良い会社があれば転職したいけれど、「精神的に楽な仕事ってあるのかな?」そう考えている人も多いのではないでしょうか。いくら高単価のお仕事だったとしても、精神的に辛い仕事を毎日続けていたのでは、肉体よりも先に精神が参ってしまいますよね。
では一般的に見て精神的に楽な仕事と精神的に辛い仕事の違いは何でしょうか。これらを一口に言っても、その感じ方は人それぞれです。一日中ずっと椅子に座って作業するオフィスワークを楽と感じる人もいれば、一日中座っているのは辛いと感じる人もいるでしょう。
そこで今回は「精神的に楽な仕事と、精神的に辛い仕事」の特徴や職種を比較しながら、違いについてご紹介していきましょう。
そもそも精神的に仕事が辛くなってしまう原因とは?
精神的に仕事が辛いと感じる理由には、どういったものにあるのでしょうか?これは仕事を取り組んでいる人の性格や、仕事内容によっても異なるでしょう。それらを細分化していくとキリがないため、まずは大まかに分類できるものをご紹介していきます。
- 仕事量が多いためストレスを感じる
- 職場での人間関係によって精神的なストレスを抱えやすくなる
- 残業が多いと身体的な負担から精神的なストレスになる
- 仕事に見合った給与をもらえず、その不満からストレスを感じる
まず真っ先に挙げられるのが、とにかく仕事量が多すぎるという場合です。人間は誰しも身体1つしかなく、1日に24時間しか与えられていません。どんなに優秀な人でも、個人で処理できる仕事量には限界があります。
そのキャパシティを超えた業務量は、おのずとストレスの原因になるのです。
また能力のある人ほど「自分はこのくらいの仕事はこなせるはずだ」というプライドがあり、与えられた仕事を断りにくいということもありますので、これは中々根が深い問題です。
後述しますが、あらゆる仕事では1人の人間で完結することは難しいでしょう。そこで職場内の同僚や取引先など、様々なステークホルダーとコミュニケーションをとりながら業務を進めていきます。
しかし仕事相手と言っても、もちろん性格など相性もまちまちです。そこに神経質になりすぎてしまうと余計な精神的ストレスを抱え込みやすくなってしまいます。
最近、広く問題になっているのが残業によるストレスです。これは業務量とも関連しますが、量のみならず自分のレベルでは処理しきれない“高い難易度”の仕事も、通常の就業時間内で終わらせることが難しい場合があります。
「定刻内に終わらなければ深夜まで、あるいは朝早く出勤して仕事を終わらせろ」という空気がはびこりやすい傾向にあり、そこに逆らいにくいと感じてしまう人も多いでしょう。連日連夜におよぶ残業は身体的な負担となり、精神的にもストレスを感じてしまうようです。
そして給与に代表される“待遇”というのもまた、ストレスを生む大きな原因です。明らかに「自分がやっている仕事と得ている給与が見合わない」と感じる人は少なくないのではないでしょうか。
特にある程度キャリアを積んで能力も秀でた人ほど、仕事ができない上司が自分より多い給与を得ているという現実に悔しさを感じることが多いようです。
しかしこれも日本人の気質上、「給与をあげてくれ」とストレートに会社と交渉し辛い人の方が割合としては圧倒的に高いでしょう。そうした我慢が募ると、やがて大きなストレスとなってしまうのです。
仕事でストレスを感じてしまう人の特徴とは?
仕事にストレスを感じてしまう原因は様々ですが、そもそもストレスを感じやすい性格の人という方が存在するのも事実です。同じ仕事でも、楽しそうに仕事を取り組む人や苦にしない人がいます。
では仕事でストレスを感じてしまう人とは、どういった特徴をもっているのでしょうか。説明していきましょう。
こんな人はストレスを溜めこみやすいので注意しよう!
