介護の仕事をするとき、どのような気持ちで仕事をしますか?
介護の仕事は正解がないと言われます。だからこそ「大変」「忙しい」「きつい」仕事に対して悩む事も多々あります。
ここでは、介護職で大切な考え方や利用者の心理を理解する方法、そして、介護の仕事をする上で必要な知識や技術の身につけ方など、介護士に関わる “心構え”についてお伝えします。
資格取得を通して技術・知識を身につけましょう
介護士として働くときに必ず必要なことは、基本的な知識や技術を身につけることです。
介護は“人対人”との関わり合いです。そして、本人の身体に直接触れる仕事なので、時には事故が起こり、命に関わることがあります。介護は決して簡単な気持ちでできる仕事ではないのです。
介護は『食事介助・排泄介助・移乗介助・入浴介助・身支度や整容など』を行い、利用者とのコミュニケーションを図ることで心のケアを行うことが仕事です。このような基本的な介護技術や知識を身につけるために、まずは介護職員初任者研修や実務者研修などの資格を勉強しることをおすすめします。
現場に飛び込むと先輩から指導を受けることができますし、わざわざ自分で資格の勉強をしなくても身体が覚えてくれるのではないか?と思いますよね。しかし、介護の現場はとても忙しいところです。満足に正しい技術をマンツーマンで教えることが難しく、そこで先輩に技術を聞きづらくなって、間違った技術が身につく可能性があるのです。
そのような悪循環にならないよう、しっかりと自分で勉強をしながら資格を取得し、現場で取得した知識と並行して、介護の知識や技術を身につけるようにしましょう。
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相手の気持ちに立って対応しましょう
介護は“利用者の気持ちを考える”ように言われます。では具体的にどのようにすればいいのでしょうか。
高齢者の抱える想いは人それぞれです。中には現状に満足で、充実している高齢者もいるでしょう。しかし、自分の老いに対して身体と心がついていかない、不安を抱えている方が多いのです。
若いころのように身体が思うように動かなくなり、介護が必要になったことで迷惑がかかる、申し訳ないという『疎外感』を抱える方、親しい友人や家族が亡くなるなどで感じる『孤独感』、社会人としてバリバリ働いてきた人が退職し、その後どうしていいか分からなくなり家『寂しさ』を感じるなどです。
そのような方に対して、『大変だったですね、そうなのですね。』と相手の気持ちを同調してあげましょう。
気持ちを受け入れ同調してあげることは、安心感・やすらぎにつながり、本人が前向きな気持ちになることができます。
介護を“やってあげる”と思わない
利用者に対して『やってあげる』『してあげる』という気持ちで接しないようにしましょう。
全部してあげることが介護ではありません。その人が出来ることを援助し、支えることが、本人の自立支援として大切です。利用者ができるところまで全部してしまうことで、利用者のプライドを傷つけることがないようにしましょう。
仕事をしてもらうことで役割を持ってもらう
そして、簡単なことでいいので利用者ができることをお願いしましょう。利用者は自分が役に立たない人間だと思い、ふさぎ込みがちになる方が多いので、上手に役割を作ってあげることも介護士の仕事です。
本人に仕事など“役割”を持たせることで、自分が社会や周りの人から必要とされていることを実感できます。
認知症利用者に対する正しい知識と理解を
介護士として利用者と関わるとき、必ず認知症の方と関わることになるでしょう。そんな時、認知症についての知識を身につけ理解しておくことが大切です。
初期の認知症患者は、自分が何かおかしい気がする…と、その症状に気付いていることが多く、日常生活に支障が出だすと疲労感が強くなり、大きな不安を抱えています。
症状が進行していくと、自分の周りの人との関係がうまくいかなくなり、生活への影響が大きくなります。
例えば、朝起きたら知らない外国だったという設定を思い浮かべてください。言葉も通じず、自分がどこにいるのか分からず、周りの人に助けを求めたくなりますよね。認知症の方は常にそのような世界にいると言われています。
こうやってすれば、“助けてあげたい、寄り添ってあげたい”という気持ちになりますよね。
認知症利用者への会話や行動に対しては肯定的に
認知症利用者の発言や行動に対して否定的にならず、肯定的に対応しましょう。例えば『もう小学校は終わったのか?』とあなたが聞かれるとします。あなたをお孫さんか息子さんかと思っているのでしょう。通常であれば、『私は小学生ではないですよ』『息子さんもお孫さんももう大人になっていますよ』と否定したいですよね。
しかし、認知症高齢者にとってはそれが正しい世界としてインプットされています。息子さんやお孫さんと認識している人に、真っ向から否定されてしまうと、混乱してしまいます。
そこは肯定的に受け入れ、『学校は終わったよ』と答えれば、安心できるのです。会話以外にも、同じことを何度も質問したり、徘徊したりと問題が多くなります。根気よく付き合ってあげてみてください。
しかし仕事とはいえ、長時間の間一対一になるのは大変です。他のスタッフと相談し、交代で見守り対応するなどして、協力体制をとってください。
プロとして認められる介護士になるために
介護士は万年人手不足が問題になっています。
そのため、無資格者が介護の世界へ入ることで、知識不足や経験不足の影響、利用者の心理に対する理解が乏しく、虐待や問題を起こす施設がニュースで話題になっています。
介護士は質が悪いと思う原因は、一部のスタッフによるものです。私たちがきちんとした基礎知識を得て仕事に励めば、そのような事態は起こらないのです。
現在介護福祉士の試験も研修が必須になりました。そして、介護職員初任者研修・実務者研修を修了することを条件とした就職も増えています。採用側も介護士に必要なスキルを求めているのです。
介護士は正しい知識と技術を身につけて、利用者の気持に寄り添って対応することが大切です。利用者が住み慣れた地域で安心して生活を続けられるように支援しましょう。