内定が出るまでの流れについては理解していても、内定後にどのような流れで話が進んでいくかについては意外とわからないものですよね。
内定後にやるべきことはまだまだ多く、在職中であれば退職に向けての準備を始めなければなりません。
せっかく頑張って勝ち取った内定でも、その後の対応に不備が重なると、転職先にも前の職場にも迷惑をかけてしまいうことになります。
そこで今回は、内定後に何をすればよくわからないという方のために、必要な情報をまとめました。
この記事を読めば、内定後の流れやするべき手続き、新たな職場でスムーズに仕事を開始できるコツが分かるようになるので、ぜひご参考下さい。
転職で内定をもらってから入社までの流れ
内定の連絡対応から入社までの流れでチェックしておきたいポイントは大きく分けて5つ。
それぞれのステップごとにやるべきことを把握しておきましょう。
- 内定通知連絡への応対
- 労働条件の確認
- 内定承諾/辞退
- 入社日/退職日の決定
- 入社手続き
1.内定通知連絡への応対
内定通知の方法は、「内定なら電話、不合格ならメール」が主流で、郵送での内定通知を行う企業はほとんどありません。
「内定通知連絡に対するレスポンスは早く」が基本。
電話にすぐ出られないとしても、応募先企業からの不在着信があることに気づいたら、できるだけ早く折り返しの電話をかけるようにしましょう。
電話の要件は内定通知のみですが、まだ他の企業で選考が終わっていないならこの時点で正直に伝えましょう。
他社の選考結果が出るまで内定を保有してくれる企業がほとんどです。
2.労働条件の確認
第一志望の企業からの内定をもらえたとしても、すぐに承諾せずに労働条件をしっかり確認することが大切です。
この部分を怠ってしまうと入社してから後悔することになりかねません。
内定通知後、「労働条件通知書」や「労働契約書」が手元に来たら、書かれていることをくまなくチェックします。
これらの書類を用意していない企業や、用意はあっても内容が乏しい企業もあるため、最低限確認しておくべきポイントと照らし合わせて読むことが大切です。
最低限チェックしておきたい労働条件
- 給与額と賞与額
- 勤務形態、勤務時間、休憩時間
- 時間外労働、休日出勤の有無、時間外手当
- 交通費の有無やその他支給される手当の有無、金額
- 社会保険
- 勤務地
- 休日、長期休暇、有給休暇
チェックしておくとさらに安心なこと
- 給与の締め日と支払日、支払い方法など
- 昇給、転勤、異動、出向
- 退職金
- 休職・退職
- 配属部署、職種、仕事内容、交代制の有無
- 契約期間、契約更新(有期雇用ありの場合)
- 試用期間(試用期間ありの場合)
3.内定承諾/辞退
内定を承諾するか辞退するかは、労働条件を確認したらなるべく早く決断してください。
できれば条件確認後2日から3日以内、遅くとも1週間以内には先方に伝えます。
内定者が複数人いる状況なら承諾の早い人から確定されて、遅い人は内定辞退とみなされることもあるため注意が必要です。
この段階においてまだ他社の選考が続いているようであれば、内定の保留をお願いしてみましょう。
返答日を決めて伝えておくと受け入れてもらいやすいですよ。
保留する際の注意点
保留はできても2週間ぐらいが限度。
保留を申し出た際に入社の意思が弱そうだと思われてしまうと、印象を悪くしてしまう恐れがあるため慎重にお願いしたいところです。
厳密に言えば入社日前日まで内定辞退は可能です。
企業によっては内定承諾について書面で約束を取り交わすこともありますが、法的拘束力はなく事実上無効な約束と言えるでしょう。
しかし、入社ギリギリの内定辞退はマナー違反。
「内定辞退の連絡はできるだけ早く」が原則です。
みんなの内定辞退の理由を聞いてみた
せっかく内定をとったのにも関わらず、なぜ内定辞退をしたのでしょうか。
その理由についてアンケートを取ってみました。
