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優秀な人が会社を辞める理由ランキング | 328人アンケート調査で判明した退職前の兆候と対処法

優秀な人が会社を辞める理由ランキング

優秀な人材がある日突然辞めていまうといったケースは、多くの会社で見られます。

「うちの会社は優秀な人ほど辞める傾向にある…」
「なんで辞めてしまうのだろう?」

と思うのも不思議ではありません。

優秀な人材の退職は、企業にとって大きな損失ですよね。

今回は、328人の方を対象にアンケートを実施し「優秀な人が辞めてしまう理由」に関する調査をしました。

優秀な人材が退職する前の兆候や対策についても聞きましたので、ぜひご参考ください。

<調査概要>
対象者:社会人経験のある25歳以上の方
回答者数:328名
調査期間:2023年11月17日~12月1日
調査方法:Webアンケートによる回答

回答者の年代別割合

優秀な人が会社を辞める理由第1位は「待遇面への不満」

優秀な人が会社を辞める理由第1位は「待遇面への不満」
今回の調査結果では、優秀な人材が会社を辞める理由の第1位は「待遇面への不満(106人)」でした(n=456 複数回答可)。

具体的には、給与や福利厚生、評価制度などに対する不満が挙げられます。

2位「今の仕事にやりがいを感じられない(75人)」、3位「会社・事業に将来性を感じない(54人)」には今の仕事や会社の将来に対する不安を挙げる理由がランクインしました。

ここからは、アンケート結果をもとに具体的な回答例とあわせて、優秀な人材が会社を辞める理由ランキングを紹介していきます。

1位 待遇面に不満を感じる

1位は「待遇面に不満を感じる」でした。

優秀な人材は、自身の能力や価値を理解しており、それに見合った待遇を求める傾向があります。

そのため、大きな要因の一つになるのが給料です。

給料が同業他社と比べて劣っていたり、仕事に見合った賃金を得られていないと感じて不満を抱きやすくなるケースが多く見受けられます。

社内のデキる人は「上司や先輩を見て昇給が望めないから」と言っていた。(男性 43歳 総務)
 
給料が同業他社と比べて悪い。残業が多く、有給も思うように使えない。(女性 32歳 デザイナー)
 
仕事量に対して給料が安い。いくら個人が成果を出しても会社全体の業績が上がらず、ボーナスが減ったり、なくなったりした。(男性 30歳 営業)
 
優秀な人は仕事で会社に少なくとも大きな利益を出しているにも関わらず、仕事に見合った賃金が支払われていない。(男性 46歳 エンジニア)

2位 今の仕事にやりがいを感じられない

第2位は「今の仕事にやりがいを感じられない」でした。

優秀な人材は、自身の能力やスキルを活かして、社会に貢献したいという意欲が高い傾向があります。

取り組んでいる仕事にやりがいを見出せないと、退職を考えるようになります。

やりがいを感じられないという主な声は、以下のようなものが挙げられます。

個人として描いているビジネスビジョンを企業内で実現できなくなってきている(時間の制限や環境等)ため、それを叶えるために退職を選ぶ人が多い。(男性 35歳 人事・総務)
 
他の会社に勤めた方が、やりがいをより感じると思うから。もう今の会社で結果を出し続けるほどのモチベーションが湧かない。(男性 27歳 企画営業)
 
事業環境の変化等によって、自分の能力を生かすことができるような業務じゃなくなってきていてやりがいを感じられない。(女性 29歳 営業)

3位 会社・事業に将来性を感じない

取り組んでいる事業や業界の将来性に不安を感じていたところに、他社からの引き抜きがあったから。(男性 45歳 エンジニア(開発部門))
 
在籍している社員は定年間際のベテランか新人や経験年数が少ない人たちばかりで、中間の層がすっぽりといない。企業の将来性に限界を感じている。(男性 34歳 経理)
 
人材育成プランやサポート体制が整っていなく、いつまで経ってもチーム力の底上げを感じない。(男性 38歳 生産管理)
 
長期的な経営戦略が確立されていない。(男性 32歳 営業、渉外、企画)

第3位は「会社・事業に将来性を感じない」でした。

会社の将来性や事業の成長性に不安を抱くと、容易に他社への転職を考え始めます。

  • 会社の経営状況や人材が不安定
  • 業界の将来性が不透明
  • 会社の事業戦略が明確でない

といったことが退職の原因です。

4位 上司が無能、尊敬できない

上司が職務怠慢&無能だと分かった時。(男性 30歳 企画・マーケティング)
 
