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【新潮流】物流業界が面白い理由はSCM・3PL・LLPという顧客のビジネスを支える提案力が試されているから

物流業者は、高給・高収益の企業コンサルティング会社に脱皮する?

ネット通販の登場で物量が増加する一方で、人材不足に悩まされている物流業界は改革が常に求められています。

「“最近物流業界が熱い”とよく聞くけど、どういう点に注目が集まっているの?」
「物流業界には改革や進化という言葉が飛び交っているけど詳しく知りたい」

そういう方のために今回は物流業界の新潮流について、知っておきたい知識や注目キーワードについて解説していきます。

この記事を読めば、物流企業の先端ビジネスモデルやその仕組みについて、理解をく深めることができるようになるので、ぜひ最後まで読み進めてください。

【基本】そもそも物流業者の仕事内容とは

物流という仕事を大まかに分解してみましょう。

大きく分けて以下の5つのようなります。

1.荷役

製品や部品などをトラックや船舶、航空機、貨車などへ積み下ろししたり、倉庫へ搬入、搬出したりする仕事です。

2.保管

倉庫や物流センターにて運ばれる物を保管する仕事です。

ピッキング作業や移動距離の縮小といった保管効率が求められ、また、食品などでは温度・湿度管理が大変重要となります。

3.流通加工

販売などに向け、出荷時に値札をつけたり包装したりといった作業を行う業務です。

4.運搬・輸送

文字どおり物を運ぶ仕事です。

メーカーから製品を倉庫へ輸送する、産地から商品を問屋・小売店へ輸送する、といった基本的にモノを他の場所へ運ぶ業務のことです。

5.情報管理

最近重要視されているのが「情報管理」です。

コンピューター、通信回線が充実したことで、今まで以上に正確に情報が管理できるようになりました。

物流業務の内容に関する詳しい情報は「【物流の業種や職種】物流業界の仕事内容と職種ごとの年収を徹底解説」のページで解説しているので参考にしてみて下さい。

すべてが物流業界のプレイヤー

例えば、あなたの部屋に1台のテレビが届くまでに、日本や海外の各地で様々な物流業者が活躍しています。

かたちはさまざまな「物流」という仕事が、世界をまたいで緻密につながり合った結果、1台のテレビという製品が、いま私たちの目の前にあるわけです。

そんな、私たちの目には普段見えにくい物流という仕事が、いまとても面白くなってきています。

SCM・3PL・LLPとは

SCM(サプライチェーンマネジメント)と、それをより高度に行うための3PL(サードパーティロジスティクス)、さらにその先にあるLLP(リードロジスティクスプロバイダー)について、説明しましょう。

SCM(サプライチェーンマネジメント)とは

「原材料の調達→商品製造→商品が消費者に届くまで」の一連の生産・流通プロセスのことを「サプライチェーン」と言います。

サプライチェーンにおける無駄やリスクを解消したり、物流システム自体を改善することがSCM(サプライチェーンマネジメント)です。

上記で述べた「情報管理」が高度化すると、得られたデータや情報が蓄積され、物流過程における無駄やリスクを発見できるようになります。

1990年代の後半辺りから、このSCMを専門の物流業者が担うようになっていきます。

3PL(サードパーティロジスティクス)とは

3PLとは「サードパーティロジスティクス(Third Party Logistics)」のことで、荷物の所有者が、物流サービス水準の効率化やコスト削減を目指して、物流業務を専門業者に一括して委託することを言います。

荷物の保管や輸送、流通加工といった個別業務を委託するのではなく、物流業務すべてを第三者企業に委託します。

委託された業者は物流システムの設計・運営・管理までを長期契約のもとで担うのが特徴です。

SCMと3PLの違い

では前述したSCMと3PLはどう違うのでしょうか?

