「荷物を転送するだけの簡単アルバイトに応募したら、勝手に携帯電話が契約され、解約に数万円かかった」
全国の消費生活センターで、このような詐欺被害の相談が増えています。
国民生活センターは、2016年7月現在速報で「荷受代行・荷物転送アルバイトは絶対にしないように」「運転免許証や健康保険証、銀行等口座などの個人情報を安易に伝えないように」という警告を行っています。
「荷受代行」・「荷物転送」アルバイト詐欺の手口とは
まず最初に、SNSで「いいアルバイトがある」という募集話が「友達」から知らされたり、投稿が行われます。
あなたが気になり「やってみよう」と思って連絡をとると
「電化製品・電子機器の入った荷物を指定の場所に転送するだけで、1回送る事に3,000円〜5,000円ほどの報酬が受け取れる」
というアルバイトを紹介されます。
アルバイトをはじめるには、「運転免許証」や「健康保険証」などの身分証明書が必要といわれます。
指示に従って身分証明書の画像データをSNSで先方に送付し、同時に名前、住所、生年月日、電話番号、報酬の振込先の銀行等口座などの個人情報も伝えます。
その後、その個人情報や身分証明書の画像を使って、詐欺の主宰者がインターネット通販でSIMカードや携帯電話の端末などが契約・購入します。
(支払方法としては別の名義人のクレジットカードで契約されている事例が複数みられるそうです)。
携帯電話業者からあなたの住所に(実はあなた名義で契約された)SIMカードや携帯電話の端末の入った荷物、また書類などが届きます。
あらかじめ、届いた荷物は開封せず、そのまま着払いで指定の住所に送るよう指示されています。
アルバイトの仕事だと思って、その荷物を未開封のまま指定の場所に転送します。つまり、あなた名義の携帯電話などが見知らぬ人間の手に渡ることになります。
あなたの銀行等口座に数千円の報酬が支払われます。
それがグループ絡みの犯行だった場合、SNSでは…
「アルバイトの紹介だけをする係」
「内容を説明する係」
「身分証明書の画像の送付先の係」
「実際に仕事の指示をする係」
など複数者が登場する場合もあります。「なにかおかしい」と気づいて紹介者にコンタクトを取ろうと思っても難しいのが現状です。
「荷受代行」・「荷物転送」アルバイト詐欺の被害
この詐欺によって、あなたに及ぶ被害としては以下が考えられます。
携帯電話不正利用防止法違反
他人名義を偽って携帯電話を購入することは「携帯電話不正利用防止法」に違反しているため、あなたは自分でも気づかないうちに犯罪に加担していることになり、警察の捜査を受ける可能性もあります。
解約金や携帯電話の端末代金支払い
あなた名義の契約を解約するために、解約金や携帯電話の端末代金として、
月額利用料や通話料の支払い
携帯電話などの契約時に使用されたクレジットカードが不正利用の場合、契約者名義であるあなたに対して、月額利用料や通話料などが請求される可能性もあります。(カードの決済が2ヶ月後のため、発覚が遅れます)。
振り込め詐欺などへの関与の疑い
あなたの名前で不正に契約された携帯電話などが、「振り込め詐欺」などの犯罪に使用される可能性があります。
その場合、
数千円の報酬ではとても見合わない大きなリスクを背負うことになります。
安易にクリックをしないように気をつけるカモ!!
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まとめ
国民生活センター、MVNO(格安SIM)各社で注意喚起
国民生活センターの警告をうけて、詐欺グループが活用していると見られるMVNO各社や、日本インターネットプロバイダー協会、テレコムサービス協会のMVNO委員会でも
Webサイトなどを通じて、
国民生活センターの文書では「MVNOで契約されている」と指摘されていて、MVNO委員会の報告では現時点で、6~7社でそうした事例が確認されているそうです。
あるいは発生していないとのことですが、引き続き注意は必要です。
いずれにしても、簡単にお金が儲かる、という話には必ず裏があるので、美味しいアルバイト情報を見たら逆に気をつけるようにしましょう。