- 周りの人に協力を求められない、人に頼れない人
- 仕事に対して過度な責任感を抱いてしまう人
- 物事を神経質に考えてしまう人
人に頼れない
まず真っ先に挙げられるのが人に頼れないという点です。仕事は先に述べた通り、必ずしも個々人の能力に対して、適正な量・内容であることばかりではありません。難易度が高すぎる仕事を課せられ、一人では到底さばけない分量の仕事が与えられることもあります。
そんな時、要領のよい人であれば、例えば先輩や同僚・後輩などにうまく頼ることで仕事を分担してもらえたりします。しかし割り当てられた仕事を別の人にお願いすることに罪悪感を抱いてしまうような人は、処理しきれない仕事を前にストレスを感じやすくなってしまうのです。
責任感が強い
仕事に対して責任感が強すぎると、仕事の進め方や仕上がりという点に妥協が出来ず、とかくストレスを抱きやすくなってしまうのです。もちろんお金をもらって行う以上、あらゆる仕事に取り組むうえではプロ意識が欠かせません。
しかしながらこの世に完璧というものはあり得ませんので、業務を完遂させるためにどこかで妥協が必要になってきます。責任感が強い方はそこの加減がし辛いという場合も多々あり、結果的にストレスを抱きやすくなります。
神経質
たった一人の力でできる仕事というのは基本的にはなく、多くの人が力結集することで完成に導かれるものです。
つまり、この世に存在するすべての仕事は、人間関係を抜きにしては成立しえないと言うことが出来ます。その点において神経質な性格というのも、またストレスを抱えやすい方の特徴です。
同僚や上司、取引先など、仕事を行う上でさまざまな立場の人と連携が必要になります。すると立場が違うことで、当然それぞれの関わり方も異なります。
そのあたりをきちんと心得ることができれば、自ずと仕事もスムーズに運びますが、神経質な場合それがうまく進まないこともあるようです。
同僚や取引先のちょっとした言動、後輩のささいなミスなどに都度心を揺さぶられ、仕事に集中できないという悩みを抱えやすいのです。仕事を行う上でストレスを回避するためには、適度な図太さというのも必須と言えるでしょう。
精神的に負担が大きい仕事
仕事にストレスを抱く原因には、その仕事に取り組んでいる人間の性格に原因が存在する場合があるということです。しかし一方で比較的、精神的に負担が生じやすい仕事というのも存在します。
もちろんそれは生じやすいということであり、すべての人に当てはまるわけではありません。自身のメンタル面に自信がない方は、リスクを回避するためにも参考までに認識しておくといいでしょう。
それでは精神的に負担が大きいと言われる仕事について、以下で代表的な例をいくつかご紹介します。
精神的にきついことが多いと言われる5つの職種
- 飲食店
- 介護福祉
- 看護師
- 保育士
- 建設業営業
飲食店
飲食店は精神面のみならず、身体的にも負担が大きい仕事の代表格と言えるでしょう。
まず身体的には、調理や配膳、食器洗いといった各業務がそれぞれ体に負荷のかかりやすいと言えます。開店前や閉店後の清掃作業など(特に女性やある一定以上の年齢の方には)、辛い仕事でしょう。とりわけ居酒屋などは営業が深夜にまで及ぶため、体にこたえることもあります。
精神的な面では不特定多数のお客さんに対応するため、飲食店は負担が大きいといわれます。また接客の過程において、いわれのないクレームを受けることも少なくないでしょう。
特に飲食店はお客さんの口に入るものを提供するので品質には最大限の注意を払い、調理はもちろん衛生管理まで一切気が抜けません。
このように飲食店は心身の両面において常に緊張状態を強いられ、負担の大きい仕事といえます。
介護福祉
高齢者や障害を持った方のケアをする介護福祉の仕事も、精神的な負担が大きい仕事と言われることが多い職種です。
介護の仕事は俗に「3K=きつい・汚い・危険」 などという、不名誉なイメージで語られることもしばしばあります。その程度は職場により異なりますが、一般的に高齢者や障害を持つ方のお世話は、精神的・肉体的にも大きなプレッシャーがかかることは想像に難くありません。
そして残念ながら、賃金水準もその他の業種と比較しても比較的低いとされています。そのため「労多くして実少なし」の印象を抱く人は多いでしょう。
もちろん介護福祉の現場ではケアの対象となる方との間で深い信頼関係を築き、満足感を得られる仕事をしている方も多くいるため、安易なイメージを持つことは決して望ましいことではありません。
ただしこれから初めて介護福祉の仕事を選ぼうとしている場合は、十分な覚悟と責任感が求められる職務である点を認識しておくことが必要です。
看護師
時として白衣の天使などと称され華やかなイメージも多い看護師も、精神的な負担が大きい仕事です。
まず何よりも、「人の生死」という重大な問題にかかわる仕事であるからに他なりません。ささいなミスが患者さんの命を左右する事態にもつながるので、こうした点がストレスの原因となることも考えられます。
