入学者数減少!?介護福祉士養成施設の現状とは

介護福祉士志望者が減っています。養成現場で起きていることとは?

養成施設入学者数減少

介護福祉士養成校の入学者減少の背景とは

テレビ、雑誌ではよく取り上げられる「介護」問題はこれから超高齢化社会を迎え介護を必要とする方が増えている日本にとり重要な問題です。介護が必要な高齢者や障がいを持つ方にとって必要となるのが「介護職」の存在です。

現在、国では介護の資格として「介護福祉士」と言う国家資格を設けています。介護福祉士は介護では唯一の国家資格です。介護の現場ではこの介護福祉士の方が中心となって働かれているのです。

介護の仕事に対する一般の人々のイメージとして給料が安い、夜勤等あり仕事内容がきつい、排泄介助など汚いと言ったマイナスのイメージが広く伝わってしまっています。給与について厚生労働省によると勤続6年の介護福祉士の1か月の平均実賃金は236,596円となっています。

他の職種と比較して特別高い給与であるとは言えない数字です。夜勤については施設や勤務条件によって違いがありますが、多くの特別養護老人ホームでは夜勤は16時間勤務と言う長いものになっています。

介護の仕事に対する一般の人々の決して良いとは言えないイメージが介護を仕事として選ぶ人の減少に繋がっていることは間違いなさそうです。結果として介護の資格である介護福祉士を取りたいと希望する人も減ってしまい介護福祉士養成校への進学者も減ってしまうという悪循環となってしまっています。

養成学校に入っても資格取得が義務付けられた

介護福祉士資格取得の方法が変更になったことも介護福祉士養成校を目指す方に大きな影響を与えています。専門学校等の介護福祉士養成校を卒業しても国家資格を受けねば資格がもらえなくなったことです。

介護福祉士養成の専門学校等に通うと学費として2百万円ほどかかります。一方、無資格のままで介護の職場に就職した場合はどうでしょうか。給与を得ながら実務経験を積み介護職員実務者研修を受講すれば介護福祉士国家試験を受験出来ます。

これから介護福祉士を取得したい人から見ると多額のお金を出して介護福祉士養成校に通う「旨み」がないと映ってしまいます。現場で働けば介護福祉士国家試験の受験資格が得られるのだから、養成校に通うまでもないと言う考え方になってしまうのカモ。

さらに介護の職場では介護福祉士受験資格に必要な介護職員実務者研修の受講費用を補助する職場も増えています。介護の職場は人手不足なので、「未経験可、学歴不問」と言う求人も少なくありません。

経験や知識、技術のないスタッフのレベルアップを図るためにも、職場が補助して介護職員実務者研修を受けてもらう方が良いと考えるのは自然な流れです。そうなると自分で多額の学費を払って介護福祉士養成校に通うメリットが見えなくなってしまうのです。

実際に介護福祉士養成校に通っている人はどれくらい減っているのでしょうか。次に介護福祉士養成校の現状を見ていきましょう。

介護福祉士を志望する人が減っている

日本介護福祉士養成施設協会によると、平成27年8月現在の介護福祉士養成施設への定員充足率は以下のようになっています。

介護福祉士養成施設 定員充足率(%)
大学(課程数53) 53,3%
短大(課程数78) 50,8%
専門学校(課程数246) 49、3%
専門学校(2年課程・課程数220) 49、4%
高等学校専攻課(課程数2) 43、8%
合計(課程数379) 50、0%

 
いずれの介護福祉士養成校でも定員を満たしているものはなく半数程度しか人が集まっていない現状がわかります。養成校の数そのものも平成20年には434校507課程ありました。

それからわずか7年ほどの間に大きく養成課程の数が507→379課程に減っているにも関わらず、定員が充足されていないことが事態の深刻さを物語っています。

すっかり人気が減ってきてしまっている介護福祉士養成校ですが、養成校ならでは良さがあります。次に介護福祉士養成校に通うことの良さとはどんなことか見ていきましょう。

介護福祉士養成校の良さとは

介護福祉士養成校に通う利点としては介護、福祉の知識を年単位の時間をかけてじっくり、体系的に勉強出来る点でしょう。

多くの介護福祉士養成校では介護用ベッド、ポータブルトイレ、ストレッチャー、紙おむつ、介助用食器やスプーンと言った専門な道具や設備が整えられています。学習用に様々なタイプの物品が用意してあり、それを実際に触れながら使い方を学べることは貴重です。

