ソーシャルレンディングと聞いても
「よく聞く単語だけどイマイチよく分からない」
「リスクが大きい気がするから、避けている」
という方も多いと思います。
そんな方に今回ご紹介するソーシャルレンディングなら、投資や運用の初心者でも、経験者でも、手堅く収入を上げていく手段になるでしょう。
この記事では、運用とは何かに始まり、ソーシャルレンディングの概要・仕組み、メリットとデメリット。
最後に、「収入の質」という考え方について、紹介していきます。
知識を深めて、投資をする際の参考にしてください。
目次
資産運用とは?
資産運用は、自分の貯蓄を「守り」、「増やす」行いのことを言います。
守る行為としては、「円」の価値変動やインフレから貯蓄を守るため、変動しづらい金に変えたり、あるいは他国の銀行に預けたりすることを指します。原本割れの危険がありません。
今回のお話でもある「増やす」行いのことを「投資」といい、大小のリスクを負いつつ、貯蓄を大きくしていくことが目的です。原本割れの危険があり、ローリスク・ローリターンのものもあれば、ハイリスク・ハイリターンのものもあります。
大切なのは、「投資」とは給与以外に収入を増やす手段である、という事実を知ることです。株式投資やFX投資、投資信託など数多の手段がありますが、日本人にはあまり浸透していません。
金融庁の「平成27年/金融レポート」によれば、日本人は収入の51.9%を現預金に使うのに対し、米国人は現預金率13.7%となっています。この差異は、「投資が身近かどうか」によって生まれているのでしょう。
そして過去20年のデータでは、家計金融資産の増加率は日本1.5倍に対し、米国では3倍以上になっています。
国民一人一人が国に任せず「自助努力」する意識と、社会の成り立ちや責任における「関与意識」が違う、とも言えるかもしれませんね。
キャピタルゲインとインカムゲインについて
投資には2つの考え方があります。それがキャピタルゲインとインカムゲインです。
キャピタルゲインはハイリスク・ハイリターンと言われます。株式投資やFX投資もこれに当たり、「安い時に買って高い時に売る」を基本とした一発狙いの収益システムと言えますね。
対してインカムゲインは、一定の投資額に対し、一定の利回りが短期・長期的に入り続ける収益のことを言います。
ソーシャルレンディングとは?
運用について簡単にお話してきました。いよいよ本題の「ソーシャルレンディング」についてご案内していきます。
いつ引き出すとも知れない貯蓄があるならば、その中から一部、ソーシャルレンディングの投資へ回した時、じっくりですが着実び増やすことができる資産運用になり得ます。
ソーシャルレンディング投資はインカムゲイン
その運用期間中、金利が振り込まれ「続ける」わけですから、収益の形としてはインカムゲインとなります。
「すぐには上がらないが、下がらない収益が入ってくる」というわけです。
ですので、すぐに稼げる儲け話などではありませんし、後に記載しますが、リスクももちろんあります。ノーリスクの投資などはありえません。
万一そのようなものが存在すれば、出資者が過剰に現れ分配率が下がった結果、収益を見込むことはできないでしょう。
ソーシャルレンディングは、あくまでローリスク・ミドルリターン投資と言えます。
ソーシャルレンディングは「融資型」クラウドファンディング
クラウドファンディングとは一企業、あるいは一個人が、主にインターネット上で資金を募る仕組みのことをいいます。
出資した側に対価のない「寄付型」とよばれるものから、何かしらの商品やサービスが届く「購入型」など、いくつかの形態がありますが、ソーシャルレンディングは「融資型」と呼ばれる仕組みに相当します。
リターンは、出資者たち全員へ「返済金利を分配する」というもの。『元金』全額と、一定期間の『金利』が口座に振り込まれるのです。
短期案件と高い利回りを実現
通常、商品開発や事業立ち上げへの投資は、大きな元金が必要になり、かつ、数年から十数年単位の運用期間が設けられるケースがほとんどです。マンション経営や駐車場経営もこれに近い考え方になりますね。
