新しい職場で心機一転、早く職場に慣れて仕事をしたいと思うのではないでしょうか。
同じ介護の現場に転職をしても、各職場でルールなど違ってくることもあります。
そこで今回は、介護士が同業他社に転職する際、どんなことに注意をして仕事をすればいいのか、詳しくご紹介していきましょう。
転職を成功させるポイント①経営母体編
転職するときに、誰もが次の職場は環境がいいことを望みますよね。
いい転職先を探すためには、人間関係も重要ですが施設・事業所の経営方針も大切です。
そこでまずは、転職を成功させるための経営方針のチェックポイントをご紹介します。
運営主体について
その施設は誰が運営しているのか調べましょう。
介護施設は、たとえ居酒屋を経営しているオーナーであっても、参入することができます。
どんな会社が運営していのか、確認しておくことは大切です。
離職率は高くないか?
正確な離職率は、面接などで直接質問するのが一番ですが、やはり事業所や施設としても触れてほしくない面でもあるので、なかなか言い出せないといった方も多いですよね。
そういった場合は、次の4つのポイントに当てはまるようでは注意が必要です。
- 施設の規模に対して求人が多い
- ネットや雑誌などさまざまな会社で求人をしている
- 給与が高め
- 常に求人が出ている
介護職は人手不足と言われていますが、
- 常に求人が出ている
- 人を集めるのに必死すぎると感じるほど、複数社で求人情報を掲載している
などといった場合は、離職率が高く常に人手不足の状態だということです。
離職率が高いということは、その事業所や施設になんらかの問題があるということでもあるので避けましょう。
労働環境改善への取組状況
労働環境をよりよくするために、取り組んでいるのかが重要です。
残念ながら介護職は人手不足のため、休みがとりづらい、給与が安いといったマイナス面が多いです。
しかし、施設で労働環境の改善に力を入れている場合、有給が使いやすい、給与が周辺の施設に比べ高めの設定などといった面があります。
周辺の施設の求人と比べてみるなど、労働環境はどうか確認するといいでしょう。
人材育成環境は適切か
介護職も経験や資格を取ることによって、人材育成につながります。
常に同じ位置にいるのではなく、より上へと人を育てる環境が整っているかどうかはとても重要です。
施設によっては、資格取得にかかる費用は全額負担してくれる、もしくは一部負担してくれるケースも多いです。
職員の育成に力を入れている施設を探しましょう。
理念や方針に共感できるか
施設や事業所が持つ理念や経営方針に共感できなくては、この先施設の考えや対処の仕方に疑問を持つことが多いです。
例えば、看取ることまで担う施設もあれば、看取りは行わないといった施設もあります。
介護職の中には、一度お世話した方は最後までお世話したいといった希望を持つ方もいるでしょう。
また、入居者の希望に対する考え方や、職員の教育に対する力の入れ方など、自分の理念と同じかどうか確認しましょう。
利益を優先しすぎていないか
介護職は、給料が他の業種と比べて安いと言われています。
とはいえ、資格を持っていたり、経験を積んだ職員に対して手当を出すのは当たり前のことです。
もし、資格の手当や給料が全く上がらないといった場合は、事業所・施設の利益を優先し職員に還元していない可能性もあります。
給料面などきちんと対応してくれる施設なのか、求人欄の昇給などもきちんとチェックしましょう。
事前に見学させてもらえるか
事前に見学が可能であれば、させてもらうといいですね。
基本的に、フロアは綺麗に掃除がされていますが、利用者の部屋やトイレなど行き届いてないこともあります。
また、入居者の障害の程度なども確認できるので、募集要項と間違いはないか確認することができます。
そして、見学を可能としてる施設は、「隠すものがない」という表れです。
職員間のやり取りや、利用者への接し方など直接見て感じることもできるので、見学ができるかどうか確認しましょう。
必要な資格は取得できるか
介護施設で働くことを決めた方の多くは、「介護職員初任者研修」という資格を持っています。
しかし、中には無資格のまま採用されるケースや、働き始めてからもっと上の資格を取りたいという方も多いですよね。
そして、資格を持つとお給料に反映されることも多いです。
これからとりたい資格がある、キャリアアップを目指しているといった方は、求人の施設や事業所が希望資格の取得ができるのか、または資格取得に友好的かなど確認しましょう。
↓良い施設の定義については、以下が参考になります。↓
転職を成功させるポイント②勤務内容編
次に勤務内容をチェックしていきましょう。
事業所によって、勤務内容や方針も異なります。
これからお話しする5つのポイントを確認しておきましょう。
資格取得に協力的かどうか
