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サービス提供責任者ってどんな仕事?未経験でもできるの?

介護や訪問介護が未経験でもサービス提供責任者になることができるのでしょうか?

サービス提供責任者は、訪問介護のキーパーソンとなる仕事です。

サービス提供責任者の仕事を行う際、未経験の人でもはじめることができるのでしょうか。

何か必要な資格などはあるのでしょうか?

今回は、そんなサービス提供責任者に関する基本的な疑問について詳しくご紹介していきましょう。

サービス提供責任者とは

訪問看護では重要な役目を担うサービス提供責任者ですが、実際にはどのような仕事なのかわからないという方もいますよね。

そこで、サービス提供責任者とはどんな仕事なのか、概要を説明しましょう。

サービス提供責任者の概要

サービス提供責任者とは、簡単に言うとケアマネージャーやヘルパーとの連絡や調整をする業務を担う仕事を言います。

訪問看護では、ケアマネージャーが作成した介護プランを現場の介護士が実践していますね。

サービス提供責任者は、ケアマネージャーと介護士の間に入ってプランの立案や指導等を行い、そして利用者やその家族とのコミュニケーションを取りながら介護サービスを円滑に進めるよう働きかけます。

サービス提供責任者のやりがい

サービス提供責任者は、職員間・利用者や家族との間に入って調整をしていく仕事です。

そのため、人間関係であったり家族の事情であったりと悩まされることもあります。

しかし、ケアマネージャー・ホームヘルパーとの連携を取り自分の考えたプランを利用者に提供ができるといったことに、やりがいを感じる方も多いです。

また、自分が立てたプランによって、利用者が意欲的になり元気が出る姿を見ると、やはりサービス提供責任者という仕事に魅力を感じる方も多くいるでしょう。

サービス提供責任者の9つの仕事内容

では、具体的にサービス提供責任者の仕事とはどういったものがあるのか。

代表的な9つをご紹介するので、参考にしてくださいね。

利用申し込みや相談に関する相談

サービス提供責任者の仕事の1歩目として、これから利用を検討している、ことから始めます。

利用者家族との最初の窓口とも言えますね。

介護認定はどの程度なのかなどを伺い、どういったサービスが提供できるかなど相談をします。

利用者・家族との面接

実際に利用者の自宅へ行き、何に困っているのか、どういった介護を望むのかなど利用者家族との面談を行います。

もちろん、現状の介護状況や提案できるサービス内容なども踏まえて、家族や本人の意向を聞き、訪問看護計画書を作成します。

サービス担当者会議への出席

利用者の状況や家族の意向などの面談を行うと、ケアマネージャーや実際に介護サービスを提供するホームヘルパーなどが集まって、サービス担当者会議を開きます。

サービス提供責任者もこの会議に出席します。

サービス担当者会議では、利用者・家族・ケアマネージャーなど出席者全員がどういた介護を進めていくのか意思の疎通や内容の確認を行い、要望があればその都度修正していくといったことが行われる大切な場です。

訪問介護計画の作成

実際に自宅を訪問して作られた訪問介護計画書を、サービス担当者会議で修正し、ケアマネージャーが作成するケアプランとすり合わせながら、最終的な訪問介護計画書を作成します。

訪問介護計画書とは、ケアマネージャーが作成した利用者の総合的なケアプランの中の、介護の部分をより具体的な内容にした計画書です。

この訪問介護計画書をもとに、ホームヘルパーは介護サービスを提供するため、訪問介護計画書は重要な部分になります。

手順書の作成

訪問介護計画書にのっとって、主に次の3つの項目を手順書として作成します。

  • 介護サービスの項目
  • サービス提供の方法
  • 留意事項

手順書は、実際に利用者に介護サービスを提供するホームヘルパーが利用するものです。

家族や利用者の意見や状態、介護の仕方など大切な内容が含まれているため重要になります。

同行訪問

時には、同行訪問といってホームヘルパーと一緒に訪問介護を行い、利用者や家族の様子を伺う、今の介護サービスが適切かどうかなど確認することもあります。

また、担当のホームヘルパーがまだ経験が浅かったり、利用者の自宅に初めてホームヘルパー就く場合などにも同行することがあります。

サービスが適切に行われているかの評価(モニタリング)