調査対象者: 日本在住の23歳から35歳までの男女
有効回答数:28名
インターネットの情報が全てなわけではないですが…(25歳・女性)
インターネットでの評判がすこぶる悪く、某掲示板サイトではその企業を名指しで批判している記事を多く見かけました。
その中には、残業時間が多い割に給料が少ない、といった内容が記載されていました。
その他にも、その企業を批判する記事を多く見かけたので印象が悪くなりました。
インターネットの情報を鵜呑みにしてはいけないとはいいますが、もしこれが事実だった時に、自分の人生どうなっちゃうんだろう…と考えると恐怖でしかなくなったため、内定辞退を決意致しました。
辞退した業界・職種:物流 事務
悪くはなかったけれど、第一希望でもなかった為、内定辞退(29歳・女性)
食品業界で働きたくて、食品メーカーを中心に就活をしていました。
この内定を辞退した会社も非常に魅力的で、働いても良いなと思っていたのですが、第一希望ではありませんでした。
第一希望の会社は、周りの人がみんな知っているようなお菓子を取り扱ってるいる会社でした。
2社の間に収入や勤務時間などはあまり差がなく、有名な会社だからという自分の見栄のためでしかなかったのですが、そちらでも内定が出たので先に内定が出ていたこの会社は辞退させて頂くことになりました。
辞退した業界・職種:食品メーカー 営業
どうしてものときは内定を断る勇気も必要です。
内定辞退の方法については「転職時の内定辞退はメール?電話?マナーと礼儀を踏まえた失礼のない方法を解説」で詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてください。
4.入社日/退職日の決定
内定を承諾したら、今後は入社日を決定します。
無職ならすぐにでも入社できるかもしれませんが、在職中なら入社日の前に退職日を決定しなければなりません。
入社日から1~2ヶ月前には退職を切り出す
法律的には最短2週間で退職できるとはいえ、区切りよく退職するために1~2ヶ月ぐらいの期間を要することもあるでしょう。
ここで転職先と今の職場の板挟みで苦しまないためにも、円満退職を目指して行動しましょう。
退職の切り出し方で失敗すると、引き止め交渉が長引いてしまい、希望日の退職が難しくなることもあるので要注意です。
職場を混乱させないためにも、まずは直属の上司に退職の意思を伝えてから退職願を提出しましょう。
退職の強い意思を示し退職日と入社日を早めに確定させよう
引継ぎや残務整理などには可能な限り協力するとしても、退職の意思だけは揺らがないという姿勢をはっきり示すのが円満退職のコツです。
退職日が確定したら今度は入社日を決めます。
転職先の企業が待てるのは内定から約3ヶ月程度と考えておきましょう。
中途採用を実施する企業は人手不足になっているケースがほとんどなので、入社日が早ければ早いほど嬉しいというのが本音です。
「仕事をキリよく片付けること」
「引継ぎをすること」
にどの程度の時間がかかるかよく考えてから申し出るとよいでしょう。
5.入社手続き
入社手続きに必要な書類には、退職手続きの時に受け取る書類もいくつか含まれています。
スムーズに入社手続きを行うためにも、退職する会社と入社する会社双方の書類をきちんと管理しておきましょう。
退職時に受け取るもので入社手続きの際に必要なもの
- 年金手帳(会社に預けている場合)
- 雇用保険被保険者証
- 源泉徴収票の原本
その他提出する書類
- 労働契約書
- 扶養控除申告書
- 健康保険被扶養者異動届
- 誓約書
- 給与振込先の届書
- 住民票
- 身元保証書
自己分析に企業研究、履歴書や職務経歴書の作成に面接対策と、内定までにやるべきことも多いです。
「内定決まってからまだこんなにやることがあるのか~!」って思うはず。
しかし、ひとつひとつのステップを丁寧にクリアしていけば必ずゴールは見えてくるので頑張りましょう!