分かりやすい例としては、NTTの電波塔事業に投資した方の権利的収入があるでしょう。
ランドセルほどの大きさだった携帯電話を、いつか小学生が片手で持つ時代がくることを信じた投資家たちが、全国に立てる電波塔予算に投資したのです。いま、携帯電話の基本料金の数%が、その投資家たちに振り込まれ続けています。
このようにインカムゲインは、それなりの元金を準備して、かつ、それを出しても生活に支障がないお金持ちの方だけに存在する恩恵という側面がありました。
しかし、ソーシャルレンディングの投資案件は違います。小規模・短期のものが出揃っていて、1万円からスタートできる運用も多数あります。運用期間も短いものなら3ヶ月、利回りも5~10%程度と好条件。
インターネットの台頭とシステム強化によって、1人の莫大な投資家ではなく、多数の小規模投資家を集められるようになったことで実現した、「誰でもインカムゲイン報酬を狙える投資モデル」というわけです。
リターンは元本一括返済が主流
20以上あるソーシャルレンディング会社のおよそ3/4が、リターン配分に「元本一括返済」を取り入れています。
ファンド(融資先)の運用開始後、リターン分配が毎月支払われ、運用期間が終わった後に投資元本が一括返済されるという仕組みです。
例として、融資額5万円、運用期間6ヶ月、利回り6%(年利)という案件があったとしましょう。
成約し、5万円の投資を行います。
運用期間の開始が2018年4月1日だとしたら、4月から10月までの間、毎月「5万円(元金)×6%(年利)×1/12(月利)=250円」が振り込まれ、運用期間が終了したあとに、元金の5万円が一括で返ってくる、ということです。
これで「250円×6ヶ月=1,500円」の増額に成功することになります。
ちなみに銀行にメガバンクに預金した場合の例だと、メガバンク「三菱UFJ銀行」の利回りは、年利0.001%です。5万円を1年間預金して50円の増額。半年なら、25円です。
貸し倒れリスク管理について
これだけの収益を生む運用ですが、やはりリスクはあります。融資先の企業が倒産したり、運用期間の延長や元金返済日の延期など、様々なケースが考えられます。
全額保証という案件があればそれに超したことはありませんが、ほとんどが「一部保証」や「保証なし」です。
投資に関して、絶対はありません。ただし、ソーシャルレンディングの運営会社はどこも一部上場企業であり、融資先企業・事業には厳正な審査を行っています。
2018年3月現在、大手サイト「maneo」や「SBI」では、貸倒れ実績0件、元金毀損実積0件を実現していることもあり、現状では「極めてローリスク」な投資といえるでしょう。
また、ソーシャルレンディングが急浮上している理由として、日本企業の貸し倒れ率が1.07%(日本リスク・データ・バンク社)と極めて低いことが上げられます。審査の上でなら、なおのことでしょう。
ソーシャルレンディング投資のメリット
多くの投資案件がありますが、ここでソーシャルレンディング投資のメリットをみていきましょう。
その良さが「どんな実用性に繋がるのか」まで見極めて、スタートしてください。
ソーシャルレンディングは、いつでも、誰でも見込めるインカムゲイン報酬。その意味合いをよく噛み砕いて、自分に適切な運用を心掛けましょう。
低資金で確度の高い収益
1万円からスタートできる融資型クラウドファンディング。それがソーシャルレンディングです。通常、インカムゲインを得られるのは莫大な元金を準備できる投資家だけ。
投資家の「数」を集めることにより、一人一人の負担額を減らした上で、滞りづらい配当を実現しました。低資金で、ほぼ確実といえる収益見込みがあるわけです。
もちろん、低資金な分、配当金も決して大きくはありません。地道に、長い目で、コツコツと運用する手段と言えます。
分散投資がしやすい
投資に必要なのは、「一つに掛けすぎない」ということです。一案件が崩れてしまった時、別口の投資収益がなければ大きなリスクとなってしまいます。
