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生活相談員とは?仕事内容や資格要件、給料や待遇、求められる人物像を徹底解説

有料老人ホームの生活相談員の仕事を徹底解説

介護施設で必ず必要とされる基準として生活相談員の配置義務があります。

しかし、生活相談員といったものはっきりとどういった仕事をする人か分からないという方もいるはずです。

この記事では、介護施設での生活相談員の業務内容や待遇、求められる人物像などについてなどご紹介します。

生活相談員とは

生活相談員と言っても、どのような人がなれるのかご存知ですか?

ここでは、生活相談員になるための資格や最適な人物像について解説していきます。

資格などの要件

生活相談員になるための資格要件は、「社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者」と定義されており一般的には

  1. 社会福祉士
  2. 精神保健福祉士
  3. 社会福祉主事任用資格

のいずれかの資格を持っておけば大丈夫です。

①②は国家資格であり、③は各地方自治体の福祉事務所の職員や相談業務を行う者が必要な資格です。

ただし、施設を管轄する都道府県や市町村によって上記の「これと同等以上の能力を有すると認められる者」の部分の解釈により、他に介護福祉士やケアマネジャーの資格保有者等も生活相談員として認めている場合もあります。

生活相談員に求められる人物像や施設内での立場

生活相談員はどのような人がなるべきなのでしょうか。

また、施設内ではどのような立場の人なのでしょうか。

ここでは、生活相談員に求められることを具体的に紹介していきます。

人の力になりたいという気持ちがあること

生活相談員の仕事は、利用者さんが快適に安心して過ごせるようにサポートすることです。

楽しい事ばかりではなく、難しいトラブルに見舞われることもしばしば起こります。

そんな時に

「利用者さんを助けたい、力になりたい」
「利用者さんの役に立ちたい」

という気持ちがないと、そのような困難な局面を乗り越えることができません。

幅広い業務に対応できるスキルを持っていること

有料老人ホームの生活相談員は入所に関する面談から契約、各種手続き、家族や病院との連絡調整、ケアマネジャーや看護師・介護士との連携といった施設のキーマンになります。

施設によって業務内容が異なりますが、相談業務は幅が広くて重要なポジションであることは間違いないです。

その性質上、生活相談員は施設の管理者に準ずる立場となります。

一般職員の上に立つポジションとなる場合が多く、キャリアや経験のある職員が担うケースが多いです。

施設のナンバー2というイメージです。

高齢者の施設生活は生活相談員の技量によって左右されるので、施設を運営する上でも、相談員の育成にはかなりの力を入れるべき要所だと感じます。

介護や施設に関する広範な知識

利用者さんやその家族にとって、介護施設を利用することについて少なからず不安を持っているもの。

そんな時にどんな質問が来ても答えられるように、介護に関する幅広い知識を有することが大事なのです。

そうすれば利用者さんや家族が持つ疑問や不安を和らげてあげることができますよね。

常日頃から自己研鑽して介護の知識を積み上げていくという意識が必要です。

利用者やその家族、職場スタッフとコミュニケーションできること

生活相談員は、利用者さんをはじめ、職場の仲間と密にコミュニケーションを取らなければならない場面が多々生じます。

ときには利用者さんや家族の悩みを聞き、ある時は職場のスタッフと利用者の状態や仕事の進め方について情報共有しなければなりません。

周囲の人と円滑に物事を進めていく上で、それなりのコミュニケーション能力が要求されます。

生活相談員の勤務時間や夜勤について

ここでは、生活相談員の勤務時間にスポットを当ててみます。

「デイサービス」で働く場合と「特別養護老人ホーム」で働く場合の1日の業務の流れを紹介していきます。

デイサービスで働く場合の一日の業務の流れ

デイサービスで働く場合を例に取って、生活相談員の一日の業務の流れを見ていきましょう。

時間 業務内容
8:00 出勤:メールチェック、1日の予定をチェック
8:20 朝礼:施設内での連絡事項や報告ごとを全員で共有
8:45 利用者さんの送迎業務
9:30 利用者さんの健康状態をチェック
10:00 ・利用申込者への見学対応や施設の案内
・施設内の各種会議へ出席
10:30 ・サービス担当者会議へ出席
・新規利用者さんの受け入れに関してケアマネジャーと打ち合わせ
・利用者さんの食事・介助
12:00 お昼休み
13:00 ・各種マニュアルや契約書作成などデスクワーク
・近隣の催事への参加に関して施設長と打ち合わせ
15:00 利用者さんのレクリエーションの見守り・お世話・介助
15:30 今後の介護プランに関してケアマネジャーと打ち合わせ
16:00 利用者さんの送迎業務
17:00 ミーティングや会議
17:30 事務処理、書類作成
18:00 退勤

