再就職手当とは?手当をもらうための条件やメリット・デメリット

意外と知られていない再就職手当の概要と、もらうための注意点を紹介

転職することを決意したとしても、期待だけではなくいろいろと不安なこともあるでしょう。

特に考えておかなければならないのは、再び安定した給与をもらうまでの生計をどうやって立てていくかです。

当たり前のことですが会社を辞めて転職活動をしているときは、どこからも給与は支給されません。

また、転職に成功して働き始めたとしても、最初の給料日までは最大で1ヶ月程度あります。

今回は、気になる転職活動中のお金の話、特に「失業保険と再就職手当について解説していきましう。

失業保険(失業手当)と再就職手当

転職活動中も生活費はかかります。

勤務先までの通勤費やワイシャツのクリーニング代など、かからなくなるものあるかもしれませんが、支出で大きな割合を占める家賃や食費については減ることはありません。

その他にも光熱費、スマホやインターネット代なども変わらずに必要です。

転職活動にかかる期間は1ヶ月だけというように決まっているわけではないため、その間の生活費を全て自分で何とかしろと言われてしまうと、転職へ踏み出せなくなりますよね。

そんな転職期間や転職後を支えてくれるものとして失業保険や再就職手当があります。

失業保険(失業手当)

転職活動中の支えとして最初に思いつくのが失業保険だと思います。

言葉自体を聞いたことがないという人はいないと思いますが、退職すれば自動的に支給されるというわけではありません。

失業保険を受け取るための手続きをしないといけないのはもちろんですが、その他にもいくつか条件があります。

一番大きいのが「就職をする意思があること」です。

次の勤務先を探すためにすぐに転職活動をおこなうのであれば問題はありませんが、転職のための資格を取るために数ヶ月間学校に通うといった場合は注意が必要かもしれません。

また、退職理由が会社都合か自主都合かによって支給開始までの期間に差があったり、雇用保険の加入期間によって支給される日数に差があったりと、知っているようで知らないことも多いのが失業保険です。

もちろん支給される金額についても年齢や賃金によって違います。

失業保険についてのより詳しい情報については、下の記事をご覧ください。
失業保険について、必要最低限の知識を得ておきましょう。失業手当(雇用保険)のもらい方から多く受給する方法まで一挙解説【失業保険受給のすべて2022年版】

再就職手当

失業保険に対して、再就職手当というのは聞いたことがない人も多いのではないでしょうか。

漢字を見て想像できるかもしれませんが、再就職が決まった後でもらうことのできる手当になります。

受け取ることができるまでには再就職後1ヶ月程度かかるため、再就職によって失業保険が止まってから新しい勤務先で給与をもらうまでの支えとはならないかもしれません。

ただ、もらえるものはもらっておきたいですよね。

実際に転職を経験したことがある人の中には、「再就職したときに手当なんかもらってないよ」という人も多いはずです。

実は、再就職した人の全てが再就職手当をもらえるわけではありません。

失業保険がそうであるように再就職手当についても、受け取るためにはいくつかの条件を満たしている必要があるのです。

再就職手当をもらうための9つの条件

どのような条件を満たせば、再就職手当を受け取ることができるのか見ていきましょう。

1.失業保険給付日数残が3分の1以上であること

再就職先への入社日の前日、つまり失業期間の最終日の時点で、失業保険の給付日数が3分の1以上残っている必要があります。

これは、支給日数が残して再就職することで、本来支給されるはずだった失業保険の一部をまとめて受け取るといった意味合いが再就職手当にあるためです。

失業保険は、「働かなくてもお金がもらえる制度」と言い換えることもできます。

働く意思を見せるためにハローワークに通ったりする必要はあるものの、失業保険の受給期間を趣味やステップアップのための勉強のために使って、支給が終わるタイミングで再就職したいと考える人もいるでしょう。

