女性が圧倒的に多い看護師の世界では、妊娠や出産の話題は切っても切り離せません。スタッフ数が多い職場では、妊婦さん、妊活中の方、産休・育休を終えて職場復帰した方がいるのが日常ではないでしょうか?
ところが看護師の仕事は体力的にも精神的にも厳しく、妊活に差し障ったり、流産の危険があったりと、仕事の調整が必要になってくることがあります。今まさに妊娠にまつわる悩みをお持ちで、この記事を読んでくださっている方もいらっしゃるかもしれませんね。今回は看護師と妊娠について考えていきたいと思います。
妊娠の適齢期
一般的に、妊娠・出産の適齢期は25~35歳くらいだと言われています。また、日本産婦人科学会では、35歳以上の初産を高齢出産(高年初産)と定義しています。高齢出産になると、若いうちの出産と比較して、母体と胎児への危険が高くなったり、先天性の疾患が発生する可能性が高いということはみなさんご存知だと思います。
さらに、女性が妊娠できる期間には限りがあります。不妊治療を始めるとさらに時間がかかるので、子供が欲しい方は早めに動き出した方が良いでしょう。
看護師の妊活
近年、妊活のために仕事を休業したり、仕事量を減らしたりする女性が増えてきています。有名人では、森三中の大島美幸さんが妊活に専念するため、ハードなお笑い芸人業を休んで、無事妊娠・出産されたことが話題になりましたね。では実際、妊活とはどういうことをするのでしょうか?
・産婦人科に通院し(時にはパートナーと共に)検査や治療をする ・基礎体温を記録する ・ストレスの少ない生活を送る ・適切な食事や睡眠をとり、適度に運動する ・体を冷やさないようにする などが挙げられます。他にも細かなことは色々あるようです。
ここに挙げたことは一見手軽にできそうなのですが、看護師にとっては難しいこともありますね。例えば、夜勤ありの職場に勤めている場合、規則正しい生活をすることが困難です。基礎体温の測定も工夫が必要になるでしょう。
夜勤ありの職場で普通に仕事をしていながら妊娠する方も少なくないですが、一方でなかなか妊娠できない方もいます。妊活に集中したい場合は、勤務時間を調整してもらったり、場合によっては職場を変えるということまで考慮する必要がありそうです。
看護師と妊娠
めでたく妊娠!さて、仕事はどうしましょう?そのまま産休まで勤務する、妊婦生活や出産に専念するため退職する、夜勤や残業の免除を申請して働き続ける、負担が少ない職場に転職するなど選択肢はさまざまです。
看護師の妊婦さんが特に注意しなくてはいけないことが”切迫流産”です。不規則で長時間の労働をしている看護師に多いと言われています。今までの職場に、切迫流産で一時休職した看護師さんがいた方も少なくないでしょう。
切迫流産から流産に移行する危険性があるので、「人手不足で忙しいので休めない…」なんて無理をしてはいけません。看護師の代わりは誰でもできますが、母親の代わりはいないからです。思い切って休職や転職を選択することも、赤ちゃんと自分と家族にとって必要かもしれません。
妊娠中の看護師が注意したいこと
妊婦さんが看護業務を行う上で注意したい点を、いくつか挙げていきます。ポイントは「無理をしない」これに尽きます。
- 無理をせず、しっかりと休む、座る
- お腹に負担がかかるような業務やケア(力仕事、患者さんの移乗など)を避ける
- 今までの働き方では負担が大きいと感じる場合は、勤務時間の考慮や夜勤・残業免除申請をお願いする
- 自分で伝えにくい場合は、医師の診断書なども利用する
- 転職や退職を考えても良い
看護師にとっての妊娠・出産は、一般的なお仕事をされている方以上に気を付けなくてはいけないことがありましたね。加えて、職場全体、さらには看護業界全体で、妊活中や妊娠中の看護師さんをサポートし、みんなで助け合える職場環境になったらベストですね。
[box_h]著者:看護師ユミ看護師として数年勤務後、結婚を機に引退。転職経験も数回あります。現在は海外を拠点に生活しています。[/box_h]