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P糖蛋白阻害がポイント!ビラノアとアレグラに共通する相互作用とは?

ビラノアは2016年10月に発売された抗アレルギー薬です。従来の薬とどのような違いがあるのでしょうか。従来の薬と共通する相互作用もありますので、確認してみましょう

ビラノア錠(ビラスチン)とは、大鵬薬品工業が2016年11月に厚生労働省から承認を得て、発売している抗アレルギー薬です。海外においては2010年9月にすでに発売されており、約6年遅れで、日本で新しく発売された医薬品です。

ビラノア錠の作用機序は、ヒスタミンH1受容体拮抗であり、第2世代と呼ばれる抗アレルギー薬に分類されています。ヒスタミンH1受容体に拮抗することで、炎症やアレルギー反応を引き起こすサイトカインの放出を抑え、そのような症状を抑える効果があります。

したがって、従来からある抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)と同じ作用で効果を発揮します。

同じ効果しかないのかと残念に思われた方もいらっしゃるかもしれません。安心してください。基本的に新薬が承認されるためには、いくつかの条件があります。

その1例が既存の医薬品よりも効果が高い、副作用が少ないなど患者さんに何かしらのメリットがあることが、必要になります。それを証明するために製薬企業は臨床試験を実施しているわけです。

それでは、ビラノア錠には、どのような効果があるのか、どのような副作用があるのか、既存の抗アレルギー薬で、比較的処方量の多いアレグラと比較してみましょう。共通する相互作用もありますので、ぜひ確認してみてください。

効果の強さは?

ビラノア錠の添付文書及びインタビューフォームを確認しますと、通年性アレルギー性鼻炎を対象とし、ビラノア群、アレグラ群(フェキソフェナジン)、プラセボ群の3つの群が設定されました。

合計747名の患者さんに3つの群のいずれかが投与されました。結果は以下の通りです。

投与群 症例数 ベースライン Day10-13 変化量 プラセボとの差
ビラノア20mg群 249 7.48±1.54 6.48±2.12 -1.00±1.83 “-0.35(-0.65--0.05)”
フェキソフェナジン群 247 7.38±1.43 6.42±1.97 -0.96±1.87 “-0.34(-0.64--0.04)”
プラセボ群 251 7.33±1.49 6.73±1.87 -0.60±1.72
※スコアは総合鼻症状スコアというものです。鼻汁、くしゃみ発作、鼻閉、鼻内そう痒感を数値化し、アンケート形式で患者さんより回答いただき、その平均を算出しています。

プラセボとの変化量を見ていただきたいのですが、ビラノア20mgで0.35、フェキソフェナジン(アレグラ)群で0.34というデータです。

したがって、アレルギー性鼻炎に対する効果については、アレグラよりも十分に上回っているとは言うことは難しいです。しかし、下回っていることはない、つまり非劣勢は証明されています。

新薬といえども、既存薬に比べて必ず効果が高いということはないのだカモ。

効果に多いな差がなくても、患者さんの安全性を高めるもの(副作用が少ないなど)があれば、承認されるということが良くわかったカモ。服薬指導する際には、このことを理解しておくことが重要だカモ

抗アレルギー薬には、必ず認められる眠気の副作用は?

ビラノア錠で特に注目するべきことは、眠気の副作用が非常に少ないということです。

アレグラの添付文書を見ますと、眠気の副作用は2.3%と報告されています。これは国内・国外の臨床試験において、総症例6,809例(国内1,060 例、海外5,749例)から得られたデータです。

これだけの症例数があると、実臨床に近いデータといっても過言ではないので、2.3%の発現率は、正確な数字だといえます。

一方ビラノア錠の添付文書を見てみますと、眠気の副作用は0.6%と報告されています。国内臨床試験において、675例中4例にしか認められておりません。

臨床試験であるため、患者さんの背景はある程度統一されてはいますが、それでも0.6%という発現率は非常に少ないです。

なぜ、0.6%という非常に低い数字になっているのでしょうか。それも添付文書に記載がありました。

健康成人(12例)を対象に、本剤20mg、ヒドロキシジン及びプラセボを二重盲検、クロスオーバーでそれぞれ単回投与し、脳への移行性を検討した結果、ビラスチンによる大脳皮質のヒスタミン H1 受容体の占拠は認めなかった。

抗ヒスタミン薬の眠気は、有効成分が脳内に移行することによって発生しているのです。

したがって、ビラノアは上記のデータ・情報から大脳皮質にヒスタミンH1受容体に作用しないことから、副作用がほかの抗アレルギー薬に比べて、劇的に少ないようです。

共通する相互作用とは?

ビラノアは2016年11月に発売された新薬ではありますが、アレグラと共通する相互作用があります。

それは、エリスロマイシ(マクロライド系抗生物質)、ケトラコナゾール(抗真菌薬と併用することで、ビラノアの血中濃度が上昇することが報告されています。

ただし、ケトラコナゾールの経口薬は日本では承認されていません。

外国人のデータとなりますが、エリスロマイシンと併用した場合は、Cmaxが約2.9倍、AUCが約1.9倍に上昇しています。ケトラコナゾールと併用した場合、Cmaxが約2.6倍、 AUCが約2倍に上昇しています。

エリスロマイシンやケトラコナゾールはP糖蛋白を阻害することが知られています。ビラノアが脳内に分布しない理由は、血液脳関門にあるP糖蛋白によって脳内から排泄されているためのようです。

したがって、エリスロマイシンやケトラコナゾールがP糖蛋白を阻害すると、ビラノアの脳の分布率が高まってしまいます。

その結果、ビラノアの最大のメリットである眠気の副作用が非常に少ないという点が失われてしまいます。

エリスロシン以外のマクロライド系抗生物質でP糖蛋白の阻害が知られています。ビラノアはエリスロシン以外のマクロライド系抗生物質との併用は確認されていないようですが、P糖蛋白を阻害するものであれば、併用することでビラノアの眠気が発現する可能性があります。

添付文書に記載されていることは、データに基づいているため、信頼できるものである。

しかし製薬企業はすべての薬剤との相互作用を確認することはできないため、薬剤師として相互作用の可能性を推測することが重要だカモ。

まとめ

マクロライド系抗生物質として良く使用されているものは、クラリス錠やジスロマック錠です。もし、ビラノアと一緒に処方されるようなことがあれば、医師に疑義照会をするべきだと思います。