1人で抱え込むシングル介護。その問題点と解決方法とは?

シングル介護

要介護者の介護を1人で行う「シングル介護」が増えています。

配偶者がいても高齢で介護できなくて、子供が介護をするといったもので特に独身の子供が介護することが多いケースです。

シングル介護にはいったどういった問題があるのでしょうか。

そもそも、シングル介護とは?

TVで社会問題として、シングル介護が取り上げられることも多いです。

そのため、「シングル介護」という言葉自体を、耳にしたことがある方も多いですよね。

シングル介護とはどういったものなのか、お話ししていきます。

シングル介護の定義

シングル介護の定義は、「子供が自分の親の介護を一人で行う状態」をいいます。

シングル介護の定義には、未婚や離婚・死別したなどといったシングルになった事情や、兄弟姉妹の有無は関係ありません。

一人で全てを抱え、外部の力も借りず介護を続けるため、精神的にも肉体的にも大きな負担を一人で背負うことを、シングル介護と認識されています。

2008年頃から問題として認識された

どうしてシングル介護が注目されたのか、それは2008年の10月に放送されたNHKの番組がきっかけとしてあります。

番組内では、総務省の調べとして、親を介護するために転職もしくは離職した人の数は2006年には14万人を超えたと紹介しています。

2008年には、介護のための休暇を93日まで取れると法律で定められましたが、現状としては利用しやすい状況ではないのが事実です。

TVや新聞などで取り上げられ始めたことをきっかけに、仕事もやめ、一人で親の介護を行う状況に、肉体的・精神的だけではなく金銭的負担も危惧する状況だと認識し始めたのです。

また、2009年には、仕事をやめ母親の介護中心の生活を行って言った芸能人が、父親の墓石の前で車いすの母をそばに置いたまま自殺しました。

このことも世間的には衝撃的なニュースと共に、今後考えなくてはいけない問題として強く意識せざるを得なくなったきっかけでもあります。

なぜシングル介護は起こるのか?

ではどうして、シングル介護が増えるのでしょうか。それは、シングルの増加も起因しています。

非婚者ともいわれるシングルは、離婚や死別、もしくは未婚などによって結婚をしてない人が増えています。

そんなときに親の介護が必要になった場合、子供であるシングルの人が介護を行うケースが多いです。

結婚をしていると、配偶者と力を合わせて介護を行うこともできますが、配偶者もいない状況の場合、気軽に相談することもできず一人で抱えてしまうケースも少なくありません。

また、兄弟姉妹がいても、シングルである人が介護をしなくてはと背負ってしまうこともあるのです。

シングル介護が抱える問題とは?

外部の力を借るなど、施設などとの関りを持ちながら上手に介護を行っていれば、シングル介護だとしてもそこまで問題視されることはないでしょう。

しかしながらシングル介護が続くことによって、抱えやすい問題が幾つかあるのでご紹介します。

特に1人でなにもかもと抱え込んでしまって辛いと感じることがあります。できるだけ相談できるところを持ちましょう
認知症の場合、1人で家においておけないのがシングル介護の悩み。だんだん在宅での介護が難しくなるのは分かっていてもその解決策がすぐにできないといった現状もあります

介護離職に繋がる

シングル介護の場合、どうしても介護に時間がとられてしまい、自分の仕事もままならない状況になります。

その結果、介護のために休職や転職、そして離職まで追い込まれるケースも少なくありません。

離職してしまうと、当然収入もないため親の年金や今までの貯金を切りくずして生活をしていくことになり、生活が苦しくなります。

貧困のためデイサービスにお願いできない、訪問介護の利用ができないなど、ますますシングルの介護者を追い詰めることもあり、悪循環が生まれてしまうのです。

ストレスから虐待に至るケースも

シングル介護は、一人の介護者に対していくつもの重責がのしかかっています。

介護の協力者もいないため、悩みや不安・疲労などといったストレスを一人で抱え、毎日介護をし続けます。

その結果、強い孤独感を抱きそして行き場のないストレスを、虐待という形で当たってしまうというケースは後を絶ちません。

シングル介護は、自分ひとりだけで全てを背負い込んでしまう傾向があるからこそ、社会問題として注目をされているのです。

介護が終わった後も爪痕を残す

介護が終わると、シングルの介護者も自由になるのでは?といった意見もあります。

しかし、介護が終わった後に残されているのは、

  • 結婚的年齢期が過ぎてしまっている
  • 定職についていない

といった、自分の身の振り方がわからない状況です。

介護が終わった方の多くは、本来であれば結婚をして家庭を持っている、もしくは仕事でキャリアを積んでいる40~50代の方になります。

介護のために離職をし、その結果外との関りもいつの間にかなくなってしまった状況では、今からキャリアを積むことも、改めて人と関りを持つことも難しく感じる方も多く、生涯独身でいることも多いです。

シングル介護を行ってきた方は、介護が終わったから自由とはならず、少なくとも長年介護を続けてきた影響は受けることになります。

シングル介護者も有効に活用しよう!介護離職を防ぐ取組とは?