転職活動はなお続く!内定後のスケジュール
内定の知らせを受けてからは、条件確認、内定承諾、退職日、入社日の調整など対応に追われる日々ですが、入社に向けてやるべきことはまだまだ続きます。
企業によっては、特別な場を設けて内定者を招待し、積極的に以下のようなコミュニケーションをとることもあります。
- 条件面談(オファー面談)
- 会食
- 健康診断
- 職場見学
それでは詳しく紹介していきます。
条件面談(オファー面談)
選考目的の面接とは別に、「条件面談(オファー面談)」を設定する企業もあります。
条件面談で主に話されるのは条件に関することであり、選考には影響しないのが基本です。
内定前の条件面談で年収についての交渉を行う場合は、希望額だけでなく最低限度額についても伝えておきましょう。
採用を急ぎたい企業などは、入社希望日が選考に影響することがあります。
内定後の条件面談は、内定を承諾した後に場を設定していることが多く、詳細な条件のすり合わせというよりは、疑問点や不明点、その他気になっていることについて質問し、入社への不安や迷いを払拭することが目的となります。
詳しくは「条件面談(オファー面談)で確認すべき6つのこと。後で後悔しないために油断するのは禁物です」というページで解説しているのであわせてお読み下さい。
会食
入社前に社員と内定者で親睦を深めようということで、会食に招待されることがあります。
この会の一番の目的は内定辞退を防ぐことで、企業側にとっては採用活動の一環という位置付けです。
先輩や同期になるかもしれない人達と直接コミュニケーションをとることで、入社後の雰囲気をよりイメージしやすくなるでしょう。
入社する意思がある人なら、入社前から先輩や上司との良い関係を築くチャンスになり、また、入社するかまだ迷っている人なら良い判断材料になります。
会食の参加を断ったからといって選考に響くことはありませんが、よほどの事情がない限り参加しておいたほうがいいかもしれません。
健康診断
正社員を雇用する企業は、人を雇い入れる時に健康診断を受けさせなければならないと法律で定められています。
受診の時期は決まっておらず、内定を承諾してから入社までの間に受診するよう指示されることが多いです。
医療機関を企業から指定される場合と自分で探す場合とがあり、費用が自己負担か会社負担かは企業の判断によります。
健康診断の目的は入社後の社員の健康管理であって、選考の結果を左右するものではないというのが原則です。
ただし、業務が困難になるほどの結果が出た場合には、内定の取り消しに発展する可能性もあります。
職場見学
内定者の迷いや不安を払拭し、仕事への期待を高めてもらうため、企業側が積極的に職場見学を企画することがあります。
職場見学では、実際に働いている社員の表情、服装、職場の雰囲気などを直接見て確認することができるため、自分がそこで働く姿をイメージしやすくなるでしょう。
内定者にとっては新しい転職先を知るためのメリットが多い
条件面談や会食、職場見学を通して企業のことをより深く理解することができるから、内定者にとってはメリットがいっぱいです。
退職に入社にといろんな処理で忙しい時に時間を作るのは大変かもしれないけど、参加しておくといいことあるということを覚えておきましょう。
転職活動も後半戦!内定後の退職手続きをチェック
内定後から入社までの流れを確認したところで、退職手続きの流れを把握しておきましょう。
以下の4つのようなフローです。
- 退職希望日を決める
- 退職日を決定
- 業務の整理と引継ぎ
- 退職
上記した流れについて詳しく解説します。
1.就業規則に沿って退職希望日を決める
まず、退職を申し出る前に会社の就業規則をよく読みます。
少なくとも1ヶ月前までに退職を申し出るのが一般的ですが、会社によって規定が異なるため、就業規則の内容に沿って退職希望日を決めましょう。
退職希望日については、取得可能な有給休暇の日数を前もって確認し、有休消化分も含めて考えておく必要があります。
2.退職日を決定
次に、上司に退職を申し出て退職日を決定します。