訪問看護計画書通りに、サービスが行われているか、評価することも仕事の一つです。

評価することによって訪問看護計画書は、今の利用者にとって最適であるかなども踏まえて、ホームヘルパーの介助能力を確認することもできます。

定期的に、利用者や家族、ホームヘルパーなどへ聞き取りや評価を行い、よりよい介護サービスを提供できるようにします。

ヘルパーの勤務調整・研修指導等

ホームヘルパーへの勤務の調整や、技術的な指導もサービス提供責任者の重要な役割です。

訪問介護計画書に沿って介護サービスが提供できるよう、ホームヘルパーの技術の向上や、十分な人員配置は必須といえます。

同時に、ヘルパーからの相談や、利用者の情報を交換するなど、常にアンテナを張って情報を得るようにすることも必要になります。

コミュニケーションが取れないと起こるトラブルの例

サービス提供責任者は、ケアマネージャー・ホームヘルパー・利用者や家族とのコミュニケーションをことが必須になります。

つまり、サービス提供責任者にはコミュニケーション能力が必要不可欠ということです。

そこで、コミュニケーションがとれないとどういったトラブルになるのか、お話ししていきましょう。

思い込みが誤解を与えてしまう

お互いに言葉が足りない、わかっていると思って詳しい説明をしないなどといった場合、思い込みが起こることがあります。

また、職員間での情報の共有不足などによって、「ちゃんと伝えたはずなのに」と利用者や家族を混乱させてしまい、誤解を与えてしまうこともあるのです。

日ごろから意思の疎通ができるよう、コミュニケーションを取っていることで、防ぐことができるトラブルも多いので、できるだけコミュニケーションを取るように心がけましょう。

利用者の声なき訴えに気付けない

利用者の中には、言葉で気持ちやしてほしいことを伝えることができない方もいます。

自分の思いを伝えられない状況が続くと、どうしても周囲から孤立してしまいがちです。

言葉で自分を表現することが難しい場合は、相手を理解するためのコミュニケーションを取るように心がけましょう。

そうすることで、気持ちを察することや推し量ることもできます。

介護職のコミュニケーション能力について以下にて詳しく解説しています

優秀な介護職員のカギ!コミュニケーション能力を鍛えよう

サービス提供責任者は無資格でもなれる?

サービス提供責任者になりたい!と思っても、実際にはどうなればいいのかわからないという方もいますよね。

そこで、サービス提供責任者になる方法についてお話しします。

サービス提供責任者とは、資格ではなく役職名である

実際には、「サービス提供責任者」といった資格はなく、役職や担当になります。

そのため、誰もがサービス提供責任者になることができるわけではありません。

事業所から任命されることはもちろん、次にご紹介する必要な資格を持っていることが最低条件となります。

サービス提供責任者になるためには資格要件を満たす必要あり

サービス提供責任者になるためには、最低でも次の3つの資格のうちいずれかを取得している必要があります。

  • 介護福祉士
  • 実務者研修修了者
  • ホームヘルパー1級過程修了者

訪問介護事業所には、最低1人以上の配置が義務付けられていますが、利用者が40名以上の場合は2人、80人以上といった場合3人といったように、40名ごとに1人のサービス提供責任者の配置が義務付けられています。

紹介した資格が必要ということは、もちろん介護経験も必須ということになります

要注意!障がい者・児向けのサービス提供責任者は要件が違う

障がい者・児向けの介護サービス(同行援護・行動援護)のサービス提供責任者は、前項目でお話しした介護福祉士など3つの資格を持っているだけではなることができません。

必須資格に加え、下記のような研修を受ける必要があるので覚えておきましょう。

同行援護 ・取得資格に問わず、同行援護従事者養成研修の修了が必須
行動援護 ・取得資格に問わず、行動援護従事者養成研修の修了が必須
・知的障害者、精神障害者の直接的な支援経験が1年以上

サービス提供責任者について、2019年度より必須資格などについて改正が行われました。

そのため、ネット上では改正以前の情報も多くあるので注意しましょう。

また、障害福祉サービス上のサービス提供責任者と高齢者福祉サービス上のサービス提供責任者とでは、必要な資格が違うなどといった誤解を招きやすい情報もあります。

今回は、介護保険法に基づいてサービス提供責任者についてお話ししているので、ご留意ください。

サービス提供責任者は未経験でも出来る?

