社歴や年齢はグッと下で、入社したばかりやまだ入社数年目のはずなのに、
- 能力が高い
- 成績優秀
- 評判が良い
そんな部下を持った上司は、劣等感に苛まれて不安になる日々を過ごしてしまいがちですよね。
「社内での立ち位置が逆転したらどうしよう」
「言うことを聞いてくれなかったらどうしよう」
と、あまりに部下が優秀だといろんな不安要素が頭にどんどん浮かんでしまいます。
もし、そんな優秀すぎる部下を持ってしまった場合は、どのような対応をすればいいのでしょうか。
今回の記事では、優秀すぎる部下の特徴の解説や、同じように優秀すぎる部下を持ってしまった上司の困りごと、そしてそんな部下との正しい接し方について解説していきます。
【みんなの気になるアンケート】優秀すぎる部下を持つ上司に率直な感想を聞いてみました
優秀な部下の特徴やそんな部下を持った感想を聞いてみました。
さて実際は嬉しいものなのか?辛いものなのか?気になりますね。
意欲的で先を読む力があり、努力を惜しまないすごい部下(印刷業・33歳・女性)
わたしの部下は、とにかく先を読んで準備をしまくるのが優秀すぎます。
わたしが働いている会社は印刷会社で、わたしたちは営業部門なのですが、お客様に言われる前から事前に要望を察してプレゼン資料を用意しているんです。
優秀な部下について思うこと
部下がわたしの営業先に同行したときも、お客様がこんなことをやりたいと言い出したと同時に、料金の説明や納期などの質問に答える用意をしていました。
彼の中には何パターンものアイデアがあるようで、いつでもそれをお客様にプレゼンできるように準備をしているだけだと言っていましたが、その準備にかかる時間を考えると本当にすごいと思っています。
また、意欲もあるのでお客様の前でも自信を持ってプレゼン出来ますし、物怖じせずに意見を言えるところも優秀なところです。
同期などからはやり過ぎだと言われていますが、努力を怠らない姿勢は信頼に値するものです。
部下でありますが、見習うべきところはたくさんあると思っています。
優秀な人は結局「人柄」が素晴らしい(出版・40歳・女性)
一つ年下の後輩に優秀すぎる部下がいました。美人でスタイルもよく、人当たりも良く性格バツグン!
高学歴で誰からも愛される雰囲気を持つ彼女と全く同じ担当の仕事をしなくてはならず、ちょっと仕事のサワリ部分を教えてもカンが良くてあっという間につかんで仕事をこなしてくれていました。
優秀な部下について思うこと
最初こそなんだかすぐ追い抜かれそうで、先輩としてのプライドみたいなのが引っかかることも多々ありましたが、「先輩」「先輩」といって大事な部分では頼ってくれたり立場を立ててくれたり。
本当の意味で「気が利く」子でした。明るくてランチや飲み会などで彼女の人柄や、ちょっと抜けてる部分なども知るようになり、最初に感じてしまっていた劣等感のようなものも解消されました。
そういう意味でも彼女は優秀な人間だなと思いました。
仕事でミスしたときにも、しっかり頭を下げて回れる腰の低さや、発想の面白さなども彼女が優秀だと感じる部分でした。
優秀な部下がいたからこそ、実際助けられることも現場ではたくさんあるし、人材としてもうまく使うことができるチームであることも重要だと思います。
けれど、一番大事なのは人としての好かれる人柄。
優秀な人ってそういうところをすごいと感じるんだと思います。
優秀だけどそれはやっちゃダメ(デザイン関係・32歳・女性)
優秀な部下は基本的に嬉しいです。
しかし、残業分を教えもしないのに定時でタイムカードをきり、ばれそうだと「そろそろやばいから残業つけよ~」と言っているのを知って困りました。
基本的にとても優秀だからこそそういう余裕というか、いらない融通が生まれるとは思うのですが、そういう事をされると全体の仕事量は一向に減らないわけです。
優秀な部下について思うこと
優秀なのでこちらがそれに対して注意すればその意味をすぐに理解して謝りますが、しばらく自粛してまたすぐにバレないように時間調整をしているようです。