特別養護老人ホームで働く場合の一日の業務の流れ

次に特別養護老人ホームで働く場合の一日のスケジュール例です。

時間 業務内容
9:00 出勤:メールチェック、1日の予定をチェック
9:30 朝礼:施設内での連絡事項や報告ごとを全員で共有
10:00 行政や他の事業所、医療機関へ必要事項の連絡、その他調整
11:00 ・利用申込者への見学対応や施設の案内
・施設内の各種会議へ出席
12:00 お昼休み
13:00 ・入居者の健康状態や各種業務の進捗状況の共有会議
・今後の介護プランについての報告会議
15:00 ・入居者家族との面談・相談
16:00 面談記録の作成、新規入居者の書類管理
17:00 書類作成や残務処理
18:00 退勤

施設によって多少異なる場合はありますが、基本的には通常の事務員と同じ月曜日~金曜日の勤務となります。

主な業務は、利用者さんの介助やサポート、関係者との打ち合わせ・調整、デスクワークです。

夜勤は基本的には無し

生活相談員の業務は、ほとんど日中に行うため夜勤は発生しません。

ただし、介護員に欠員があったときのフォローや土日に入退去の希望があった際や入居者の急変など突発的な出来事があると臨機応変な勤務を求められる場合もあります。

生活相談員の給与・年収

厚生労働省が公表している「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」では、生活相談員の平均給与額は月給355,150円(年収換算すると426万1,800円)でした。

平成30年度が321,080円、令和元年度が343,970円だったことを考えると、年々月給が上昇しているのがわかります。

また、生活相談員の基本給については介護員より高い場合が多いですが、生活相談員は「介護職員処遇改善加算」の対象外です。

介護職員処遇改善加算とは
介護職員の安定的な処遇改善を図るための環境整備とともに、介護職員の賃金改善に
充てることを目的に創設された加算です。

「加算Ⅰ」を取得すれば介護職員1人当たり月額3万7千円相当の加算が受け取れます。
「介護職員処遇改善加算」の制度
出典:厚生労働省:「介護職員処遇改善加算」のご案内

国は処遇改善加算の対象者を直接介護を行う職員に限定しているため、最終的には介護員と逆転する可能性も考えられます。

生活相談員の業務内容

生活相談員の仕事にはどのような業務があるのでしょうか。

具体的に見ていきましょう。

1. 施設申し込み待機者の対応・管理

申込者への見学対応、施設の案内

申し込み時に本人又は家族が一度施設見学に来ることが多いためその対応をするこが最初の仕事となります。

この時に自分の施設の紹介から始まり建物構造や設備の説明やモデルルーム(あれば)を用いて施設生活ができるだけイメージし易いよう伝えていきます。

申込者情報の管理

申し込みがあった時点で待機者としてエントリーし個人情報を大切に保管しておきます。

そして施設生活での情報(日々の生活の例え、介護士が提供することしないこと、施設でできることできないこと等)をこちらから伝えて相手が疑問に思っていることには明確に答えれるように施設全体のことを把握しておきます。

施設利用に関する説明

施設の利用料は最初の見学時にパンフレットに沿って説明しますが、毎月必ず必要な金額と+αの部分まで説明しておくとよいです。

また、現時点での待機者数を伝えて入居までの目安について説明しておくことも必要です。

入居申請の受理後は有料老人ホームに申し込んでいる人への連絡を定期的に行い、適宜現在の生活状況や入居意思の変化等について情報を更新します。

待機者の状況把握

待機している方は時間がない人もいれば将来的に考えている人等様々ですから相手の状況を把握しておくことも忘れてはいけません。

今の時代は施設待機者数がどこの施設も多く、なかなか入所できない場合が多いので複数の施設に申し込んでいる方も少なくありません。

自分の施設に空室ができて次の待機者に連絡を入れても別の施設に入所済みという話も多いです。

経営的視点で言うと、有料老人ホームは常に満床に近い状態を保っていることが前提の予算立てをしています。

もし申込者が他施設の入所に傾いているのなら、自分の施設の魅力やメリットを分かりやすく伝え、強くアピールしておくことも大事です。

退所者と待機者の動きに常にアンテナを張る

また、介護施設では入所者が高齢のため入れ替わりもよくあります。

満床になったと喜ぶのも束の間で、すぐに空きができるものです。

死亡や入居者側の意志による退所以外にも、入院の長期化や体調の悪化によって重度の医療的ケアが必要となり入居可能要件から外れてしまうこともあります。

退所が見込まれると察知すれば割り切りも必要で、前もって準備をしておくフットワークの軽さも大切です。

満床でも常にアンテナを張っておき、退所者が出た際に次の待機者を早急に入所できるよう円滑な管理が必要ですね!