基本的に「年上は偉い」という固定概念を持っていたり、下の人の意見を聞き入れない(意見を出せる状態ではない)ような社風だと、優秀な人が見切りをつけて退職していくような気がします。(男性 42歳 人事・労務)
 
社長がワンマンすぎて、無為無策にも上司が従うため、下に迷惑がかかる。(男性 28歳 技術営業)
 
上司が頑迷あるいは高飛車あるいは独善的。思いつきで方針をコロコロ変えたり、口出しをしたり、仕事を増やしたりいきなり、その提案をやめたりして、とにかく居心地が悪い。(男性 32歳 宣伝・広報)

第4位は「上司が無能、尊敬できない」でした。

優秀な人材は、自身の能力やスキルを活かして、高い成果を上げたいと常々考えています。

結果を出すことにコミットメントする部下を後方支援してくれる上司の存在が必要不可欠になってきます。

それなのに上司が「柔軟な意見を持ち合わせていない」「自由闊達な議論ができない」「職務怠慢気味」な態度だと、優秀な人のモチベーションは下がり、そんな職場に見切りをつけて退職していきます。

5位 年功序列で閉塞感がある

体制が古く、年功序列や接待など昭和のような文化のある会社。(女性 26歳 小売業)
 
年功序列で本人の努力や能力に応じて報酬アップがなく、出世できない古い体質の会社。(男性 31歳 バイヤー)
 
優秀なことよりも会社や上層部の考えを重視することに重きをおくため、評価や出世に不満がたまりやすい(男性 42歳 WEBプロデューサー)
 
出来ないシニアがポジションと給与を囲い込んでいつまでも自分たちに回って来ず嫌気がさした模様。(男性 38歳 人事)

第5位は「年功序列で閉塞感がある」でした。

年功序列制度によって、成果に応じた正当な評価や報酬が得られないと、仕事への意欲が低下し、優秀な人材の流出につながってしまいます。

年功序列による閉塞感を解消するためにも、成果主義の導入や、公正な評価制度の早急な構築が必要です。

6位 成長できる機会がない

このままここに居ても自分の能力を最大限に発揮できないと悟った人から辞めていく(男性 30歳 マーケティング)
 
優秀な人はより自分が成長できそうな企業が他にある(男性 34歳 財務・会計)
 
今の会社ではいろいろやりきった感がある。他にやりたい仕事が出てきた。(男性 30歳 商品開発)
 
優秀な人は、セールスポイント・ストロングポイントがあって成長意欲も強く、自分の人生プランに合わせて他社にステップアップすることが容易にできる(他社に自分を売り込むことができる)。なので退職しやすい。(女性 28歳 広報)

第6位は「成長できる機会がない」でした。

今の職場では「自分の能力を発揮できない」「成長余力はもう残されていない」と感じると、仕事への意欲が低下し、退職しやすくなります。

成長できる機会を増やすためには、ジョブローテーションや異動の機会の拡大、教育・研修の充実、挑戦的な仕事の機会の提供などが有効です。

7位 人事評価・査定に不満がある

仕事ができるのにそれに対して人事評価・報酬が釣り合わない。(男性 31歳 エンジニア)
 
財閥系の企業等で親会社の影響が大きく、自分ががんばっても親会社からの出向者よりも評価・待遇が良くなることがほぼないことが明らかでした。優秀な人ほど外資系他に転職しているように思います。(男性 28歳 営業)
 
会社や上司の評価基準に偏りがある。(女性 25歳 調査研究)

実力があって会社にある程度貢献しているのに、利益の還元が十分でなく、正当に評価をされていないと感じて、転職したりする人がいました。(男性 48歳 経営企画)

第7位は「人事評価・査定に不満がある」でした。

「評価基準に偏りがある」「仕事と報酬が釣り合わない」「評価基準が不明確」といった声が多かったです。

人事評価・査定が公正でないと、社員の不満や不信感が募る原因となります。

社員が納得できる人事評価・査定を行うことで、優秀な人材の定着を促すことができます。

8位 裁量権がなさすぎる

優秀な人はその仕事に見合った裁量権を求める人もいます。その要望に会社が応えられなかったり、仕事のやり方に限界が見えたりしたら、モチベーションが低下して退職を考えると思います。(女性 30歳 営業)
 
仕事の決裁権をなかなか譲ってくれないところ。役割が明確化されすぎて柔軟に仕事を進めることができなく効率が悪い(男性 36歳 人事)
 