引継ぎや有休消化についての相談もこのタイミングで行います。
退職日が決定したら、後日退職願を書いて上司に提出します。
3.業務の整理と引継ぎ
退職日までの間に、業務の整理と引継ぎを行い、取引先などへの挨拶を済ませておきます。
社内でお世話になった人への挨拶メールは退職日当日にしましょう。
4.退職
退職日には、会社からの貸与物やその他備品などを返却し、制服や作業服はクリーニングしてから後日返却しましょう。
- 社員証
- 健康保険証
- 通勤定期
- 名刺
- 制服や作業服(要クリーニング)
後日、会社から以下のような退職関係の書類等を受け取ります。
- 年金手帳(提出していた場合)
- 雇用保険被保険者証
- 源泉徴収票
- 離職票
これらの書類は転職先に提出されるものも含まれているので大切に保管しましょう。
【転職は好感度が大事】内定後にお礼状を出そう
必須ではありませんがあるといいのが「お礼状」です。
内定に対する感謝や今後の豊富を書いた手紙を、内定通知後できるだけ早く送ることで転職先への好感度はさらにアップします。
お礼状の大義は「内定してくれたことに対するお礼」です。
内定を承諾する人はもちろん辞退するつもりの人も、社会人のマナーとして選考に手間をかけてくれた企業にお礼を述べるようにしましょう。
お礼状を出すタイミングと書き方例
内定承諾か辞退かを伝える時がお礼状を出すベストタイミングです。
入社の意思もしくは辞退の意思が固まっているなら通知を受けてすぐ、迷っていたとしても1週間以内には先方に届くようにしましょう。
結果がどちらにしても出すことが決まっているなら、あらかじめ用意しておくとすぐに対応できます。
お礼状の書き方【例文あり】
お礼状は、縦書きと横書き、パソコンと手書きのどちらでもOKです。
筆記用具は万年筆かボールペンで。
普段から採用担当者とメールでやりとりすることが多い場合や、メールで内定通知を受け取った場合などは、お礼メールで対応することも可能です。
しかし、アナログなやり方をあえて好みそうな企業なら手紙にしておきましょう。
パソコンで文章を書き連ねるよりも、シンプルでも手書きのほうが好感度は高くなります。
郵送する場合の封筒と便箋は白色の無地で、できるだけしっかりした素材のものを使いましょう。
次の例文はごくシンプルな書き方の例です。
株式会社〇〇
人事部 〇〇様
東京都東京市1-10-100
電話番号:xxx-xxxx-xxxx
メールアドレス:xxx-xxxx-xxxx
氏名 鈴木太郎
貴社ますますご清栄のことと心よりお慶び申し上げます。
この度は、貴社より内定の通知をいただきましたこと、心より御礼申し上げます。また、面接において貴重なお時間をいただいたこも重ねて御礼申し上げます。
私も家族も内定の知らせに大変喜んでおり、貴社で働ける日を待ち遠しく思っております。
入社に向けけてさらに向上できるよう引き続き努力をして参りたいと思っておりますので、今後とも何卒よろしくお願いいたします。
敬具
上記の「私も家族も内定の~」という一文は、それぞれのエピソードに入れ替えることができるでしょう。
場合によっては添え状も
内定の承諾書とお礼状をセットで送るなら、送付する書類を記載した添え状も用意しましょう。
添え状にお礼を書いてしまうことも可能ではありますが、お礼状と添え状は別にしたほうが丁寧な印象を与えます。
株式会社〇〇
人事部 〇〇様
東京都東京市1-10-100
電話番号:xxx-xxxx-xxxx
メールアドレス:xxx-xxxx-xxxx
氏名 鈴木太郎
貴社ますますご清栄のことと心よりお慶び申し上げます。
この度は、内定の通知をいただき、誠にありがとうございます。
つきましては、お礼状および内定承諾書を同封いたしますので、ご査収くださいますようお願い申し上げます。
敬具
- お礼状
- 内定承諾書
以上
お礼状や添え状の例文を参考に、自分の言葉を自由に付け加えてみるのもありです。
そうすると、感謝の気持ちがもっと伝わりやすくなります。
【妊娠・結婚・離婚…】内定後に不測の事態が起こった場合、転職はどうなる?
