向精神薬は、医療上大変有用な存在カモ。
しかしその反面、依存性のある薬も多く、乱用してしまった際には患者さんの心身の健康に悪影響を及ぼす可能性や、精神の錯乱、社会的弊害のリスクも懸念されます。
したがって、向精神薬の取扱には大きな責任が伴うでしょう。向精神薬の持つ広い有用性を活かすためには、厳重な管理や保管を受け持つ責任者の存在が必要です。
ここでは、そんな重要な存在として活躍している「向精神薬取扱責任者」という働き方について、仕事内容や職場、年収、また目指し方などなど…を、わかりやすくお話しします。
より自分らしく働くためのヒントとしてご一読ください。
向精神薬取扱責任者について…
「向精神薬取扱責任者」とは、ネーミングの通り、向精神薬の保管や管理を受け持つ責任者(国家資格)のこと。
以下では、向精神薬取扱責任者の持つ役割や仕事内容、主な職場、年収について、基本的な情報をわかりやすく説明します。
向精神薬取扱責任者の役割・仕事内容とは?
向精神薬取扱責任者は、向精神薬の乱用や不正な使用、不正な流通などを食い止めると同時に、向精神薬による事故が引き起こされた際の対応を行うなどが主な仕事内容カモ。
下記(『向精神薬取扱責任者の主な職場』)で紹介するもののうち各々が指定された施設で、業務の従事者が行う向精神薬の保管や廃棄方法、記録、また譲渡・譲受けなどを取り締まり、向精神薬の適正な保管や管理・使用など促すことで、向精神薬の乱用や不正使用・不正流通を防いでいます。
向精神薬取扱責任者の主な職場
もちろん、向精神薬取扱責任者が活躍しているのは「向精神薬」を取り扱っている職場です。
具体的には、向精神薬の輸入業者・輸出業者、製造業者・販売業者などの「向精神薬営業所」や、向精神薬を扱っている医療機関(病院・薬局など)、また向精神薬試験研究施設設置者などが挙げられます。
薬局管理者の義務
麻薬及び向精神薬取締法に基づいて、各向精神薬営業所などは、施設ごとに向精神薬取扱責任者を設置しなくてはいけません。
そのため薬局の管理者は、自分自身が向精神薬取扱責任者となるか、あるいは各営業所の有資格者(薬剤師)を向精神薬取扱責任者として任命するなどして設置する必要があります。
したがって「向精神薬取扱責任者」という資格は、就職や転職を優位にさせる武器としてあらかじめ取得を目指すものではなく、働いている職場で必要になってから申請するもの…というイメージとなるでしょう。
向精神薬取扱責任者として活躍できる職場の探し方
「向精神薬取扱責任者になりたいカモ!」
とお考えの場合、まずは向精神薬取扱責任者が必要となる職場で再スタートを切ることが、目標に近づくための第一歩となるカモ。
とはいえ、「向精神薬営業所への転職って言われても…何から始めればいいの!?」と困惑してしまう方も多いのではないでしょうか。そんな時には、ぜひ薬剤師の職探しを専門に扱う転職エージェントをかしこく活用しましょう。
転職エージェントには様々なものがありますが、多くのサイトでは登録後に専任コンサルタントによるカウンセリングが行われています。その際に、「向精神薬取扱責任者を目指したい」旨を伝えておきましょう。
コンサルタントは、あなたの希望や条件、また事情などを考慮して、キャリアアップに望ましい転職先をピックアップして紹介してくれるはず。
転職エージェントのコンサルタントは、これまで多くの薬剤師転職を手がけてきたプロフェッショナルです。
向精神薬取扱責任者を目指すにあたって、今すぐ始められるアクションを明確にさせるための有効なツールとして、ぜひこのようなサービスをかしこく使いこなしてください。
年収について…
向精神薬取扱責任者の平均年収は450万円〜600万円ほどだと言われています。
申請条件を満たした薬剤師であれば登録することが可能な資格なので、取得が年収アップに直接影響することはないカモ。
とはいえ、この年収相場を見て、「厚生労働省による調査によると、薬剤師全体の平均年収は531万円…。ってことは、やっぱり平均よりも高収入になれるんじゃないの!?」と感じた方も少なくはないでしょう。
そんな方へ!向精神薬取扱責任者の年収相場を押し上げているのは、資格そのものではないカモしれません。
一般的に向精神薬取扱責任者への登録をする方は、管理薬剤師などもともとある程度のポジションにあるケースが多く、そのためパッと見の年収が高く感じられるのだそう。
したがって、「年収に好影響をもたらす肩書きが欲しいカモ!」、「職探しでは、収入アップに重点を置きたいカモ!」というタイプにはあまりオススメできる選択肢ではありません。
向精神薬取扱責任者を目指す方法とは
向精神薬取扱責任者になるためには、指定された要件を満たした上で監督官庁に申請することが必要です。
申請条件は、以下の通りカモ!