しかし、失業保険をギリギリまで受け取って、再就職手当も受け取るということは制度上出来ないので注意しましょう。

2.受給手続き後の待機期間(離職票提出後7日間)満了後であること

退職後、ハローワークで失業保険の受給のために手続きをするわけですが、これには退職した会社から離職票を提出してもらう必要があります。

なかなか離職票を郵送してくれないという会社もあるようですが、そうでなくても10日程度はかかります。

離職票を持ってハローワークで手続きをおこなうと、そこから7日間は待機期間と呼ばれます。

この待機期間は、失業保険も受け取ることが出来ないのですが、この待機期間内に再就職した場合は、再就職手当も受け取ることができないのです。

「離職票を提出後+7日間」を満了後、再就職手当をもらえる資格を得ることになります。

3.ハローワークか人材紹介会社を経由して再就職先を決めること

自己都合で退職をした場合、給付制限を受けてしまいます。

給付制限がある方は、待機期間満了後の1ヶ月間は、「ハローワーク」か「厚生労働省が許可済みの人材紹介会社」経由で再就職しなければなりません。

なかには、知り合いを頼って早々に再就職先を見つける人もいるかもしれませんが、もし、そのような場合で再就職手当を受け取ろうとしているなら注意しておきましょう。

4.再就職後1年以上にわたって勤務する見通しであること

何でもいいから職に就けばいいというのであれば、短期のアルバイトをすることで再就職手当を受け取ることもできてしまいます。

そうならないために、再就職後1年以上は継続して勤めることが前提となっています。

もちろん、どういうかたちで再就職したとしても、その後1年以内に辞めてしまう可能性はあります。

しかし、日雇いや短期のバイト、契約期間が3ヶ月や半年となっている契約社員の場合は、契約更新を数回おこなわなければ1年を超えないため、再就職手当をもらうことはできません。

1年以上の勤務を続けることが前提と聞くと、正社員が思い浮かぶと思います。

それ以外にも契約期間が1年以上の契約社員や、そもそも契約期間が決められていないパートなどの場合も、再就職手当を受け取ることができる可能性がありますので、確認してみてください。

5.退職したばかりの会社とはへ再度就職しないこと

辞めてすぐに同じ会社に再就職したとしても、再就職手当を受け取ることができないのは、再就職手当をもらうために一度辞めて入り直すことを防ぐためです。

また、同じ会社ではなかったとしても、子会社やグループ会社のように関係が深い会社への再就職の場合は、受け取れない可能性があります。

6.過去3年の間に再就職手当や常用就職支度手当を受け取っていないこと

過去の受け取り経験についても同様で、再就職手当を受け取るために退職と就職を繰り返すことを防ぐための条件です。

3年あれば、個人の生活環境も会社の状況も変わるため、再び転職を考える人も転職をせざるを得ないようになる人もいるため、過去3年の間というのが妥当かどうかは分かりませんが、現在はそのようになっています。

7.雇用保険に加入していること

再就職先の会社で雇用保険に加入することが必須になります。

雇用保険の被保険者にならなければ、再就職手当を受給することはできません。

8.受給資格決定前に、再就職が決まっていないこと

前の会社の退職時点で再就職先が決まっている場合は再就職手当を受給することはできません。

9.再就職手当の支給決定日までに退職しないこと

再就職手当が支給される前に退職をした場合、再就職手当を受給することはできません。

再就職手当をもらうメリット

再就職手当は早くに仕事が決まった方が、仕組み上より多くもらえます。

就職が決まってこれから新しい仕事、生活が待っている状況で必要になる物も出てくるでしょう。

仕事を失っていて経済的に余裕がないと、必要な備品などの購入に充分な資金がかけられないということもあります。

そんなときに再就職手当が入れば、

「仕事に必要な物やスーツなどを用意することができる」
「再就職先に関する業務知識や業界知識のインプット、その他の準備ができる」

といったメリットがあります。

また、社会的には

「離職率が減り、雇用安定につながる」

という良い側面もあります。

再就職手当に加えて新しい仕事の給与ももらえて、経済的な余裕が生れます。

将来が見えない、または手元にゆとりがない状態に陥るのを避けることにつながるため、再就職手当もある状況は心の安定につながります。

再就職手当をもらうデメリット

再就職手当をもらうと失業保険は打ち切りになります。

そのため、働かずにもらえる金額としては少なくなります。

特に失業保険がもらえる期間は

  1. 被保険者の期間が長い
  2. 失業時の年齢が高い

この2つであればあるほど、長期間もらえます。

逆に言えば、この条件に当てはまる人は、急いで再就職手当をもらうよりも、じっくり失業保険を貰いながら仕事探しをしたほうが、トータルで支給される額は高くなります。

また気を付けたいのが再就職手当がもらえるタイミングです。

前述のとおり、失業保険の残日数が3分の1未満になってから再就職をしても、再就職手当はもらえません。

つまり、早期の就職に当たらないので対象外となります。

再就職手当を目指すなら、失業保険の残日数の早い段階であることが重要です。

終わりに近づいてからでは損をしてしまう可能性も高いので早めに準備しておきましょう。

再就職手当の支給額やタイミングは?