2. 入所前面談を行う

施設へ申込み後、入所の順番が来た人に対して入所前面談を行います。

これには事前に家族に説明し、主治医による健康診断書を提出してもらう必要があります。

面談は自宅の場合もあれば入院中の病院で行うこともあるので、事前に場所と日にち、時間の確認を必ず忘れずに行います。

面談では直接本人とお会いして情報収集を行いますが、大体の人は認知症であったりして話の辻褄が合わないケースもあるので、家族からの聞き取り調査もしっかり行います。

入院中の場合は病院のスタッフからの情報も貰えるようにしておきましょう。

また、面談時に簡単なADLの確認も行います。

ADLとは
Activities of Daily Livingの略で、日常生活の動作のことを言います。

起床や就寝、着替え洗顔、食事、排せつ、入浴、歩行、料理等々日常生活に関する動作のことを示します。

腕や足を実際に動かして頂き立位やできれば歩行確認等も直接確認できれば安心です。

3. 入所判定会議への参加

面談を終えると、今度は施設に戻ってから介護に関わる全ての職種を集めて入所判定会議を開催します。

これは面談で得た情報を元に施設で入所対応ができるかどうかを検討したり、現在の入居希望者の優先順位を確認・調整する会議です。

この時点で入所を施設側から断るケースもたまにあります。

入所を施設側から断るケースの例
  • 医療面のサポートが多く対応困難な場合
  • 暴言暴力が既に認められ、職員を含め他の入所者にも危険が及ぶ可能性が高い場合
  • 感染力の高い感染症を患っている場合
  • 家族に困難な問題がある場合

有料老人ホームの受け入れには限界があるため「なんとかなる」と軽率な考えで判断してしまい、後からお互いに後悔のないように判定会議は慎重に行わなければいけません。

安易な受け入れは、介護現場の混乱や他入居者に思わぬ悪影響を及ぼす可能性もあるのです。

又、各有料老人ホームならではのルールもあるためこの入所判定会議は生活相談員が行う非常に重要な会議になります。

施設受け入れはできるだけ困っている人を助けることが必要ですが、その人に必要なことは何なのかを真剣に考えたいところですね。

4. 入所契約から入所準備

有料老人ホームに入所するには契約書を交わさなければいけません。

施設によって内容が異なりますが、大体のところ契約書は

  1. 部屋の契約
  2. 介護保険の契約
  3. 重要事項説明書

の3つがあります。(②は自立の人以外)

そのため各契約書の書類準備(双方各一部ずつ必要)をします。

これに付け加えて管理規程や施設が規定する各種同意書等の書類もあります。

しかも内容をどれも説明するため時間が結構かかります。

契約に何時間もかけるような説明は相手もイライラしてしまいますので、事前に仮の契約書を作成しておき、

  • 相手に一通り確認してもらう
  • 説明の要点を絞る
  • ただ文書を読むのではなくかみ砕いて説明する

といった工夫をする必要があります。

また、契約時に必要な物を事前に準備して頂いておくことも忘れてはいけません。

契約時に必要な物
  • 実印・認印
  • 印鑑証明書
  • 預金口座振替依頼書
  • 健康保険者証
  • 医療受給者証
  • 介護保険者証
  • 他の保険証や手帳類等