転職活動中には予測できなかったようなことが内定後に起きると、どうしていいかわからずパニックになってしまうかもしれません。
しかし、人生いつどこで何があるかはわからないもの。
どんな問題にも必ず解決策はあると信じて、冷静に対処していきましょう。
内定後の妊娠・結婚はできるだけ早く報告・相談をする
本来ならおめでたいはずの妊娠・結婚も、内定後になって急にこの話が出てきたとなると、当事者同士、頭を抱えてしまうのではないでしょうか。
これからという時に言い出しにくい話ですが、今後のためにも転職先にはできるだけ早く報告をしましょう。
結婚しても契約通りに働けるということなら特に問題はありません。
ただ、妊娠となると様々な調整が必要になります。
妊娠や結婚を理由に内定を取り消されることはまずありませんが、新たな戦力として活躍を期待していた企業にとっては大きな痛手になることは間違いないでしょう。
ここで重要なのは1人で問題を抱えこまないことです。
妊娠、出産との折り合いをつけながら働くには職場の理解が必要で、入社もまだの職場なら上司との連携は必須です。
職場への影響を最小限に抑えるためにも早めに相談することが大切です。
離婚は内定に影響しない
転職活動中は既婚の状態で内定後に離婚が成立した場合、転職先に提出した書類に書かれているプロフィールと現状が異なってくるでしょう。
離婚が内定に影響することはありませんが、社会保険や年金など、入社に伴う手続きのことも考えて早めに報告しておくのがマナーです。
前職を退職できない
転職活動最大のヤマ場になるのが「退職」です。
内定が出ているのに退職できないと焦ってしまうかもしれません。
退職を申し出る前に、就業規則の退職に関する規定をよく確認して下さい。
法律では退職の2週間前までに申し出ればいいことになっています。
ただし、就業規則で1ヶ月以上前に申し出ることにしている企業もあります。
希望通りに退職ができなくなる理由として考えられるのが、退職の切り出し方の甘さです。
「退職します」と上司にはっきり伝えるのではなく、「退職したいと思うのですが・・」と相談するように意思を伝えてしまうと、さらりと受け流した後に予防線を張られてしまうこともあります。
退職を申し出るなりすんなり受理されることは期待できないとしても、必要以上に交渉を引き延ばさないための工夫は必要です。
退職引き止めはきっぱり断る
退職を引き止めたい上司から、年収アップや部署移動などの魅力的な条件をいくつも提案されて気持ちが揺らぐこともあるでしょう。
「説得すればまだ留意できるかもしれない」と思われるような態度を見せると、さらに強い引き止めにつながってしまう可能性があります。
「辞めると決めたら誰が何を言おうと辞める」
という強い気持ちを持ちましょう。
規定に従って退職を申し出ても受理されない場合は、退職届を提出しましょう。
もし上司に受け取ってもらえないなら、内容証明で会社に退職届を送ることも考えなければなりません。
もしそれでもダメなら労働基準監督署に相談しましょう。
内定後もまだ他社面接が残っている場合の対処方法
転職活動をしている人の多くが複数の企業に応募しています。
選考も終盤になれば内定の知らせが入ってくるようにもなります。
では、他にも志望企業がある場合はどうしたらいいのでしょうか。
他社応募の有無は正直に話す
他社に応募しているかどうかを面接で聞かれたら、隠さず正直に答えましょう。
複数社への応募がよくあることなのは採用担当者も理解しているため、特に心配する必要はありません。
むしろ、面接で事実に反することを話し、後でそれが発覚するほうがダメージは大きくなります。
同じ業界、職種に応募しているなら、その点も伝えることで関心度の高さをアピールすることにもなります。
業界や職種が違うなら、応募の基準にしている共通点を説明しましょう。
採用担当者が他社への応募状況を聞くのは、業界や職種に対する関心度の高さや内定後に辞退される可能性を確かめたいからです。
そのことで採用の可否を決めるわけではありません。
他社に応募はしていても、「御社が第一志望です」という強い意欲が伝わるならば、高い関心を持ってもらえるチャンスになります。
他社面接時に既に内定が出たことを伝えていい?
内定をもらっているということは、他社で必要とされていることのアピールになります。
他社も欲しいと思う人材なら自社にも欲しいという内定の連鎖が起きる可能性もあるのが複数社応募のメリットです。
この場合、どこの企業に内定をもらっているかまで伝える必要はなく、内定の数だけ答えれば十分です。
内定を保留にしてもらうことはできる?