ですから、「分散投資」が理想の形と言われています。投資収入の蛇口をいくつかに広げておく、ということです。低資本・短期の案件が多いソーシャル・レンディングでこそ実現可能なリスクヘッジと言えます。
一例として、元金100万円で運用期間6ヶ月、年利6%という案件があるとしましょう。計算すると、毎月5,000円の収益になるわけですが、先述した例のちょうど20倍ということにお気づきでしょうか。
この大型案件一つと、先の小資本案件20件を同時に運用すること、どちらが良いでしょうか? リスクを考えれば後者を採るべきだという考えが、「分散投資」です。
ほったらかし資金運用の実現
投資の世界では夢のような言葉です。「ほったらかし資金運用」とは、「何もしなくても資金が増える」状態のことを指します。
株式投資やFX投資といったキャピタルゲインでは、市場の変動に左右される資産価値に対して、常に監視の目が必要です。
すこし前までうなぎ登りだった価値が、ふと目を話したすきに大幅に下落している、そんなことも日常茶飯事です。
融資先の倒産リスクは常についてまわるものの、その心配は「自分」ではなく「ソーシャルレンディング」会社が先にしてくれているわけです。
ソーシャルレンディングのデメリット
さて、メリットばかり目立ってしまうソーシャルレンディングですが、もちろん、投資である以上リスクは必ず存在します。
先に挙げた「分散投資」は、ソーシャルレンディングのメリットでもありますが投資のデメリットでもあります。
流動性が低い
低資金とはいっても、一度投資した金額は運用期間の終了まで戻ってくることはありません。これは大きなリスクです。一案件の途中解約は認められていないのです。
コンスタントに利益が入ってきていたとしても、急きょまとまったお金が必要になることもあるでしょう。そんな折、もう利益はいらないから元金を返してくれ、ということは出来ないわけです。
「あの時投資しなければよかった」というのは、利益の有無だけではないということです。案件そのものではなく、自らの状況の冷静な見極めが必要です。
極端な話、残金0になるまで投資案件を増やしてしまうのはあまりに無謀です。
高利回りはいつまで続くか分からない
先に簡単に触れましたが、利回りは「享受する投資家が少ないほど大きくなる」という原則が有ります。もちろん、投資家が少ないということは、ひとりひとりが負担する元金はそれだけ大きくなるわけですね。
ソーシャルレンディングは、インカムゲイン案件に対し「ネットの力で投資家を増やす」ことで「低資金・高利回り」のローリスク・ミドルリターンを実現しています。
つまり、今後メジャーになって利用者が爆発的に増えた場合、「融資が欲しい企業(売り手)に対し、投資家(書い手)が多くなりすぎる」という状況がおこりうるかもしれません。
そうなってしまうと一人あたりの利益が下がるということです。ローリスク・ローリターンとなり、いつかほぼローリターンとなっていくでしょう。
それが日本国銀行の現在です。この頃には米国と同じだけ投資の概念が浸透し、銀行預金額の総額は下がり、利回りが多少上がっているかもしれませんね。
現実、米国中央銀行であるFRBの政策金利は、「0.25%」です。日本とは比べものにならない高金利ですね。
貸し倒れリスクがゼロになることはない
繰り返しになりますが、どれだけ慎重な審査の上とはいっても、貸倒れのリスクは常に存在します。現在はそのような事案が0件でも、今後は分かりません。
利用者が増加して案件が足りなくなっていった時、あくまで「低資金」を守るならば、審査レベルを下げて案件数を増やす可能性も出てきます。優良企業ばかりではなくなり、貸倒れリスクは増していくかもしれません。
ですから、案件ごとの「担保情報」を必ず確認するようにしてください。あるいは、その融資先に対して、「他にどんな企業が融資しているか」という成約実績も一つの指標になります。大手が融資していれば、それだけ信頼感は上がりますね。
知っておきたい「ESBI」について
さて、話は急に変わりますが、「ESBI」という概念をご存知でしょうか。ロバート・キヨサキという投資家・実業家が訴えた考え方の一つで、「人の働き方(収入を得る方法)は4種類しかない」というお話です。投資をするなら実に有用ですから、簡単にご紹介します。