わかりやすく言うと、

MEMO
SCM:「製造→物流→消費者」までのすべての流れを考えること
3PL:SCMの物流部分に特化した物流管理戦略のこと

SCMと3PLを示した概念図は下のようになります。
サプライチェーンマネジメントと3PL
出典:多摩運送株式会社

わかりやすいように物流業者側が提案するセリフで説明してみましょう。

物流業者側が提案するセリフ
「どうぞ、クライアントさんはもっと本業に専念してください。御社製品の物流に関しては、荷役・保管・流通加工・運送・情報管理、いずれにあっても、御社のニーズとお手持ちの設備に応じたもっとも効率的な提案を当社がいたします。一括してお任せください。」

このように製造業者などクライアント(荷物の所有者・荷主)は、本業外の物流の仕事を専門業者に委託することで商品管理をする手間から次第に逃れられるようになってきているのです。

LLP(リードロジスティクスプロバイダー)とは

LLPとは「リードロジスティクスプロバイダー(Lead Logistics Provider)」のことです。

3PLではクライアントと物流サービスを委託された受託企業との間は完全に主従関係でした。

このLLPでは、受託企業が総合的な物流システムに関して積極的に提案を行い、物流システムの構築に関わります。

LLPでは、総合的な物流の仕組み設計から構築だけでなく、拠点策定や人員の配置など3PLよりもクライアント側に寄り添った効率的な物流システムの実現を目指しています。

以下は3PLとLLPを比べた図です。

3PLとLLPを比べた図
出典:サプライチェーンソリューション|三井倉庫サプライチェーンソリューション株式会社

物流を完全にクライアント企業から物流を完全に切り離すのが目的のため、3PLよりもクライアント企業の深い経営領域に切り込んで戦略立案することができるようになります。

物流業界が面白くなっている3つの理由

物流業界が面白くなってきている主な理由を3つ挙げましょう。

  1. 国際化
  2. IT化
  3. 物流の高機能化

です。

この3つはたがいに複雑に絡み合っています。

たとえばIT化が物流の国際化をますます伸張させ、国際化が物流の高機能化をより促していく、といった形です。

詳しく紹介していきます。

1.国際化

まず、1の国際化については、さきほどテレビの例を挙げたばかりです。

工業製品やその部品・原材料、あるいは食品、エネルギー資源、まさにありとあらゆるものが、世界中を飛び回っています。

スマートフォンやファストファッションを販売する会社はアメリカや日本やヨーロッパにあったとしても、それをつくる工場は中国や東南アジアなど世界各地に散らばっています。

工場に届く原材料の供給元も、やはり世界の各所にバラバラです。

出来上がった製品の出荷先ももちろん同様のこと。

日本の場合、日本でつくられて海を渡って行った機械部品が、製品となってまた日本に帰ってくることもしばしばです。

そうしたエネルギッシュで複雑な世界を背景に、より効率化された物流設計を行う「面白い」仕事が、物流業界にはいま猛烈な勢いで増えています。

2.IT化

1の国際化に拍車をかけているのが、2のIT化です。

ただし、IT化が促している物流の変化は、国際的な場面におけるものばかりに限りません。

たとえば鮮魚の流通といったようなドメスティックな物流についても、IT化が及ぶことによって、大きくそのかたちが変わっていこうとしています。

IT化によって生まれる新しくて「面白い」仕事が、いま大変な勢いで増えているのです。

3.物流の高機能化

1の国際化や2のIT化は、必然として、物流に対し、機能の高度化を求めるものとなってきています。

そこで近年重視されてきたのがSCM(サプライチェーンマネジメント)です。

さらに、SCMをより高度で効率的なものとするための体制が、3PL(サードパーティロジスティクス)です。

SCMの機能を高め、3PLを担うことによって生まれるクリエイティブで「面白い」仕事が、物流業界にはいまどんどん増えてきています。

脱皮のチャンスを迎えている物流業界

SCMから3PLへ。さらにLLPへ。

これこそが、流通業界がいま世界レベルで面白くなっていることを示す端的な流れです。

世界中のさまざまな企業が、いわゆるコア業務への集中を傾向として強める中、流通業界は以上のように、提案性や創造性に富んだ面白い仕事を手がけるようになってきています。

また、そのプレイヤーといえば、

  • 海運会社やその系列会社
  • 倉庫会社やその関連会社
  • 国際航空貨物会社
  • 宅配便業者

だったりと、出自はさまざまです。

各社、それぞれのノウハウや強みを引っ提げ、あるいは不得意な分野に関しては他社とアライアンス(提携)を組みながら、次の時代の主役の座を賭けての激しい競争を繰り広げています。

