介護士カモが考える『介護職の「きつさ」を軽減させる取り組みとは?』

介護職の仕事のきつさとは?きつさ軽減のための取り組みを紹介します。

きつさ軽減

介護職のきつさとは

介護現場で働いていると、仲間の介護スタッフから「この仕事はきつい」という言葉をよく耳にします。具体的に介護の仕事にはどんなきつさがあるのでしょうか。平成25年の厚生労働省のデータからいくつか見てみましょう。

労働条件に対する悩み・不安・不満など(複数回答可)
人手が足りない 45%
仕事内容の割に賃金が低い 43.6%
有給休暇がとりにくい 34.5%
身体的負担が大きい 31.3%

※参照:厚生労働省「介護労働の現状」

こうしたデータから下記のような悪循環が起きてしまっていることが見えてきます。

「人手が足りない」→「有給休暇がとりにくい」→「身体的負担が大きくなる」

こうした介護現場の不満や悩みの声は以前から解決されないまま残っています。今回はこうした問題解決のために行政や介護事業者、民間がどんな動きを見せているのか、ご紹介して行きましょう。

介護のきつさ軽減の取り組みとは

京都府 「きょうと福祉人材育成認証制度」

2013年度から京都府は「きょうと福祉人材育成認証制度」に取り組んでいます。

この制度は、介護人材育成や職場環境改善を積極的に行っている介護事業者に対して府が認証を行うものです。府は積極的に認証情報の公開をしています。この制度は就職活動を行う学生さんに介護業界にもっと目を向けてもらい、実際の就職につなげていくことを目的としています。

介護事業者が認証を受けるためにはいくつかの基準が設けられています。その一部をご紹介すると・・・

  • 労働時間を短くするための計画の作成
  • どんな給与体系を採用しているか
  • 資格取得に対する支援

などがあります。

※きょうと福祉「人材育成認証制度の概要」

以上からも分かるように、職員の待遇改善へ向けた取り組みが中心となっています。府は、多くの介護事業者が認証を取得できるように目指しています。そのため、相談会や研修を実施する等の支援を頻繁に行っています。

これまでも事業所単位で人材育成は行われていました。それを介護業界全体で統一して、向上させようと行政が積極的になることは前例がないことでした。就職を希望する職場の待遇は介護職を希望する方にもとても参考になる情報となります。

情報通信技術(ICT)の導入

近年、介護にも最新のコンピューター技術の導入が盛んに行われ、特別養護老人ホームやデイサービスでも、記録の作成をパソコンで行うのは当たり前の風景となりました。

しかし、据え置き型のパソコンでは、職員は毎回パソコンのある部屋まで行かないといけません。しかもたいてい部署ごとに1,2台しか置かれてないため、介護スタッフ同士で入力待ちになるなど、効率が良くない場面も多々ありました。

現在、その解決策として、タブレット端末やスマートフォンを導入する介護事業所が増えています。ひとり一台ずつ携帯しながら業務に当たる現場も多くなりました。

特に、こうしたICT導入に積極的なのは、訪問介護分野です。ご利用者宅に訪問時、ヘルパーは介護記録の入力をスマートフォンで行い、その場から事業所にその内容を送信します。それと同時に、訪問の開始と終了時刻が正確に記録されます。いわば「ヘルパーのタイムカード」です。

このシステムで事務所側はリアルタイムでヘルパーの行動が把握出来ます。これにより、ご利用者から緊急の呼び出し等の要望にスピーディに対応できるようにもなりました。

介護用ロボットの登場

介護は抱き上げや車いすを押すなど、身体への負担がとても大きく、腰痛などにより辞職せざるを得ないスタッフが今でも多くいます。

現在、介護者の身体に装着して動きを補助する「介護ロボット」の現場への導入が、少しずつ始まっています。この介護ロボットを使うと、同じ重さのものを持ち上げる時に必要とする力が少なくて済みます。その結果、腰痛等の予防に繋がり、「身体への負担」から離職する人を減らす効果が期待できます。現場への介護ロボット導入について補助金を出している自治体もあり、今後介護スタッフがロボットを使って支援するのが当たり前になる日が来るかもしれません。

介護ロボットの中にはご利用者とコミュニケーションがとれるタイプも登場しています。

特別養護老人ホーム等では、職員数が限られているため、なかなかご利用者おひとりとじっくり関わるのは難しい場面があります。そんなときコミュニケーションロボットがあれば、職員が関わるまでのつなぎ役や、ご利用者同士の会話のきっかけになってくれることでしょう。

今、ICTや介護ロボットの導入において、残業時間や離職率の減少に繋がる事が期待されています。京都府の取り組みは介護業界の職場環境そのものを見直していこうと言う画期的なものです。こうした介護のきつさ軽減の取り組みは現場で働く介護カモにはどう映っているのでしょうか。

介護カモにとっての「介護のきつさ軽減」とは

今までご利用者の待遇については行政なり、介護事業者からいろいろな取り組みがなされてきました。しかし介護スタッフの「介護のきつさ」を軽減させる動きについてはどうだったでしょうか。

ご利用者に対する取り組みに比べて「何歩も遅れている感じ」が現場スタッフの本音カモ…

介護スタッフの「仕事やご利用者への熱意」に甘えて、「仕事内容のきつさ」という問題についておざなりになっていた面も大きいのではないでしょうか。

タブレットやスマホなどの新しい機器は介護の現場にどんどん入ってきています。介護スタッフは新しい機器やソフトウエアが導入されるたびにマニュアルとにらめっこして、操作を覚えるのに必死です。そんな新しい機器の効果で介護職の負担や退職者が減ることは、介護スタッフも大きな期待を寄せています。

介護業界は「スタッフの出入りが激しい業界」という認識が改まるといいカモ…

神奈川県横浜市では市の社会福祉協議会でカウンセリングリームを開いています。このカウンセリングリームは介護者だけでなく、その家族も無料で利用することが可能です。機器の導入だけでなく、「介護者の心のケア」も大事な「介護者のきつさ軽減」の方法となります。

福祉保健関係者のための「こころの相談室」

一番大事なことは「介護職のきつさを軽減させた後」

介護カモが思うのは、「介護のきつさ」を軽減させて生まれた心と身体の余裕をどう使うかが大事ではないかということです。その心と身体の余裕をご利用者と向きあう時間にきちんと充てて欲しいと思うカモ。

そうしなければ、介護の質は上がらないカモ。介護の質が上がり介護の仕事そのものにやりがいや魅力が増せば、介護を仕事にしようとする人も自然と増えていくと思うカモ。

新しい機器の操作に夢中になってご利用者を置き去りにしてしまうようでは本末転倒だと思うカモ。介護職のきつさを軽減させた先にあるものを見失わないようにしたいカモ。