- 向精神薬を取り扱うために必要な知識や経験を持った薬剤師として政令で定める者
- 麻薬及び向精神薬取締法第50条の20第3項の政令で定める者は、以下のいずれかに該当する者。
- …学校教育法に基づく大学、旧大学令に基づく大学、または旧専門学校令に基づく専門学校で、薬学か化学に関する専門の課程を修了した者。
- …学校教育法に基づく高等学校、旧中等学校令に基づく中等学校またはこれらと同等以上の学校で、薬学か化学に関する科目を修めて卒業した後、向精神薬の輸入・輸出・製造・製剤・小分け・譲渡・向精神薬の輸入等の業務に4年以上従事した者。
- …向精神薬の輸入等の業務に7年以上従事した者。
申請先は、向精神薬輸入業者・向精神薬輸出業者・向精神薬製造製剤業者か向精神薬使用業者の場合は、厚生労働大臣(地方厚生局長に委任)へ。向精神薬卸売業者か向精神薬小売業者の場合は、都道府県知事となります。
求められるスキルや資格
向精神薬取扱責任者を目指すのであれば、薬剤師免許以外に以下の資質が求められるカモ。
強い責任感
その名の通り「向精神薬取扱責任者」という役割なので、とうぜん責任感が重要なポイントとなるでしょう。
向精神薬を使用する患者さんはもちろん、施設で従事する従業員の方々にも目を配り、違法行為や不正を敏感に察知・対応することが求められます。
強い正義感
向精神薬取扱責任者は、「向精神薬の乱用や不正使用を食い止める」という重大な役割を担っています。
違法行為に目を光らせ、適切な薬物使用を促すために存在するポジションなので、重要な資質として「正義感の強さ」が問われることになるでしょう。
どのような人が向いてる?
ここまでお話ししたポイントから、向精神薬取扱責任者には以下のようなタイプの方が向いていると言えそうです。
- 「スキルアップやキャリアアップに興味があるカモ!」
- 「収入アップよりも、達成感ややりがいに重点を置きたいカモ!」
- 「薬剤師に加えプラスαの肩書きを持って、責任ある業務に携わりたいカモ!」
- 「不正使用や乱用を食い止め、向精神薬の有用性を活かす役割を担いたいカモ!」
向精神薬取扱責任者という働き方のキーワードは、「責任感」、「達成感」、「やりがい」となるのではないでしょうか。
逆に、「収入アップにこだわりたい!」というタイプや、「大きな責任の伴う働き方には抵抗がある…」という方には、あまりオススメできないカモ。その場合は、向精神薬取扱責任者以外の選択を目指した方が賢明カモしれません。
やりがい
薬剤師としての基本的な知識・技術はもちろん、「向精神薬」の取扱という専門的なジャンルに特化した働き方となりますので、他の職業では得られないやりがいも多い様子です。
違法行為や不正の防止に加担できる責任感や達成感は、向精神薬取扱責任者として働く上での大きなメリットだと言えるでしょう。
まとめ
ここでお話しした内容をまとめると、以下のポイントが重要です。
- 向精神薬取扱責任者とは、向精神薬の保管や管理を受け持つ責任者(国家資格)のこと。
- 乱用や不正な流通・使用の予防、向精神薬による事故が引き起こされた際の対応などが主な仕事内容。
- 活躍の場は、向精神薬営業所や、向精神薬を扱っている医療機関、また向精神薬試験研究施設設置者など。
- 薬局管理者は麻薬及び向精神薬取締法に基づいて、施設ごとに向精神薬取扱責任者を設置しなくてはいけない。
- 向精神薬取扱責任者を目指すのであれば、向精神薬取扱責任者が必要となる職場への転職が第一歩。
- 「どこを探せばいいのか分からないカモ…」という場合は、転職エージェントに相談しサポートを受けよう。
- 向精神薬取扱責任者になるためには、薬剤師免許の他に、強い責任感や正義感が問われることになるカモ。
- 収入アップよりも、達成感ややりがいにウェイトを置きたい方にオススメしたい選択肢です。
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「向精神薬取扱責任者になる!…と、決めたわけじゃないんだけど…」
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