指導係ではなくなったのでもう関係なくなったのですが、いまだに忘れられない出来事です。
自分が優秀なので「全体」の事がどうしても考えられないようなのですが、「そういう事を続ければいつか巡り巡って自分が大変な思いをする事になるよ」というのをわかって欲しかったです。
悪気なくタメ口になる事も多く、故意でなく年代的な問題だと理解していてもどうしても受け入れ難い部分がありました。
1で10以上を理解する優秀すぎる部下と一緒に働くことが出来て良かった(事務・41歳・女性)
以前の職場での部下の話になりますが、実に優秀すぎる部下がいました。
1を聞いて10以上を理解するようなタイプです。
女性でしたが、いつも丁寧で冷静で笑顔が絶えず、気が利く女性です。
事務といっても仕事量が多く、難易度も高かったのですが、一度説明するだけで理解し、自分でマニュアルを作ってきちんと対応していました。
優秀な部下について思うこと
事前の指示をするまでもなく業務を整理して先回りで準備を進めて行ってくれるので非常に助かりました。
優秀な部下がいると、とても助かります。しかも彼女の場合は、それを決して目立つように行うわけでなく、常に私をはじめとする上司を立てる言動をしていたのです。
彼女の人柄も良かったとはいえ、部下が優秀であることを嫌だと感じる要素はまるでありませんでした。決してどこにでもいる、というものではないと思います。
部下に恵まれ非常にラッキーでした。現在は違う職場となってしまいましたが、またいつか彼女のような女性と一緒に仕事をしたいと思っています。
営業職で成績優秀、かつ人間性も優秀な部下(営業・20歳・女性)
営業職である以上まず第一に求められるのは数字ですが、優秀な部下と言われるだけあってやはり数字の面では入社当初から飛び抜けてよかったです。軒並み先輩方を抜かしていきました。
しかし、成績がよくても勤怠が悪かったり、態度が不遜であっては優秀とは言えません。
その部下が優秀であると言われるのはずばりその人柄にあります。
優秀な部下について思うこと
クライアントから好かれるのはもちろんですが、社内でもその部下の悪口を言う人に会ったことがありません。
真面目だけれど明るく気さくで気遣いもできる。
しかもその気遣いが押さしつけがましくなくて好感が持てる。
ついでに言うと見た目も爽やかで清潔感があり、一緒にいて不快な気分になりません。
ユーモアにも優れていて話も面白く、かといって完璧人間とも言えないちょっとした抜けがあったりもして、人間味もあるのだからすごいです。
ただ仕事ができるだけの存在を優秀な部下とは言えないでしょう。人間性もあってこその優秀さというものです。
若手社員は上司にそう思われるように頑張りたいところです。
優秀すぎる部下、共通する4大ポイント
まず、部下の優秀さと一言でいっても、その要素はいくつかの項目に分解することができます。
あなたの周りにいる優秀な部下というのは、どのようなタイプでしょうか。
以下、4つのポイントに分けて解説していきます。
- 成績のよさや技術の高さ
- 高い効率性と継続性
- リーダーシップ
- 的確な判断
1.営業職なら、営業成績がいい。技術職なら、とにかく腕がいい
まず、優秀さの象徴として挙げることができるのは、その部下の持つ成績や能力についてではないでしょうか。
- どんどん新規受注をゲット
- 既存顧客からよりよい条件での契約
- 困難な大手企業からの大口契約
- 常に新しい技術を習得
- 指示した作業を正確かつ素早く行う
- 広範囲にわたる知識量
結果を残し続ける部下
未経験採用で入社したような部下であっても、こうした功績を連続して残す社員は稀に現れます。
転職などで経験者採用された社員で、前職時代はそこまで大きな成績や貢献ができていなかったのにも関わらず、なぜか業界が変わったり、部署が変わって、着手する作業が変わったりすると、一気に成果を出す社員も存在します。
会社の評価は高まるが上司は複雑?
