現在IT業界の拡大に伴って、その基礎を支えるITエンジニアには多くの需要と供給があります。
そして浮き沈みも激しく、動きの盛んな業界だけにフットワーク軽く転職を考えるITエンジニアも少なくありません。
「残業が多くてきついから転職したい…」
「今の仕事と違うことをしたい…」
いろんなことが原因で転職を検討し始めているITエンジニアの方も多いはずです。
今回は、そんなITエンジニアたちの転職理由や面接対策について紹介します。
この記事を読むことで、あなたが転職先の採用担当者にどのように転職理由や志望理由を伝えたらよいのかがわかるようになるので、ぜひご参考下さい。
ITエンジニアのよくある8つの転職理由
ITエンジニアが転職を決断するに至った背景には、どのような理由があるのでしょうか。
ここでは、当社が行ったWEBアンケートの調査結果をもとに、ITエンジニアの転職理由をランキングで紹介します。
アンケート結果は下のようになりました。
※ITエンジニア62名を対象にWEBアンケート(クラウドワークス)にて調査。調査期間は2022年1月12日~2022年1月26日(重複回答あり)。
では、それぞれ上記した転職理由を具体的に見ていきましょう。
1.キャリアチェンジをしたいから
伸び盛りの業界とは言え、いざ仕事に就いてみると自分の適性的にあまり向いていない仕事だった。
あるいは今は平気でも、長く続けられるものではないと感じてしまったという人もいます。
もちろんそれでも折り合いを付けながらやっていく人もいますが、早々にキャリアチェンジをしてもっと自分に合った仕事を見つけたいという人もいます。
どちらが正しいということはありませんが、そうした決断が転職の理由になることも少なくありません。
2.スキルアップしたいから
自分の将来を見据えて貪欲にスキルアップをしていきたいと考えている場合、それが向いていない職場というものもあります。
単純に企業としての技術不足であったり、また会社自体が安定志向であるとか、また人事的な事情などによって個人としてのスキルアップが難しいという場合には、よりスキルアップが望めそうな会社に就職したいという気持ちが高まり、転職を考えるようになります。
3.社内評価が低い・給料に不満があるから
会社そのものは業績も良く、将来のスキル・キャリアアップなどが可能だとしても、肝心の自分の社内における評価が低ければ意味がありません。
特にそれを不当と感じ、他の会社であればもっと評価されるはずと考えているならば、それは十分に転職の理由になります。
また他に問題がなくとも、給料が低すぎて自分の働きに見合っていないと感じることがあれば、それも転職を考えるきっかけになるでしょう。
4.勤務体系(休日や残業時間等)がきついから
仕事をしなければ食べていけないとはいえ、限界を超えて働き続ければ体を壊してしまうこともあります。
休みが少なくて落ち着くこともできなければ精神的な余裕もなくなりますし、友人や恋人とも疎遠になってしまうかもしれません。
そうした勤務体系は職場環境に由来することが多く、根本的に解決することは中々難しいため、ならば転職して職場を変えるしかないといった決断をすることもあるのです。
5.会社の将来性に不安があるから
これからますます需要が増し、拡大していくと考えられるIT業界においては、会社も常に先を見据えた戦略を取っていかなければなりません。
また、使われる技術も日々進歩し続けているため、積極的な技術の取り込みも欠かすことはできません。
そうした点で会社に期待が持てないようであれば自分の職もいずれ失われてしまう可能性が高いので、のんびりと同じ会社に籍を置き続けることが不安になるのは必然とも言えます。
6.同僚との人間関係がしんどくなったから
職場における悩みで最も多いと言われるものの一つが人間関係です。
元からウマが合わないといったこともありますし、最初はいい関係を結べていても、ちょっとした仕事のトラブルや、同じ仕事を共同でやり続けることで少しずつズレが出てきてしまうということもあります。
人間関係が合わなくなってしまうとストレスも溜まり仕事も効率も落ちてしまうので、一度関係性をリセットしたいと考えるようにもなるのです。
7.業務内容が聞いていたことと違う
元々やりたかった業務でないことはもちろん、自分の持っているスキルや経験に合わない仕事をさせられるようであれば、転職を考える理由には十分となります。
他にも、
「自分向きでなくはないものの仕事量が尋常ではなかった…」
「将来的に得たいと思っていた知識や技術が得られそうにない…」
