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離床介助は生きていることを実感でき事故予防対策にもなる

離床介助は高齢者の生活を守る

介護施設では高齢者に対して規則正しい生活を提供しようと日々努力されています。

その中でも離床することはとても重要な行動になります。

一番の理由として寝たきり防止が挙げられます。

ですが体力の少ない高齢者は離床を嫌がる傾向にあります。

要するに面倒臭い気持ちが勝ってしまいどんどんベッド上で生活する時間が増えていき気づいたら体力・筋力も底をつき周りとの交流もなくなるので刺激がなくなります。

そして歩けなくなりうつ病や認知症、感染症、合併症等様々な病気が発生してしまうのです。

自分の身体は自分で守ることも努力しないと。

健康の秘訣は離床することからですね。

入院生活から学んだこと

話が変わりますが皆さんは病院で入院生活を送ったことがありますか?

私はあります。初めて入院した時は2泊3日の検査入院でした。総合病院のため空いている部屋は僅かで4人部屋の廊下側でした。部屋はカーテンで仕切られており廊下側のベッドの人は外が見えないのです。外が見えないということは天候や大体の時間もわかりません。体内時計が狂って地下に閉じ込められた感じでした。

入院1日目は翌日検査のため何もなく自由が効いたので屋上や中庭、売店に行ったり景色の見える廊下のソファーや談話コーナーでくつろいだりと動くことができ自分のベッドで過ごす時間は寝るときぐらいでいした。そのため特にストレスを感じることもなかったことを記憶しています。

ですが2日目の過ごし方で愕然としました。検査のため朝から点滴がありベッドからは下りれず検査が終わると再び点滴を行い、痛みも少しあり一日安静に過ごすことを指示された私はベッドから下りたのはトイレに行く時ぐらいでした。
2日目は一度も外の景色が見れず時計を見ないと朝か昼かも分からずベッドには日光すら入ってきませんでした。そして安静のため動くことがなく時間が全然経たないのです。TV鑑賞も本当につまらなくて頭が呆けそうでした。やっと夜が来て「明日には家に帰れる。早く寝よう」と思っても日中に体を動かしていないため寝れないのです。今まで生活してきた中で一番きつい一日になりました。

そして翌日になると一日ベッド上の生活をしただけだったのに上手く歩けなくなっていたのです。たった2泊3日の入院(実際には1日の寝たきり生活)で人間の身体は衰退することを実体験しました。

人間は寝ていては駄目

健康な人は日々離床することは当たり前のこと過ぎて考えもしないことだと思いますが、離床は人間が健康に暮らしていくためには欠かせない行動なのです。朝起きて日光を肌で感じて自分の足で立ったり歩くことは生きている実感となります。

又介護施設の高齢者の寝たきり防止はただADLの低下を防ぐだけでないことが明確になっています。生活の中で刺激がなければあっという間に認知症になります。認知症は治らないので認知症になる前に予防対策が必要です。高齢者が離床を拒否しても上手く誘導する工夫を考え歩くことを提供していく介護が介護施設には求められていることを介護士は理解しておくべきです。

怖い怖い認知症。予防策は離床することから始まるのですね。

離床介助は事故予防になる

又、介護施設では日常生活に常に付いて回る事故を忘れてはいけません。転倒、転落、内出血、表皮剥離、火傷、誤嚥、誤飲、誤薬などなどありますが特に多いのは転倒事故です。転倒事故は骨折するケースも多くあり入院生活を余儀なくされることもあります。高齢者が入院すると一気に機能が低下するため入院生活だけはなんとしても避けたいです。となると介護施設では事故予防に努めないといけません。残念ですが事故が完全になくなることはないです。

ですが事故を減らすことはできます。介護士の意識の問題が問われますが転倒事故予防策として活用できるのが離床介助なのです。理由としては介護施設での転倒事故が一番多い場所は圧倒的に居室内です。

介護士の目が届かない所で高齢者は転倒しています。しかも殆どがトイレに行こうと動き出した時に事故の確率が高いのです。この事実を知らない介護施設は今後も事故を減らすことすらできません。日中の離床介助を進めていき介護士の目が届くフロアー等へ出てきて頂くことで転倒事故が必ず減ります。といってもフロアーで何もせずただ居てもらうだけでは意味がないのですが・・。そして排泄介助でも述べた正しい排泄介助ができていればこれもまた事故予防策に繋がります。離床介助はとても意味があり素晴らしいケアの一つだということを改めて確認してください。

高齢者の事故は寝たきり生活になることもあるため注意が必要。中には事前に防ぐことが可能な事故もたくさんあるカモ