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介護職を取り巻く現状と離職率を下げる方法

介護職の労働環境を改善するのに必要な事とは

介護業界を取り巻く環境は非常に厳しいものがあります。

少子高齢化と核家族化で家族が持つ相互扶助の機能は減退し、介護業界が介護を担って相互扶助機能が減退した分を代替えしてきたわけですが、その介護業界も今では、人手不足が深刻です。

少子高齢化に加え給料の低さや労働の過酷さも合わさり、新たな成り手が少ない中で人員を確保するには今居る介護職員を引き抜き合う、仁義なきヘッドハンティング合戦になりつつあります。

現に私の勤める事業所でも今月で私の仲介で転職してくる介護職員が3人目です

悪循環な介護職の現状

何故よそから引き抜いてまで、人員を確保するかと言うと少しでも離職率を下げ悪循環を断ち切る為です。
どういう事かと言うと、介護保険指定の事業所では、利用者から受け取る食費等の実費分と原則1割の介護保険の自己負担分以外に保険給付分を保険請求しています。この保険給付分と1割の自己負担分に関しては、人員の基準を満たさないと減算対象となり収益が悪化します。収益が悪化すると職員の賞与等の待遇に影響が出て離職を招いてしまいかねません。これで終わればマシですがさらなる悪循環が待っています。
入居系や施設の場合は、残った職員で昼間だけでなく夜間も賄わなければならず、どんどん肉体的な過酷さが増します。私が今までに見聞きした中で最も過酷な環境は、「1か月の夜勤回数(2交代と3交代含む)が10回を超え、夜勤明けの翌日も休日とは限らずに出勤日というのが普通」という内容です。この過酷さに見合う給料が支給されればまだ救いですが、手取り額で16万円にも満たず、税込み年収が250万円程度という内容でした。 これでは、生活がその日暮らしと変わりなく、離職率を上げるなと言う方が無理な相談カモ。
実際に離職率自体が低く、募集すれば直ぐに人が集まる事業所は、タイミング的に集まらなくても声さえ掛ければスムーズに引き抜けています。この歴然とした差は何かというと待遇の差がありすぎる点でしょう。

収益性の改善

では、職員の待遇を改善する為に必要な事とは何でしょうか。介護業界はもはやインフラと化した業界です。その業界の環境があまりにも劣悪で、離職率が高すぎる事は国も承知しています。近い将来数十万人不足するとされる介護職員ですが、待遇改善の為に事業所への加算として既に公金が割かれており、公金以外の方法を模索しなくてはなりません。

なかなか厳しい環境が続く介護業界
収益アップの為にまずするべき事は、環境を整える事カモ。

上で減算対象にならないようにすると書きましたが、減算は人員基準だけではありません。通所介護事業所で送迎を実施していない・介護老人保健施設で在宅復帰率が一定を下回っている等、様々な条件があるので該当しないようにしなければなりません。
減算に該当しない事と加算に該当するようにするのも重要です。
「加算を取り減算になっていない」のと「加算をとらず減算になっている」のでは大きな差があります。介護保険制度の加算減算は一日毎に単位数×約10円が左右されます。1ヶ月単位での請求ですから約30が掛けられますね。これが利用者1人あたりの左右される値ですから、利用者数が多ければ多い程この差は大きくなります。
加算減算が如何に重要かお分かり頂けましたか?

その場限りの素人の様な事はしない

プロとして良い介護を提供し、良い評判を積み重ねる事で、人気の事業所として地域に根を張る事で安定した収益を見込むことが可能です。逆もまた然りですね。ひいては、待遇として戻ってきますので、当たり前ですが良い介護を心掛けましょう。待遇を主張する前に、評価するに値する介護士としての働きを認めてもらう事も必要でしょう。
働く上で金銭的な待遇が全てではありませんが、生活していく上で必要不可欠ですし、事業所からの評価を数字化したものでもありますので、大きくモチベーションに関わりますね。

給与規定は会社の規定なので、一介の職員がどうこう出来るものではありません。第3者から見ても評価されるべき功績を積み上げ、それでも待遇が改善されないのであれば、転職も1つの選択肢であるカモ。