Eは「Employee(エンプロイ)」のことで、従業員を指します。
Sは「Self Employee(セルフ・エンプロイ)」、個人事業主のこと。あるいはスーパーマンとも呼ばれ、芸能人やスポーツ選手もここに当たります。
さて、Bとは何でしょう。「Business Owner(ビジネス・オーナー)」と呼ばれる方々で、端的に言えば、社長です。
自分が現場に居なくても収益が上がってくる人たちのことを言います。コンビニだとしたら、Eは正社員・アルバイトで、Sは店長、Bはオーナーという考え方ができます。
極めつけはI、「Investor(インヴェスター)」のことで、つまり投資家です。究極のお金持ちは、このIの作業(投資)で資産を増やしているのです。
EやSの投資はギャンブルでしかない
BとIの特徴は、「来月の収益がほぼ100%分かる」ということです。EやSは、病気をしてしまったら収益がストップするわけですね。
投資における原則として、Iの作業(投資)ができるのは、本来B(ビジネス・オーナー)だけと言われています。一定額を投資して失敗しても、翌月にはその額が担保されることが分かっているからです。
しかしEやSの人の多額投資は、失敗したら一度きりで終わってしまい、継続不可能になるケースが多いのです。これは、ギャンブルでしかありません。
投資は、損切りのコツや新情報の獲得、優良案件の見極めなどをしながら、「学びつつ成果を見出していく」必要があるのです。
投資は余剰金から。Bの観点で注意深くやろう
ではビジネス・オーナーという身分でなければ投資をしてはいけないのかというと、決してそんなことはありません。
大切なのは、「Bの観点でIをする」ということ。つまり、毎月の「余剰金」の範囲で行う投資なら全く問題なく、健全な運用ができるということです。
たとえば、毎月2万円ずつ貯金している人が1万円投資を始めたり、毎月3万円を遊びに使っている人が、2万円に抑えて1万円投資を始めること。
ソーシャルレンディングの可能性
ソーシャルレンディングは、高所得者でなくとも、余剰金の中から投資が可能で、しかもその余剰金を着実に増やしていくことが可能です。
「余剰金が増える」ということは、「投資に使えるお金が増える」ということでもあり、その循環の中で大きな運用収益を得ることにも繋がります。
もちろん、元金が低ければ大きな収益にはならないかもしれません。ですが、まず短期案件からスタートして、確認しながら着実に黒字を出していきましょう。
少しずつ分散投資のコツを学び、「返済金利リターンだけで毎月投資できる」段階に入った時、あなたの世界はビジネス・オーナーへ、そして生活すらまかなえるインヴェスターへと変貌していく可能性を秘めています。
まとめ
運用とソーシャルレンディングについて記述してきました。以下に要点をまとめます。
- 運用とは、お金を「守り」、「増やす」行いのこと。
- ソーシャルレンディング投資は、ローリスク・ミドルリターンの「インカムゲイン」。
- 投資は「ビジネスオーナー」の観点で「余剰金から」行おう。
- どんな投資にも必ずリスクがある。
最後に、「数」と「利率」について記述してこの記事をまとめます。幾度か触れましたが、「分配によるリターンは低リスク」です。
だからこそ、インカムゲイン報酬を求めて多くの個人投資家がソーシャルレンディングを活用しています。
ソーシャルレンディングに着目する投資家は、今後ますます増えることでしょう。そんな中、「投資家」と「ファンド(融資先)」の数の関係が変われば、「分配率」、つまり「利率」が変わります。足元の硬い投資であればあるだけ、下がる可能性があるということです。
「低リスクでそれなりのリターン」を得られる今と、「超低リスクで雀の涙ほどのリターン」を得られる将来。あなたは、どちらを選びますか。
もし、この記事でソーシャルレンディングと運用の可能性にお気づき頂けたなら、余剰金の範囲内で、ぜひ最初の一歩を踏み出してみてください。