本業で介護職をしている人のなかには、副業による収入を得ている人がいます。
これをダブルワークという言い方をしますが、介護業界では通用するのでしょうか。
介護職員が仕事を掛け持ち?
副業に対する考え方
以前は多くの企業では、社員が副業することを禁止するような就業規則を設けているところが一般的でした。
しかし、近年では副業を認めたり、むしろ推奨したりする企業が増えてきました。
もちろん、介護の分野でも同様のことがいえます。
本業で介護職員をしている人が、副業でパートタイムやアルバイト等の雇用形態で、仕事をすることができるようになりました。
勤務先の配慮・承諾があれば、ダブルワークで仕事を継続することも可能です。
Bさんの場合
たとえば、本業であるA施設で介護職員として働くBさんの例を挙げてみます。
Bさん、20代後半、男性。BさんはA施設の正社員・介護職員として働いています。週3~4回の日勤と、週1回の夜勤が基本で、週に1日~2日の公休を取っています。
Bさんは最近発売された新車購入のためにお金を貯める必要があり、この1~2日の休みの時間を使ってお金を稼ぐことができないか検討していました。
タイミング良く地方紙の求人広告欄に、C施設が夜勤専属のアルバイトを募集していることを知りました。早速、これに応募して勤務するようになりました。
よって、本業はA施設で介護職員、副業としてC施設にて夜勤専属で勤務しています。
時間は限られていますが、うまく施設と調整することでダブルワークが可能となります。
副業、ダブルワークのデメリット
以前に比べて副業がしやすくなったとはいえ、副業やダブルワークにはデメリット・リスクがあります。これを紹介します。
身体的・精神的疲労
施設によっては副業を推奨していないところがあります。
理由は、職員の身体的・精神的疲労が蓄積することによって、本業の介護業務に悪影響が出るのではないかという懸念からです。
実際、先述のBさんは本業も副業も介護業務を行っています。この場合、勤務時間帯が不規則になるばかりでなく、身体的・精神的な疲労は大きいものと思われます。
確定申告
副業で収入を得た人で、1年間の収入が20万円以上ある場合は、確定申告をしなければなりません。
以前は会社に内緒で副業して収入を得ていた人がいたようですが、近ではマイナンバーと所得が紐付いていることから、隠れて副業して収入を得ることが難しくなりました。
確定申告が難しいと思っている人や、面倒だと思っている人、事情により確定申告ができない人からすれば、デメリットであるといえるでしょう。
介護分野以外で副業を行うケース
先ほど紹介したBさんの場合は、本業でも副業でも介護業務に携わっていましたが、この節で紹介するDさんは、本業では介護業務、副業では飲食店に勤務するケースです。
Dさんのケース
Dさん、30代前半、女性Dさんは介護福祉士を養成する専門学校を卒業した後、ずっと高齢者介護のデイサービスで勤務してきました。
恋愛対象となるパートナーはいなくて、彼女自身も必要とは思っていません。
趣味は年に数回、友人たちと一緒に行く海外旅行です。これが最もの楽しみです。
Dさんはこの旅行資金を作るために、副業でお金を稼ごうと思い、上司に相談しました。
施設側へ相談した結果
副業はOKであるが、介護分野の副業は推奨しないとの回答でした。理由は、身体的負担が大きくて、本業に悪影響が出る恐れがあるという理由からでした。
Dさんとしては、夜勤専属アルバイトをすることで手っ取り早く、短期間で稼ごうと思っていたのですが、予定が変わりました。
しかし、いまさら海外旅行を諦めることなどできません。
迷った挙げ句、Dさんは自宅近くのラーメン屋さんでアルバイトをして、旅行費用を捻出することにしました。
ラーメン屋での副業
週に2~3回程度、19時~22時までの勤務。
仕事内容は主に注文を取ったり、お客様にラーメンを出したり、会計したり。一般的な飲食店アルバイトの内容と同じです。
アルバイトとはいえ、副業になりますので上司に相談・報告しました。