そのような部下の教育担当ではない上司や役員などからすれば、著しく結果を出す社員の存在は非常に助かります。
ただ、教育担当の上司や同じ現場で働く先輩社員からすると、自分の立場を脅かす存在という認識の他にありません。
優秀すぎる部下というキーワードで、上司の立場の方が一番気にかけてしまう優秀さとは、この「部下の能力」という面だと言われています。
2.行動に無駄がなく、効率が非常にいい
優秀な社員というのは、行動に無駄がなく、常に非常に効率のいい動きを取っているという特徴も挙げられます。
これに関して言えば、どちらかというと営業職よりも、技術職の場面で多く見られる特徴ではないでしょうか。
通常作業の効率化を図る
工場勤務などの場合、1つのものを作るのにいくつもの工程があり、
- 1つの工程を数多くこなすパターンと、
- 1人でいくつかの工程(もしくは全ての工程)を担当するパターン
に分けることができます。
その中でも後者の場合、1日の作業時間内にどれだけの量をこなすことができるかということは、非常に大きな評価ポイントになります。
部下のほうが上司より作業効率がよく仕事が早い
もちろん程度にもよるかもしれませんが、自分よりもその作業歴が少ない部下が、自分よりも効率的に作業を進め、しかもそのクオリティがどれも高いとなると、上司の方は劣等感や危機感を感じるはずです。
企業にとっての評価ポイントが、時間内にどれだけの価値貢献(工場でいう作業量の多さ)ができるのかという部分が大きく占めるだからだと思います。
3.率先してリーダーシップを発揮できる
最近の年齢が若い人材は、コミュニケーションが苦手だったり、積極性が少ないということを言われがちではあります。
そのような中でも、圧倒的なコミュニケーション能力を駆使し、どんどんチームを引っ張ることのできる、高いリーダーシップ能力を持つ人材も存在します。
上司も巻き込み成果をあげることができるほどのリーダーシップを発揮
転職市場においても、企業は以前まで、圧倒的にコミュニケーション能力を求める姿勢が非常に強く残ってました。
しかし、今ではコミュニケーション能力はもちろんのことながら、リーダーシップ能力を持ち、リードマイセルフで(率先して)行動ができる人材に注目が集まるようになっています。
そして多くの上司の心境を脅かす優秀な部下というのは、他の社員にはない圧倒的な熱量や行動力を持ち、それに感化された他の社員を巻き込み、大きな成果を出して企業に価値貢献ができるのです。
基本的に日本人は、体質的には非常に保守的であり、リスクをとったり、誰もしたことがない未開拓の領域に入ることに強い抵抗感を持ちます。
そんな中で、リスクも考えた上でどんどんチャレンジをする、そして自力だけではなく、他力もうまく活用するようなリーダーシップを発揮することができる社員は、非常に優秀だと言えるでしょう。
4.頭がよく回り、的確な判断や意見を言うことができる
優秀すぎる部下というのは、何も能力が高いということだけではありません。
そうした部下は、非常に柔軟な考え方を持ち、且つ誰も気づかなかった、見逃していた項目をピックアップすることができる着眼点を持っているということがほとんどです。
組織に長くいると気づきにくいことを改善
特に社歴の長い社員や、社歴自体は短いとは言えども業界の在籍期間が長い社員は、どうしても業界のルールだったり、習わしに囚われがちです。
思考が凝り固まってしまってしまうのです。
優秀な人はそんな頑固な社員が気づかないような要素に気が付いたり、全く別の視点から意見を出すことができる着眼点を持っています。
悶々とした空気感や流れに、まるで一筋の光をさすかのように、打破することができるのです。
優秀な部下の新しい切り口で扉が開く
優秀すぎる部下の口から出たひょんな一言が、大きな発展のキーワードになるということも、よくあることです。
上司の方はこうした優秀すぎる部下を大活躍させてあげる環境を整えるのが仕事です。
優秀な部下がいると、自ずと広い視野と着眼点を持つことが求められるようになるでしょう。
優秀すぎる部下を持った上司の困りごととは?
能力や知的センスが高く、社内で注目されている優秀すぎる部下を持つと、上司側の方はだんだん焦りを覚え、それがたちまち不安に変わっていきます。
優秀すぎる部下を持った上司は、そうした部下に対して以下のような不安を抱えがちです。
- 成績を抜かされ、出世を抜かされるのではないか?
- 部下が自分の言うことを聞かなくなるのではないか?
- 社内で、自分の立場がどんどん弱くなってくるのではないか?