また夜勤も多いため、精神的な負担のみならず肉体的な負荷も相当なものといえます。もちろん看護師は他の職種と比較しても給与水準が高いため、やりがいも大きい仕事であるといえます。
しかしながら心身ともに相当のタフさが求められる職業であることは間違いないでしょう。
保育士
保育士もまた、精神的に負担が大きい仕事といわれます。これについては意外に思われる方も多いでしょう。というのも優しく温かいイメージのある保育園の先生は、特に女性が憧れる職業のひとつでもあり、華やかな印象を持っている方も少なくないと思われるからです。
しかしそうしたイメージとは裏腹に、保育士は様々な場面でストレスを感じやすい仕事です。
幼い子どもたち、場合によっては生後間もない赤ちゃんたちのケアをするという保育業務は、“生命を扱う”という側面が強く、大変プレッシャーがかるものです。
また子どもたちだけでなく、保育士は保護者への対応もしなければなりません。特に昨今では「モンスターペアレント」と呼ばれる質の悪いクレーマーのような保護者も存在しています。そのような親にあたってしまった場合の保育士のストレスは計り知れないでしょう。
さらに運動会やお遊戯会などのイベント前は準備に追われ、夜遅く、あるいは家に持ち帰って仕事をすることも多いといわれています。以上をふまえ、精神的にも肉体的にも負担がかかりやすく、そのうえ賃金水準も決して恵まれていないという点も保育士の実態と言えます。
建設業営業
どんな業種であれ、いわゆる「営業職」は数値的な目標が課せられている場合が多いだけにストレスがかかりやすい仕事といわれています。
中でも、とりわけ精神的な負担が大きいのが建設業の営業職です。というのも建設業は法人相手や個人相手関わらず、その受注金額が大きい世界です。家一棟建てるだけでも数千万円となり、商業ビルなどの建設では何十億という額のお金が動くこともまれではありません。
もちろん額が大きいだけに、契約が取れれば収入もぐんと増えやすい夢のある仕事でもありますが、裏返すとそれだけの金額を左右する営業職に課せられたプレッシャーは相当なものでしょう。
営業現場で体育会系の雰囲気を帯びていることが多いといわれているのも、建設業の営業特有の特徴でしょう。そのような世界に耐性のない方は、営業ノルマ以上の精神的負担を抱きやすいということを把握しておくことが大切ですね。
精神的に楽だと言える仕事の特徴とは?
これまでは仕事に精神的な負担を感じやすい人や、その業務特徴について解説しました。一方で精神的に楽だといえる仕事は、どういった特徴を備えているのでしょうか?
これに関してある意味当然ではありますが、今までの段で述べた精神的に負担が大きい仕事の裏返しとなっていることが多いです。
- 仕事上の人間関係が良好
- 自分の経験を活かした仕事をしている
- 業務上のノルマが少ない
- 残業がない、または休みがとりやすい職場である
まず仕事を通じて関わりあう人達との関係が良好だということ。多少仕事量が多い場合や、難易度の高い業務が課せられていても、同僚や先輩・後輩が協力をお願いしやすい関係、取引先が理解のある相手、というような場合は精神的な負荷が格段に小さくなります。
もちろん仕事で関わるすべての人と、相性がバッチリということは中々望めません。自ら良好な人間関係の構築を心がけることは、仕事に気持ちよく取り組むうえで非常に重要です。
自分の経験を活かした仕事かという点も大切です。特に転職をするような場合、まったく新しい職場で仕事をするというだけで非常にストレスがかかるものです。それにくわえ未経験となるとさらに精神的な負担を感じる可能性が高くなります。
一方で自分の経験を十分に活かせる仕事を選ぶと、比較的スムーズに業務へ入っていけるでしょう。また職場の方とも仕事を通じてコミュニケーションをとっていくことが出来ます。新卒の方でも、学生時代の経験を活かせる仕事を選べば未知の社会人生活に対して、多少気持ちに余裕をもって臨むことができるでしょう。
加えてノルマが少ない、あるいはまったくないというような仕事も精神的には比較的楽だといえます。
契約獲得=売上を求められるイメージが強い営業職でも、職場によってはノルマのプレッシャーが小さい場合もあります。またデスクワークをメインとする事務職ではノルマという概念自体、存在しない職場も多いです。
日々数字に追われず、落ち着いて仕事ができるというのは精神的に楽だと言えるでしょう。
そして最後に、残業が少ない・休みがとりやすいといったように、そもそもの労働時間が少ない職場も精神的には楽だと言えます。むろん仕事以外の時間が十分に確保できることは肉体的に余裕を持つことができ、プライベートの充実も図りやすくなります。
広く知られているように、昨今では国を挙げて労働時間の改革が掲げられています。残業時間の削減や有休休暇の取得促進といった動きはますます高まると予想されるでしょう。この点に関していうと精神的な負担感の小さい職場は、これから増えていくと期待できるかもしれません。
精神的に楽な仕事ってどんなものがあるの?