シングル介護では、よくある介護のための離職。

未然に防ぐためにも積極的に取り入れ、利用してほしい制度があるのでご紹介します。

介護休業制度

介護休業制度とは、家族を介護するためであれば、まとまった休みを取ることができる制度です。

通算で93日までの休みを、3回に分けて取得することが可能な制度になります。

対象の要介護者は、

  • 配偶者
  • 自分の子供
  • 父母
  • 配偶者の父母
  • 祖父母
  • 兄弟や姉妹

と範囲が広いため、利用しやすい制度の一つではないでしょうか。

介護休暇制度

介護休暇制度は、まとまった休みではなく1日や数日などといった短い単位で休みを取ることができる制度です。

例えば、要介護者の通院の付き添いなどのために取得することも可能になります。

対象の要介護者は介護休業制度と同じです。

対象の要介護者1人に対して、年に5日間の休みをもらうことができます。

勤務時間短縮措置

要介護者を持つ場合、勤務時間を調整をしてもらうことができる勤務時間短縮措置があります。

受けられる措置としては、次の3つがあります。

  • 勤務時間の短縮
  • フレックスタイム対応
  • 介護状況に合わせた出勤・退勤時間の設定

このほかにも、介護者が利用する介護サービス費の助成などといった制度の確立を求めることが可能です。

時間外労働・深夜業務の制限

介護者を抱える職員に対し、事業主は1カ月で24時間、1年で150時間を超える時間外労働を強いてはならないとしています。

また、22:00~5:00までの深夜帯での労働も禁止することになっています。

介護休業給付金

介護休業給付金とは、職員が介護をするために介護休業をした場合、介護休業給付金を受け取ることができる制度です。

介護休業開始日より前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12カ月ある人が対象になります。

細かな条件は、次にご紹介するポータルサイトで確認しましょう。

支給されるのは、休業開始日から1カ月ごとの期間ごとにそれぞれ支給額を計算し、合計3ヶ月分の支給を受け取ることが可能です。

ポータルサイトの活用

下記サイトの“介護離職ゼロを目指す国の取り組み”を参考に作成してください。

厚生労働省が提示している「介護離職ゼロ」ポータルサイトでは、介護離職ゼロを目指すために受けられる制度や給付など細かく掲載しています。

仕事と介護を両立させることを目標に、どういった制度を活用するといいのか、ぜひ目を向けてみましょう。

シングル介護問題のまとめについて

高齢者の介護を単身者が1人で介護するシングル介護。まずは仕事と介護の両立が課題になります。

利用しているサービスでは不十分になってくることがあるので、早めにケアマネージャーと相談して、自分も負担が重くかかり過ぎないように普段から注意することが大切です。

相談できる所が多くあると良いので、困ったときはできる限り相談できる所や愚痴を言うなど、周囲の人を頼ると精神的な負担も少なくなるかもしれません。

同じ状況で悩んでいる交流会といったもの利用できれば、悩んでいるのは自分だけではないと思えるのではないでしょうか。

シングル介護を行うことで自分自身の時間がなくて余裕がなくなるといったことも問題です。

親の介護も大切ですが、自分自身も大切に、頑張り過ぎない介護が必要となるのではないでしょうか。

介護施設やケマネージャーは介護者の様子も注意して見ています。困った時はまず迷わず相談が大切です
現場レポート

シングル介護の実態とは?

現在では私の勤務先の利用者の方でもシングル介護は増えています。

やはり介護度が上がるにつれて、在宅介護が難しくなってくるのが現状です。

負担軽減の為にショートステイを利用されることが多いと思います。しかし、認知症の症状によってはショートステイを利用したくても帰宅願望が強く利用できなかったケースもあります。

その際は認知症に特化した地域密着型サービスの活用も検討しましょう。利用者の身体状況にも影響がある為、介護者の健康状態も大切になってきます。

また、ご近所に対しての迷惑行為(夜中に訪ねて行く、徘徊で警察に保護される。ゴミを捨てるなど)1人で介護を行う為、ずっと一緒に居ることができない為問題行動についても対応が難しくなってくることが多くなります。

また介護者はその場所に住むことになるのでご近所のトラブルの極力避けたいといったこともあります。

ですので、症状や介護の状態に合わせて現状の公共サースだけでは不十分といったことも多くあり、そのつど介護のプランの見直しが重要となってくるのです。

施設入所を検討することもあるでしょう。ただし、すぐに入居できなことも多くあるので、ショートステイを多く利用することや、デイサービスから小規模多機能型居宅介護へと利用変更することも多くあります。

少し距理を作ることで介助者に対しての認知障害にも寛大に考えられて暴言や徘徊といった症状が軽減するケースもあります。

ですので、まずはあまり頑張りすぎずその都度家での問題点をしっかり利用している施設やケアマネジャーに相談することで、精神的に追い込まれることが少しでも少なくなるのではないでしょうか。

認知症などについては分かっていても家族だと辛く対応してしまうこともあるので、ある程度、距離感がある方がいい場いいもあります。

夜などぐっすり眠れない、介護でイライラすることがある場合は相談すると良いかもしれませんね。