近年増えてきたのが、働きながら資格の取得ができる施設や事業所です。
主に次の3つのような支援をしてくれる、施設や事業所が多くあります。
- 資格取得にかかる金銭的負担の援助
- 資格取得にかかるお金を無利息で貸付
- 資格取得にかかる講習日へ出席できるよう配慮
施設によって、資格の取得に積極的であったり、それにともなる昇給なども確立されている場合もあるので、求人や面接時に確認するようにしましょう。
職員は一緒に働きたいと思えるか
介護職はチームプレーです。
そのため長く働くためには、人間関係は重要なポイントです。
どんな職場でも、どうしても自分と合わないといった人はいます。
しかし、合わない人がいたとしても総合的に人間関係が良好であれば、多少きつい仕事でも頑張れるというもの。
見学や面接の時点で、職員の雰囲気に疑問を感じる場合は、その施設は避けた方がいいでしょう。
勤務形態・時間は希望に合っているか
求人には、兼務形態や時間が記載されているので必ず確認しておきましょう。
また、残業の有無や休日出勤の有無などの確認も必要です。
例えば、インフルなどによって職員がどうしても休まないといけない場合、代わりに出勤する可能性もあります。
もちろんお互い様な部分も多いのですが、頻繁に起こるようでは困りますよね。
そういった状況の場合どう対処しているのかなど、面接で確認しておくもの大切です。
収入アップ・キャリアアップの道があるか
例えば、勤続年数ごとに給与がアップする、先にお話ししたように資格取得に協力的であるなど、収入アップやキャリアアップの体制が確立されていることは重要です。
働き始めて数年たつのに給与は変わらない、資格を取得したのに収入が上がらないといった場合、モチベーションにも大きく影響します。
その施設で働いて、どのようなキャリアアップの道があるのかなど、確認しておきましょう。
休暇は取りやすいか
介護施設は、入居者に対して人員配置が決まっています。
それを下回る状況での休暇は取りづらく、そして人手不足で一人一人にかかる仕事量の負担が大きいため、雰囲気的に休暇が取れないといったこともあります。
得に、お子さんを育てている場合は、休暇が取れないと困るといった方も多いでしょう。
休暇についての考え方を、面接時に聞くようにするといいですね。
転職を成功させるポイント③その他
最後に、転職を成功させるために気をつけてほしいポイントを3つご紹介するので、確認していきましょう。
雇用条件は書面で確認する
介護職の中には、ブラック企業と呼ばれる施設や事業所は存在します。
ひどいケースでは、正社員で雇用されるはずが入社してみると、契約社員扱いであったり、夜勤はないと言っていたのに、夜勤を任されたりといったこともあります。
こんなはずではなかったとならないためにも、雇用条件は必ず書面で確認するようにしてくださいね。
研修制度の充実度が重要
人材を育てる意思のある職場は、研修制度が充実していることが多いです。
入社したばかりの職員は、経験者であっても慣れずに思うように動けません。
経験者・新入社員に関わらず、新しく入ってきた職員に対しての研修がしっかりしている施設を選ぶようにしましょう。
民間事業者で運営施設が多い所は要注意
民間事業者が運営し、いくつもの施設を抱えている場合は注意しましょう。
多くの施設を抱えるということは、それだけ人材を確保しなくてはいけませんし、介護保険制度を充分に理解している必要があります。
また、同じ経営母体で多くの施設を抱える場合、施設間での移動や人員不足によるヘルプなどといったように、都合のいいように働かされてしまうこともあります。
これからますます増える高齢者に対し、お金儲けとして民間企業が参入しているケースもあり、理念が確立されていないケースもあるので注意してくださいね。
年収アップのためにやるべきこと
国家資格であっても介護福祉士の資格を持っているだけでは、収入を上げることは難しいです。
そこで、介護職が収入を上げるためにはどうすればいいのかお話しします。
様々な資格を取得し、経験を積む
収入を上げるためには、転職前や働きながら他の資格を取得するようにしましょう。
ケアマネージャーなど取れる資格は取得し、経験を積むことで収入アップにつながります。
今は、介護福祉士は必要最低限の資格ともいえる時代です。
転職を成功させるためにも、ワンランク上の資格を取得するようにしましょう。
大規模施設での役職を目指す
わかりやすく収入を増やすには、役職につくことが一番です。
大規模な施設では、各部署に役職があるためそれだけチャンスがあります。
また、役職に就くことで役職手当も受け取れるので、転職をする場合は今までのキャリアを生かして役職への道を目指すようにしてくださいね。
↓給与体系やステップアップの方法などについてはコチラ↓
経験のある介護士が転職後に注意すべきポイントとは?