精神的に楽だといわれることの多い仕事の具体例について、ひとつずつ解説していきましょう。もちろん以下にあげる仕事は、すべての人にとって楽だとは言い切れるものではありません。
しかし大きな傾向として、精神的な負担が小さいとされるものがあるのだと把握しておくことは仕事を探すうえでは重要な参考となります。
特にストレスを感じやすい人であれば、事前に以下のラインナップをふまえて仕事選びをすることで、感じるストレスを回避できる確率も高くなるでしょう。
比較的精神的に楽だと言われる8つの職業
- 工場勤務
- 清掃
- 配達員
- 薬剤師
- 図書館の司書
- 農業
- イベントスタッフ
- マンション・駐車場の管理人
工場勤務
精神的な負担が比較的小さいと思われる仕事のひとつが、“工場勤務”です。もちろん一括りに「工場」と言っても食品工場から工業製品の工場まで、様々な「工場」があります。
しかし、いずれの工場勤務の仕事にも大きく共通するのはいわゆる定型的・マニュアル的な作業が多い、という点です。
例えば食品工場の場合、食材に一定の加工を施す、工業製品なら素材を成形していく等の目的になります。より多くの完成品を均一な品質で製造するため、工場では一連の過程が徹底してマニュアル化されています。
そこに携わる人たちはある種職人的に、もくもくと作業をこなすことが求められます。仕事の進め方や人間関係といった問題に、(良い意味で)頭を悩ます余地が少ないのが工場勤務という仕事なのです。
清掃
清掃という仕事も、精神的に楽だといわれることがしばしばあります。清掃に関しても鉄道の駅やビル、その他公共施設内など、様々な場所の仕事があります。
また、どこの場所の清掃であっても進め方にある程度の手順が定められているでしょう。基本的に清掃に従事する方はその手順に則って粛々と作業を行っていけばよいということになります。
もちろん個々のケースで差はありますが、清掃作業自体も定められた範囲に関しては独力で行うことも多く、煩わしい人間関係に悩まされる必要も少なめと言えます。
また単純に ある場所をキレイにするという行為自体がポジティブなものであり、仕事へ取り組むうえでの気持ちもおのずと前向きになりやすいといえます。
もちろん高所の清掃作業など、危険度が高く心身にストレスがかかりやすい清掃もありますが、割合的には決して大きくはないでしょう。
配達員
次に挙げられるのが配達員の仕事です。配達員とは、新聞配達、郵便配達などを行う方々が代表的でしょう。これら配達員の特徴的は、ルートがある程度決まっているということです。
また新聞配達などは非常に朝が早い仕事のため、そうした部分の負担はあります。しかし配送ルートが決まっていれば、経験を重ねるほどに配送に要する時間も短縮できるでしょう。仕事はどんどん効率化していくことができます。
そして安全かつ確実に配達を完遂させるという点に注力すればよいので、あれやこれやと思い煩う余地が少ない仕事ともいえます。
もちろん近年拡大が著しいネットショップの配達などは、多くのお客さんから受けた注文を不特定多数の居住地に配送する必要があるので、煩雑さはより大きいと推測されます。
それでも配達エリアはある程度決まっていることが多いため、 傾向としては精神的な負担は比較的小さいと考えられます。
薬剤師
薬剤師は、文字通り薬を扱うプロです。薬剤師の勤務先としては、薬局、ドラッグストア、病院など、様々な場所があります。代表的な仕事としては医師の作成した処方箋に基づく調剤業務や、患者さんへの服薬指導などが挙げられます。
製薬会社や大学に勤務する薬剤師であるなら、新薬の研究・開発といった仕事もあります。
薬剤師は大学に設置された薬学部に6年通学したうえ、国家試験に合格しなければ取得できない難関資格ではあります。その分、年収をはじめとした待遇の良さと活躍範囲の広さに恵まれた仕事です。
待遇については厚生労働省が発表している「平成28年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、 10人以上の企業で働く薬剤師の平均月給は約36万円、賞与が約78万円となっています。
価値の高い資格のため、女性の薬剤師の方であれば例えば妊娠・出産・子育て後でも比較的スムーズに仕事を探せるでしょう。残業の有無や長さなど、業務負荷という点でいうと職場によりけりでしょうが、勤務先の選択肢が広い分、より自分にマッチしやすい職場を選びやすいというのも薬剤師という仕事の大きなメリットです。
もちろん調剤など患者さんの体内に入る薬を作成する仕事であり、細心の注意が必要な業務です。しかしそれらのリスクを補って余りある魅力があるのが薬剤師という仕事なのです。手に職を付けるという意味でも、薬剤師は精神的な安定感の大きい職業といえます。
図書館の司書
図書館の司書という仕事に関して、具体的なイメージを持てる方も少ないかも知れません。図書館の司書の方のメイン業務は、蔵書の整理、利用者への対応などです。それ以外にも図書館内イベントの企画や運営、施設の管理等々、多岐にわたる仕事を行っています。
