どのカードローンを選ぶか検討するとき、金利が気になる人は多いでしょう。
「金利をみても、低いか高いかがよく分からない」
「金利って幅があるけど、どうやって決まるの?」
金利は利息に関わるのでとても重要です。
しかし、見慣れていない人は数値をみてもいまいちピンと来ないでしょう。
ここでは、カードローンの金利とは一体なんなのかといった基本的なことから解説し、金利の見方や利息の計算方法、金利を下げる方法まで幅広くみていきます。
カードローンの金利がよく分からない人も、金利がどんなものかが分かれば、利用後に利息が高くて困る状態を未然に防ぐことができますのでぜひ参考にしてみてください。
目次
カードローンの金利とは?
カードローンのような金融会社からお金を借りる場合、借りた金額にプラスして利息を支払わなければなりません。
利息とは簡単に言えばお金のレンタル料のことであり、このレンタル料がいくらになるのか計算するのに使われるのが金利です。
カードローンの金利とはつまり、借りたお金に対して、どのくらい利息が発生するのかを示すものを意味します。
カードローンの金利は通常「○○%~○○%」などのように一定の幅をもたせて表示されています。この場合の最も高い金利を上限金利といい、最も低い金利を下限金利といいます。
ただし現在ではカードローンの上限金利は法律によりに一定額に制限されていますので、どの金融機関を選んでも上限金利についてはそれほどの違いはないようです。
項目 | 詳細 |
---|---|
金利 | 借入金額に対して、どのくらいの利息が発生するのかパーセンテージで示すもの |
利息 | 借入金額に加えて返済しなければならない、お金のレンタル料のようなもの。 |
金利の決まり方について
金利と利息がどういうものなのか説明しましたが、まだわからない部分が多いと思います。
最初に、カードローンの金利がどうやって決められるのかについて見ていきましょう。
審査結果による限度額の大きさ
各カードローン会社は金利を自由に決めていいのですが、利息制限法が適用されます。
そのため、法律で定められた条件を守りながら金利をセットしなくてはなりません。
利息制限法では、業者から借りる金額と上限金利が定められています。
借入金額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 20.0% |
10万円以上100万円未満 | 18.0% |
100万円以上 | 15.0% |
すなわち、利用限度額に応じて金利は変わるのです。ちなみに利用限度額とは、カードローンで借入できる上限金額を意味します。
限度額10万円なら18%以内の金利でなければなりませんし、限度額100万円ならば、15%以内の金利になります。
そして、カードローンの利用限度額は、審査で決まります。融資希望額と同じ金額の限度額を割り当てられることもあれば、希望より低い金額になることもありますが、申込者の年収や勤め先などの情報を元に審査を行って決まるので、限度額には個人差があります。
カードローンによっては、限度額と金利の対応表が掲載されています。自分の希望額だったら、どれくらいの金利が割り当てられるのかが分かりますから、とても参考になりますよ。
初めての借入では、ほぼ上限金利が適用される
カードローンの金利は、「〇〇%~〇〇%」といった具合に、下限と上限の金利で表示されていることが多いです。
このとき、「下限の金利が低いほど、低金利でお得なんだ」と早とちりしてしまう人は少なからずいるでしょう。
しかし、初めてカードローンを利用する場合、下限金利が割り当てられることはまずありません。下限金利というのは、大きな利用限度額でかつ融資を利用してもきちんと返済する優良顧客でなければ適用されません。
金利が低いということは、それだけカードローン会社から信用の評価も高いということなのです。初めての申込者は、そのカードローンの利用実績がまだない状態ですから、いきなり信用が高く評価されることはないのです。
ですから、カードローンは上限に近い金利からスタートするのが一般的なのです。
分類によって金利に違いがある
カードローンは多くの金融機関で販売されていますが、業者によって大まかな金利の特徴があるのです。
ここでは、大手の銀行と消費者金融のカードローンの金利を比較してみます。
金融機関 | 分類 | 金利(実質年率) |
---|---|---|
アコム | 消費者金融 | 3.0%~18.0% |
プロミス | 消費者金融 | 4.5%~17.8% |
アイフル | 消費者金融 | 3.0%~18.0% |
SMBCモビット | 消費者金融 | 3.0%~18.0% |
みずほ銀行カードローン | 銀行 | 2.0%~14.0% |
三井住友銀行カードローン | 銀行 | 年1.5%~14.5% |
楽天銀行スーパーローン | 銀行 | 1.9%~14.5% |
上記の表から上限金利が、銀行が14%前後なのに対して、消費者金融は約18%と、銀行の方が低金利なのが分かります。
銀行・・・申込者の情報重視で審査に時間をかけてチェックする。消費者金融のように短時間で借入は不可で審査が厳しい分、低い金利設定で利用できる。
ですから、金利の低いものを探している人は、銀行カードローンの中で検討するのが良いでしょう。
ただし、大手の消費者金融には、金利0%のサービスがついてきます。お金を借りて翌月に全額返済するような短期的な融資は、銀行よりも消費者金融の方が絶対にお得です。
金利から利息を計算する方法
「なぜ、金利の低いものが人気あるのでしょうか?」その答えは、利息にあります。
カードローンでお金を借りたら、利子(利息)を含めて返済しなくてはなりません。
その利息を決めるのが、金利なのです。利息は次の計算式で求められます。