など、聞かされていたものと実際の業務内容に食い違いがあれば、仕事を続けていくことは苦痛になります。
8.上流工程を経験したい
一口にITエンジニアと言っても、その技術や役職には様々なものがあります。
多くのエンジニアは与えられたシステムを指示通りに組むだけで、自身が関わっている仕事が全体としてはどういうものなのか、まったく把握できていないといったことも珍しくありません。
プロジェクトはピラミッドのような構造をしており、システム全体を把握できるのは上流の工程に関わるごく一部だけです。
ただ言われたことをこなすだけでなく、そうした上流工程を自分も経験したいと転職を希望する人もいます。
ITエンジニアが採用担当者に好印象を与える4つの方法
それでは具体的に、面接においてITエンジニアはどのように転職理由をポジティブに伝えれば良いのでしょうか。
その際の内容だけでなく、心得るべき態度などについても紹介します。
1.自分のアピールに必死になりすぎるのはNG
面接では自分のアピールポイントについてきちんと相手に伝えるのは大切なことです。
自身の持つ経験や技術をしっかりと評価してもらう必要もあるためです。
しかしそのアピールが強すぎれば逆に悪い印象を与えてしまうことにも気をつけなければなりません。
企業の公式サイトや採用ページをしっかりと読み込み、自分と企業の求める人材がマッチしているかを冷静に、客観的に伝えられるようにしましょう。
2.身勝手な返答や思い上がった態度は絶対に避ける
ある程度自分のスキルに自信を持っている転職希望者の場合、知らず知らずのうちに不遜な態度を取ってしまうという人もいます。
また年齢もある程度になるとプライドが邪魔をしてしまうこともありますが、企業の側からすれば職場に馴染めるかどうか、協調性があるかといった点においてマイナスにしかなりません。
あらためて自分は雇われる側ということを意識して、謙虚な態度で協調性をアピールするようにすることが大切です。
3.志望企業で働きたい理由を明確に伝える
面接官が知りたいのは、相手が自社で長く誠実に勤め続けてくれるかということです。
そのため、曖昧な志望理由しか述べられないITエンジニアの評価は自ずと低くなってしまいます。
そうした人はいずれ、より良い条件の就職先が見つかればすぐ辞めてしまうだろうと思われるためです。
そうならないためにも、あえてその企業を志望した具体的な理由を、しっかりと明確に伝えるようにしましょう。
4.熱意や意気込みも伝える
面接では志望理由や自己分析など、冷静で論理的な考えを伝えられることも大切ですが、採用の決め手としてもう一つ、熱意も大きな要素となります。
理屈だけの人間はどこか冷めた印象も与えてしまい、人間として今ひとつ信頼性に欠けるようにも見えてしまうところがあります。
理屈だけではなく、やる気や熱意もしっかりと相手に伝えることで、信頼できそうな人物ということを強く印象付けることができるのです。
ネガティブな退職理由はポジティブな志望理由に言い換える必要がある
ITエンジニアが転職を考えて次の職場を探している場合、転職先での面接においては前の会社の退職理由についても伝えなければなりません。
退職には人それぞれに理由があり、円満に前向きな退職をすることもあれば、不満があってあまり前向きではない理由で退職することもあります。
しかし、仮にネガティブな理由であっても、それをそのまま採用担当に伝えてしまっては、「この人はうちに来てもすぐに不満が出そうだ。」と判断されて不採用になってしまう可能性が高いです。
嘘をつくのは良いことではありませんが、事実自体は変えずに、たとえば「人間関係に不満があった」ならば「より協力し合える職場を求めて」と変換するなど、なるべくポジティブな志望理由に言い換える必要があります。
ITエンジニアが面接でアピールできる志望理由の回答例
面接での言動は、転職志望先の会社からの第一印象になります。
面接に通過できるか、ふるいに掛けられる際の判断材料になるため、あなたのキャリアやスキル、転職理由・志望理由などを、コミュニケーション力を使ってアピールする必要があります。
では実際に面接に臨む際にはどのようなポイントを意識した答え方をすればよいのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
キャリアチェンジをしたい場合の例文
キャリアチェンジをしたい場合は、なぜITエンジニアの職に就きたいと思ったのかを具体的に表現する必要があります。