結果を出すことに焦点を絞って仕事をしても、会社側は細かいことに口出ししすぎる。能力を発揮することや伸ばしていくことが求められていない(旧態依然の踏襲が最善とされる)(男性 29歳 ディレクター)

第8位は「裁量権がなさすぎる」でした。

優秀な人材は仕事のゴールさえ与えれば、自身の能力やスキルを最大限に活かして、自発的に最高の結果を出そうと努めるもの。

指示出しが細かかったり、決まりやルールが多く自由に仕事ができない状態だと、仕事への意欲を失わせてしまう可能性が高いです。

成果を最大化させるためにも裁量権を拡大して、チャレンジングな環境を整えてあげる取り組みが有効です。

9位 社内の人間関係が良くない

古株社員ほど古いルールや派閥争いに勤しんでいて、風通しが悪い(男性 32歳 販売促進)
 
人間関係が複雑で職場の雰囲気が悪い(女性 27歳 貿易事務)
 
保守的な社風で新しいことにチャレンジしようとする人や、やる気のある人を煙たがる人が多すぎる(男性 43歳 営業企画)

第9位は「社内の人間関係が良くない」でした。

社内の人間関係が悪いと、円滑なコミュニケーションが取れず、仕事に集中できなくなるため、優秀な人材は定着しにくくなります。

同僚との信頼関係を構築できなければ、仕事の目標や問題点などは共有できません。

ストレスや不安を感じずに働けるように、職場全体での意識改革やコミュニケーションの活性化、ポジティブな雰囲気づくり急務です。

10位 頑張るほど仕事が増える

優秀な人に仕事が集中しやすい状況が起きやすく、疲れてしまう人が多い。(男性 33歳 保険業)
 
いくら成績を出しても仕事量は増える一方なのに、あまり給料には繋がらない。(男性 40歳 営業)
 
組織系統がうまく行っていなく、仕事ができる一部の人に仕事が集まってしまう状況が起きても会社はなんの対策もしない。(男性 30歳 法人営業)
 
無理な仕事ばかりさせたり、その人ばかり頼りにしていた。(男性 26歳 生活関連サービス)

第10位は「頑張るほど仕事が増える」でした。

優秀な人は判断力があり優先順位のつけ方にも迷いがありません。

優秀な人は処理能力や判断力が高いため、仕事が早いです。

ゆえに通常の仕事に加えて、難易度の高い仕事、新しい仕事が集まりやすくなります。

仕事量が増えるのに、評価や給料は上がらないとなると、徐々に疲弊して不満をためてしまうという悪循環に陥りかねません。

11位 体育会系のカルチャーが合わない

成果主義が強い会社でした。社員同士の連帯感や絆の深まりがすごくて、ある時からついていけなくなりました。(男性 25歳 営業)
 
飲みニケーションが命の体育会系の商社で、会社の行事には嫌々参加していて辛かった。あのノリと厳格な上下関係が肌に合わなかった。(男性 28歳 事業企画)

第11位は「体育会系のカルチャーが合わない」でした。

仕事ができる人の中には上下関係が厳しく、精神論がまかり通る体育会系の雰囲気の組織文化を嫌う人が多いです。

体育会系のカルチャーに馴染めず、退職を考える人もいます。

12位 汎用性のあるスキルが身に付かない

業界の最新の技術や知識を用いた新しい取り組みや提案がまったく受け入れられず、このままだとガラパゴススキルしか身につかないと感じた(男性 29歳 エンジニア)
 
与えられた業務さえやっていればいい、といった感じで自分の技量を正当に推し量ってくれない(男性 34歳 エンジニア)

第12位は「汎用性のあるスキルが身に付かない」でした。

優秀な人材は、会社のリソースを活用して自身の能力やスキルを最大限に発揮しようと考えています。

さらには、継続的に成長していく過程で、自社のみならず他社でも活躍できるようなスキルの獲得も目指すのが普通です。

自身の市場価値を高められるような汎用性のあるスキルが身に付かないと、嫌気が差して退職してしまいます。

13位 転勤が多い

転勤がない会社と聞いていたが実際は転勤だらけ。(男性 36歳 営業推進)
 
求人票には「転勤なし」とあったのに、入社して2年ほど経ってから転勤させられた。(男性 31歳 MR)

