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子供だって錠剤が飲めるということをご存知ですか?

抗生物質をはじめ、飲みにくい粉薬に悪戦苦闘しているお子さんへ錠剤という選択肢を提案します

小児科の門前薬局で仕事をしていると、ほとんどが粉薬やシロップ薬の処方となります。シロップ薬はお子さんもファンが多く、保護者も飲ませやすくて助かっているという声が多いです。

しかし、抗生物質はメジャーなものはほとんどドライシロップとして粉薬で飲ませるようなもので、服用に困ってしまうお子さんとよくお会いします。

クラリスロマイシンドライシロップなどのマクロライド系は酸性のものとの混合で苦くなってしまったり(服薬を1度に済ませようと酸性のカルボシステイン配合の粉薬と混ぜてしまい苦くしてしまう親御さんも多くいます)、風邪薬と違って体重によっては量が多かったりと服用しにくいものが多いです。

そんなお子さんにお勧めしたいのが「小児用錠剤」です。抗生物質をはじめ、いくつかは体重によって利用可能なものあります。

「粉薬が苦手だけど錠剤は初体験…。うちの子は飲める?」
そんな疲れたお母さんの期待に私たち薬剤師が応えるため、本日は小児への錠剤処方についてご紹介いたします。

抗生物質の小児用製剤

例えばクラリスロマイシンは、先発品もジェネリック品も大人用の200mg製剤に加え小児用の50mg製剤が存在します。
小児容量は1kgあたり1日10~15mg、それを2回に分けて服用するため、10kg前後から使用することが出来ます。

同じマクロライド系薬品のアジスロマイシンも同様です。大人用250mg錠に加え小児用100mg錠があります。
小児容量は1kgあたり1日10mg、1日1回のためこちらも10kg前後から使用できます。

以上2つのマクロライド系薬は細粒だと体重が増加すると服用量が増え、またコーティングがはがれると苦みが出る成分ですので、粉薬が苦手な患者さんですと積極的に錠剤をお勧めしたいです。

またセフェム系のセフカペンピボキシルも75mg錠があります。1回1kあたり3mgを1日3回投与しますので、25kg前後から使用可能です。

「今回紹介した成分はとてもよく使われる抗生剤カモ。抗生剤が飲めなくて困っている患者さんにはおすすめカモ。」

大人用でも利用可能?

例えばOD錠ならば錠剤初心者の小児も服用しやすいでしょう。もし飲み込めなかったら口の中で溶かすことが出来ます。
キプレスやシングレアに代表される小児用チュアブル錠も同様です。

噛んで服用するのが好きな子も多いので、錠剤の入門はこの辺りがいいかもしれません。

カロナールなどは20kg前後から大人の服用する錠剤にチャレンジすることが可能です。ただしカロナールは裸錠で粒も大きいため、飲めずに口の中に残ると苦みを感じます。

小さい錠剤の服用が可能になり、慣れたお子さんがチャレンジしてみるといいでしょう。

小児の感冒時に処方されるアスベリン、トランサミン、ムコダインなども体重によっては使用できることがあります。
錠剤の大きさや体重などを加味して、疑義紹介する前に保護者や本人に実物を見せてみて、服用可能か念の為確認してみましょう。

ジェネリックメーカーによって錠剤の大きさも違うカモ。自分の施設で採用しているメーカーの製品が飲みやすいかどうか、再検討してみてもいいのカモ。

錠剤を上手に飲むために

最近人気の服薬ゼリーというものをご存知でしょうか。大人用は主に嚥下困難な高齢者の服薬に、子供用は苦い抗生物質などに使われています。

小児で粉が苦手、また錠剤もチャレンジしたことが無い…という場合、この服薬ゼリーを使用してみるのも1つの手段と思います。

ゼリーで錠剤を包み、スプーンなどで食べさせてあげるのです。粉薬を混ぜるよりも簡単ですし、なによりお子様自身で行うこともできます。

最近は小児科領域で漢方薬を処方する医師が増えていますので、漢方を服用する場面でも服薬ゼリーはお勧めです。(大人用のゼリーに漢方用のものもあります。)

薬を普段の食事に混ぜてしまうと、その食事自体も嫌いになってしまうことが多いので、服薬ゼリーはお薬デビューから活用していきたい逸品です。

このゼリーだったらお薬飲めるよ!というお子さんも多くいるカモ。最近はいくつも味が出ているから、お気に入りの1品を見つけてみるのもいいカモ。意外と大人用の味のほうが好きな子もいたカモ。

まとめ

小児のお薬というと粉薬やシロップが一般的ですが、抗生物質などは特に小さいうちから錠剤にチャレンジすることができます。

小児に服薬指導する際に必ず体重を聞くかと思いますが、それをもとに錠剤の提案ができると喜ばれるパターンが多くあります。

美味しくない、しかも量の多い抗生物質を溶かしたアイスに混ぜて何とか食べさせるよりも、甘い服薬ゼリーに乗せて一粒食べさせるなら、後者の方が楽である可能性が高いです。

いずれにしても、投薬口にやってきた保護者の苦労話や、会話の可能な子供ならばどういう飲み方なら飲みやすいかしっかり聞き出すことが重要です。

子供は自分で選んだ薬のほうが薬識や服薬への意識が高まります。保護者だけでなく本人へのフォローを忘れないようにしたいものです。