フリーランスで働く人の数は増加を続けています。理由としては、インターネットの普及により場所や時間を選ばずに仕事ができるようになってきたことや、終身雇用や年功序列制度が崩壊しつつあり会社員で居続けるメリットが薄くなってきたことなどが考えられます。
今の会社で働き続けていても給与があがらないし会社自体がいつまで残っているかも分からない、自分の技術力ならもっと稼げるはず、そう思ったときに転職を考えるのも良いですが、独立を考えるのもひとつの道です。会社員として働くことだけが全てではありません。自分のスキルに自信があるのならフリーランスでもやっていくことは可能です。
ここでは、正社員やパート・アルバイトとフリーランスを比較し、そのメリットやフリーランスに向いている人などについてお話しします。
正社員という働き方のメリット
正社員で働くメリットとしては、安定性・安心感があげられます。一定の収入が毎月得られ、福利厚生もあります。また人から仕事は何かと尋ねられたとき○○社勤務と答えられることが嬉しいと考える人もいるでしょう。
収入・雇用の安定性や福利厚生の充実
正社員は一定の収入が毎月得られることが保証されていますし、いきなり解雇ということもありません。終身雇用制度は崩壊気味とはいえ、大きな失敗や会社の経営不振などが無い限りは基本的には定年までの雇用が前提となっています。辞める際には退職金も受け取れます。
また正社員は福利厚生がしっかりとしており、健康保険料や年金などが有利なほか、契約している医療機関やレジャー施設などを安く利用できるところも多いです。企業によっては社員食堂などの会社施設が充実しているところもあります。
ステータスとしての正社員
かつて職人や個人商店などの自営業が多かった頃は、名の知られた会社に所属しているというのは一種のステータスでした。手に職をつけるか会社に入ることで社会人の仲間入りをするわけですが、その際に有名な会社の一員という肩書きがあれば手っ取り早く他人から認められたのです。
今でも有名な企業の肩書きに魅力を感じる人は多いですが、昔ほど大企業の威光も無くなってきました。現在ではステータスよりも安定性や福利厚生など実利的なことを重視して正社員を希望する人が多くなっています。それでも正社員でないと職歴として書きづらいため、正社員としてのレールから外れたくないという人は多いです。
フリーターなどは「ちゃんとしていない」という偏見は根強く、アルバイト経験は職歴として低く見られがちな現状があります。そのためフリーターから正社員に転職しようとしてもハードルが高くなってしまいます。
非正規雇用で働くメリット・デメリット
正社員以外の働き方として、パート・アルバイトや派遣社員といった非正規雇用もあります。
アルバイトの求人数は増加
企業の終身雇用制度が崩壊しつつあると前述しましたが、定年まで正社員を抱えるコストを減らすためアルバイトなどの非正規雇用に切り替える企業は増えています。そのためアルバイトの求人自体は多く、仕事に就きやすく仕事内容もそれなりに選べるのがメリットです。
必ずしも自由ではないアルバイト
アルバイトの場合、企業と雇用契約は結んでいますが、正社員ほどの待遇は見込めません。社会保険には入れるものの、多くは福利厚生にも差がついています。ボーナスや退職金も無いことがほとんどです。また不況のためアルバイトを長時間働かせる企業も多いです。かつてはアルバイトで生計をたてるフリーターは自由な働き方と見られていましたが、今は拘束時間も長く賃金も低めで、あえてフリーターでいるメリットは薄くなっています。
フリーランスという働き方とは
もしも会社では自分のやりたいことができないとか魅力的な会社が無いと感じたら、アルバイトを探すのもひとつの手ですが、フリーランスで働くことを検討してみてはどうでしょうか。ITエンジニアなども今はフリーランスで働きやすくなっています。
独立して働くフリーランス
フリーランスはどこの企業とも雇用契約を結ばずに自分でクライアントと契約を結び仕事を遂行する働き方です。報酬はクライアントから直接受け取るため、税金や社会保険料、年金を納めるのも自分で行います。
収入は仕事の成果物を納品したらクライアントから報酬が支払われる仕組みですので、月ごとの収入が決まっているわけではなく不安定です。その代わりスキルが高くクライアントからの信用も厚ければ高い報酬で契約を結ぶこともでき、高い収入を得ているフリーランサーも大勢います。
フリーランスには基本的に会社のような手厚い福利厚生は無く基本的に自分ですべてを手配しなければなりません。ただし組合などに入ってそこの福利厚生サービスを受けることも可能です。
フリーランスと起業家は異なる
独立してフリーランスで働くということは、個人事業主として働くということです。このことから起業家と混同されることもありますが、フリーランスと起業家は異なります。基本的に自分ひとりで仕事をすすめるのがフリーランスであるのに対し、起業家は会社を設立し人を集めて雇う立場です。
フリーランスの方がより自分個人の技術が重要になります。職人的な存在と言えるでしょう。
フリーランスに向いている人とは?
フリーランスという働き方は、時間が自由になる上に、好きな仕事で自分の腕一つで稼いでいるというやりがいも得やすく、魅力的です。技術が認められ信用を得られれば高収入も夢ではありません。
その代わり自分で何でも行わなければならないため、人により向き不向きがあります。会社員としての適正が高いならフリーランスには向かないかもしれません。同僚や上司との調和を重視して仕事をするタイプの場合、会社員としては優秀でもフリーランスとして積極的に仕事をとるは苦手ということがあるからです。
自己管理ができる人向け
フリーランスは基本的に業務の全てを自分で取り仕切り遂行します。そのために何でも自分で進められる人に向いていると言えます。
営業して仕事の契約を結び、仕事のスケジュールを決めて実行し、税金の計算をして確定申告を行い、国民年金や国民健康保険料などをおさめ、スキルアップのために勉強するというすべてを自分の意志で遂行できる人がフリーランスに向いています。
確定申告は税理士に頼むなど一部の仕事は外注することも可能ですが、外注するかの判断をするのも全部自分です。コストを考えると自分で行った方が良いケースも多いでしょう。
フリーランスは自由ですが、好きなことだけをできるわけでもヒマなわけでもありません。自己管理がきちんとできる人でないとフリーランスは難しいでしょう。仕事内容やスケジュールを上から決めてほしい、他の人と一緒に働きたいという人は会社員の方が向いています。
フリーランスなら全てを自分で進められる
以上、フリーランスと正社員やパート・アルバイトなどの違い、フリーランスに向いている人などについてお話ししました。
フリーランスは好きなことだけをできるわけではありません。特定の仕事だけがやりたいなら会社員になり技術職についた方が良い場合もあります。
ですがフリーランスはお金の動きや時間の取り方など仕事にまつわるすべてを自分で把握して進めることができます。自分の意志で全てを取り仕切りたいという人にはフリーランスはおすすめです。