介護福祉士の資格があれば、未経験であってもサービス提供責任者になれるのかというと、難しいと答えざるを得ません。

まず、サービス提供責任者として人材を募集していたとしても、介護職の未経験者を雇う事業所はほぼないといえるでしょう。

それは、サービス提供責任者は、資格だけではなく今までの経験が大きくいかされる職種だからです。

そこで、どうして未経験者はサービス提供責任者になることができないのか、お話しします。

介護業界の経験は必須!主任クラス以上の経験推奨

サービス提供責任者の仕事は多岐に渡ります。

介護といってもさまざまで、施設と訪問の仕事では内容が大きく違ってきます。

いくら要件を満たす資格を保有していても、最低限介護の経験は必要となるでしょう。

また、サービス提供責任者は訪問介護サービスの質に直結する重要な役割を担っています。

サービス提供内容だけではなく、所属するスタッフの管理や事業所の経営状態把握などの能力も必要です。

家族との連絡・相談の際も、その方の生活環境や生活歴に応じた対応をしなければなりません。

利用者や家族が他人に知られたくないことにも踏み込んでしまう場合もあります。

臨機応変な対応力や空気を読む力、柔軟な発想、第六感まで必要になるときもあります。

これは豊富な介護経験によって育まれ、醸成される能力です。

資格要件を満たしているからと言って、いきなりできる仕事ではありません。

訪問介護が未経験者でもサービス提供責任者になれる?

では施設での介護職の経験はあっても、訪問介護の経験がない人はできないのでしょうか。

サービス提供責任者は3年以上の実務経験が必要となります。

しかし訪問介護の経験は必須とされていないため、上記でご紹介した資格と定められた実務経験をみたしていればサービス提供責任者になることは可能です。

また事業所によっては複数のサービス提供責任者がいるため、補佐業務を行う人がいる場合もあります。

そのため訪問介護未経験でも困ったときに相談できる環境となっています。

ですが小さい事業所の場合、1人で全てをこなすことになるため、はじめの慣れない段階では苦労する部分も多いでしょう。

サービス提供責任者は訪問介護未経験でも働くことはできるけど、事業所によっては慣れるまでに苦労することが多いです
訪問介護は未経験で施設介護のみの経験者については、訪問介護と施設介護の違いについて理解した上で、状況に応じで判断が出来ればこなせるでしょう

これからサービス提供責任者を目指すには

上記で紹介した資格要件3つのうち、ヘルパー1級の資格講習は制度自体がなくなったため、現在存在しません。

そのためこれからサービス提供責任者を目指す人は、まず実務者研修を修了することが重要です。

実務者研修修了は国家資格である介護福祉士の受験資格ともなっているため、どのみち介護業界で生きていくためには必ず通らなければならない道です。

介護職員実務者研修は無資格や介護職員初任者研修を修了している人が受講します。

費用についてはスクールや現在持っている資格によって費用が変わってきます。

無資格や全く介護経験のない人が取得する場合は12万円~20万円位となります。

高額ですが、行政や社会福祉協議会なので受講費用の補助を行っていたり、教育訓練給付金制度の対象となっている講座もありますので、自身で調べて活用するとよいでしょう。

内容的には経験者の方が理解しやすいですが、介護職員実務者研修は全く介護経験がない人でも受講は可能です

まとめ

サービス提供責任者になるためには必要な資格があり、業務内容から考えて最低限介護業界である程度経験がある人でないと、続けていくことが難しいと考えられます。

事業所側でもそういった人材を就任させるため、資格はあるが経験が乏しいと判断される場合は採用してもらえないでしょう。

入所施設の介護経験しかない人は、筆者の経験上在宅介護との違いに戸惑うことが少なくありません。

特に訪問介護は、ある意味ではサービス業・接客業です。

介護事故が生じた場合は勿論ですが、ちょっとした言動のミスが事業所の信頼関係にも直結します。

また、施設介護とは違い、要介護者の自宅という最も重要な生活基盤に踏み込んでいくというプレッシャーがあります。

その意味を理解できないと、サービス提供責任者をこなすのは難しいでしょう。

逆に言えば、例え訪問介護未経験であってもケアマネージャーやヘルパー、利用者とその家族の方への対応と立ち位置が理解できれば、業務をこなすことは充分可能といえるでしょう。

最初は訪問介護自体の理解や介護報酬の事務的なものなどの習得などがあるため、慣れるまで大変かもしれません。

訪問介護での中心的な役割であるサービス提供責任者は、やりがいのある仕事ですので、資格と介護業界の経験があれば未経験でもチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。

資格と経験が必要ですので、全くの未経験ではサ責になることはできません。施設と違って実務的なことはサ責が行うのでケアマネージャーへのキャリアアップには適していると言えます