支給日数が3分の1以上残っていることが再就職手当を受け取る条件ですが、どのくらい支給されるのかも気になるところです。

再就職手当の額は、失業保険として受け取る1日あたりの基本手当と、支給日数の残日数を使って計算することが出来ます。

再就職手当の額の計算方法
【基本手当 × 支給日数の残日数】

によって、支給日数の最後まで失業保険を受け取った場合の合計額が分かりますよね。

この合計額全てを再就職手当として受け取ることができれば言うこと無しですが、そうはいきません。

実際には、ここで計算した金額に”給付率”をかけた額が再就職手当となります。

給付率は支給日数がどの程度残っているかによって変化します。

具体的には

  • 残日数が3分の2以上の場合は70%
  • 残日数が3分の1以上、3分の2未満の場合は60%

となります。

次に再就職手当を受け取る手順とタイミングについてです。

受け取るには、ハローワークに「再就職手当支給申請書」を提出します。(再就職日の翌日から1ヶ月以内に提出)

再就職手当支給申請書の印刷は下の厚生労働省のサイトからできます。

参照:厚生労働省:再就職手当支給申請書 – 利用上の注意

申請書と合わせて「雇用保険受給資格者証」と再就職先からの「採用を証明する書類」が必要になります。

その他にもハローワークによって提出を求められるものがあるかもしれませんので、直接確認をするようにしましょう。

参照:再就職手当の支給状況(厚生労働省)

1ヶ月ほどの期間がかかる

必要な書類を提出してもすぐに支給されるわけではありません。

書類に不備が無かったとしても、実際に支給されるまでには最低でも1ヶ月程度はかかってしまいます。

これは、実際に再就職先で勤務を継続しているかを確認するための期間です。

条件の中に、「1年以上勤務し続けることが見えている」とありましたが、勤務の継続を確認したタイミングで辞めてしまっていては、再就職手当を受け取ることはできません。

再就職手当を受け取るためにとりあえず再就職してすぐに辞めてしまうというのを防ぐための対応なのでしょう。

失業保険を満額もらうより早期に再就職するメリットは大きい

失業保険の期間中に再就職をおこなうメリットについて、直近と先々の金銭面について見てみましょう。

まず直近ですが、残っている失業保険の一部をまとめて受け取るわけですから、「失業保険と再就職手当」だけを考えれば、受給期間いっぱいまで失業保険を受け取ってからの転職のほうが有利だと言えます。

しかし、実際にはそんな簡単な話ではありません。

と言うのも、再就職手当を受け取って失業保険の給付が終わるということは、新しく仕事に就いたということです。

つまり、新しい会社からの給与を合わせて考える必要があります。

もちろん再就職したからには働かなければならないわけですが、失業保険と比べて給与のほうが多いことが一般的なため、早く再就職することによるメリットは大きいでしょう。

失業保険の受給期間を越えての転職活動はきつい

転職活動をしている間は、生活費の一部を失業保険に頼るわけですが、失業保険の給付が終わることを考えると不安になります。

生活費の全てを貯金で賄わなければいけなくなるとなると、焦りも感じるでしょう。

就職活動をおこなうときに、なかなか内定をもらえない状態が続くと、少し規模の小さい企業や志望と異なる職種についても候補に入れるというのは良くある話です。

転職活動でも焦って再就職先を探したために、多大な労力を使って転職したにもかかわらず、環境や待遇が悪くなってしまうということになるかもしれません。

その結果、短期間のうちに再び転職活動をすることになっては元も子もありません。

貯金が十分にある場合や、やりたいことが明確で妥協せずに転職先を見つけることができる人は別ですが、ゆとりをもって転職活動することで自分の納得できる転職がおこなえる可能性は高くなるはずです。

納得した再就職ができれば先々の収入アップにも繋がりますよね。

失業保険の給付期間いっぱいでの再就職が向いているケース

「早期に再就職するメリット」を読んでもらうと分かるかもしれませんが、早期に再就職をおこなうデメリットというのはほとんどありません。

しかし、失業保険を最後まで受け取ることで、その期間を有効に活用できるのであれば、そういった選択肢もありでしょう。

例えば、まったく異なる職種への転職をする場合などが当てはまるケースです。社会人を経験した後で本当にやりたいことが見えてくるというのは珍しくありません。

本当にやりたいことをするために転職したいと思っても、経験も知識も無い転職者を受け入れてくれる企業ばかりではありません。

給付期間を使って勉強することで、よりよい転職先を見つけることができたり、再就職後の業務が円滑におこなえるようになるのであれば有効な時間だと言えるでしょう。

あるいは、再就職先で業務をおこなうために資格や免許が必要で、それを取得するために時間が使うという場合も同様です。

まとめ:再就職手当を意識せずに自分に合ったタイミングで転職活動をしよう

今回は、再就職手当について紹介しました。失業保険と比べて、あまり知られていない再就職手当ですが、きちんと理解しておいて損はありません。

再就職手当支給の条件を満たしていても、申請をしないことには受け取ることができませんので、再就職が決まったときには自分が当てはまるかどうかを確認するようにしましょう。

早期に再就職するメリットや、失業保険を最後まで受け取ってからの再就職が向いているケースについても紹介しましたが、必ずこちらが正解という答えはありません。

失業保険と再就職手当という制度があるわけですから、それぞれ利用する人がいることを想定しているということですよね。

どちらが得かではなく、どちらが自分の転職の目的を実現するために合っているかを考えて再就職のタイミングを考えるようにしましょう。

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