介護業務とは全く異なる飲食業ということで、施設側も最初は戸惑いましたが、最終的には副業を認めました。
Dさんのように、副業する目的や目標が明確で、かつ本業に悪影響が出にくいと判断されればダブルワークは問題無くできるものと思います。
注意点
この記事を読んで副業を始めようと検討している人もいるかと思います。
副業を行うにあたり、注意するべき事項がありますので記します。
あらかじめ本業側に相談を
以前と比べて副業がしやすくなったとはいえ、本業側に全く相談せずにするのは賢くありません。
必ず上司や同僚にあらかじめ相談して、了承のうえで副業をするようにしましょう。もし、会社側に秘密にして副業をした場合、バレてしまったときのリスクが大きいです。
処分内容は会社の就業規則によってまちまちですが、場合によっては懲罰を受ける恐れがあります。
本業を疎かにしない
本業で軽微なミスが続いてしまったとします。周りの上司や同僚のなかには「副業をやっているから本業が疎かになる」と批判的な視線を向ける人がいます。
ミスの原因が副業ではなくても、本業が疎かになると「副業=悪」という誤った雰囲気が社内に出て、もっと副業がしにくくなることを避けましょう。
本業側に不利益を与えるような副業
本業によって得られる情報等を用いて、副業先に利益をもたらし、結果的に本業側に不利益を与えることは許されていません。
たとえば、先述のDさんがデイサービスに勤務していて、利用者に関する情報を管理する役職に付いていたとします。
Dさんが副業で訪問介護事業所に勤務して、本業デイサービスで得られた利用者名簿を使って、有利に営業して利益を出したとします。
結果的にデイサービス側が不利益を被った場合、損害賠償を請求される恐れがあります。
副業先が本業と利害関係に無いか確認が必要です。
健康に留意を
本業と副業の両立は、自身が体調のマネジメント、時間のマネジメントが最も大切です。
収入を得る目的で副業をして、それが原因で身体が悪くなってしまい、本業を辞めてしまった、など本末転倒にならないように注意しましょう。
介護職員の副業、ダブルワークのまとめ
まずは職場の就業規則で副業が認められているか必ず確認をしましょう。
以前に比べると副業がしやすくなったとはいえ、上司や同僚にあらかじめ相談しておき、了承を得たうえで副業を開始することです。
本業側の了承、協力、配慮をもらったうえで副業をおこなうことが理想的です。
いつ副業先が見つかるか分かりませんので、副業先を見つけて履歴書を書くのではなく、いつ出してもいいように履歴書を数枚書いておきましょう。
今はスマートフォンで簡単に仕事を検索することができる時代です。
本業をしながら副業の就職活動を行うことが難しい場合は、各種転職サイトや、副業の紹介サイト、人材派遣会社のサイトなどを見て登録することが便利です。
何のために副業をやるのか、ゴールをどのように設定し、達成したら副業を辞めるのかどうなのかを最初に決めた方が良いです。
「収入がほしいから」とぼんやりした目的で始めるよりも、「一年間で○○円貯金する。貯金できたら副業を辞める」といった明確なゴールを設定して、割り切って副業を行う方が本業にも影響が出にくいのではないでしょうか。
掛け持ち勤務はどうしている?
知り合いの看護師の場合ですが掛け持ち勤務で派遣で行っている人からのお話しです。
私の知り合いの看護師さんは派遣とパートでかけもちをされています。主の所はパート勤務でその他が派遣としていくつかの所に派遣されて勤務されています。
月に2,3回の勤務先の所なで回数が少ないようですが、同じ所が多いようで派遣先も同じ場所ですと勤務しやすいかもしれませんね。
看護師の方は比較的派遣勤務でも単発的な勤務も可能で、その時どきに違う場合もあるようですが、基本的には、なれた場所での派遣の勤務が多くなるようです。
介護士の場合もパート勤務などでの掛け持ちは可能と思いますが、フルタイムで掛けもちの場合は同業種ですと難しい(体力的に)かもしれませんね。
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