「またミスしちゃった…。私、薬剤師に向いていないのかも。」
そう思うことは薬剤師として勤務している以上、誰でもありうることです。
しかし、安易に薬剤師をやめて他の職種に就くのを考えてしまうことは、大変勿体ないことです。せっかく苦労して薬剤師になったのですから、その資格を宝の持ち腐れにしてしまうのは悲しいですよね。
あなたの犯しがちなミスはどんなミスですか?今回は「薬剤師に向いていない人」がどんな人物なのか、考えていきたいと思います。
損得勘定のみで仕事をする薬剤師
薬剤師における「損得勘定」とは、「給料がいいからこの薬局に就職する」ではありません。
たとえば、
- 在庫のない医薬品の処方せんを持ってきた患者さんに対して、「あの薬を購入することで、不良在庫を抱えてしまうのが嫌」などの理由で調剤を断るなどの行為を行う(調剤を拒むことは法律上できませんが、例えば急性の患者さんに「お薬準備するのに1週間かかる」などと伝え、患者さんを追い返したりなどする)
- 不良在庫を抱えていて、近い症候の患者さんが来たとき、疑義照会で変更してまで不良在庫の消化をするように動く
- 調剤過誤を隠す
などの行為が該当すると考えます。これはあくまでも薬局側の都合であり、困っている患者さんに適切な治療を施しているとは到底言えません。
処方せんを見てまず在庫の帳尻合わせを考えたり、ミスをミスと認めず患者さんに迷惑をかけることは、患者さんの健康をサポートして、最適な医療を提供する職種の薬剤師としては間違っています。
知識の吸収が全くできない薬剤師
人間、だれしもミスがあります。それは仕方ないことですし、避けようのないこともあります。
しかし、ミスをした後「このミスをもうしないようにしよう」と考えられない薬剤師は、薬剤師として向いていません。
薬剤師は人の命を預かる仕事です。ミスも重いものだと命にかかわりますし、重いミスをした場合はきちんと再発防止を講じなければなりません。
ミスをすること自体は仕方ないですが、そのミスを受けて自分の行動や知識に変化が全くない人物は、薬剤師に向いていないかもしれません。
ミスをした場合は、周囲と共有しながら再発防止に努めるようにしましょうね。
情報の共有ができない薬剤師
薬局の業務はチーム戦です。店舗をうまく回したり、病棟の患者さんにスケジュール通りに投薬を受けたりしてもらうためには、スタッフ全員の協力が不可欠です。
ひと昔前の薬剤師は、調剤室にこもって薬を作るイメージでしたが、現在は違います。薬剤師は積極的に患者さんと接することが求められています。
これらのことから、薬剤師は患者さんの情報をスタッフ間で共有する必要性が高まってきています。
かかりつけ薬剤師など、1人の患者さんに1人の薬剤師が付くことは多くなってきましたが、まだ多くは固定のスタッフが付くことはなく、複数の薬剤師で対応している状況です。
その中で全く情報が共有できないと、禁忌薬の投与など意図せず調剤過誤に繋がってしまう場合もあります。
そのため、情報共有ができない(しようとしない)薬剤師は、薬剤師に不適かもしれません。
でも、例外はあります
ここまで「薬剤師に向いていない人物像」を並べましたが、何事にも例外はあります。
例えば、あなたがまだ薬剤師になって3年未満の新人であったり、そうでなくとも転職したばかりで職場のことがわからず、コミュニケーションを取るのがまだ難しかったりする場合です。
患者さんの健康のため、ベストな選択を考えようとしない人物はそもそも薬剤師向きではありませんが「もっとこうしたいのにスキル不足でできない」「もっとこうだったらいいのに」
という考えがあるなら、薬剤師として不適格ではありません。薬剤師として働くうえで、最も大切なのは「患者さん本位でしっかり考えてあげる姿勢」です。
この姿勢が維持できれば、今はスキル不足でも大きく成長できる可能性があります。
あまり考えすぎないことも重要です
「薬剤師に向いていないかも…」と悲観的になる気持ちは理解できます。しかし、考えてみてください。みなさんは、薬剤師国家試験という難関をクリアして働いているのです。
学生時代に遊んでいるだけでは決して取れない資格です。あなたはそれだけの資格を取得して、薬剤師にしか出来ない仕事をしているのです。
それだけで胸を張って良いでしょう。それ以外にも、思い返してみると「薬剤師になってよかった」という出来事もあると思います。
それでももし、「どうしても今の仕事に楽しさが全くない」「コミュニケーションがとれなさ過ぎて困っている」場合は、転職も考えてみましょう。
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あなたをマイナス思考にしている原因は、現在の職場のほうにある可能性もあります。いずれにしても、あなたが思い悩む必要はありません。
ミスは誰にでもあるものですから、それを踏まえて成長につなげていけばいいのです。
今回は薬剤師に向いていない人物像について紹介させていただきました。少しでも思い悩む薬剤師の皆さんの助けになれていれば幸いです。