え、自分がもっとゆとりをもって働ける場所にいくことが大切です。
うつ病になったので仕事を休職。一度ゆっくり休んで考えてみよう
うつ病になってしまい、そもそも出勤することさえできない…そんな人は休職を考えてみましょう。その際の手続きにはかかりつけの医師の診断書が必要です。
発行のための費用は医療機関によって多少違いはありますが、だいたい2,000円代から5,000円代ほどとなります。診断書を発行してもらい、会社に相談をしてみましょう。
「休職をしたら生活ができないのでは?」と心配になりますが、正社員の場合には「傷病手当」が生活を当面の間は助けてくれます。まずは自分の心と体を休め、一日も早く社会復帰できる環境を整えましょう。
転職はひとつの選択肢として考える
うつ病になってしまったは、今の会社が原因である可能性はあります。しかし、すぐに辞めて転職するというのも少し考えものです。なぜならば、新しい環境に行くということもまたストレスとなる可能性があるからです。
まずは、部署異動や休職などで自分を現在の業務から引き離してみましょう。もしかしたら、少し離れることによって気分が変わり、状況が改善されることもあります。
状況が改善され、それでも転職したいと思うのであれば、その時に改めて転職活動を始めても決して遅くはありません。
会社を辞めるときに伝える退職理由とは
どうしても会社をやめたいのなら会社を辞める判断をしましょう。うつ病になってしまい「もう今の会社で働いていくのは難しい」と感じる人もいることでしょう。
休職をしたとしても、今後戻って働ける気がしない、会社の理解が得られそうにない、そう考えたら退職を選ぶのも正解です。このような状況の場合、退職の理由としてはどのようなものがあるのでしょうか。
新しい職場に転職するときの注意点とは
環境を変えるために心機一転転職活動を始めることもあるでしょう。しかし、職場選びに失敗してしまうと、またうつ病が再発してしまうかもしれません。そのため、転職先は無理なく働ける場所を選びましょう。
また、転職理由が「うつ病で…」というと採用担当者が余計な心配をしてしまいます。体調がいいのであれば、前向きな理由を用意するのがいいでしょう。
- ストレスがかからない職業を選択する
- 前向きな転職理由を用意しておく
- 前職と共通点が多いところは選択肢から除外する
厚生労働省の発表によると、うつ病を発症する人は年々増加傾向にあります。2008年時点では104万人いるといわれていますが、これはあくまで診療を受けた人の数であり、病院などへ行っていない人や気付いていない人などを含めるとその数は計り知れません。
日本の気分障害患者数
1996年 | 43.3万人 |
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1999年 | 44.1万人 |
2002年 | 71.1万人 |
2005年 | 92.4万人 |
2008年 | 104.1万人 |
それほどまでに、誰にもかかる可能性のある身近な病気であるといえます。うつ病は進行すると、時には自殺まで考えてしまう恐ろしい病です。少しでも疑いがあれば、周りに相談し、環境が改善するよう配慮することが大切です
うつ病で休職していた場合、ばれるのか?うつ病を偽ると経歴詐欺となる可能性あり
転職活動をするにあたって、「うつ病で休職していたことを話さなければならないのか」と悩む人もいるのではないでしょうか。
うつ病で休職していたことが発覚すると就職先が決まらないのではと感じ、つい隠してしまいたくなりますが、休職などの経歴を偽ると経歴詐称となる可能性があるため注意が必要です。
やはり、会社としては迎え入れる以上、社員の情報は正しく把握しておきたいと思うものですし、「またうつ病で休職するのでは?」「うちの業務に耐えられないのでは?」と余計な心配をしてしまいます。
合否に関わるかは企業によって違いますが、事情を知ることによって無理をさせない配慮をしてくれる優しい企業もありますので、正直に話すことも悪いことではありません。
うつ病の人に向いている仕事とは
うつ病になってしまったら、心と体に負担の少ない業務を行うようにし、なるべく穏やかに過ごすことが理想です。そんなうつ病の人に向いている仕事とはどのようなものがあるのでしょうか。
- 自分のペースで仕事がでる
- 人にあまり干渉されない
フリーランスの仕事
周りの人間関係に疲れてしまったら、フリーランスとして仕事を始めてみるのはどうでしょうか。フリーランスとは、特定の企業などに所属はせず自分の力だけで独立して仕事をこなす人のことです。
最近はネットの普及により、どんどん参入しやすくなっています。スリーランスは仕事の量や時間などはすべて自分で調整することができるため、ライフスタイルに合わせて働けます。
また、人間関係が煩わしいと感じている人でも、フリーランスは基本的にひとりで業務を行うため人間関係のストレスが小さいのがポイントです。
いろいろなことを一人でしなければならない大変さはあるものの、実力がつけば仕事も選べますし、自分の得意分野を伸ばすことによって大きな収入も期待できます。
軽作業や工場などの単純な作業
「業務が忙しい」「複雑な作業に疲れた」という理由で転職をするのであれば、工場内での軽作業や単純作業を行う仕事がおすすめです。場所によっては人と会話をすることもなく淡々と作業が行えるので、人間関係に疲れてしまった人にも向いています。
同じ作業をコツコツとすることになりますが、覚えてしまえばあまり考えなくとも仕事ができるようになりますし、大きなミスも起こりづらいので精神的負担が軽いのも特徴です。
ただし、職場によっては激しいノルマに追われることもあります。そのため、マイペースででき、残業の極力少ない職場を選ぶのがよいでしょう。
配達会社など単体で行える仕事
配達会社など自分一人でできる仕事に就くのもおすすめです。配達員などは道を覚えなければならないなど最初のうちは大変なこともありますが、慣れてくると決まった地域を担当することが多いため、仕事がずっと楽になります。
宅配業者は時間や量に追われることも多いため、配達を行うのであれば、毎日規則正しく仕事を行うルート配送員などのほうがおすすめです。
また、地域の広報誌の配達員なども空き時間に自分のペースでできるため、「人としばらく関わりたくない…」と悩んでいる人でも無理なくできる仕事です。
また、うつ病の人に不足しているものにセロトニンという物質があります。これは感情に関する情報を処理し整えていくための物質ですが、日光浴をするとこのセロトニンが分泌されるためうつに効果的だといわれています。
太陽光はうつ病に効果的とも言われているため、積極的に外に出て日の光を浴びる仕事は症状の改善を期待するうえでもおすすめです。
うつ病になった私はこう決断しました みんなの口コミ
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うつ病になってしまった場合の対応まとめ
「まさかうつになってしまうなんて…」とうつ病になってしまった時は信じられない気持ちでいっぱいになるのではないでしょうか。しかし、うつ病は決して特別な病気ではなく、誰にでも起こりうる症状です。
決して「自分の自己管理が悪かったのでは?」と責める必要はありません。大切なのは、今後どのように病気に向き合い、そのような対処をするかです。うつ病は早期に発見し対応を行えばその後問題なく働けるようになります。
そのためには、おかしいと思ったら信頼できる人へまず相談し、今後どうしていきたいのかを考えてみるのがよいでしょう。自分一人で抱え込まず、視野を広げることが解決への第一歩となるでしょう。