当サイトには広告・プロモーションが含まれています。

薬剤師の退職時の引き継ぎをスムーズにする段取りハウツー

失敗しない引き継ぎのコツは、“段取り”にあり!薬剤師の引き継ぎをスムーズにするコツを紹介

異動や退職で職場を離れた後、後任者がきちんと業務をこなす事ができるかが心残り…という方へ。そのために行われるのが引き継ぎなのですが、転職や退職を何度も繰り返す方が少ない事と同じように、「引き継ぎに慣れている!」「引き継ぎに自信がある!」という薬剤師は少ないはずです。おそらく引き継ぎについては、ほとんどの方が初心者同然なのではないでしょうか。

そんな不安を抱えながら“とりあえず”の引き継ぎで生まれるのは、覚えきれない口頭のみでの指導や、無計画にノートへ記したまとまりのない引き継ぎ資料。これでは、後任者も安心して業務に挑む事もできないはずですね。立つ鳥跡を濁さず。お世話になった職場に迷惑をかけないためにも、行き届いた引き継ぎを叶えたいものです。

失敗しない引き継ぎを成功させるために重要なのは、ズバリ段取りです。ここでは、異動や退職を迎える薬剤師がスムーズな引き継ぎを行うために覚えておきたい前準備のハウツーをご紹介します。

引き継ぎの日程表を作っておこう!

何の準備もないまま、丸腰で挑む引き継ぎは失敗の元となります。あなたが抱えていた業務やノウハウをできるだけ正確に後任者へ伝えるためには、前準備がとても大切。退職日が決まったら、まずはそこから逆算して引き継ぎのスケジュールを立てておきましょう。

上記のポイントを整理しながら、以下の事柄を進める日程を具体的に決めていきます。

なお、すべてのスケジュールは退職日より3〜4日前までに完了させることを目安に立てておくと良いでしょう。あくまでも引き継ぎの目安として、余裕を持たせたスケジュールを組んでください。

失敗しない引き継ぎ資料作成のステップ

後任者にわかりやすい引き継ぎには、業務やノウハウをわかりやすくまとめた引き継ぎ資料が不可欠です。いくらわかりやすく口頭で伝えたとしても、その内容が正確に後任者の頭へインプットされるとは限りません。

また引き継ぎ期間で業務を共にするだけでは、どうしても伝えきれないポイントが出来てしまいがち…あなたがいなくなった後も引き継ぎ内容を見直せる資料を残しておけば、異動後・退職後もスムーズに職場が回っていくはずですね。

マインドマップを作成してみる

ただ闇雲に業務内容を書き綴る前に、ぜひ“マインドマップ”を作成することをオススメします。業務全体を見渡しながら関連部署や関係者など細部の情報を書き出す事で、引き継ぎのモレや、書いた事・言った事のカブリを防止し、後の引き継ぎ資料作成もグッとクオリティの高いものにする事ができます。

マインドマップとは

マインドマップとは、ノートの中央にテーマとそれを囲う円を書き、中央の円(テーマ)からイメージされるキーワードを放射状に記していくノート術のこと。引き継ぎ資料の作成に活用する場合、中央に「仕事」と書いて、そこから関連付けられる事項ごとに業務内容や注意点を書き加えていく…という方法になります。

たとえば薬の出し方や説明方法以外に、顔なじみの患者さんへの対応や注意点、処方元となるクリニックやドクターのクセなど、あなたが日々の業務で身につけたノウハウやコツも貴重な引き継ぎ資料になるはず。これまでの業務を振り返り、客観的なデータとして書き出してみましょう。

前任者からの引き継ぎ資料を探してみる

あなたの前任者が残した引き継ぎ資料はありませんか? 「業務に慣れてからは、すっかり見ることがなくなった!」という方も多いかもしれません。

一人で作成するのではなく、残っていればぜひ前任者がのこしたものや、自分自身が入社したころ「分かりやすい」と感じていた資料なども参考にしながら、伝え残しのない引き継ぎ資料の作成を目指しましょう。

いよいよ引き継ぎ資料の作成へ

作成したマインドマップ、前任者からの引き継ぎ内容、参考資料などを揃えれば、引き継ぎ資料に記載するべき材料が整った状態になるでしょう。あとは、これらをまとめて引き継ぎ資料を作るだけです。

マインドマップ作成の時点で引き継ぐ内容はカテゴライズされているので、「どこから作成すれば良いのかわからない…」という事態も防げるはず。後任者が一人で見返しても分かりやすい資料を作りましょう。以下に、分かりやすい資料作りに役立てたい3つのテクニックを紹介します。

業務全体をつかむための総体的な説明

いきなり細かな作業内容から説明に入ってしまうと、「この業務は何の意味があるのか」「業務が他の仕事にどんな影響を与えているのか」などが見えてきません。また、規模の大きな項目と小さな項目が混ざり合った資料は、読む側の混乱を招く“わかりにくい”ものになってしまいます。まずは、全体をつかむための総体敵な説明を作成しておきましょう。

フローチャート

業務の流れを分かりやすく資料化するために、業務・作業内容は時系列に記したフローチャートで作成することをオススメします。いつ、どんなタイミングで、どの仕事を行うべきか…が明確になれば、後任者が業務に慣れるまでの間の心強い資料となるでしょう。

チェックシート

フローチャート以外にも、やるべき作業をまとめたチェックシートやToDoリストを作成しておくと、より安心です。次の業務に移るまでに終わらせておくべき作業・業務を項目ごとに記したり、定期的に確認しておきたい事柄をリストアップしたり…。

実際に自分が行ってきた業務を細かく振り返り、何を目安にしていたのか、どんなタイミングで判断していたのかを書き出しましょう。

また、フローチャートやチェックシートは、何度か自分でも使ってみることをオススメします。これまで何気なく確認していた事柄や、意識せず行ってきた作業など、伝え忘れがちな項目に気がつくかもしれません。引き継ぎ資料の内容をブラッシュアップして、後任者が安心して業務をスタートできる有用な資料にしてください。

まとめ

引き継ぎ準備のポイントには、以下のようなものがありました。
また最後になりましたが、退職や異動をしたらそれきり…という事の無いよう、後任者や職場への心配りも忘れないようにするべきです。引き継ぎ資料に電話番号やメールアドレスを添え「困った事があれば、ご連絡ください」と伝えておくだけで、後任者が抱える心の負担もずいぶん軽くなるでしょう。