「投資詐欺による被害」なんて聞くと、なんでそんな話に引っかかるのだろう、「必ずもうかる」「すぐに利益がでる」なんてうまい話あるわけないのに、と誰もが思いますよね。
でも実際2013年7月から2015年6月までの二年間に金融庁に寄せられた投資詐欺による被害件数だけでも2375件あるのです。
つまり、ドラマや映画でみるような、いかにも、なんていう分かりやすい詐欺はないわけで、彼らは言葉巧みに近づいて、消費者をすっかり信用させてしまう技術や話術をもっているというわけです。
ではどうしたら彼らの巧みな罠に陥らないように、大切な自分の財産をしっかりと守ることができるのでしょうか?
どんな投資話があるの?
・「未公開株」を利用したもの
ある企業が証券取引所に上場する予定で、上場すれば高値がつくのは確実。今のうちに買って上場後に高値で売ればかなりの儲けが手に入る、などともちかけるようです。
・「外国通貨」や「海外ファンド」に関した投資
ある開発途上国は近い将来大きく経済成長する、今のうちにその国の通貨を購入し、先々その通貨が値上がりした時に売れば儲けが出る、という投資話。
・「権利」に関連した投資
その時に話題となっているキーワードに関係した土地の権利や技術に関する知的財産などへの投資話
どんな年代の人が犠牲になっているの?
年代で見ると昨年一年間(2015年1月~12月)の被害者の内60代以上が被害者の5割以上を占めています。
特に70代が全体の30.8%です。
また、最近では社会経験や投資知識の少ない大学生も投資詐欺のターゲットになっているケースも増えています。
「すぐに利益が出る」という言葉につられ入金したものの、その業者自体が架空のもので、投資したお金をだまし取られるという被害です。
どんな人がひっかかりやすいの?
・お金を増やしたい人
今持っているお金を少しでも増やしたい、というのは誰でも持っている思いではありますが、その思いがお金を預けておくだけで増える、という甘い話に手を出させてしまうのです。
本来投資には必ずリスクも発生する可能性があることを思いに止めておく必要があります。
・人を信じやすい人
いかにも詐欺師らしい詐欺師なんていませんよね。彼らはきちんとした身なりをして、いかにも信用できるように装っています。
その上もともと人を信じやすい人は、この人は嘘は言わなさそう、資料もしっかりできてる、この人なら大丈夫だ、と表面的なことだけで信頼してしまい、言われることを鵜呑みにして自分の大切な財産を預けてしまうのです。
・断れない性格の人
なんかちょっと怪しいかな、ちょっとこの話には乗りたくないな、とは思いながらも強く押されるとどう断ったらいいのか分からない。そんな人、いますね。
悪徳な訪問販売や高額エステも断りきれずに多額のお金をはたいてしまう人。
こんな人はやはり投資詐欺にもひっかかりやすいのです。
日ごろから 嫌なものは嫌、と断る勇気を身に着けておく必要があります。
どうすれば投資詐欺を未然に防げるの?
なんといっても「すぐにサインしない」!「必ず儲かる」「上場確実」という言葉を聞いたらまず疑いましょう。
こうした金融商品は、経済状況の影響を受けやすいものです。収益が出なかったり元金を割り込む可能性があります。
その業者はこのことをきちんと説明するでしょうか?メリットしか挙げないならまず疑う、という詐欺への嗅覚を身につけましょう。
次はその投資会社が本当に存在するのか、調べます。金融庁のウェブサイトで財務局の登録を受けた業者かどうか確認できます。
登録されていない事業者が勧誘することは法律違反の可能性があるので、もし登録されていない業者から勧誘を受けたなら金融庁の金融サービス利用者相談室や消費者ホットラインに相談してみましょう。
一般的に幅広い投資家に未公開株について勧誘されることはあり得ません。もしあったなら、怪しいと考えてきっぱり断りましょう。
金融庁や証券取引等監視委員会などの公的機関を連想させるような名称を使う勧誘業者もいます。そうした表面的なことだけで信用せず、必ず確認してから決断しましょう。
投資詐欺にひっかからないためには、とにかくすぐにサインをしないことです。
そして少しでも怪しいと思ったら勧誘の途中でもきっぱりと断り、関わらないようにしましょう。
日ごろから甘い話に警戒心をもち、これはきっと大丈夫だろう、と思える時でもまずはいったん保留にし、冷静に調査、分析、相談してから決定しましょう。
また高齢者がひっかかりやすいという事実があるので、家族も日ごろから注意を喚起しましょう。