そうした困りごとについて、それぞれ詳しく紹介していきます。
1.成績を抜かされ、出世を抜かされるのではないか?
優秀すぎる部下の特徴は能力に関することでしたが、上司側が抱える不安や危機感もまた、優秀すぎる部下の能力に関するものとなっています。
1つの企業に属する組織人として、所属している企業の成長と存続を最も望むのであれば、このような優秀すぎる部下の入社に喜びや安堵を感じることが一般的なのです。
しかし、自分の出世などのキャリア関係を考えると、素直に喜べない、むしろ危機感を感じてしまうという意見の人が多いかと思います。
かつての部下が今は上司。そんなことも起こりうる
今までの日本の企業は、主に企業への所属年数が長い方が順にキャリアアップを叶えていく年功序列制度が当たり前でした。
そこまでひどい成績でなければ、着実にキャリアを手にしていくことができた時代ですね。
しかし、それでは企業自体も進化しないということ、また部下側の不平・不満、組織の活性化などを目的にし、今現在では多くの企業で成果主義の評価基準が設けられることが一般化してきました。
例え入社の時期や年齢も違う上司と部下であったとしても、部下のほうが能力が高いと判断されれば、どんどんキャリアアップしていくことも可能になってきたのです。
そう考えると、優秀すぎる部下を目の前に上司もうかうかすることはできませんし、怠慢を感じている間に追い抜かされたということにもなりかねません。
2.部下が自分の言うことを聞かなくなるのではないか?
優秀すぎる部下を持ったとしても、上司として、部下に業務上の報告をさせたり、指示をして動かすことが必要になってきます。
しかし、部下という立場でも、自分よりも優秀ではない(成績が悪い、効率が悪い、評価が悪いなど)上司の言うことをなぜ聞かなければならないのか?と思われてしまうのではないかという不安や困りごとが、上司の頭からは離れません。
部下に見下され、指示に従わない
確かに一部の優秀すぎる部下は、優秀すぎるが故に自分よりも成績が低い上司を見下したり、自分の方法こそが正解だと思い込み、上司の指示を聞かずに独断で行動する人も少なからずいます。
上司という立場は、企業に対する経済的な価値貢献だけが仕事というわけではありません。
部下を持つ立場の上司の仕事とは主にマネージメントになりますので、部下が言うことを聞かないということはつまり、上司が仕事をしていないということにもなり兼ねません。
そうなると、また企業側からの評価に影響してくる部分もあるので、こうした優秀な部下を持っている上司は、頭を抱えているのです。
3.社内で、自分の立場がどんどん弱くなってくるのではないか?
優秀すぎる部下の活躍ぶりには、社内がどんどん注目していきます。
成果を出している部下に視線が集中されるということで、上司である自分の立場がどんどん弱くなってしまうのではないか、という悩みを持っている上司も数多く存在します。
自分を通り越し部下に注がれる視線
優秀すぎる部下にみんなの注目が集まることで、自分の存在が薄くなっていき、どんどん自分の立場が弱くなっていくことを想像すると、言い表せない屈辱感に襲われてしまいます。
実際には部下が優秀すぎるからといって、上司の立場が弱くなるということはほとんどありません。
しかし社員の意見や、目に見える部分ではありませんが、支持率というのは少し変わってくるかもしれませんので、そういった面も含め、優秀すぎる部下を持った上司は頭を抱えているのです。
そんな部下に対する、正しい接し方とは?
優秀すぎる部下を持った上司は、日々部下の進捗報告にドキドキしながら会社員生活を送っている人が多いです。
前述した通り、企業の成長と存続という点で見れば、こうした進捗報告は楽しみになるはずなのですが、自分の立場を脅かすという視点を持っているままでは、部下の報告に毎回緊張感を感じ、何も報告がないようにと、間違った安堵を求めることになります。
それでは、優秀すぎる部下を持った上司は、その部下に対して、どのような心構えで接すればいいのでしょうか。
ここでは、そんな上司の接し方やあり方について、ポイントとなる3つを解説します。
- ライバル視しない
- 功績を素直に喜ぶ
- 自分の価値向上に専念
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.部下に対し、ライバル視しない
なぜ、
- 上司が部下の功績を素直に喜ぶことができないのか?