借入金額(円) × 金利(実質年率)÷ 365日 × 借入日数 = 利息(円)
借りたお金の返済以外でかかる支出は、なるべく少ないほうがいいですよね。
この計算式1つで、利息を安くする方法が2パターン見えてきます。
- 金利が低ければ、利息は安くなる
- なるべく早く完済すれば(借入日数が短ければ)、利息を節約することが可能
返済計画を立てるうえで、利息の計算は重要です。金利のパーセントに注目するあまり利息額を気にしていなかったとなると後々損をする可能性があります。
カードローンを利用した後に、実際に負担する利息が意外に高額で困ったなんてことがないよう、金利から利息を求める計算式はぜひ覚えておきましょう。
カードローンの金利は下げる方法がある
カードローンの金利は、契約したら常に同じというわけではありません。将来的に、金利を引き下げることも可能。
そこで、ここではカードローンの金利を下げる方法を紹介していきます。
借り換えで下げる
現在利用しているカードローンから、金利の低い他のカードローンへ切り替えるという方法です。一般に、「借り換え」と呼ばれています。
例えば、業者Aから30万円(金利18%)借りていたが、業者Bの30万円(金利14%)を利用して、業者Aのローンを一括返済します。
そうすれば、あとは業者Bの返済をするのみになるということです。ただし、より低金利のカードローンに申込むということは、審査も厳しくなります。
それでも、借り換え前の状態で延滞を一切せずにきちんと返済を計画的に行えている場合には、むしろ信用は高く評価されるでしょう。
限度額の増額で下げる
借り換えは、カードローンの会社自体を変える方法ですが、限度額の増額は、カードローン会社はそのままで金利を下げる方法です。
最初に述べましたが、金利は限度額に応じて決まります。限度額が高額になれば金利は下がるのです。
限度額を引き上げることを増額といって、主に2パターンあります。
- カードローン会社から増額案内が来る
- 自分で増額申請をする
カードローン会社から増額案内のお知らせが届く場合は、返済状況が良好で、「この人ならば限度額を上げてお金を追加で借りてもきちんと返してくれるだろう」と契約時よりも信用が上がるような好印象になった場合でしょう。
しかし、自分で増額申請をする場合もそうですが、限度額の増額は、申込時同様に審査があります。ですから、
- 年収が上がった
- 毎月返済日を守って支払っている
など、利用開始したときよりも、信用が上がっている状態で審査に臨むのが理想的です。
金利引き下げの交渉をする
カードローン会社に直接連絡して、金利を下げてもらえないか相談する方法もあります。
しかし交渉する以上は、アピールできる材料がなければならないでしょう。
- 返済遅延がない
- 適度に借入を利用している
- 収入が安定している。または年収が上がったなど
- 他社の借入がある人は、他社分を完済した
利用を初めてすぐのタイミングは難しいでしょう。長く利用していて、「この人になら金利を下げてもいい」と思わせるだけの信用が重要です。
初めて借入する方は無利息サービスの利用が可能
消費者金融の金利は約18%ですから、銀行カードローン(金利約14%)よりも高いです。
金利だけで比較するなら、低金利なのは間違いなく銀行です。
しかし、テレビCMでも有名な大手の消費者金融には、金利0%の無利息期間が30日間あります。
金融機関 | 利用条件 | 利用期間 |
---|---|---|
アコム |
・初回契約 ・返済期日「35日ごと」に設定 |
契約完了した翌日から30日間 |
プロミス[ 詳細 ] |
・初回契約 ・メールアドレスの登録 ・Web明細の利用 |
初回借入日から30日間 |
アイフル |
・初回契約 ・無担保キャッシングローン利用者 |
契約完了した翌日から30日間 |
借りたお金を翌月全部返済する使い方の場合は、銀行よりも無利息期間のある消費者金融の方がお得です。
無利息が最も低金利で、それ以上の低金利はありません。また、無利息期間が終わると契約金利に戻ります。
しかし、初回30日間(1ヶ月間)利息が0円だったことで、2ヶ月以上の利用でも銀行より利息がお得になります。
- 無利息期間ありの消費者金融は、通常金利で1ヶ月分
- 銀行カードローンは、通常金利2ヶ月分
借りる金額にもよりますが、3ヶ月から半年程度で完済する場合は、無利息期間を利用した大手消費者金融の方が利息が安くなる傾向にあります。
返済期限に遅れると遅延損害金が発生
返済期日を過ぎてしまい、支払い忘れてしまうと遅延損害金という延滞金が発生します。
遅延損害金も通常の利息同様に、法律で上限が20%と定められおり、カードローンの多くは遅延利率を20%にしています。
※ 遅延損害金の計算(本質的には利息と同じ)
借入金額(円) × 遅延利率(実質年率)÷ 365日 × 延滞日数= 利息(円)
遅延損害金は未払いの状態を続ければ続けるほど増えていきます。
延滞1日なら1日分の遅延損害金で済みますが、10日間の延滞ならば、10日分かかるのです。
遅延損害金の利率は、通常の利率よりも高めに設定されていますから、返済を放置し続けると、大きな負担になりかねません。
返済日を守ることが鉄則ですが、遅れた場合はすみやかに支払いましょう。
まとめ
カードローンの金利について知っておくべきことを紹介しました。基本的には低金利のカードローンを選べば、利息は安くなります。利息は1日単位です。
金利の高低に関わらず、完済までの期間を短くすればするほどに利息の節約効果は大きくなります。1年以上のスパンで返済を考えている人は、まずは銀行カードローンから選んでみるといいでしょう。
もし、借りた翌月や、長くても半年以内に完済するつもりでカードローンを使うならば、30日間の無利息期間のある大手消費者金融を検討しましょう。