「ただ、なんとなくITエンジニアの仕事をしたい」というのではこの複雑で根気と努力がいる試行錯誤の世界で続けていけるのかと不安を持たれ兼ねません。
今まで自身が携わってきた仕事で培ってきたことをアピールすることがおすすめです。
例えば、
など、安心材料を与える答え方をするといいでしょう。
スキルアップをしたい場合の例文
スキルアップは同じ業界からの転職の場合が多いため、即戦力になってもらえると思ってもらいやすいですが、面接の際の伝え方には注意が必要です。
今までいた会社に不満があるから、など、ストレートに伝えてしまうと、好印象は期待できません。
例えば、
などと、自分自身が出来ることを増やし、より高度なITエンジニアとして働きたいから転職したい、といった伝え方をするとよい印象を持ってもらいやすいです。
社内評価を高めたい、給料を上げたい場合の例文
とてもデリケートな話題であるため、慎重に言葉を選びながら、自身が提示する給料や待遇に見合うスキルのアピールをする必要があります。
この場合も、現職の不満を言ってしまうことはおすすめできません。
自身の技術が活かせそうな分野への転職であることを前提とし、
ただ、会社側の評価軸と自分の希望が合致していないと感じ、上司にもその旨を相談しましたがその状況は半年間変わりませんでした。
今後も年収が上がらない不安が募ってきたため、私の強みを活かせる御社で活躍の場を広げたいと思いました。」
と自身ができることを明確にした上で希望する最低ラインの金額をやんわり伝えるといいでしょう。
ひとつ注意点ですが、自分の希望年収が妥当かどうかわからない場合は、自ら年収額を伝えるべきではありません。
転職エージェントの担当者に相談してから面接に臨むのがよいでしょう。
勤務体系(休日や残業時間等)を改善したい場合の例文
Tエンジニアは休日が少なく、残業時間も多い仕事ですが、この状況を改善するために面接を受ける場合は、状況を改善するために努力をした結果であることを伝えるのがポイントです。
このように、体調管理ができる企業であると、残業時間の少ないことを暗に伝え、部下同士で話し合ったことも聞いてくれる企業であることに賛同したといった内容を伝えるようにしましょう。
前職の人間関係が原因で転職した場合の例文
人間関係が原因で転職する場合は、直接人間関係に問題があって転職したというのは控えましょう。
直接伝えてしまうことで、こちらも人間関係の悪化に問題があると思われるからです。
そういった点も加味し、ITの業務にあたってチームワーク、人の輪を大切にした勤務の姿勢を示すことがポイントです。
私の希望は、周囲の方々と連携を取りながら協調して仕事をしたいと考えています。」
と伝えることによって、面接担当者にも好印象を与えることができるでしょう。
人間関係がよさそうな職場だからといったような理由は、入社しないと分からない部分が多いので安易に使わないようにすることも重要です。
業務内容をマッチさせたい場合の例文
業務内容をマッチさせたい場合は、前職の不当な評価や希望しない仕事をしていたといったネガティブな回答は控えましょう。
ポイントとしては、これまで努力したことや実績について説明できることが挙げられます。
また、前職ではどのような環境下でもアウトプットを怠らず継続できたことを評価していただけました。」
といったように、ピンチの場面でも頑張れる人材であることをアピールするのがおすすめです。
上流工程を経験したい場合の例文
これまで、中流、あるいは下流工程を経験してきた方が転職を希望する場合は、そのまま希望を伝えるようにするのがポイントです。
前職でもスキルアップに励んでいたこと、前職の経験を通じて、より興味を持つようになったことを重視して伝えるようにするのが重要です。
ITエンジニアが面接前に知っておくべき3つのこと
1.面接は2~3回行われることが多い
ITエンジニアの採用選考においては、多くは採用先の部署の担当者による技術面接が中心となります。
回数も2~3回というところが一般的です。
このほかに人事や役員との面接もあります。
そのため面接の日程調整が重要となります。
転職活動においては採用先の企業も今の仕事の都合があることを理解しているため、休日や夜に面接を設定してくれることも多いです。
面接予定日に急に仕事が入ったなどで都合が悪くなったときも、早めに事情を話して相談すれば対応してもらえることがほとんどです。
もちろんあまりに無理を言っても印象が悪くなりますが、通常の事情は考慮してもらえます。