第13位は「転勤が多い」でした。

転勤が多いことに幻滅したという回答もチラホラありました。

家族や友人との離別や生活環境の変化を避けたいと思う人がいるのは当たり前ですよね。

転勤によって仕事に慣れるまでに時間がかかったり、仕事の成果が出にくくなったりするのを不安に思うのも不思議ではありません。

自分の会社が「優秀な人が辞めていく職場」だと感じた人は47%

自分の会社が「優秀な人が辞めていく職場」だと感じた人

自分の会社が「優秀な人が辞めていく職場」だと感じた人は、全体の47%に上りました。

調査対象者のうち、ほぼ半数の人が“優秀な人が自分の会社に定着しない”と思っているようです。

企業の成長や発展に大きく貢献するであろう人材の退職を防ぐためにも、何らかの施策を実施していくことが重要なのでしょう。

優秀な人が会社を辞める時の兆候第1位は「徐々に業務中の集中力が低下する」

優秀な人が会社を辞める時の兆候第1位は「徐々に業務中の集中力が低下する」

優秀な人が会社を辞める時の兆候についても聞いてみました。

一番多かった回答は、「徐々に業務中の集中力が低下する(43%)」でした。

以降は2位「打ち合わせや会議での発言数が減少する(25%)」、3位「社員とのコミュニケーションを避けがちになる(12%)」、4位「兆候はなく、突然辞める(12%)」の順になりました。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1位 徐々に業務中の集中力が低下する

第1位は「徐々に業務中の集中力が低下する」でした。

優秀な人でも仕事内容にやりがいを感じなくなったり、上司や同僚との関係が良好でなくなったりすると、仕事への意欲が低下し、集中力がなくなる様子が見られるようです。

今行っているプロジェクトを早めに終わらせようとする様子が見て取れる(男性 31歳 エンジニア)
 
以前までテキパキ働いていた方が、急に手を抜いたり、頑張らない姿を見せ始めた。(女性 35歳 看護師)
 
マニュアル的なものを独自で作り始める(自分がいつでも辞めれるように)。(男性 40歳 人事)

これらの兆候が見られたら、退職を検討している可能性を疑ってみるとよいでしょう。

2位 打ち合わせや会議での発言数が減少する

仕事に対する情熱やモチベーションが低下しているようで、以前は積極的に提案や改善をズバズバ行っていた人が、やる気がなくなって消極的になっていました。(男性 55歳 マーケティング)
 
以前は業務や会社の課題て間違ったところがあれば、きちんと言っていた人が、複数回意見しても上層部が対応しないと見るや何も言わなくなった。(男性 28歳 エンジニア)
 
何に対しても意見しなくなり、黙々と完璧に仕事をこなすようになった。(男性 36歳 営業)

第2位は「打ち合わせや会議での発言数が減少する」でした。

優秀な人材は普段から仕事にやりがいを感じ、会社に貢献したいという思いが強く、打ち合わせや会議では、積極的に発言し、自分の意見や考えを述べる人が多いものです。

ただし、退職を決意したあとはモチベーションが低下して急に発言が減ったり、発言内容が消極的になったりすることがあります。

3位 社員とのコミュニケーションを避けがちになる

結婚して子どもができたタイミングだったのもあり、家族優先にしたいと思われた時かなと思います。(女性 30歳 営業)
 
明らかに社内での交流に積極的でなくなる(男性 32歳 人事)
 
急に無愛想になったり、距離感ができたりして、これまでと接し方が変わってくる。(女性 26歳 プランナー)

一方で、「急に表情が柔らかくなり、優しくなった。」という反対の意見も見られました。

第3位は「社員とのコミュニケーションを避けがちになる」でした。

プライベートでのライフステージに変化があったり、会社に対して不満や不信感を持っていて退職へと気持ちが傾いている場合、周囲の人とコミュニケーションをとるのを避けがちになることがあります。

優秀な社員がこのような兆候を見せたら、早めに原因を探り、退職を未然に防ぐための対策を講じた方がよいでしょう。

4位 兆候はなく、突然辞める

ほとんど社内の人には言わず、いつの間にか転職活動を始めていて、いつの間にか退職していく(男性 33歳 営業)
 
事前に誰かに相談している様子もなく、急に引き継ぎの資料作りを始めたりする(男性 28歳 エンジニア)

