現在世界各国、特にアジア諸国で高齢化社会が問題となっており、その中で日本の高齢化のスピードは、世界の中でもトップを走っています。
そして、現在日本は“最先端の介護制度・介護サービス”を提供しているとして、今世界で注目されていることをご存知でしょうか。
日本では約100万人の介護従事者が介護現場で働いています。2020年代には高齢社会に拍車がかかり、介護従事者が更に250万人も必要であるといわれています。これから日本の介護市場が拡大していくことは目に見えています。
日本が発展途上国だった時代、福祉制度は十分に整っているとは言えず、国家による対策なんてもってのほかでした。しかし、諸外国の制度を参考にしながら、徐々に福祉制度に手厚い国に成長し、今ではトップクラスの福祉大国になっています。
ここでは、日本の介護業界の制度、サービスの特長をピックアップしました。世界でどのように注目されているのか?日本の介護業界の凄さとは何なのでしょうか?
世界中で高齢化が進んでいる現状
世界の高齢化の現状はどうなのでしょうか?
まず日本の歴史から振り返ってみましょう。
戦後の日本は高度経済成長期の影響を受け、目覚ましい成長を見せてきました。1970年代当時の合計出生率は2.13。一人の女性が最低でも2人の子供を授かるという、まさにベビーブームの前兆です。
しかしここから少産少死の時代の突入です。作る担い手と買う人が少なくなり、消費が冷え込んでしまうのです。その影響を最も受けているのが高齢化です。現在(2016年)の日本の合計特殊出生率は1.44であり、たくさんの高齢者を少ない若者で支える時代に突入しています。
そして世界を視野に向けると、お隣の韓国などアジア各国でも高齢化の波は急速に進んでいます。合計特殊出生率の値として、韓国が1.23、シンガポールが1.15、香港が1.11、台湾が0.9と、日本よりも深刻な問題となっているのです。
その背景として、世界中で人口の減少と女性の社会進出が進んでおり、核家族化となっていることです。このことから、世界やアジア各国で急激に少子高齢化が進んでいるのです。
日本の介護サービスのここが良いところ!
日本は世界に誇れる介護サービスや制度を展開しています。それはどのようなものなのでしょうか?
情報の透明性と選択しやすいサービス
日本では、利用者が安心して介護サービスを選択しやすいように、公的なツールを利用して介護事業所を調べたり、選択できるようになっています。
施設の基本情報だけでなく、施設の評判なども搭載されているので、どのような施設なのかが閲覧しやすくなっています。情報の透明性があるので、利用する側も安心することができ、納得した上で介護サービスの契約を行うことができます。
幅の広い介護サービスの範囲
日本は介護状態に陥った場合よりも前段階である“介護予防”にも力を入れているため、要支援者~要介護者まで対象範囲も広く設けています。
古くから介護制度の歴史があるドイツを比べてみても、日本の介護サービスの給付率はドイツの3倍であると言われています。
ドイツは要支援者~要介護1に値する人は支給対象外であるからです。これらを比較してみても、日本の介護サービスの手厚さと幅広さが分かります。
高齢になって介護が必要になった時に、安心して過ごすことができる社会を実現しようとしているのです。
介護職や職場環境のサポート整備を充実させる
高齢社会に向けて、ますます必要とされる“介護職の確保”。日本では介護職不足への対策が積極的に行われています。
例えば、“介護職員処遇改善加算”を施行し、介護職員の給料を1~2万円増額しました。また、職場の環境を整える取り組みが行われ、介護現場に電子技術を搭載し、仕事の効率化を図っています。
このように介護職や介護現場をバックアップして、介護職が働きやすい環境づくりを整えることで、ますます拡大する介護需要に対抗するための、介護職増員の政策が行われています。
質の高い介護サービスがアジアを中心に広がっています
日本の“おもてなし”の精神が、介護サービスにも生きています。
親切で丁寧な接客、細かな気配りができる日本のサービス精神は、外国で高評価なのです。このような質が高い介護サービスは日本の企業が中心となり、主にアジア諸国でサービス展開をしています。
例えば、中国で介護老人施設を作り、そこに日本の介護福祉士を派遣し現場スタッフに介護指導を行い、タイでは現地に介護士養成学校を作るなど積極的に活動しています。
世界でもトップクラスである介護技術に誇りを
日本ではその急速な高齢化に必死に対抗しています。そして世界各国でも、日本と同じ状況で頭を抱えているということが分かりました。
日本は現在先進国であるからこそ、福祉制度が充実しています。介護制度が生まれてから、誇るべき介護のノウハウ、介護技術、介護商品があります。そのため、世界からみても、医療・介護サービスが充実しているのです。
質の高い介護技術は世界の中でもトップクラス。これからも長寿大国として、世界のお手本に立たなければなりません。
日本国内で働いていると、このようなことが実感できないことが多くありますが、私たちの介護技術は世界に誇れる財産だということを実感していただけたら嬉しいです。