嵐だろうが雪が降ろうが定時出勤を目指して頑張る日本のサラリーマン。
電車が止まるレベルの大雪が降ったとしても、バスやタクシーなどまだ動いている交通手段を探しては、会社へ向かってひたすら前へと進み続ける姿は圧巻です。
東京都心をはじめとする首都圏の平地は、雪が数センチでも積もれば立派な大雪です。
ひとたび大雪の予想が出ればニュースは天気の話題一色となり、次の日どうやって出社しようか頭を悩ませます。
出社しないで済む方法を探すという選択肢はないのか?
多くの人は「無事定時に出社する方法」を考えるばかりで、「出社しないで済む方法を探す」という選択肢がそもそもありません。
会社側も同様で、どんなに悪天候であろうとも、「当然社員が定時出社してくる」もしくは「社員は定時を目指して会社に向かう」と考えていることがほとんどです。
慣れない雪の中、ここまで無理をしてでも定時出社しなければならないのだろうかと誰もが疑問に思いつつも、「みんなが定時を目指して会社に向かうから自分も向かう」という日本人ならではの協調性のようなものががありますよね。
我が身を顧みず会社のために尽くす社畜を生み出しているのかもしれません。
大雪や台風でも定時出勤する2つの方法
状況が許すならば、大雪の日に無理をしてまで出社しない選択肢もあります。
しかし無理をしてでも出社しなければならない理由がある人もいることでしょう。
例えば重病で入院している患者の命を預かる医師が出勤するはずの日にいないならば、患者の容体に影響を及ぼすことになります。
そうであれば、次の日の出勤が難しいとわかっている段階でなんらかの手を打っておくかもしれません。
では、大雪や台風などの悪天候の日に定時出勤したいサラリーマンはどうすればよいでしょうか。
1.会社に泊まる
会社に泊まることが可能であれば、どんなに悪天候でも確実に定時出勤を果たすことができる最強の方法です。
ただし、シャワーもベッドもなく、ゆっくり身体を休めることなどできない環境で宿泊する覚悟は必要です。
どんなことがあっても絶対に遅れることができない理由がある人には最もおすすめな方法です。
2.近くのホテルに宿泊
悪天候時の定時出勤は近場に宿泊が最も安全です。もし会社に宿泊が無理ならば、会社近くのホテルに宿泊しましょう。
ただし、同じことを考えている人は他にもいるため、予約が取りにくい状況になることが予想されます。
確実に宿泊するためには早めに対応する必要があるでしょう
社会全体が柔軟になることが求められている
大雪や台風の時は、不要不急の外出を控えて自分の身を守るのが最善です。
何があっても定時に会社へ行くという「精神」は賞賛に値するものですが、何があっても会社へ行くことがすべて正しいわけではありません。
仕事を含め不要不急の外出を控える人が増えれば、不測の事態に対処するための人員と労力を最小限に抑え、必要なところに必要な助けが行き渡り、多くの人の安全が守られることになるはずです。
会社を支える社員達の身の安全を第一に考えることこそが、長期的には会社の利益につながるということに社会全体が気づくべきなのです。
地球温暖化の影響で、近年は世界中で異常気象が発生している中、日本各地においても自然災害の被害の大きさが目立ちます。
50年、100年に一度の大雨・大雪という言葉がそれほど珍しくなくなってきた今こそ、社会全体が本気で悪天候時や災害時の仕事のあり方について考えるべきなのかもしれません。
社畜が社畜を生みだす悪循環
「社畜」という言葉はサラリーマンならよく使う言葉かもしれません。
しかし、「自分は社畜」と喜んで自らを表現する人がどれほどいるのでしょうか。
多くの人は、社畜であることを強制されているような状態に対する皮肉としてその言葉を使ってはいないでしょうか。
社員に社畜であるようプレッシャーをかけるのは、会社というよりは同じく社畜として働く社員のほうです。
「社会人たるもの◯◯でなければならない」という彼らの「社会常識」は、以下のように決められた枠から少しの逸脱も許されないルールとして脈々と受け継がれ、後に続く若い社員達の足かせになっていくのです。
次のようなものがそのような悪しき社会常識の一例です。
- 社会人である以上、他の何よりも仕事が最優先
- 上司や先輩が残業しているのに残業しないのはおかしい
- 雪や台風の時は定時出勤できるよう自主的に行動して当然
- 天候のせいで遅刻をするのは社会人としての自覚と責任感の欠如
- 定時出社が難しいという問題を解決できない人は仕事もできない
上下の人間関係が厳しい組織によく見られることですが、「自分がかつて苦労したことは下の者にも経験させるべき」であると信じて疑わない人はいるものです。
さらに悪いことに、「自分が苦労した当時より今の人のほうがはるかに楽」と思い込んでいる人もいます。
そのように凝り固まった発想が、社畜であることを押し付ける結果につながっているともいえるでしょう。
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昔からの習慣が必ずしも正しいとは限らない
例えば、昔は運動の途中で水を飲むのは良くないといわれていましたが、現在はそれとまったく逆の認識です。
もし指導者がそのことを知らずに古いやり方を選手に押し付けるなら、命にかかわるような大事故が起きる可能性があります。
会社組織もそれと同じで、「昔からのやり方が正しい」という思い込みからくる「会社独自の変な常識」を社員へ押し付けるなら、社員の心身を危険にさらす可能性があり、結果的には会社の利益を損なってしまうのです。
社畜を良しとする社風の企業なら、1人でも社畜化に成功すれば社畜になれない人が悪いと責められるようになります。
これを繰り返しているうちに、社畜に疑問を抱く人ですらいつしか「社畜こそ社会人としての正しい姿」だと思い込まされていくことになるのです。
社畜の上司や先輩達も頑張ってきた歴史があることは認めないといけません。
ただ、変えるべきところは変えていく勇気が必要ですね。
会社最優先の社畜はすべて悪なのか
では、社畜精神を持っている人はすべて悪なのかというと、必ずしもそうとは言いきれません。
会社として明確な意思表示のないグレーな部分は、現場でルールを作って職場の秩序を保つしかないからです。
社員ひとりひとりがルールのない中で行動しようとすると、判断が分かれることによって組織としての力が弱くなってしまいます。
大切なのは、そのルールが誰かの独りよがりではなく本当に会社の利益になるかどうかということです。
雪や台風で混乱するのは自分の会社だけでなく他の会社も同じです。
定時に全員が出社して通常業務に取りかかれる企業もあれば、社員の安全を第一に考えて出社時間を遅らせたり在宅勤務を命じたりする企業もあります。
通常通りの業務に入りたくても、取引先や顧客が動けなければ仕事にならない可能性もあるのです。
重要なのは、「いかなることがあってもいつも通りに業務を遂行しなければならない」という社内ルールを作ってみんなでそれに従うことではなく、「状況に応じて柔軟かつ合理的に物事を考える」ことなのかもしれません。
まとめ
以上大雪の時に定時出勤する必要性について考察してみました。
「大雪の日でも大事な仕事があるからどうしても遅刻できない」
「1日たりとも業務を無駄にできない」
という方は、この記事を参考に大雪の日でも仕事ができるような対策を練ってみてくださいね。