第4位は「兆候はなく、突然辞める」でした。

優秀な人が突然辞める理由は、さまざまありますが、本心は周囲の人ではわからないことが多く、突然辞めるというケースも少なくありません。

会社の人に事前に相談すること無く、転職活動や引き継ぎ業務を始めていたりするものです。

優秀な人が辞めてしまうことによる影響第1位は「生産性が低下する」

優秀な人が辞めてしまうことによる影響第1位は「生産性が低下する」

優秀な人が会社を辞めてしまうことによる影響を聞いたところ、一番多かった回答は「生産性が低下する(37%)」でした。

2位以降のアンケート結果とともに詳しく紹介します。

1位 生産性が低下する

プロジェクトの進捗が遅れがちになり、また、人員を外部から調達するので、結果的に会社としては赤字を出すようになる(男性 33歳 社内SE・プロジェクトマネージャー)
 
優秀な人が辞めてしまったことで取引先が何社か減って、売上・利益の減少が明らかになり、また、総合的な社員の質が低下しているのがわかる(男性 44歳 総務・人事)
 
優秀な人は多くの仕事をこなしているので、それまでのやり方を完全に踏襲できるはずもなく、引き継いだ人はこなしきれない。周りもフォローするのでみんなが疲弊する。1人分以上の人手不足に陥る。(男性 28歳 エンジニア)

第1位は「生産性が低下する」でした。

優秀な人材は売上に直接的な貢献をしているケースが多いため、退職してしまうと、その分の穴を埋めるのが難しくなり、生産性の低下を招きかねません。

さらには、優秀な人材が担当していた業務を引き継いだ人が完全に遂行できるはずもなく、仕事の遅延やミスにつながることもあります。

2位 残った社員のモチベーションが低下する

他の社員のしわ寄せがくる。特に引き継ぎした人へしわ寄せがすごく、責任のある仕事を複数抱えることになって消耗する。(男性 52歳 経営企画)
 
新人の頃は憧れの先輩が何人かおり、その先輩たちを目標に日々頑張って働いてきました。しかし、気付けばその先輩たちも働いていた病院を辞めてしまい他の病院へ転職、、、。それにより、ショックと共に、目標となる人がどんどん居なくなり、自分自身のやる気も薄れていきました。(女性 31歳 看護師)
 
退職者のコミュニュケーション能力やリーダーシップ力が高いほど、他の社員への心理的影響が大きいとひしひしと感じる。(男性 34歳 営業)

第2位は「残った社員のモチベーションが低下する」でした。

会社にとって重要な戦力だった人材が辞めてしまうと、残った社員は大きなショックを受けることになります。

業務の穴を埋めるために、これまで以上の負担を強いられることになって疲弊し、仕事のやりがいを見失ったりして、モチベーションが低下する傾向にあるので注意したいところです。

3位 ノウハウや技術情報が流出するリスクが出る

優秀な人は売り上げを伸ばせるノウハウが分かっているので、その人を失えば、他社へノウハウの一部は流れて行ってしまうと思います。(男性 42歳 技術職)
 
美容界ではよくあることなんですが、優秀な方はやめたら独立してしまいます。そうすることでお客さんもスタッフももっていかれて、お店ごと潰れる会社が多いです。他の業者でもそうかと思います。(男性 28歳 美容業)
 
小さい会社ながらも技術開発に重きをおいていた会社なので、できる社員が競合他社に転職されると大きな損失となる(男性 50歳 品質保証)

第3位は「ノウハウや技術情報が流出するリスクが出る」でした。

優秀な人材は、会社のノウハウや技術情報を熟知していることが多いです。

そのノウハウが他社へ一部でも流出するリスクは避けられないでしょう。

従業員が退職した後のノウハウや技術情報の管理を徹底して、企業の競争力や信用を守る必要があります。

4位 企業としての評判が悪化する

短期間に数人の営業社員が辞めたことで、取引先から「御社は大丈夫ですか?」と不安がられることがあった。(男性 34歳 営業)
 
社外の人から納品速度が以前より落ちたね、といった声をちらほら聞くようになりました。(男性 53歳 製造業)

第4位は「企業としての評判が悪化する」でした。

優秀な人材は、取引先からの評判や企業の業績や社会的地位の向上などあらゆる点で会社の評価を高めている存在です。

そのような人材が辞めてしまうと、取引先からの信用度が下がったり、企業の魅力や価値が低下して採用活動が難航したりする可能性も考えられます。

優秀な人材を手放さないための対処法は「評価制度や報酬体系を見直す」が半数超

優秀な人材を手放さないための対処法は「評価制度や報酬体系を見直す」が半数超

優秀な人材を手放さないための対処法として最も多かったのは「評価制度や報酬体系を見直す」で、52%に上りました。

結果の詳細をご紹介します。

1位 評価制度や報酬体系を見直す

その人の能力や価値観を正しく認識し、適切な評価や報酬を与えることが重要だと思っています。(男性 56歳 技術職)
 