本が好き、という方にはもちろん最適な仕事と言えますが、何より図書館は小さな子供から高齢の方まであらゆる年代の方が利用する公共施設です。本を通じて人とコミュニケーションがしたい、という方も図書館司書は非常に良い職業なのです。
ストレスということに関していうと、例えば早朝から深夜まで及ぶような過度な残業が想定しにくいという点もありでしょう。また公立図書館への勤務であれば、公務員となるため待遇の安定性も抜群です。
表面的には分かりにくいストレス要因は諸々あるでしょうが、図書館の司書という仕事の一般的な傾向としては上記のようになります。
農業
精神的に楽な仕事に農業を挙げるのは、意外と思われる方も多いのではないでしょうか。土地や天気に休日はないので、作物をしっかり育て上げるためには1年365日、つねに絶え間ない管理が必要です。
台風や大雪など、収穫に影響を及ぼすような事態が生じてはなおさら気の休まらない日々が続くでしょう。
それでも、もくもくと土に向かって畑を耕し、収穫を待つという正しく職人的なスタイルに“性が合う”という方であれば、これほどうってつけの仕事はないでしょう。何より通常の会社勤務の方に比べ、通勤ストレスや煩わしい人間関係も非常に少ないと言えます。
ある意味では人よりも扱いにくい強大な“自然”を相手とした商売ですが、ややこしいストレスを回避できる側面が大きいのも農業という仕事の魅力です。
イベントスタッフ
イベントスタッフというのも比較的、精神的に楽な仕事といわれています。イベントとひとまとめにいっても、その内容はアーティストのライブやスポーツイベント、コンサートなど様々あります。
そこで働くスタッフの仕事も、警備や会場設営、グッズ販売など、イベント内容に応じて多岐にわたっています。
ただし一般的にイベントスタッフという仕事のほとんどは、半日や1日単位など単発で終わるものが多いです。じっくりと時間をかけて習得するような業務も少ないことが多いという点で共通しています。
またイベントによっては一日拘束される場合など、非常に長くなる場合もあるかもしれません。しかし仕事も人間関係も後に引きずる要素が薄いので、その面をもって精神的に楽だと感じる人は多いようです。
マンション・駐車場の管理人
最後に挙げるのが、マンションや駐車場の管理人です。よくマンションの受付に高齢の男性や女性がいるシーンを見かけますよね。またビル型の駐車場にも、出入口付近等に管理人室が設けられ、車の入庫や出庫を管理している方がいるのを見たことある方は多いでしょう。
こうした管理人の仕事はさまざまな内容がありますが、大きくは施設内の清掃や建物に出入りする方(自動車)の受付・安全管理といったもので占められています。
比較的年齢を重ねた方がこれらの仕事に就いているということをみても、体力的に負担が大きくない仕事と考えられます。また煩わしい顧客対応も、例えば飲食店の接客業務などと比べると頻度的には少ないでしょう。こうしたことから精神的な負荷も低めと考えられます。
精神的に楽な仕事へ転職した人に色々聞いてみた
実際に働く人へのアンケート。転職の際の参考にどうぞ!
ノルマのない仕事の内容と感想について聞いてみた
ノルマがないのは楽だがやりがいは少ない(30歳・女性)
コールセンターオペレーター
カタログ通販の問い合わせセンターで電話を受け付ける業務をしています。商品の問合せは勿論、受注を受けたりクレーム対応をする事もあります。配送に関する事や不良品、修理に関する事など用件は様々です。
自分が受けた電話の内容はきちんとシステム画面に入力し、上に伝えるべき事項があれば伝えます。混み合っているとお客さんをお待たせしてしまう事にもなるので、折り返し電話をするという事もあり、発信業務も時々行います。
管理者さんから指示を受けた仕事をする事もありますが、基本は電話を取って、履歴を残しての繰り返しです。
仕事の良い点と悪い点、その仕事につくためのアドバイスをお願いします
良い点はノルマがないし、研修さえ受ければ誰にでも出来る仕事なのでやりやすいです。また、シフトは自分で希望日や時間が組めるので、ダブルワークとしてや好きな時間で働きたい人には働きやすいです。
悪い点としては、ずっと同じ事を繰り返し、パソコンの前にずっと座っていなければいけない仕事なので単純作業や座りっぱなしが苦手な人は辛いと思います。
マニュアルがあり、怒られてもマニュアル通りの事しか言えず、厄介な案件は全てクライアント任せになるのでやり甲斐や達成感という物はありません。
この仕事を続けるには忍耐力と精神力が必要です。全ての電話がクレームと言う訳ではありませんが、時には怒られたり理不尽な事を言われたりします。
そういう時に黙って耐えて、精神も安定して仕事に臨める精神力を持てるように訓練する必要があります。あとはいくらシフト自由と言っても、面接で会社の希望する条件に近い日数や時間は働けるようにした方が採用率は上がると思います。
毎日ステキな花に囲まれノルマもないおすすめの仕事(29歳・女性)
生花店販売員
仕事内容は主に生花の配達、加工、販売です。配達はうちの店の場合、スーパーに委託販売しているので取引先に朝一で品物を配達します。