介護の現場に就職すれば先輩職員から介護技術等を実践を通して学ぶ事が出来ます。ただ介護の現場は当然学校ではありません。目の前に介護を必要とするご利用がおり日々の業務に追われる中ではじっくり、体系的に介護の技術や知識を学ぶ事は難しい面があると言えます。

介護福祉士養成校で基礎から介護技術を学ぶ事は介護者の腰痛や感染症の予防にも繋がります。マニュアル的な対処法ではなく「なぜそうすることが必要なのか」を根拠の部分からじっくり学ぶことが出来るからです。

医療的なケアが必要とされるご利用の数が増えている現状ではこうした知識はご利用者に良いケアを提供するだけでなく、介護者の安全にも繋がって行きます。

介護福祉士養成校のカリキュラムでは高齢の方の介護だけでなく、障がいを持った方授業もあります。様々な障がいや病気についての知識を学習したり実際の介護の現場に実習に行けることは養成校だから出来ることと言えます。

就職前に複数の介護の職場を体験出来ることはこれから介護の現場を目指す方が自分の就職先の選択肢を広く持つことに役立つことでしょう。

介護福祉士養成校に通う時に出来るクラスメートの仲間の存在は職場では得られないものです。介護技術の実習ではクラスメート同士が介護者役、ご利用者役を交代しながら行います。

そうして一緒に勉強した仲間は養成校を卒業した後も横の繋がりとして残っていきます。人の輪はお金では買えない貴重なものカモ。

今後の介護福祉士養成とは

介護福祉士養成校に通う利点は多くあるのですが、実際に介護職を目指す人の減少も相まって養成校にとって厳しい状況が生まれてしまっています。今後の介護福祉士養成校に求められる役割とはどんなものがあるのか次に見ていきましょう。

公益社団法人 日本介護福祉士会では介護福祉士の専門性をさらに高める事が見当されています。現行の介護福祉士の上位資格を設定しようという流れです。「認定介護福祉士」と仮に呼ばれています。

この認定介護福祉士の養成を養成校で行う事が検討されています。認定介護福祉士のイメージは出来ているものの実際の業務や養成課程の具体的な内容については未だ検討中です。この認定介護福祉士資格が国家資格となるのかも未定です。

認定介護福祉士に求められているのは介護職のリーダーとしての役割です。介護現場の質の向上を図りより良いサービスをご利用者に提供する指導的な役割です。また医師、看護師、理学療法士、行政のケースワーカーと言った介護以外の職種との連携を取って行く時の中心的存在も期待されています。

認定介護福祉士の様な専門性を持ったスタッフを育成する事こそ介護福祉士養成校がもっとも得意とすることなのカモ。

介護福祉士養成学校の入学者数減少について、介護カモが思う事

介護福祉士養成施設の入学者数を増やすには…

介護福祉士の専門性を高める事で給与等の待遇改善を目指すことも認定介護福祉士設立の狙いに含まれています。専門性の向上や給与アップが実現することが介護福祉士の魅力を高める事に繋がっていくことが望まれます。介護の仕事に就く人が増えるためにも介護福祉士を魅力ある仕事にする継続した働きかけが重要となるでしょう。
介護カモは介護福祉士養成校の出身ですが、学校に行って本当に良かったと思う一人です。学校を卒業してから介護現場に入っても覚えること、勉強することは山ほどあります。学校に行かずゼロから現場で学ぶなんて自分にはとても出来ないと思うカモ。
介護という人に関わる「プロフェッショル」として介護のお仕事をしていきたいのなら、是非介護福祉士養成校に通って基礎からきちんと学ぶことをオススメするカモ。介護は良い仕事ですよ。