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勤続10年以上の介護福祉士は賃上げ!いつから?

政府は勤続10年以上の介護福祉士を対象に賃上げを行います。その時期や背景について解説します。

賃上げ

政府が新たな政策パッケージを提示

政府はこれから行う政策に「人づくり革命」というテーマを掲げました。国のこれからを支える「人づくり」を行うために、今後さまざまな政策が行われることになります。

それらは「政策パッケージ」という形でてまとめられ、消費税が引き上げられる2019年10月に実施予定です。その予算は2兆円と大規模なもの。2017年12月には閣議決定がなされ、厚生労働省でも具体的な内容が検討されるようになりました。また予算2兆円の財源のひとつとして、企業から徴収した労働保険料が充てられるようです。しかし、産業界からは負担増加の懸念があり、国は現在、その軽減策も検討中です。

※参照:新しい政策パッケージについて

2兆円もの巨額の税金が投入される政策パッケージの中には福祉人材についての政策も含まれているカモ。具体的にはどんな内容なのかな?

政策パッケージの詳細は

政策パッケージのうち、介護関連では「介護職員の確保」がテーマとなっています。具体的には「勤続10年以上の介護福祉士」を対象に「月額平均8万円の賃上げ」を行うという内容です。経験や技能のある人材への処遇改善を重点的に進める方針なのです。

※詳細を見る(新しい政策パッケージについて)

勤続10年以上のベテラン介護職員。国は支援する対象を具体的に絞り込んできたカモ。そこにはどのような狙いがあるのかな?

国の画く介護職キャリアアップへの道筋とは

安倍首相は政治目標のひとつとして「介護離職をなくす」ことを掲げています。介護離職は2017年に行われた衆議院選挙前から大きな問題となっています。親や配偶者の介護のために仕事を辞める介護離職者の数は年々増えており、今後も介護を必要とする人の増加に伴い、介護離職者の増加も懸念されます。

※参照:平成24年就業構造基本調査結果

介護離職者の中には介護職員も含まれています。介護業界の人材不足は大きな問題。現場スタッフの介護離職を防ぐ重要な対策のひとつは、他の職業との賃金格差をなくすことです。自民党は政府に対して介護職のキャリアアップの道筋をよりわかりやすくすることを求めています。それが「経験、技能のあるスタッフには賃金アップを行う」という処遇改善の提言へとつながっています。そうした処遇改善を経て、経験や技能のあるスタッフの離職を防ぎ、介護の専門性を高めることが国の狙いです。

民間資格「認定介護福祉士」の誕生

介護福祉士のキャリアアップを図るために、2015年12月より「認定介護福祉士」という民間資格が設けられました。この資格は下記3つの役割を担う人材育成を目的とし、厚生労働省がバックアップを行っています。

  • 介護職のリーダー
  • 他職種との連携強化
  • 地域の介護力向上

しかし、2017年3月31日現在、この資格の認定を受けたのは11名のみ。認定を受けるためには37単位、600時間の研修を受ける必要があります。そのための費用負担と研修時間の確保が認定者数増の足かせとなっています。

更に資格を取得することで業務量がもっと増えてしまうのでは?という現場スタッフの懸念もあり、介護福祉士のキャリアアップの道筋を作るにはまだ課題が多くあるのが現状です。

※参照:認定介護福祉士認証・認定機構

介護の現場はどう変わっていく?

人手不足や業務の忙しさの中で、介護スタッフは自分自身のキャリアアップの道筋がうまく思い描けずにいます。今後実施されていく政策パッケージは、介護職員が「長く現場で働く」というキャリアプランを画けるよう、賃金面から働きかけるものです。

介護の現場が「長く働ける職場」となれば、離職者が減るだけでなく、新しく介護職員を目指す人も増えてくることも期待できます。そんな新しく介護の現場に入ってくる「勤続10年未満」の若手介護福祉士への支援も検討されています。

彼らへの処遇改善のために、介護施設や事業者ごとの柔軟な対応も認められるようになります。こうした処遇改善は、障がい者介護に就いている介護スタッフにも同様に行われます。

勤続年数の長いベテラン職員の優遇が今回の政策プランの特色ですが、現場のスタッフにはどう受け止められているのでしょうか?

政策プランへの現場の思い

処遇改善で賃上げされることは現場からするともちろん大歓迎です。しかし、こうした国の対応はいつまで続けてもらえるのでしょうか?賃上げでどこまで職業全体との平均賃金の格差は縮まっていくのでしょうか?不安は依然として残ります。介護職の給料は国からの介護報酬である以上、国の動向に一喜一憂してしまうのです。

 

それでも今回の政策パッケージは、常に人手不足でぎりぎりの状態の現場にとっては希望が持てる内容といえます。「長く続けて行けば賃金面からも認めてもらえる」のは大きな励み。このことが介護業界の「低賃金、重労働、社会的評価が低い」といった世間一般のネガティブイメージの改善につながることを期待するカモ。

介護職であることをもっと誇りに思いたいカモ。

※参照:介護福祉士を取り巻く環境とニーズに関する調査