次に花の加工ですが、市場から花が届くので、その花の葉っぱを取ったり長さを揃えて束ねたり、袋に入れたりして、販売できる品物を作ります。
最後に販売ですが、こちらは花屋の店頭に立ちお客様との接客と、切り花や鉢物の手入れをします。鉢物に水をやったり、傷んでいる花をチェックしたり、お客様から注文があったら花束やアレンジメントを作ったりします。
仕事の良い点と悪い点、その仕事につくためのアドバイスをお願いします
この仕事の良い点は、毎日ステキな花に囲まれて仕事ができるところです。季節の花や植物を身近で感じられるので心が癒されます。花束やアレンジメントもお客様にとても喜んでいただけるのでやりがあります。
また、鉢物や切り花を手入れしていると、自然と花の名前や育て方など身についてくるので、花に詳しくなれます。
逆に悪い点は、力仕事が多いというところです。思い桶を持ったり、花の入ったダンボールを持ったりするので意外と体力が必要になってきます。
最後に花屋で働く為のアドバイスですが、1番大切なのはやはり花が好きであるということだと思います。私は花が大好きなので毎日きれいな花に囲まれて好きなことを仕事にさせていただけて楽しく働けています。
アパレル勤務の実態、お給料以外はほぼ自由(30歳・女性)
アパレル販売員
服の販売。入荷した服の売り場作り。セール準備。パンツの扱いがある店は丈直し。足踏みミシンの技術を習得しなければなりません。がっつりやれば1,2ヶ月でできるようになります。
アパレルなので接客は必須。でもお店によって、絶対接客につかなくてはいけないところとそこまでつかなくてもいいお店があるので、働く前にお店の雰囲気を感じておくといいと思います。あとはお会計などのレジ。金銭の扱いがあるので慎重にやります。
仕事の良い点と悪い点、その仕事につくためのアドバイスをお願いします
アパレルですが、幅広い服を扱うような店なら服装も髪型も自由です。テイストが決まっているようなブランドならそのテイストの服のセンスが必要ですが。
アパレルはサービス業なので土日祝日関係ありません。なので、シフトの融通はききますが、社会が休みのお盆や正月など繁忙期には働かなければならないのがデメリットです。
あと意外と力仕事なので体力も必要です。ノルマもないですが、給料もそこまで高くありません。服が好きな人なら自分の好きなテイストのお店を受けるべきですが、そこまで興味がないのであればカジュアル、ファミリー向けなどの普通のお店がおすすめです。
比較的忙しくもないので、残業もありません。がつがつ稼ぎたい、という方には向きませんが、最低限の給料がもらえればいいという人にはいいです。
住宅営業マンからノルマも残業もない鉄道会社へ(30歳・男性)
線路管理
線路にまつわる保守・管理を行っています。日々、決められたら検査を実施し問題がある場合はその是正を行う仕事です。ノルマはなく、残業もほとんどありません。線路上での作業がメインなので、都市部では基本的には夜の作業が多く必然的に夜勤が多くなります。
地方であれば、日中帯でも列車間隔があくので夜勤は少なめになります。コンプライアンスや安全に関しては徹底した指導がされているため、より安全な作業が実施することができます。
仕事の良い点と悪い点、その仕事につくためのアドバイスをお願いします
良い点としては、基本的にボーナスが安定しており住宅ローンをくむ際にも属性の評価が高く、家が購入しやすいです。年齢を重ねるごとに昇給もされ、それなりに収入もみこめます。
また、常に線路での仕事となるので鉄道好きな人にはたまりません。悪い点としては、あまりやりがいがないことが挙げられます。革新的な職種ではなく、問題が起こらなくてあたりまえの減点方式での評価が基本となるのでモチベーションはあがりにくいです。
転職するなら、やりがいは捨てて安定を求めたという割り切りが必要かもしれません。この仕事につくためのアドバイスとしては、年に一度300名程度社会人採用をとっているので、そのタイミングを逃さず申し込むことです。38歳程度まで大丈夫です。
営業ノルマからの開放!未経験の飲食業へ(29歳・女性)
カフェウェイトレス
喫茶店でのホール勤務です。朝はオープン準備で簡単な掃除や野菜を切るなどの簡単な調理、開店してからは接客やレジ打ちなどメイン。調理はケーキを切って盛り付ける程度、ドリンクも注ぐだけなので難しくありません。
空いた時間で棚卸しや発注をしながら、キッチンの様子を見て食器を洗うのを手伝います。夕方からは閉店準備、コーヒーマシンを分解して洗ったり、売上金を数えて帳簿に記入し、入金に行きます。最後にゴミ捨てや戸締りをして1日が終了です。
仕事の良い点と悪い点、その仕事につくためのアドバイスをお願いします
なにより良いのはノルマがないこと。以前は営業職で寝ても覚めても数字に追いかけられていましたが、ホールはお客様の注文を聞いて、それに応じたものを出すだけです。こじんまりとした所なので、売上ノルマや無理なオススメなども一切しません。
資料などを作ることもなく、パソコンと睨み合って眼精疲労になることもありません。また、開店、閉店時間が決まっているため、過度の残業もないので労働時間が極端に減りました。悪い点は立ち仕事なので足が浮腫むことです。