内定を保留できるかどうかは企業の裁量によります。
「他社の選考を受けているため、結果が出るまで承諾をお待ちいただけるでしょうか」と頼んでみた結果、内定が取り消される可能性はありますが、多くの場合は待ってもらえます。
目安としては1~2週間で、それ以上は企業側の状況次第。正直に相談すればある程度の融通はきかせてくれるかもしれません。
ただし、いつになるか見当もつかないまま、理由も言わずにただ待ってもらおうとするのはNGです。
承諾するつもりのない内定は、できるだけ早く辞退しましょう。
保留があまり長くなると、結果的に承諾したとしても入社後に気まずい思いをするかもしれません。
なるべく保留にしないためにも、転職活動のスケジュール調整から気をつけておきたいところです。
企業側は内定を出した人にはいち早く入社してもらいたい
中途採用を実施する企業は、内定を出したらできるだけ早く入社してもらいたいのが本音。
複数社に応募する場合、他社の選考状況についてどこまで話すか、どのように伝えるかのさじ加減が大事です。
転職活動を上手にコントロールしないと、せっかく内定をもらったのに信用を落としかねないから注意ましょうね。
転職活動でよくある疑問「内定後」のQ&A
内定後やっておいたほうがいいことはなんですか?
中途採用の場合、即戦力として採用されていることがほとんどです。
仕事が始まるとなかなか時間が作れないかもしれないので、一般的なビジネスマナーを再確認し、企業のことや業界のことについての情報収集を行ないましょう。
これから必要になる専門知識や技術の習得などもできるだけ勉強しておきましょう。
入社までにまとまった時間があるなら資格取得を目指すのもおすすめです。
時間があるので海外旅行に行ってもいい?
もちろんOKです。
入社後しばらくは有給休暇もなく、会社規定の長期休暇以外に旅行のための休暇をもらうことも難しくなることを考えると、ゆっくり海外旅行をするのも今のうちです。
海外での体験が今後に役立つかもしれませんし、新生活に向けてリフレッシュするいい機会にもなるでしょう。
ただ、内定後の手続きがあることを確認しないまま音信不通になってしまうと、内定取り消しになることはないとしても、連絡がつかず会社に迷惑をかけてしまう恐れがあります。
お互い気持ちよく入社日を迎えるため、旅行前にやり残した手続きなどがないかよく確認してから出発してください。
内定後に連絡が来ない場合はどうすればいい?
内定からしばらく経過しても連絡がない場合、内定承諾書などの書類提出に不備がないか確認し、特に問題がないようであれば問い合わせましょう。
メールでのやり取りが可能なら、先に簡潔に要件をまとめたメールを送ってみて、それでも連絡がないなら電話で確認します。
担当者が忙しいとすぐにつながらない可能性もありますが、要件だけでも伝われば後に連絡してくれるはずです。
内定の連絡が最初の電話やメールのみで、内定通知すら届いていないような状況であれば、1週間から10日ほど待ってみてから確認します。
応募者が多く選考に時間がかかっていたり、担当者が他の業務で忙しくて対応できなかったりする状況も考えられるため、連絡する際は「お忙しいところ誠に恐縮ですが」などの気遣いの言葉を忘れずに入れるようにしましょう。
転職活動中のバイトを内定後に続けていても大丈夫?
内定後にアルバイトをすることは可能です。
ただ、中途採用の場合、少しでも早く入社して欲しいという企業が多いものです。
内定から入社までの期間が先方の都合で長引いているのでないなら、アルバイトを続けるより入社日を早めたほうがいいかもしれません。
転職活動中からアルバイトをしていたのであれば、内定が出たらすぐアルバイト先にそのことを伝え、入社に支障が出ないよう調整してもらいましょう。
まとめ:内定後がしっかりイメージできれば転職活動もスムーズに進む
転職しようと思い立った時には、内定前までのステップが気になってしまい、内定後のことまでクリアにイメージできないかもしれません。
しかし、転職活動全体の流れをスムーズにするためには、内定後の流れを最初に把握しておく必要があります。
内定後にやるべきことがはっきりわかれば、先回りして対応を考えておくことができるため、希望どおりのスケジュールで転職活動を進めやすくなるでしょう。
備えあれば憂いなし。
転職を成功させるためには計画性が大事です。
いつ内定が出てもいいように準備しておけば、あとは採用に向けて全力で頑張るだけ。
考えなければならないことがいっぱいあるけど、目標に向かってひとつずつ着実にクリアしていきましょう!