- 部下は上司に対して成績や評価で競おうとするのか?
というと、それは上司が部下に対し、『部下』という認識ではなく、『ライバル』という認識を強く持っていることが原因になります。
つまり、優秀すぎる部下がいるから上司が不安になるということではありません。
正確に言うと、上司が優秀すぎる部下に対し、ライバルとして見る目を持っているからこそ、能力という部分でお互いを測ってしまい、勝手に危機感や劣等感を持ってしまう、ということがほとんどなのです。
いくら優秀すぎるといっても自分の部下は部下
上司の仕事というのは、部下をライバル視して部下と成績を競い合うことではなく、優秀な部下の成長やキャリアアップの芽を積むことではありません。
それにも関わらず、勝手に上司側が優秀すぎる部下に対してライバル心を持ち、勝手に劣等感を感じているということが現状です。
しかし、自分より若い世代のことを応援することができず、張り合って自分のキャリアを守ろうとする姿勢を持つ上司には、誰も尊敬の眼差しを向けることはありません。
2.部下の功績には、素直に喜べるほどの余裕を持つ
部下が大口契約を取ってきたり、新規の契約を取ってきたり、効率をあげて少しでも作業量を増やすことができた時、そうした部下の功績に対し、心から素直に喜んであげることはできているでしょうか。
もし、そうした部下の成果を部下と一緒に喜ぶことができず、ただ妬んだり劣等感を感じてしまっているのであれば、上司としての関わり方を今一度考え直すことをおすすめします。
広い心を持って素直に部下の功績を称える
実際に優秀すぎる部下は、誰しもが成果主義をシビアに見て、上司を蹴落としてキャリアアップしたいと考えているわけではありません。
部下が喜びを感じる瞬間というのは、自分で成果を上げられた瞬間やそれを上司に認めてもらえた瞬間になります。
今では上司という立場であったとしても、入社したばかりの役職もなかった時代に、何かの功績を出すことができて上司に褒められた時、嬉しいと感じたことがあるはずです。
まずは、部下の功績を素直に喜び、快く受け入れられるためにどうすればいいのかを上司が考え、部下が働きやすい環境を作ることが、上司という立場が担う、一番の仕事です。
3.部下を気にせず、自分の価値向上に専念する
優秀すぎる部下を持ち、その部下に対して劣等感や危機感ばかりを感じてしまっている上司は、その部下の功績によって感情を振り回されながら、会社員生活を過ごすことになります。
しかし、その優秀すぎる部下のことばかりを気にかけてしまい、多くの上司が「負けるものか」「自分だってまだまだできると、自分の価値向上に取り組めていないことがほとんどです。
成長していく部下と停滞している上司では結果は見えている
部下は毎日頑張って少しずつ能力を伸ばしていっているのにも関わらず、上司は自分の能力を上げる努力もせず、自分と部下の能力が日に日に縮まることに劣等感や危機感だけを感じ、焦っているだけなのです。
もちろん、自分の価値を上げる活動や、成果を上げるために必要な活動をしなければ、評価の上がる成果を出すことはできません。
それにも関わらず、そうした大事なことは忘れてしまい、部下の方ばかりを羨むような目で見ている上司が圧倒的に多いのです。
やるべき自分の仕事にまっすぐ取り組む
部下の能力は、上司がコントロールできる範囲のものではありませんので、いくら妬んだり焦ったりしたとしても、部下の能力や功績が変わることはありません。
そうした現状に喘ぐ時間があるのであれば、自分の価値を高める活動と、成果を出すために必要な活動に時間と思考を使うべきなのです。
外的要因ばかりに注目していても、現状を変えることはできません。
部下に対してそのような感情を抱える余裕があるのであれば、その余裕を使い、もっと自分を高められるためにできることは何かを考え、それに着手しましょう。
部下と上司がそれぞれ求められる、能力の違い
そもそも論として上司と部下とでは求められる能力に違いがあります。
ここでは、それぞれの立場に対し企業がどのようなことを望んでいるのかという部分について、解説していきます。
部下に求められる能力
まず部下側ですが、ここでいう部下というのは主に入社して数年までとしましょう。
立場としては末端の社員を指します。
こうした社員に対し、企業側が求める能力というのは、現場でいかに数字的成果を出すかということです。