熾烈な生き残りのための競争が繰り広げられている

その答えは、同業者のパートナーではあっても下請けにはなりたくないという、きわめて切実で単純なものであるのかもしれません。

たとえば3PLをたくさん受注し、高度なLLPを次々と任せられるような企業にとってのコア事業は、すなわち3PLでありLLPであるということになります。

これらはいわば机の上での仕事です。

一方、実際にトラックを走らせたり、港や倉庫で荷役する仕事は、彼らにとってコア事業ではなくなるため、それらは外部委託する場合も増えるでしょう。

子会社、フランチャイズなどといったかたちでの暗黙の外部委託を含めてです。

すると、そこで委託を受ける会社というのは、3PLやLLPを受注できるような企業には残念ながらなれなかった運送会社であったり、倉庫会社であったり、同じく港湾荷役業者であったりするわけです。

これら下請けのプレイヤーは、いまに変わらぬ価格競争に今後も晒され続けなければなりません。

なぜならば、物流業界の現場における仕事の特徴、あるいは宿命として、サービスの差別化が難しいことはこれからも変わらないからです。

すなわち、そうした差別化困難なステージで競争することの苦しさをもっとも知り抜いていて、なおかつ、それを脱する糸口や機会を探し続けてきたのが、ほかならぬ物流業界の人々なのだということです。

いま、彼らにはチャンスがやってきました

3PLやLLPといった事業のかたちは、流通業界に生きる意欲的なチャレンジャーに対し、差別化や、ともすればブランド化への好機までをももたらしています。

ビッグクライアントをかかえ、LLPを担える高度な能力を持った物流企業は、業務の性格上、やがては高給・高収益で知られる、企業コンサルタント会社と似た位置に立つことも夢ではないでしょう。

物流業界の転職事情

確かにこれからは物流業界が面白いと言えるでしょう。

業界の変革期で新たな姿に脱皮していこうとしている過程では、まったく別の業界での経験や実績こそが、大いに求められるものです。

なぜなら業界経験が問題にされにくいからです。

転職で新たな人生を切り開こうとしている人にとっては、飛び込みやすい環境とも言えます。

日本の人口減少と物流業界市場の関係

今後、物流というマーケット自体は、日本の人口減少によって縮小してくと言われます。

その意味で、「真に将来性のある業界と思っていいのだろうか?」

と不安に感じる方もいるはず。

単純に国内のことだけを考えればそういう計算も成り立ちそうですが、

  • 為替
  • 新興国の成長
  • 経済危機
  • グローバリズム
  • 国際紛争
  • 保護主義

といった変動要素が複雑に絡み合う国際物流のことを考えると、予測はほとんど不可能、もしくは無駄でしょう。

ちなみに、地域紛争レベルのものはともかく、大国間での国際戦争が無く平和な状態が続く限り、戦後の日本の貿易額は右肩上がりなのが一貫した現実です。

世界全体の貿易量も然りです。

ITの進歩で物流が増加する

テクノロジーの進歩がある限り、地球は当たり前に狭くなり、物のやりとりは増すのが自然ということですね。

一方国内ですが、人口減少にさらされることを考えた上でも、市場はそんなに小さくはならないという人もいます。

理由は、ITが物流をますます加速させるからです。

特に、身近な場面の未来に思いを馳せてみてください。

インターネットを使える世代が高齢化し、足腰が弱くなってくると、通販市場は大きく拡大するのが容易に想像できますよね。

まとめ

今回は物流業界の進化とその仕組み全般の情報を解説しました。

この記事の内容をもう一度おさらいすると

    • 最近では信頼度の高さから銀行系カードローンが人気を集めています。
    • 物流業界は変革期にあり、今後ますますそれが加速する
    • 高度な物流関連システムの構築が進んでいる
    • 将来的にも物流業界は国際競争の激化が見込まれている

    の3つが挙げられます。

    「曖昧だった物流業界の体系的な知識が欲しい」
    「物流業界の将来や仕事内容、転職事情を把握しておきたい」

    という方は、ぜひこの記事を参考に物流業界の面白さを知ってくださいね。

    物流業界への就職や転職を考えている方には、役立つ資格をあらかじめ取得しておくとよいでしょう。

    以下の記事で紹介しているので、あわせてお読みください。

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