慢性心不全看護認定看護師は2010年に特定、2012年よりスタートした比較的新しい専門分野になります。開始早々資格保有者は200名を超え、現在の医療における注目の分野と言えるでしょう。
慢性心不全看護認定看護師資格の概要
慢性心不全看護は「心不全」「心筋梗塞」「不整脈」といった心臓の病気の慢性疾患に対する専門家となります。 直接的に命に関わることもあれば、そうでないケースも多く、予防や回復、生活調整、指導など携わる業務は多岐にわたります。また慢性心不全は患者さんとその家族への精神的ストレスも大きいためQOLを高めるためのメンタルケアも重要な業務のひとつです。
慢性心不全看護認定看護師の役割と仕事
慢性心不全看護認定看護師の主な役割や仕事は以下のようになっています。
- 患者と家族に対し知識と経験を活かした看護実践
- 治療・回復のための指導
- 患者さんとその家族のQOLを高める生活相談
- 予防や回復のための生活指導や情報提供
慢性心不全看護認定看護師になるには
大前提として日本の看護師免許を所有している必要があります。その上で以下の条件を満たして初めて認定審査資格が与えられます。
- 看護系大学院修士課程の修了
- 日本看護協会が認定している認定看護師教育機関(課程)を修了(6か月615時間以上)
- 看護師免許取得後、実務経験が通年5年以上
- 実務経験5年以上のうち、3年間は認定看護分野で実務経験
- なお勤務年数は常勤、非常勤は関係せず、通算時間を満たしていれば問題無し
上記した全ての条件を満たしていれば慢性心不全看護認定看護師資格の認定審査が受けられるようになります。 なお、5年ごとに更新(看護実践と自己研鑽の実績について書類審査)が必要となります。
慢性心不全看護認定看護師が活躍できる場所
一般病棟はもちろん、回復期病棟など慢性心不全患者が多い病棟が主な職場になるでしょう。 そのほかにも内科、循環器科といった外来でもニーズが高いです。また在宅医療が選ばれることも増えているため、こういった現場でも活躍できるでしょう。 現状として、大規模な病院にナースが集中している傾向がありますが、これからはもっと広い分野で活躍できるものだと予想されます。
慢性心不全看護認定看護師資格のまとめ
慢性心不全に関する病気は年々増加していますし、適切に対応できる人材として慢性心不全看護認定看護師の資格に注目が集まるのも当然だと思います。 患者さんの意思を尊重しつつ、できるだけストレスの少ない治療や予防法を提案できるのは資格保有者の大きな強みのひとつとなります。