そして契約が終わると入所の段取りとなります。

入所日時や引越しの方法、入所当日は送迎が必要か、食事はいつから準備が必要か、次回の病院受診はいつか、薬管理はどうするか等の確認事項は多々あります。

準備物に関しては余裕を持って入所2週間前には伝え、必要なものをピックアップして書類で渡すとよいです。

入所まで空室の管理をしっかり行う

そして入所までに生活相談員は空室の管理をしておかねばいけません。

定期的に空室の換気や洗面トイレの水の流れ、エアコン等の確認、清掃全般(必要なら業者を入れる)を行っていつでも新しい人が入所できるように努めます。

部屋は日ごろから水回りに水を流して下水からの臭気を防いだり、換気をしたりしないと劣化していくので気をつけましょう。

契約は実印を使用する場合もあるので書類関係は大切に扱いましょう。

気持ちよく入所当日を迎えるためにも、しっかりと準備期間をとることができるような配慮が必要です

5. フェイスシート・アセスメントシートの作成

入所前に行っておく生活相談員の専門的な業務です。

フェイスシートは、

  • 氏名
  • 年齢
  • 性別
  • 家族構成
  • 健康状態

などの基本データをまとめたものです。

アセスメントシートはケアプランを作成するために行う情報収集と分析のことであり、心身の状態や生活歴を拾い現在どのような課題を抱えているのかなどの事前調査をまとめたものです。