私が働いていた職場では1年に1回の評価でしたが、定期的に上司との面談があったり、評価されることでここのモチベーションが維持できるのではないかと思いました。(男性 34歳 マーケティング)
 
経営者や上司がきちんとした評価と手当てを付けてあげる事で、優秀な方が辞めていくリスクが減らせ活躍できる場も確保できると思います。(女性 33歳 販売事務)

第1位は「評価制度や報酬体系を見直す」でした。

企業は優秀な人材を長期的に確保するために、社員の頑張りや成果を公正に評価して、それに見合った報酬体系にすることが望ましいです。

優れた人材は、企業の成長や競争力強化に欠かせない存在です。

適切な評価制度や報酬体系にすることで、社員のモチベーションアップにつながり、優秀な人材の定着を図ることができるようになります。

2位 労働環境や業務量の改善を図る

優秀な人には仕事が集まって過度な負荷がかかっていることが多いです。残業時間の削減や、有給休暇の取得促進など、働きやすい環境を整えることが大切だと思います(女性 26歳 企画立案)
 
給料だけでなく福利厚生も充実させる必要がある。テレワークなどを導入して、従来の働き方にこだわらないことも重要。(男性 31歳 総務)
 
勤務時間を短くして体調面に配慮したり、人員を多めに確保し、急な休みでも対応出来る環境や雰囲気作りが必要だと思います。(女性 28歳 看護師)

第2位は「労働環境や業務量の改善を図る」でした。

社員が仕事に集中し、やりがいを持って働くことができる環境の構築がキーになります。

働きやすい環境が整っていると、社員のモチベーションや生産性が向上し、優秀な人材の定着につながります。

具体的には、以下のような点を整備することが考えられます。

  • 残業や休日出勤を減らす
  • 有給休暇の取得を促進する
  • 福利厚生や教育制度を充実させる
  • ワークライフバランスを重視する
  • 人間関係を良好に保つ

社員が仕事とプライベートの両方を充実させ、会社の人間関係を良好に保つことができれば、長期的なモチベーションの維持を図ることができます。

3位 風通しの良い職場づくりを推進する

優秀な人材に限らず、ある程度は社員の意見や提案などを受け入れる仕組みが必要だと思う。やらされる意識でなく、主体的に関わっている意識を持って業務に取り組んでもらい、会社の根幹となる人材であることを自覚させたい。(男性 46歳 人事)
 
社員が自分の意見や考えを自由に発言できる機会を増やしたり、1on1ミーティングで優秀な人が抱えている問題や悩みの早期発見を探る機会をつくるべきです。(男性 38歳 管理職)

第3位は「風通しの良い職場づくりを推進する」でした。

働く人のコミュニケーションを促進させ、社員同士の信頼関係が築いて風通しの良い職場をつくれば、社員同士の交流が盛んになり、おのずと自由な意見交換を自発的に活発化させることができ、仕事も円滑に進むようになります。

考えられる施策としては、

  • 社内SNSやコミュニケーションツールの活用
  • 社内報やメールマガジンで社内情報の発信・共有
  • 社員アンケートやヒアリングを実施する
  • 社内研修やイベント、勉強会の開催
  • 上司と部下の対話の促進(1on1ミーティングなど)

などです。

社員間の関係を良好にすることができれば、ストレスなく仕事に全力投球できるようになるでしょう。

まとめ

以上、優秀な人が会社を辞める理由についての調査結果を紹介しました。

今回の調査結果の内容をまとめると、

  • 優秀な人が会社を辞める理由は「待遇面への不満」が多数
  • 自分の会社が「優秀な人が辞めていく職場」だと感じた人は半数近くもいる
  • 優秀な人が会社を辞める時の兆候は「業務中の集中力低下」が多い
  • 優秀な人が辞めてしまうことによる影響は「生産性の低下」
  • 優秀な人材を手放さないための対処法は「評価制度や報酬体系を見直す」

ということがわかりました。

優秀な人に長く働いてもらうには、適切な評価と報酬を与え、過剰な業務を担わせないことが大切です。

優秀な人材が辞める理由を把握し、退職を防ぐための対策を今一度考えてみてはいかがでしょうか。