入居施設と、訪問介護の違いは皆さん何となくご存じだと思います。
入居施設=利用者が施設に入って生活する。
訪問介護=自宅にいる利用者の元へ介護者が訪れる。
ざっというとこんな感じカモ?
「利用者に介護を提供する」という面で、二つの事業所は大きく変わらないのですが、実際に就職すると、この二つの事業所は仕事の仕方が違います。
では、就業時間の違いは?仕事形態の違いは?資格の有無で仕事内容は変わるのか?を説明しましょう。
訪問介護はお昼の仕事だけ?
就職するにあたって、お給料の次に気になるのが就業時間。
入居施設は名前の通り入居している利用者の生活を支えていくので、24時間勤務、夜勤もあります。ですが、訪問介護はいかがでしょう?お昼のみのイメージが強いのではないでしょうか。
実は夜間対応型訪問介護というものもあります。これは名前の通り、夜間の対応なので夜勤もあります。ですので、訪問介護だからと言って全てがお昼の仕事だけというわけではありません。夜勤が苦手だから、訪問介護に行きたいという方は、サービスの内容をしっかり確認したほうがいいですね。
「利用者を介護する」のに、入居型・訪問型の仕事の仕方が違うのは何故?
基本的に「身体介護」「生活介護」を行うという事柄に大きな違いはありません。
ですが、「施設にある設備を使って介護をする」と「自宅にあるもので介護をする」では大きく違います。
例えば、施設では入浴のお手伝いをする分にも「入浴を手伝う」を前提に作られたお風呂場で行うので大きくお風呂は作ってあり、必要な場所に手すりも備えてあります。ですので、介護がしやすくなっています。訪問では普通に一人で入る前提のお風呂で介護しなければいけないので、介護するにはやや狭く、動きにくく介護がしにくいことが多いです。
おむつ交換をする分にも、施設では必要な物品がきちんと持ち場にあり、必要になればすぐに取りに行けます。しかし、訪問では自宅にあるものを上手に使い行わなければいけません。
この二つの例から分かるように、訪問には高い介護技術が必要とされている場面が多くあります。
また、訪問には利用者に「提供してはいけない」事柄があります。利用者の家族の家事(洗濯・調理・買い物など)や、庭の草むしり・植木の手入れ、ペットの世話など高齢者が困ることが多い事柄が実は禁止されています。しっかりとした線引きがあるので、ある程度の知識も必要です。
しかし、訪問が大変な事ばかりではありません。施設ではたくさんの利用者を相手にするので慌ただしい時間が多くゆっくりと利用者と接することが難しい場面が多くあります。その分訪問は常に一対一なので、ゆっくりと利用者の希望を聞きながら、利用者の要望に沿って介護を行えます。
介護に資格は絶対必要?
正直、介護は「未経験歓迎」という施設が多いのが現状です。ですが、資格を取ればお給料はもちろん、責任ある仕事も増えていきます。
施設でも、訪問でもまず一番にあるといい資格は介護職員初任者研修です。こちらの資格は誰でも受講でき、修了試験に合格すれば取得できる資格なので、是非持っておきたい資格ですよね。
実務者研修という資格もあり、こちらは順序良く取得すれば介護職員初任者研修の次に取得するものですが、初任者研修を受けなくても受講することができます。ただし、内容が初任者研修の内容を理解した上での受講という位置づけなので、やや難しくなります。こちらの資格を取得すると現場で「サービス提供責任者」という仕事が出来るようになります。この資格も施設・訪問共に利用でき、責任ある仕事を任されるようになります。
代表的な介護福祉士は、3年以上の実務経験が必要となりますが、こちらは国家資格なので信頼性が高く持っていることで転職にはとても有利になります。
施設と訪問の違いが少しお分かりいただけたでしょうか。
現在入居施設で働いている人は技術がついてきたら訪問にチャレンジしてみても自分のスキルの確認にも役立ちますし、現在訪問で働いている人は一度技術の基礎を学ぶために入居施設にチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。
入居施設・訪問介護それぞれに「やりがい」があるので、体験してみるのも将来の自身のスキルにも繋がりますね。
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