生活相談員が入居者管理の側面でフェイスシートやアセスメントが必要な一方、ケアマネジャーがケアプランを作成する際にも同様の情報が必要となります。

そのため、最初の面談時は生活相談員とケアマネジャーが一緒に対応することで入居者側の手間や負担を軽減することができます。

よりよいケアのためには、この二つの事前情報がきちんと作成されていることが重要です。

6. 入所時受入れ、入居後の生活相談

入所前から一番顔を合わせている生活相談員は、利用者からは入所時点で最も頼りにされています。

入所時は今までの生活との違いやイメージと現実のギャップ、新しい人間関係からくる孤立感などが入居者にストレスとして襲い掛かるものです。

そんな入居者のよき相談相手になるように配慮しましょう。

日常生活で困ったことを聞きながら解決のアプローチを検討し、実践に移しましょう。

ときには他職種と連携することも必要です。

安心して入居者が生活できるよう、様々な面で総合的に支援しましょう。

7. 入院時のお見舞い、退院前カンファレンス

入所者が体調不良にて病院へ入院した際、家族や病院に任せきりにするのではなく定期的にお見舞いに行くことがベストです。

病状の把握を自分の目で確認できるし、本人や家族にも好印象を与え、安心感を持ってもらうことができます。

病院の医療ソーシャルワーカーとの信頼関係構築にも繋がります。

入院生活はADLの低下に繋がることや、医療報酬の関係もあり、急性期治療が終わった時点で早めに退院させられることも少なくありません。

そのため高齢者によくある骨折で入院した場合の手術後は驚くほど早期退院を持ちかけられます。

施設側は落ち着くまで退院はないだろうと思っていたところに急な退院決定になるとドタバタ劇の始まりです。

施設側も焦らずに対応ができるように現状把握のためのお見舞いは絶対に行っておく必要があります。

そして退院前には入院先の病院と日程調整して必ずカンファレンスに参加します。

注意事項の確認や内服薬の説明、今後の受診の必要性など医療面の話もあるため一人でなく、介護支援専門員や看護師から同行してもらうとよいでしょう。

一人で行くと後から施設の他職種が必要な情報を得られず、日々のケアに支障をきたすケースも少なくないので気をつけましょう。

この退院前カンファレンス後にはきちんと記録を残し、文書で情報を伝えておくことが大事です。

そして退院日が決定すれば食事の注文や施設までの移動に関する段取りも忘れずに行います。

8. 退所時の対応

有料老人ホームでは入所中、持病の悪化や急変に伴い日常的に医療的ケアが必要なレベルになった際には退所してもらう場合が生じるという弱点があります(看取りを除く)。

高齢者の場合は少しのことで命とりになることも多いため早めの対応を取りますが、個人都合で退所される場合は基本1ヶ月前に申し出て頂くことが普通です。

退所が決まれば入所契約解除届けを用意したり月々の支払いの計算等もありますが大変なのは引越しです。

自分達で全て行うのか業者を入れるのか段取りします。

そもそも、契約の内容によって引っ越し作業は全面的に入居者側が行うと決められている施設もあるでしょう。

そして部屋の破損がないか退所前に確認を双方で行います。

破損がひどい場合は修理が必要なため、契約書や重要事項説明書の内容によっては入所者へ請求するケースも出てきます。

また、死亡による退所になる場合は慎重な対応が問われます。

家族への精神面での配慮をしないといけない時であり退所を急がさせないよう説明をしなければいけません。

人によっては時間をかけて荷物の整理をしたいとの要望もあるため、契約内容も考慮しつつ、できるだけ要望通りに対応するべきです。

他の入所者への配慮も大切

そして忘れてはいけないのが周りの入所者への配慮です。

どのような理由であれ退所になれば引越しがあります。

引越しをしている風景を見ると他入所者は色々なことを考えます。

高齢者は自分が死というものを近くに感じ取っているので中には落ち込む人もいます。

余計なストレスを掛けないためにも引越しの時間帯(廊下から出入り口までの移動等)も調整したいですね。

退所時の対応はとても重要です。

気持ちよく最後のお見送りができるように、生活相談員は入所前から退所するまで自分が施設の窓口であることを自覚しておきましょう。

9. ボランティア等の窓口

施設生活の質を上げるためにどの施設もボランティアの力は欠かせません。

生活のマンネリ化を防ぐために何かと行事を考え更に刺激になるようにボランティアの存在は大きいものです。

例えば歌唱、大正琴、三味線、踊り、演劇などを行っているところや近所の幼稚園、小学生の訪問などがあります。

こういったボランティアと連絡を取り調整する役目も生活相談員の仕事になります。

高齢者にとっては音楽を使用した芸を観ることで皆が楽しく過ごせ、また幼稚園児など子供と触れ合う時間も特に刺激的で喜ばしいものです。

いつも表情に活気のない人でも子供と触れ合うだけで笑顔になることもあります。

特に昔から聞いていた馴染みのある歌は回想法として、認知症予防や進行の抑制の面からも有効です。

あくまでボランティアですが、場合によってはお礼が要ったりするケースもあるので失礼のない対応を心がけましょう。

【面談技術で差がつく】適切な面談をするための5つのコツ

相談員業務では相談者との面談を効果的に進めなくてはいけません。

そのための面談技術は主に5つありますので、詳しく説明します。

信頼関係を築くためにも身につけておきたいですね。

1. 相手への視線を工夫する

まず相談者が話しやすい雰囲気をつくるところに注意したいですが視線が相手に多くのことを伝えることを知りましょう。

視線を合わせて頷くだけで「私はあなたの話をしっかり聞いていますよ」ということを伝えることができます。

ですがずっと相手を直視していると相手も緊張してリラックスができないので適度に視線をそらすことも必要です。

2. 相手と適切な距離感を保つ

そして相談者との位置や距離ですが人と向き合って緊張しないのは120cmから180cmと言われています。

ですが面談となると机や椅子などのサイズもあるため実際にはこの距離より近くなることもあります。

また、初対面かによっても相手が感じる緊張感は違いますし、相手の心境によっても変わってきます。

面談中には相手が緊張していないかどうか意識して見て自分との位置や距離を調整することが良いです。

3. 相手への話し方を配慮する

話し方も非常に大事で声の音量、速度、言葉使いにより相手がストレスを感じていないか配慮します。