ただしあまりにドタキャンが続くようでは仕事の進め方が下手なのではなどとマイナスにとられる可能性もあるので、注意しましょう。
2.基本的なビジネスマナーを確認しておく
面接においては一般的なビジネスマナーを再確認しておきましょう。
転職であればすでに社会人としての常識は身についている人がほとんどですが、それだけに面接官の見る目も厳しくなります。
スーツなど清潔できちんとした身なりで印象を良くしましょう。
またITエンジニアはITスキルが重要なのはもちろんですが、意外とコミュニケーション能力も重要になります。
ITエンジニアの仕事においては顧客との打ち合わせも多く、コミュニケーションに不安があるとマイナスとなります。
受け答えなどはしっかりできるよう、基本的なマナーは外さないようにしましょう。
3.筆記試験がある企業もある
面接以外にも筆記試験がある企業もあります。
面接などの日程が決まったら合わせて確認しておきましょう。
一般常識や適正を問われるだけでなく、プログラミングスキルなど専門知識についてもチェックされることがあります。
ITエンジニアは英語の資料にあたることも多いので英語の試験があるケースもあります。
筆記試験対策としては付け焼き刃ではすぐボロが出るので、日頃からスキルを高めておくことが大切です。
SPIがあるようであれば、問題集を解いておくと良いでしょう。
【転職成功率を上げるコツ】面接対策にも転職エージェントを活用する
転職エージェントは求人情報を紹介してくれるだけでなく、さまざまな転職活動をサポートしてくれます。
面接日程の調整をしてもらえるので、これだけでも忙しい転職希望者は活用をおすすめします。
また面接対策の支援もしてもらえるので、自分のアピールポイントが良く分からないなどの場合にも相談してみると良いでしょう。
ITエンジニアにおすすめの転職エージェント3選
ITエンジニア転職を考えている方で、転職エージェントの利用を検討されている方も多いものです。
しかし、ひとことで転職エージェントと言っても、それぞれに得意分野や掲載されている求人の内容が違うため、選び方を間違えてしまうと、転職活動がうまくいかないなどといったことに繋がり兼ねません。
自身に合わせたものをうまく活用することが大切です。
レバテックキャリア
今まで培ってきた技術を活かしてスキルアップ転職をしたいと考えている人向けの転職エージェントです。
どちらかというと、一つの技術を使った作業というよりも、さまざまな技術を幅広く使って役立てていく仕事が多いです。
エンジニア特化で、15年の実績があるため、受けようとする企業の選考基準を掴んでおり、それに合わせた履歴書や職務経歴書作りなどをサポートして頂けます。
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IT業界の若手向けの求人が多数揃っている転職エージェントです。
キャリアアドバイザーがIT業界に精通しており、その業界の人にしか分からない事情を把握しているので、技術や選考する企業に関しての相談がしやすいといったメリットがあります。
非公開求人も多数用意されており、ここでしか見ることができない求人を紹介してもらうこともできます。
今まで触れてきた技術を使った転職はもちろんのこと、スキルアップ転職ができる求人もたくさんあります。
※マイナビのプロモーションを含みます。
ギークリー
転職タイプ診断アプリなどを使って適性を出した上で、IT業界に精通しているアドバイザーにより、自身のスキルと企業が求める求人を適切に把握して、マッチングする職場を探してもらうことができます。
面接や履歴書・職務経歴書対策なども丁寧に行なってもらえるので、初めての転職の方も安心です。
働く前のサポートだけでなく、実際に企業で働いている人の声を聞ける口コミサイトなども用意されており、求人だけでは分からない、企業の体質や内部事情なども知ることができます。
ITエンジニアの転職に安心して任せることができるエージェントです。
まとめ
今回はITエンジニアの転職理由や志望先での面接対策などを紹介しました。
最後に当ページの内容をもう一度振り返ると、
- ITエンジニアはキャリアチェンジやスキルアップしたいという転職理由が多い
- ネガティブな退職理由をポジティブな志望理由に言い換える必要がある
- 面接では前職での事実を伝え、企業側が納得のいく志望理由を伝える
の3つが挙げられます。
「転職理由を上手く伝えて確実に採用されたい!」
そんなITエンジニアの方は、ぜひ当ページを参考にして面接で伝える際のコツを学んで面接に臨んでみてくださいね。