なので夜はマッサージがかかせません。この仕事は難しい資格などはいりませんが、コミュニケーション能力はあった方がいいでしょう。
お店には様々なお客様が来ますので、それぞれにあった対応が必要です。また細やかなサービスが求められるので、親切、丁寧を心がけるべきです。
残業なし!定時に帰れる仕事とその内容を教えてください
収入よりも気楽さ重視!製造会社員から派遣社員(29歳・男性)
製造業
私が今行っている仕事は派遣作業員として工場に派遣されています。 作業内容は一言で言うと機械で使用される電線の製作作業です。
お客様から頂いた電気図面にに従って、指定の長さに電線を切断し、その電線の被覆を剥ぎとります。
剥ぎ取った電線に指定のコネクターや端子などを圧着工具で取り付けたり、ハンダコテを使用して半田付け作業をしたりします。完成した製品を導通試験機で良品であることを検査し、問題がなければ梱包を行って配送業者へ引き渡します。
仕事の良い点と悪い点、その仕事につくためのアドバイスをお願いします
派遣作業者になるまでは普通の製造業の会社にいたのですが、残業代はつかないし責任ばかり背負わされることが おおかったです。 今の会社では社員では無いので、他人の責任を背負う必要が無いので非常に気楽でいられます。
気楽ですが今の仕事に責任感が無いわけでなありません、作る製品はしっかりと責任を持って作業を行っています。
前の会社で働いていた頃と比べると収入は減ってしまいましたが、他人の責任を背負わずに気楽にいれて、 仕事にも追われることなく定時や少しの残業程度で帰れるならこのままこの会社で働こうと思っています。
派遣社員なので、最寄りの派遣会社に登録を行えば余程でない限りは、派遣先を紹介してもらえます。履歴書さえしっかりとかけるならば誰でもなれます。
調整力があれば誰でもできる残業なしの仕事(30歳・女性)
営業アシスタント
フリーペーパーの制作業務に携わっています。主な業務は2点です。1点目は社外とのやりとり。営業担当が取って来た広告枠に対して、クライアントと直接お話をし、ご要望を引き出して広告原稿作成から校正のやりとりまでを行います。
2点目は社内とのやりとりで、デザイナーへの発注と原稿引き継ぎを行っています。
原稿作成では、必要に応じてコピーライティングや画像選定などもしています。デザイナーに一任する場合もありますが、クライアントと直接やりとりする立場にあるので、できるだけ自分が務めるようにしています。
仕事の良い点と悪い点、その仕事につくためのアドバイスをお願いします
フリーペーパーにはジャンルを問わず様々な業種の企業が広告を出してくれるので、幅広い知識が身につくことは良い点だと言えます。また自分1人で仕事を回すので、締切日時等をうまく調整して残業なしで帰社しています。
悪い点は、クライアントありきの仕事なので少しストレスが溜まることです。締切を守らない方や度々原稿に修正を入れてくる方もいるのですが、強い態度で出ることはできません。この仕事は一般事務などと違って若干特殊な仕事なので経験者が優遇されます。
しかし経験や実績がなくても慣れれば誰でもできる仕事ですので、社外や社内との「調整力」や「コミュニケーション力」をアピールすることで就職に繋げることは充分に可能だと思います。
残業禁止の行政機関での事務補助のお仕事(33歳・女性)
事務補助
主に予防接種券の情報入力と内容に相違がないかの確認作業を行なっています。地域の病院やクリニックで予防接種を受けた方(子供・高齢者)の情報確認を主に行なっています。具体的には、市から配布された予防接種券にワクチンを打った方の氏名、年齢(月齢)、住所などが記載されているものと役所のシステムを照らし合わせて確認を行います。
特に3才前後の乳幼児が多いのでワクチン接種を行なってもいい年齢(月齢)であるか、接種期間は適切に期間をあけられているかなどを確認します。
仕事の良い点と悪い点、その仕事につくためのアドバイスをお願いします
仕事の良い点としては、必ず時間通りに勤務が終わるという点です。また、仕事量や確認項目が多く、神経を使う仕事なので大変ではありますが、立場柄責任は重くないのでそのあたりのプレッシャーなどはなく作業にあたることができます。
終始、パソコンの小さな画面に書かれている大量の情報を見るため目はものすごく疲れます。
また、月齢の確認や接種期間の適切な間の確認などは神経を使うことも多く、正直とても疲れます。職員の方達はいい方ばかりなので、仕事は随時丁寧に教えてもらえますが、直属の上司にあたる非常勤職員があまり良くない方だととても大変です。
すべての進行管理は非常勤職員が任されており、タイトな納期の中で仕事をこなさなければならない中職員と事務補助の間に挟まれてしまうので、その方のストレスのはけ口とされてしまう人もいるため、残業や責任がないのはとてもいいのですが行政機関で働くのはあまりオススメはできないなと感じています。
多くの人と関わり、良好な人間関係を築ける自信のある方、集中する作業が得意な方には向いていると思います。
仕事で精神的な苦痛を感じないための心得とは?
