人間にとって、食事をすることは楽しみの一つであり、生きていく中で欠かせないものです。
介護施設等で利用者にいつもおいしい食事を提供しているのが、栄養士と調理師です。
利用者の栄養を考え、安心・安全な食事を考えて調理し提供している、介護現場で活躍する大切な資格の一つですが、辞めたくなる栄養士と調理師がいるのも現状です。
多忙な仕事内容や人間関係など、さまざまな理由がありますが、もしかすると、今後自分がどう成長していくか?を見つめなおし、違う環境へスキルアップするチャンスが訪れたのかもしれません。
栄養士が辞めたい理由
業務内容が多い
介護業界で働く栄養士は業務がとても多いのが現状です。日々の献立を作ることだけでなく、材料などの発注、利用者がどのようなものを好んで食べているかなどを確認する趣向調査、栄養計画の作成があります。
また、介護施設などでは勉強会などの研修が多く、知識を深めてもらうために勉強会の開催をお願いされることがあり、資料作りなども仕事の一つです。
仕事量の多さのわりに給料が割に合わないという栄養士が多く、辞めたくなる理由になっているのが現状です。栄養士は介護施設に配置義務がある大切な専門職であるため、施設側も待遇や業務の見直しなどを努力していく必要があります。そして働く私たちは少しでもいい条件で働くことができる環境を見つけていくことが大切です。
目上の人に指示をすることが多い
新卒で栄養士として働くとき、調理現場の職員の年齢は50~60代の目上の人が多いのが現状であり、栄養士として現場の調理師さんへ指示をするのが辛くなり辞めたくなるケースが多いです。
栄養士として献立通りに調理してもらう必要があり、衛生上問題のあることや、間違った作り方をしていれば指導しなければなりません。また、介護現場では利用者の状態に合わせて調理法を変更することが多く、その都度現場の調理師に正しい調理法を理解してもらわなければなりません。
“栄養士の言い方が気に入らない”となれば現場調理師の気分を損ねてしまい、ますます仕事がやりにくくなってしまいます。伝えるときは患者さんの意見として伝え、現場の雰囲気を悪くしないように上手に指導をしましょう。
職場内に同業者が少ない
介護現場の栄養士は配置が少なく、自分の裁量で施設の食事・栄養の品質が問われることになります。そのことがプレッシャーとなり辞めたくなるケースが多いです。
指導してくれる先輩や相談できる同僚が少ないもしくはいないというケースは少なくないため、自分で勉強することや調べる必要があるので、不安を抱えることが多いです。また、他の部署の職員や専門職との関係を自らの力で作り上げる必要があります。
栄養士が働く不安を少しでも解消することができるよう、介護現場はこのような現状を把握し、安心して働くことができるバックアップ体制を整える必要があります。
調理師が辞めたい理由
人間関係に悩む
調理師の現場は正社員採用枠もありますが、パートやアルバイトとして勤務する人が多くいます。年齢も50~60歳で長年働いているベテラン調理師もいるため、新人調理師がうまくできないと辛く当たるなど対応に問題がある環境もあるでしょう。
調理師だけではなくどの環境でも新人として働くときは思うようにいかないことばかりですが、そのような先輩調理師の態度に悩んでしまい辞めたくなるケースが多いです。また、栄養士などの立場の人から上から目線で指示され、仕事をするのが辛くなり辞めたくなるケースもあります。
給料が割に合わない
調理師の仕事は基本的に立ち仕事であり、重いものを持ったり、熱い・寒いなど過酷な環境に晒されながら仕事をするため、とてもハードな仕事であることがわかりますが、その仕事内容と給料が割に合わず、続けることが辛くなり辞めたくなるケースが多いのが現状です。
介護施設は調理師の待遇を改善する努力をすることが求められます。
仕事へのやりがいが感じられない
調理師の仕事をする場合いろいろな理由がありますが、調理の仕事に興味がある、または調理をすることが好きだという熱意があって入社するケースが多いでしょう。
実際介護施設などの調理現場では“時間に間に合わせるように”作ることが多く、調理が好きだという気持ちだけでは務まらないため、理想と現実とのギャップに悩み辞めたくなるケースがあります。おいしい料理をつくりたいという信念を大切にできる、ゆとりのある調理環境をつくることが大切です。
『辞めたい』は変革のチャンス!
栄養士・調理師がどのようなことで悩んで辞めたくなるのか?主なケースをまとめてご紹介しました。栄養士は「業務内容の多さ」「調理師との関係」、調理師は「多忙さと給料が割に合わない」「先輩調理師との人間関係」などが辞めたくなる理由として挙げられていました。
栄養士と調理師、お互いがより良い人間関係と労働環境を整え、職場の雰囲気が良くなるとずいぶん解決されるのではないでしょうか。そして、”違う環境で頑張ってみようかな?”と思うこともありますよね。
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