「声が大き過ぎませんか?」
「聞こえていますか?」
「もう少しゆくっりの方がよいですか?」

と直接確認しながら進めたり、姿勢にも気をつけて腕組みや足を組むような姿勢は相手をブロックするように見られるので気をつけましょう。

4. 大げさなボディランゲージはしないようにする

また、大げさな身振り手振りも印象がよくないです。

こういった人は自然に出てしまっていることが多いので普段から意識しておくとよいですね。

5. 一方的に話さず相手の話を聞く

更に面談時にありがちな相談員が一方的に話してしまい、相手が意見できないという結果にならないように相談者の話をあいづちをしながらしっかり聞くことが重要です。

質問方法も専門知識として

①閉じられた質問
②開かれた質問

を上手く使い分けましょう。

①は「はい」「いいえ」と短い単語で答えれるような質問で、②は相手が自由に答えられる質問です。

面談をする一番の理由は相談者の情報収集をすることです。

相手のことを知ることを重視します。

そのためには相談者の話を聞くことが最重要であり聞いたことから内容を整理します。

面談技術には経験が必要で「その人を知る、理解する」という姿勢で取り組むと良いですね。

生活相談員として成功するポイント3選

成功する生活相談員のポイントとして次の3つが挙げられます。

  1. 率先して“何でも屋”になろう
  2. ネットワークを作って人脈を広げよう
  3. トラブルを未然に防ぐために説明は文書で行う

どうしてこのようなことが大切なのか、具体的に見ていきましょう。

1. 率先して“何でも屋”になろう

有料老人ホームではソーシャルワーカー陣として生活相談員とケアマネジャーがいます。

ケアマネジャーはケアプラン作成というメイン的な業務がありますが生活相談員の業務内容は幅が広いのです。

簡単に言うと

・ケアマネージャーは内部大臣
・生活相談員は外務大臣

といった感じでしょうか。

相談員はケアマネージャーと同様に介護士に情報を伝えて現場のことも把握しておかないと仕事に影響が出ます。

そのため介護士の協力が不可欠になります。

介護士からソーシャルワーカーは角度の違う方向から見られています。

要するに相談員の苦労は介護士には分からないということです。

「デスクワークが多くて夜勤もなくて体力的にも楽な仕事」みたいに勘違いされて見られていることが少なくないのです。

実際に相談員が退職する理由の多くが介護現場と溝ができて人間関係が上手くいかなくなったという結果が挙げられています。

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人間関係がこじれて退職してしまうといった事態を防ぐには相談員が介護士に認められることが一番です。

相談員だから現場のことはしませんといった考えの人は危険ですね。

相談員は時には介護も行い様々なことを行うオールラウンドプレイヤーであるべきなのです。

介護士の中には将来相談員を目指している人もいるため、現在の相談員がお手本となるような姿を見せておくと、将来的にどんどんレベルの高い相談員が出てくるはずです。

2. ネットワークを作って人脈を広げよう

生活相談員は病院へ行くことが毎月のようにあります。

有料老人ホームでは入所者が各々で行きつけの病院がありそれに同行することも多いのです(家族の代わりに行くため別途付き添い料金が発生することが多い)。

そのため入所者の普段の様子を医者へ伝えることや薬の在庫状況や次回の受診予約などの管理をしなければいけません。

病院に付いて行ってきちんと役目を果たせるように心がけるべきですね。

そして受診時に医者とある程度話ができる関係になれれば儲けものです。

医者や医療ソーシャルワーカーとコネクションをつくる

医者によっては自分で施設、デイケア等を経営している人もいるので情報交換をして下さる医者もいます。

顔見知りになれば自分の所のことや他施設の情報も教えてくれたり、時には入所者を紹介してくれたりすることもあるので受診はただ付き添いで行くだけではなく、顔を売る良い機会だと考えておくとよいですよ。

総合病院になると医者は患者が多すぎて話をしてくれる時間などないですが、その代わりに地域との医療連携担当部署があり、医療ソーシャルワーカーが居ます。

こちらも先ずは名刺交換をしておき徐々に顔見知りになっておくことをお薦めします。

生活相談員は施設の代表として営業力を持つことも必要ですね。

3.トラブルを未然に防ぐために説明は文書で行う

入所する前に施設で対応できることできないこと、利用者がしてもいいこといけないことを必ず伝えておくことが一番重要です。

例えば飲酒はOKかどうかを伝えていなければ、トラブルが起きた際にどうしようもなくなります。

施設の規程によりますが高齢者の飲酒をどう捉えるかの判断は大切です。

自己管理ができるならOKなのか、禁酒している入所者もいるため一切禁止にするのか等、必ず理解をしてもらってから入所してもらいます。

入所後のトラブルは想定以上に出てくるので、「言った・聞いていない」とならないよう、文書で説明することが大切です。

リスク説明も必要不可欠

また、個人情報の管理や緊急連絡網の確認、リスクに関する説明も必ず行います。

リスクとは何十人もの高齢者が共同生活をしているためナースコールを押しても他の人を対応中にはすぐに訪室できないこと、夜間帯の定期巡視は行うが何かあった際に発見が遅れることもあること等を言います。

また、入所者の行動等が施設規程に記載のあるような場合は施設側から退所を命じることにも触れておきます。

契約は只書類作成して署名を頂くだけでなく双方納得して入所して頂けるように色々なことを伝えておくことがポイントですね。

そのため生活相談員は知識経験や伝える能力が必要になります。

共同生活は思った以上に制限がありトラブルとなります。

事前に伝えておくことを心がけましょう。

まとめ

以上生活相談員の仕事内容や給与水準、業務における心構えなどについて紹介しました。

最後にもう一度、生活相談員として働くことについておさらいすると

  • 夜勤はなく規則正しく働ける
  • 関係者とのコミュニケーションや相談・調整業務がメイン
  • 生活相談員は総合的な人間力が必要

の3つが挙げられます。

「生活相談員として働くことで介護現場の視野を広げたい」
「今までの介護職経験と得意なコミュニケーション力を活かしたい」

という方は、ぜひこの記事を参考に生活相談員に関する知見を深めてみてくださいね。