同じ仕事に取り組むとしても、いくつかのポイントを意識して実践することで精神的な苦痛を軽減させることが可能になります。
- 自分の中で仕事の存在を大きくし過ぎない
- プライベートの時間を充実させる
- 仕事をするうえで自分なりの目標を立てる
自分の中で仕事という存在を大きくし過ぎない
まず優先して心がけたいことは、仕事はあくまでも生活の糧を得るための手段で、ビジネスという意識を忘れないことです。
仕事には様々なストレス要因がありますが、「お金のため・生活のため」と思ってある程度割り切ってしまえる面も多いはずです。何より職場での評価があなたという人のすべてではないと考えることが重要です。
仕事はお金を得る手段ですが、いってしまえばそれだけのものです。今の時代、転職もしやすくなってきました。あまり仕事というものを自分の中で大きくしすぎしないことがポイントです。
プライベートを充実させる
仕事以外のプライベートな時間、すなわち休日や平日の仕事前・仕事後の時間を充実させることが大事です。よくある休日の過ごし方として、ひたすら寝ているだけ、といった話を聞くことがしばしばあります。しかしこれは、あまり好ましくありません。
休日や平日のプライベート時間は、運動や趣味に没頭してストレスを発散させ、また気心の知れた友人と食事をするなど、とにかく仕事だけにとらわれない生活を意識することが重要です。
こうした心がけにより、仕事上のストレスも格段に減るでしょう。スポーツサークルなど、仕事以外に自分が所属できるコミュニティをひとつでも持っておくことで、精神的な安定を手に出来るでしょう。
配偶者や子どもなど、自分の家庭を持っている方は家族で過ごす時間をしっかり確保することも大切なことです。
仕事に自分なりの目標を立てる
そして仕事自体は、目標を立てることがポイントです。漫然と仕事をこなすだけでは、自分が取り組んでいることに意義を見出しづらく、おのずと仕事にモチベーション感じなくなります。大きな会社に所属している方ほど、仕事がより細分化されているその傾向は強くなるでしょう。
- 自分の仕事が何のために行われるものなのか?
- 仕事を達成することで得られるスキルはなにか?
- 自分のキャリアにとってどういう意味があるのか?
上記のようなことをふまえて、自分自身でモチベーションを感じられるロードマップを描くことが大切です。
与えられた仕事を淡々とこなすだけでは、どうしても受け身(仕事を“やらされているのだ”という状態)な分周囲への不満も抱きやすくなります。目標を立て能動的に臨むことで、前向きな思考へと変化していきます。仕事上のストレスも相対的に減っていくでしょう。
自分のスタイルに合った仕事を見つけよう!
今回は仕事でストレスを感じやすい人の特徴や、精神的に負担が大きい仕事、精神的な負担感が小さい仕事の代表例などについて解説しました。
これまでの内容はあくまでもそれぞれの傾向であり、精神的に楽といわれる仕事に就いたからと言ってすべての方がストレスなく仕事を行えるわけではありません。また逆もまたしかりです。そこで重要なのは、まず自分の性格をしっかり把握することです。
過去を振り返り、自分はどのようなことに対してストレスを感じやすいのか?あるいは、どんなことなら楽しく取り組めるのか?を丁寧に棚卸ししましょう。それをふまえて職場選びをすること、楽しく取り組める自分に合った仕事を見つけられる可能性はぐんと高まります。
同じ時間を費やすなら、より自分にマッチした仕事を選び、職場でもプライベートでも充実した時間を過ごせるよう自発的に心がけることが何より重要です!