もし介護職経験者として転職した場合、すぐに現場で対応できる人と期待をされることも多いでしょう。
しかし転職後の環境は利用者の方も違うので、要領よく対応できるとは限りません。
以上の点を踏まえ、経験者の立場から介護業界に再び転職する際の注意点は2つあります。
- 経験者であっても新しい現場では介護技術についてなどの主張は控える
- 事前確認を行うためにも、周りの職員が行っている対応を見る
そのほかにも経験者は、入社後すぐに介助を行うことも多いです。
職場の人には「当然できるだろう」といった目で見られてしまうことがあります。
しかし新しい環境では利用者の特徴などを掴んでいないため、事前確認を行いながら、周りの対応を見て仕事を進めていくといいでしょう。
早い段階で各職場のルールに対応する
また介護をする際に1日の流れや利用者への対応が、事業所によって異なることもあります。
そのため最初のうちは各事業所特有の方法を学ぶ時期であり、早い段階で習得することで従業員同士のトラブルを避けることにも繋がります。
介護方法について、「こうしたほうがスムーズなのに」と感じても、そこで主張をしてしまうと「自分の意見だけを述べて、実際にはなにもできない」といった誤解を生む可能性もあります。
そのため転職後は、まず職場の雰囲気やスタッフと馴染むことを忘れずに心掛けましょう
不明な点はしっかり質問する
介護業界は全体的に人手不足なため、早く職場に馴染んでもらいたいと思っている職場は多いでしょう。
そのため面接では、おおまかな説明をされても具体的な研修制度がない場合もあります。
また入社後すぐに夜間勤務を割り振られる可能性もあるでしょう。
そこで、まずは早めに質問を行うことがポイントです。
何も質問しない場合、相手は本人が状況を把握して了承したと思ってしまいます。
そのまま
もあります。
お互いにトラブル予防のためにも、疑問や質問がある場合はその都度確認を行いましょう。
新しい職場に馴染むまでの注意点
転職後は出来る限り早く仕事を覚えようと必死になってしまい、日常生活に疲れの影響がでることもあります。
その疲れやストレスを長引かせないために、工夫を行うことが大切です。
- 夜はぐっすり眠る
- 休みの日は気分転換をする
上記のような仕事に備えるためのリフレッシュも、無理せずに続けていく際のポイントとなるでしょう。
仕事を早く覚えようという気持ちは重要ですが、あまり神経質になり過ぎないように心がけましょう。
新しい環境では緊張感もあって当然です。自分で過剰にプレッシャーを与え過ぎないよう、時には息抜きをすることで逆に集中できることもあるでしょう。
周りの目も気になる所ですが、あまり気にし過ぎることも問題となってしまう場合があります。
まとめ
介護士として転職する際の注意点は、経験者であっても最初から自分のことを主張し過ぎないことです。
最初は働く場所での方法や取り組み方などを吸収することが、最優先となります。
また実際に仕事をするうえで生まれた疑問・質問については、早い時点で確認すると、誤解やトラブルを防ぐことができます。
経験者は転職先の期待もあるので、わからないままにせず、自分が納得するまで習得することが大切です。
そのためにも周りのスタッフと連携を摂れるように、日ごろからコミュニケーションを意識することが仕事をするときのポイントです。
介護士転職後の注意点について、転職先の職員が感じること
10年以上の介護経験がある人で、すぐに現場でも対応できると聞いていましがたが、実際そうではありませんでした。
介護技術については問題ありませんが、性格的な部分で1人だと不安でなかなか仕事を勧められない状態が続きました。
臨機応変に対応して欲しい時でも戸惑ってしまう所もあり、経験者という期待が大きかった分ガッカリしてしまいました。
また面接の時も「なんでもできるような口調」だったようです。
介護経験があるため自分のやり方にもこだわりがある様子で、こういった面でも最初の1か月目は新しい職場のやり方を覚える時期だと思うのに、周囲に合わせる様子もなく、あまり意識していない様子でした。