多忙でバタバタしているイメージがある看護の現場ですが、実際はそうとは限りません。忙しいところが多いのは事実ですが程度があります。常にとっても忙しいところもあれば、基本的にはゆったりしているところも…。
今回は”忙しい職場とゆったりした職場”を比較して、そのメリットやデメリットなどを考えていこうと思います。
忙しい職場はどこ?
一般的に、急変が多い病棟や救急外来、手術を取り扱う急性期の診療科は、おおむね忙しい傾向にあります。とは言っても、救急外来を含む外来系は、来院者数や時期・時間帯によって忙しさに大きく差が出ます。誰も来なければ暇になりますし、逆に患者さんが殺到して休む時間もないような事態になることもあります。
手術を取り扱う診療科も同様で、手術件数や入院患者数によって、忙しさの程度が変動します。また、患者数に対する看護師数にも左右されます。
ゆったりとした職場はどこ?
大体はスケジュール通りに業務が進む職場、自立している患者さんが多く急変が少ない診療科、看護師が十分に配置されている職場は、比較的ゆったりと働けるようです。
大体はスケジュール通りに業務が進む職場とは、例えば健康診断や人間ドッグを取り扱うところ、予約制のクリニック、おおむね通所者が固定化されている介護施設などです。しかし、これはあくまでも”比較的”であって、忙しい職場と同じように変動しやすく、いつでも落ち着いているわけではありません。
”マイナー診療科=暇”というわけではない!
病院の花形的存在の内科や外科は、イメージ通り本当に忙しいところが多いです。そのせいなのか何なのか、眼科・耳鼻科・整形外科・泌尿器科・皮膚科などのいわゆる”マイナー科”は、どうも暇だと思われがちです。でも、そうとは言いきれません。
例えばの話ですが、評判の良い眼科、難病に精通した名医がいる耳鼻科などは、患者さんが途切れることがありません。手術件数も多く、きっと忙しいでしょう。整形外科は自由に動けない患者さんが多いため、ケアやトイレ介助が多く、ナースコールが鳴りっぱなしです。忙しいかどうかは、診療科だけでは判断できないものなのです。
忙しい職場とゆったりした職場、それぞれのメリット・デメリット
何事にも良い面と悪い面があるものです。あなたはどこで働きたいですか?
忙しい職場で働くメリット
とにかく実践が詰める
看護は実践や経験が重要です。忙しい職場では患者数も多く、難易度の高い治療や看護を実施することも多々あります。「難しいことができた」「忙しい仕事をこなした」ということは自信につながります。将来的に職場が変わったときも、この自信が支えになるでしょう。
給料が増える可能性
残業手当をしっかり支給してくれる職場であれば、忙しい分残業が増え、給料が増える可能性があります。1か月あたりの夜勤回数が増えたら、さらに収入アップです。職場によって違いはありますが、二交代制勤務で夜勤が1回増えると、1万円近く月給が増えるようです。
忙しい職場で働くデメリット
多忙により体調を崩しやすい
ゆっくり休めない、急変が起きたときのプレッシャーが大きいといったことから、心身ともに調子を崩しやすいです。
離職につながる危険性
多忙すぎることが不満だったり、前述のように体調を崩したりして、仕事を辞めてしまう危険性があります。
ゆったりした職場で働くメリット
ゆとりがある
穏やかに働くことができ、精神的な負担は忙しい職場よりは少なめです。
ゆったりとした職場で働くデメリット
実践が少ない
忙しい職場とは逆で、看護師としての自信や経験を積み重ねにくいかもしれません。
やることがなくて辛い
ゆったりと働きたい人もいれば、慌ただしくしている方が好きだという人もいます。やることがなさすぎて辛い、やりがいが感じられない、忙しい部署の視線が痛いと思う方もいます。暇すぎるということが、離職のきっかけになることもあります。
人間にはそれぞれのペースがあります。忙しすぎても、ゆったりしすぎていても、自分に合っていなければしんどいと思うものです。自分で気楽だと思える場所で働きたいですね。
[box_h]著者:看護師ユミ看護師として数年勤務後、結婚を機に引退。転職経験も数回あります。現在は海外を拠点に生活しています。[/box_h]