例えば営業職であれば、クライアントからの受注の獲得になりますし、技術職であれば、担当工程を1つ終了させるまでの時間の効率化という部分になるでしょう。
こうした数値的な成果を出すためにはどうすればいいのかを考え、率先して行動を起こし、テストを繰り返しながら成果を上げていくことが求められます。
与えられた仕事への貢献度(成績)
そして、こうした末端の社員の評価される基準というのは、いかに企業に経済的な価値貢献をすることができたのかという部分が大半を占めることになります。
反対に言えば、末端の社員にはそれ以上の要素を求められることはほとんどありません。
まず、企業に入社した後に求められるのは、そうした数値的成果や貢献を果たし、企業内で活躍できる人材に育ってもらうことなのです。
それ以外の業務に関しては、もっとキャリアアップをしたのちに求められることがほとんどです。
上司が求められる能力
一方、上司の立場になると、部下の立場から求められるものの内容が変わります。
部下の立場の場合では、現場で活躍し、経済的成果を出して自己成長させることが求められていました。
上司の立場の場合は、そうした部下のサポートをしながらも、部下がどんどん能力を伸ばし、さらに活躍できる人材に育つためのマネージメントが求められます。
もちろん、それだからといって、上司側に経済的成果を求められないかと言われれば、そういうことではありません。
役職にもよりますが、リーダーやマネージャークラスでは、上司という立場でも率先して現場で成果を上げることが求められます。
マネージメント能力
もちろん、それでも1番の役割というのは、部下のマネージメントの部分になります。
部下に比べると現場の活躍を期待される要素は小さくなりますが、それ以上に難しいマネージメントの要素が非常に大きく評価に響くことになります。
もし、担当している部下があまり成果を上げることができず、ずっと低迷したままで、挙げ句の果てには退職するということになった時には、社内で大きく評価を落としてしまうことになるでしょう。
うまく部下の能力を引き出し成績を挙げさせる
部下に対してサポートをすることはできたとしても、部下の感情や退職までをコントロールすることはできません。
上司はそうならないように、部下のモチベーションをいかに保ち、そしていかに成果を出させるかということに尽力しなければなりません。
求められる役割が違うので危機感を持ちすぎるのは良くない
そう考えると、まず上司が優秀すぎる部下に対し、劣等感や焦りを感じること自体に視点のズレを感じてしまいます。
このことから、上司は部下をマネージメントする監督であり、部下は現場で功績を上げるプレイヤーという位置づけをすることができます。
上司と部下でそれぞれ求められる能力や役割に違いがあるのにも関わらず、同じステージで見比べて、対抗意識を持ったり、ひどい上司は部下に冷遇を施したりしているという声もあります。
しかし、そもそも役割のステージが違うので、上司が部下に対してそのような対応をすること自体が間違っているのです。
部下を持つ上司として、優秀すぎる能力や知的センスに負けてられるかと考えることは良いことです。
ただし、それを持って劣等感や焦りを感じるのではなく、自分の価値向上の糧にできれば、立派な上司になれることは間違いありません。
なので上司が部下に対して劣等感や焦りを感じる必要はありません。
ただ素直に、部下の功績を喜んで上げて、部下のメンタルなどのサポートをすることが、上司としてできる企業への価値貢献です。
上司として部下を引っ張ることができない“老害”になってはいけません。
そのような老害化を避けたい上司の方は「半数以上の上司が有害!?長い目で見たリスクと対応方法を紹介」という記事で対策方法を参考にしてみてください。
まとめ:優秀すぎる部下を誇りに思いましょう
優秀すぎる部下を持って、劣等感や焦りを感じる必要はありません。
むしろ、上司という立場として、部下が優秀でどんどん成績を上げてくれた方が、マネージメントの立場としての上司の評価は上がるので喜ばしいことです。
そうした優秀な部下を担当することになったのであれば、
- できたことや上げた成果に対しては一緒に喜ぶ
- 失敗やできなかったことに足してはなぜできなかったのか、どうやったらできるのかを一緒に考える
- 共に成長するパートナーとして付き合う
その部下がさらに企業に対して価値貢献することができるように、しっかりと支えてあげてくださいね。