高齢者と障がい者のケアを1ヵ所で行う多機能型福祉施設。
保育や介護を1ヵ所で行う時に出る反応とは。
”乳幼児・高齢者・障がい者の共通点は何ですか?”と聞かれれば皆様は何とお答えになりますか?
カモ丸が答えるであろう答えは「必ずしも全員とは限らないが何らかのケア(見守りの意味を含む)を必要とする人たち」です。
通常は其々別々に保育園・高齢者施設・障がい者施設でケアを受けていますね(高齢者と障がい者は自宅や通所の場合も)。
これが1ヵ所でケアを提供されるとしたらどう思われますか?というのが本記事でご紹介するお話です。
複合型福祉施設はいかに合理的なものか
乳幼児・高齢者・障がい者用に別個で幼稚園・保育園、高齢者施設や在宅支援、障がい者施設や在宅支援があるのが現状です。つまり其々に用地や人員が必要になります。
これが複合型福祉施設になると、ケアを必要とする人に対して、人員はそのまま必要(ただし事務職、医師、栄養士、調理員は兼務を認められています)ですが、用地は別にしなくても大きな土地さえあれば、そこら中に土地が必要になる事はありません。
多機能型福祉施設の持つ意義
皆様はインクルーシブ保育という言葉を聞いたことがありますか?インクルーシブとは共生という意味を持つ言葉で、字の通り発育具合・年齢・障がいの有無に関係なく、子供を一緒にして保育を行うというものです。インクルーシブ保育を唱え実践した人の取材ドキュメンタリーをカモ丸は見た事があります。
現在では普通に行われている保育方法ですが、この手法の第一人者は保護者から「うちの子の発育が遅れるから別個にしてくれ」等のクレームがあったりして苦労したようです。しかし蓋を開けてみると、この手法は大成功を収めています。
子供が互いを思いやり、問題があると自分たちの意見をぶつからせながら調整して自発的な修正が効いています。子供がただ受け身で時間を過ごすのではなく、主体的に動いています。多様の中に身を置く事で様々な吸収をしているのでしょう。
多機能型福祉施設もこれと同様の道を歩むのではないかとカモ丸は思い期待しています。
施設や人員の基準の指針が既に出されていますが、介護施設と保育施設の仕切りは必要ないとされています。エレベーターや入口、送迎の車に関しても共用可能としています。このニュースに「介護施設と保育施設の仕切りが無い時点で子供を預けようとは思わない」という反応がありました。
こういう所にカモ丸は福祉に関しては後進国だと感じています。友人と仕事の話をする時によく出てきますが、”汚い”という印象がどうしてもあるようです。
確かに排泄や感染症を伴う仕事ですから、それを言うのも分かります。でも、乳幼児のケアも同様で排泄や感染症を伴いますから、同じです。
多機能型福祉施設で乳幼児・障がい者・高齢者が触れ合う事で、インクルーシブ保育の時の様にそれぞれに好影響があるでしょう。
日本は今超高齢社会でケアを提供している保育・高齢者支援・障がい者支援の各業界は人手不足です。特に高齢者支援に関しては、今後一層必要になるのは不可避の事実で合理化は不可欠です。